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エコなくらしをたのしむ 南 雄三

03 LOCO2ってなに?

前号で「省エネだ、エコだ」というけれど、省エネは生活全般のエネルギーで捉えなければ…、そしてエコは生活の質と環境への負荷の両面で捉えなければいけないことを述べました。
更に今回は、省CO2というけれどLCCO2で捉えなければ片手落ちという話をしたいと思います。

LCCO2とはLC(ライフサイクル)+CO2(炭酸ガス)ということで、つまり一生涯に排出するCO2量のことです。
住宅のライフサイクルは、建設、居住、更新、解体・処分などに分けられ、その様々な段階でCO2を排出しています。
その中で、短時間で最も大きな影響を与えるのが建設時です。

LOCO2イメージ図

一方、居住時に排出されるCO2は暖冷房+調理・給湯+照明・家電などの総合で、その量は建設時に比べれば小さいものですが、一生涯で考えた場合に建設時が1回だけなのに対して、居住は毎年繰り返されるもので、年数を重ねると大きなものになります。
LCCO2の内訳(木造住宅、30年寿命) 住まいの一生涯のCO2排出量(LCCO2)を計算してみると、建設時や修繕・更新・解体時に比べて圧倒的に生活時のCO2消費の方が大きくなります。
例えばCASBEE-戸建マニュアルによれば、30年寿命の一 般的な住宅の場合、居住時が 7割程度を占めることになるといっています。
寿命が50年、100年と伸びれば更に建設時や解体時の割合は小さくなります。つまり、住宅のLCCO2でもっとも重要なことは生活上の省CO2ということになるのです。

CASBEEのLCCO2チャート

たしかに木造住宅は鉄骨造やコンクリート造に比べれば建設時のCO2排出量は小さくてエコの優等生ですが、だから木造住宅は省CO2だということにはなりません。十分な断熱・気密化、自然エネルギーの活用、高効率な給湯機器・設備の導入、そして消費電力の小さな家電製品を用い、更に省エネに配慮した生活をすることで初めて省CO2住宅と呼ぶことができるのです。

設計段階でLCCO2を計算することはできますが、その計算はとても複雑でむずかしいものになります。そこで利用できるのがCASBEEです。CASBEE-戸建でエコ度を評価すると、自動的にLCCO2の計算をしてくれます。大雑把な計算であることは否めませんが、目安にはなります。

著者プロフィール

南 雄三
南 雄三(みなみ ゆうぞう)住宅技術評論家
1949年東京に生まれ、明治大学経営学部卒。
若い頃、世界50カ国を放浪した破天荒な経験をもち、今も各国の建築を視察するため、世界を歩き回っている。専門は断熱・気密化技術及びエコハウスを専門とするアドバイザーで、住宅産業全般のジャーナリストとしても活躍している。新宿にある自宅は大正時代の古住宅だったが、都心の環境共生住宅に再生。庭に蛍が生息するなど、東京名物の一つになっている。住宅雑誌等に執筆の他、日本各地で講演を行っている。

著書に、『スイスイ読める断熱・気密のすべて』(日本実業出版)2004/9月発刊、『SuiSuiわかる「結露」の本』(建築技術)『資産になる家・負債になる家(建築技術)』『高断熱・高気密バイブル』(建築技術)『人間住宅』(INAX出版)(共著)他多数。
バックナンバー
01 なんでもCO2
02 エコだ省エネだというけれど
03 LOCO2ってなに?
04 自立循環型住宅ってなに?
05 CASBEEってなに?
06 都心の環境共生住宅・南雄三自邸
07 エキセルギーとエントロピー
 
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