

![[コラム]専門家からの提言!変わる日本の家づくり|変えようニッポンの家づくり 「構造」を素人に委ねる危うさを変えたい。](../images/sp_h1_column03.jpg)
ここは(株)エヌ・シー・エヌ代表取締役社長 田鎖郁男コラムについて紹介しているページです。
1995年、阪神淡路大震災で、木造住宅に住む多くの方が犠牲になりました。でも、それは木造だから倒壊したのでしょうか? 日本の住宅を支えてきた大手ハウスメーカーは大震災後、木造住宅の方向性を見失ってはいないでしょうか? 日本の家の、家づくりの変革に挑む実践者のひとり、(株)エヌ・シー・エヌ代表取締役社長、田鎖 郁男が、その目指すところを寄稿するシリーズ。第1回目は木構造のかかえる問題と、生活者ニーズについてです。
木造住宅の構造面の大きな問題は、みんなが「知らない」ということにあります。
具体的には以下の3つについてです。
「2階建て木造住宅には構造計算がいらない」という事実を知る消費者は少ない。
「大工さんには資格がいらない」ということに疑問をもつ消費者も少ない。
「構造材を刻んでいるプレカット工場で働く人の多くは、大工さんでもなく、構造学のプロでもない」という実態を誰もいわない。
つまり、家づくりの重要な部分である「構造」を「構造学の素人」の手に委ねていることに気付いていないのです。この現状を変える唯一の方法は、この事実を多くの人に知らせること。生活者はもちろん、住宅づくりに関わる人にもいち早くお知らせしたいのです。誰も語りたがらないこの事実を広めることは簡単ではありません。お役所もこの事実を伝えたがらない。いき着いたのが「売るしかない。売ることで伝えていくしか自分にはできない」ということでした。
阪神淡路大震災以降、実物大での実験が大流行で、大手ハウスメーカーは実物をつくっては壊しはじめました。それをビデオに撮って、自分の住宅は安全だと広告を打っています。それでも足りないと思うと、今度は「免震住宅」なるものを売りはじめたのです。地震に強いことが顧客のニーズであると疑いません。
耐震設計が叫ばれるようになってから、安全で丈夫な家をつくるためにと、たくさんの筋交いを入れた、たくさんの間仕切り壁を入れた家が増えました。その結果、空間を小さく区切った、小さな部屋で構成される、○LDKの家ばかりになってしまいました。
生活者のニーズは免震装置という機械にあるのではなく、「安全な家と快適な生活が欲しい」ということではないでしょうか? もっと広々とした、快適で安全な空間が欲しいのです。私たち家づくりに関わる者は、本当の生活者ニーズを見失うことなく、新しい家を、そして新しい家づくりを提案していきたいと思っています。


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