


熱力学の第一法則というものがあって「宇宙にある物質とエネルギーは姿を変えても増えたり減ったりしない」といいます。例えば一枚の紙が燃えると炎がでて高温を発しますが、すぐに紙は灰になり、熱はどこかに消えてしまいます。
でも高温の熱は周囲の温度の中に「均された」だけで 消えたわけではないのです。こうして宇宙にあるエネルギーは一定で、なくなったり増えたりするわけではないのです。
こんな話を聞くと「だったらエネルギーはいくら使っ てもなくならないからどんどん使おう」と思ってしまいます。
ところが次に熱力学の第二法則というのがあって、そこでは「物質やエネルギーには価値の高い、低いがあって、価値の高いものはいつの間にか価値の低いものに流れて、決して逆戻りしない」というのです。
熱でいえば高温は鉄を溶かしたり、セラミックを焼い たりできて価値がありますが、われわれが生活している 20°C程度の温度はお湯も湧かせないし、お風呂にも使えません。
紙を燃やすと一瞬出る1500°Cの価値はなくなって、 20°Cという使い物にならない温度まで均されてしまうの です。
エネルギーは不変でも、温度という価値は失われて、 その価値は絶対に戻すことはできない・・。価値の高い 度合いを「エキセルギー」といい、価値のない度合いを 「エントロピー」と呼びます。
「なるほど」とわかったところで、もう少し先をみてみると...価値のあるを使ってしまうといつの間にか価値 のないものになって、絶対に逆戻りしないのですから、 価値のあるももはなくなる一方で、価値のないものが世の中に溢れることになります。これがエントロピー増大による世界破滅のシナリオです。資源を使えばなくなる...ことを心配するだけでは片手落ちで、資源を使えばゴミが増えることも心配しなければいけません。
地球には太陽からの熱が降り注いでいます。ただ受け取っているだけだったら地球は灼熱の温度になってしまいますが、地球の平均温度は15℃です。ではどうやって地球は太陽からの熱をなくしたのでしょうか。
地球の温度が高くなれば海や地上の水が蒸発して、宇宙で冷やされて雲をつくり、雨がふります。つまり、水が地球の温度を宇宙に運んで、熱交換し、再び水になって戻ってくるのです。なんといううまい仕組みなのでしょうか。
でも、熱は水の循環で冷やすことができますが、生活で出たゴミは宇宙に捨てることができません。でもそのゴミはバクテリアが分解してなくしてくれます。生態系の循環です。
本シリーズ?でお話した生態系の循環を思い出してください。こうして「循環」するということがどれほど大切なことなのか…をこのエキセルギーとエントロピーが教えてくれます。
次号では熱の価値(エキセルギー)を有効につかう方法について考えてみます・・


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