MENU
report

工場見学レポート2019.11.12

木造でも丈夫。耐震性に優れた家を実現する「SE構法」とは?

クリエイターが考える、理想の家づくり。

アートディレクター、イラストレーターとして活躍するジェリー鵜飼さん。理想の住まいを実現する家づくりの方法、SE構法を体験するために、家族で京都の工場にやってきました。普段あまり目にすることのない工場の風景に、娘の六花ちゃんもはしゃいでいます。

2

SE構法とは?

まずは、安全な家づくりのための基礎知識セミナーを聴きます。自然災害や家の耐久性、建物の弱点などを学びます。
次に、SE構法の仕組みについて説明を聴きます。
SE構法の一番の特徴は「構造計算」。構造計算とは、一棟ずつ家の安全性を確かめること。地震の揺れや風の強さを想定し、コンピュータで立体解析をすることで、家の強度が事前に確認できるという仕組みです。加えて地盤の調査、基礎の構造計算も行います。ほとんどの木造住宅では実施されない構造計算ですが、この一連の確認をすることによって耐震性に優れた自由な空間を木造で作ることが可能となり、鉄骨造やRC造のような大空間や大開口ができるようになります。
スライドを使ってのわかりやすい説明に、ジェリーさんと潤子さんは頷きながら真剣に耳を傾けています。

SE構法の家が、木造でも安全性を保てるのは「ラーメン構造」を採用しているから。従来の方法では、柱にホゾを欠いて梁を差し込むため地震などの力に対して接合部が抜けてしまう恐れがあります。しかしラーメン構造は、柱と梁を特殊な金物によって「剛接合(ごうせつごう)」と呼ばれる強固な方法で接合します。

使用する材料が、安全性を担保している。

岡本銘木店はSE構法専用の集成材のプレカットを担っています。SE構法では、柱や梁に集成材と呼ばれる木材を使用します。無垢材は材によって強度にばらつきがあるため、構造計算には不向き。しかし、集成材は強度に安定性があり、耐火性能にも一定の評価があります。プレカットとは木造住宅の柱や梁を、最新のコンピュータ制御で加工するものです。以前は手で行っていた作業を、全自動のシステムで加工できるようになり、正確な部材を大量に生産できるようになりました。
ここでは、集成材を機械で加工する様子を見学します。

「こうやって実際に加工する現場に立ち会うと、なぜ安全なのかわかりやすく体感できます」ジェリーさんは、集成材がプレカットされる様子を興味深く見学をしていました。

なぜSE構法が安全なのか、理由がわかってきたというジェリーさん。「耐震性が高い家にはたくさんの壁が必要だと思い込んでいました。僕と妻の共通のイメージが、広いワンルームで、あまり細かく部屋を分けない家がいいなと思っていたから、安心な構法でそれが叶うのは嬉しいですね」
理想の住まいが具体的なイメージとなって浮かんできたようです。