


新聞をみれば「エコ」の文字が躍っています。高断熱・高気密だからエコ、リサイクル品だからエコ、自然材だからエコ、国産材だからエコ、・・なんでもエコがつけばPRになります。それを疑わしいとはいいませんが、何となく「それだけでエコ?」という気持ちになります。
エコ=循環
エコロジーの「エコ」は生態で「ロジー」は学問。つまりエコロジーとは生態学で、そこから我々は生態系の循環を学ぼうとしています。生態系では植物が太陽光を得て生産者となり、生産物を虫や動物が食べ、その排泄物や死骸を土中の微生物が分解して、見事に共棲しながらゴミを出しません。これが循環で、お互いが循環系の中で関係づけられているので、その系からはみ出すものが現れると全体が破滅します。いま地球が危ないのは人間が循環系を無視してはみ出した活動をしているからです。
こうした問題を環境問題と呼びます。環境とは「関係をもったもの同士でつくる囲み」ですから、お互いの関係性を問うものです。
温暖化対策=省エネ
われわれがエコロジーに目覚めたのは15年くらい前のこと。目覚めたといっても、江戸時代は立派に循環する系の中で100万人もの人間が生活していましたから、目覚めたのではなく、現代人がいつのまにか循環することを見失って、生産→消費→廃棄の一方通行に浸り、再び「循環しなければ大変だ」と気付いただけなのですが。
目覚めたのはよいのですが、それを促進したのは「温暖化」で、ここでは温暖化ガスの排出量を減らすことばかりが目立って、「省エネ」が主役。循環という言葉はどこかに吹き飛ばされています。
さて、はじめに戻って「それだけでエコ」とクビを傾げたくなるほど、一つの技術、一つの特徴だけでエコだの省エネだのとPRが盛んです。
これまで住宅の省エネといえば暖冷房だけが取り上げられてきましたが、家庭で消費されるエネルギーは暖冷房だけでなく、給湯・調理もあれば、照明・家電機器からの消費もあります。
2005年に発表された「自立循環型住宅設計のためのガイドラン」は住まいの省エネを計るツールですが、そこでは生活全般で消費されるエネルギーを扱っています。
ガイドラインをみると、消費エネルギーの割合は、暖冷房よりも給湯の方が多く、給湯より照明・家電の方が多いことがわかって驚きます。
また、昨年発表されたCASBEE(きゃすびー)-すまい[戸建]は住まいのエコ度を総合的に評価するツールで、敷地内の環境の質と敷地外への負荷の両面で環境効率(エコ度)を計ります。
これまで「それだけで…」が目立った省エネ・エコの分野にも「総合」的な判断がはじまったのです。


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