WINNERS 受賞作品
「重量木骨の家プレミアムパートナー」参加24社、全42件の応募作品の中から、受賞作品が決定!
グランプリ
[審査員コメント]
建物の外観もユニークで個性的ですが、ガレージも「オーナーのご要望である開放的でかつプライバシーを守りながら愛車を鑑賞できること」という願いを叶えています。前後や横からだけではなく、ガラスの床と階段によって、360度どこからでも愛車を見ることができるうえ、クルマ側から見ても楽しいカーライフであることがうかがえる高いデザイン性を評価しました。
(吉田由美氏)
ガレージハウスにおいて、ガレージと住空間のつなげ方は非常に難しいと感じています。音や排気など生活の場からは切り離したい問題や、ビジュアル的にも雑然としたガレージ空間では、室内から見えていることがストレスにもなりかねません。この住宅は、ガレージへの動線と魅せる開口を立体的に切り分け、ガレージ内に大容量の収納を用意することで、美しい空間のつなぎと魅せ方が両立された素晴らしい作品だと思います。
(君塚賢氏)
木造住宅の中にガレージを作りながら、吹き抜けと居住空間とをつなげる窓を設けることで、開放的な内部空間を感じられる作品です。この開放感を実現するためにSE構法による木骨構造を選択したことによって、木の温かみも感じられる親しみとスケール感のあるガレージハウスとなっています。
(池田昌弘氏)
準グランプリ
[審査員コメント]
杉の木を使った美しい大きな外壁にインパクトがありますが、家の中から見える中庭はタイル張りとなっており別の世界観を感じます。カーポートの奥にガレージがあり、美しいライトアップに照らされるクルマは、まるでアートの中の世界。これぞ「見せるガレージ」でもあり「魅せるガレージ」だと思います。
(吉田由美氏)
この住宅最大の魅力になっている前面の一枚壁は、絵画のように切り取られたガレージ空間とそこに置かれた車を引き立たせており、インナーガレージとは違う、外に開かれた魅せるガレージをもつ住宅として魅力的でした。またこの壁は、プライバシーの守られた中庭やエントランスをつくるとともに、室内から望む美しい庭の背景にもなり、用と美を兼ねたプランも秀逸でした。
(君塚賢氏)
木造2階建てという概念を突き破り、大胆な壁梁を採用することでガレージに大きなスパンの入り口を確保しているという点で、この構造はSE構法の特徴をとてもよく感じることができます。空間の実現のために、ファサードの開口を極力排除してストイックにガレージに焦点を当てることができた、施主・施工者および設計者の判断はとても大きいです。
(池田昌弘氏)
特別賞
[審査員コメント]
1階はガレージ、2階が住居スペースになっているようですが、写真の美しさも相まって雰囲気はまるで南国のリゾートホテル。残念ながらガレージの中の写真がありませんが、私の想像では、ガレージも素敵なはず…。また、「重量木骨」の「木」の部分がほぼ感じられないにもかかわらず、これも「木造」ということにも驚きました。規模がもはや一般家庭レベルではありませんが…。
(吉田由美氏)
RC造との混構造建築ですが、それゆえに必要とされる精度をこの規模の建築で緻密に計画・実現されていることに、設計者・施工者の技量を強く感じました。木造建築があらためて注目されているいま、構造の強度と高い精度を実現できる重量木骨の可能性を感じられる、美しい邸宅です。
(君塚賢氏)
今回の審査にあたって、「木造とインナーガレージをどのように解釈して設計施工を行ったか」というテーマがあるように感じました。この住宅はガレージ階と居住階を分けており、下層階のガレージはコンクリート造です。そのうえで、上層階の木造居住部分は伝統工法のような仕上がりになっています。この選択は本質的にとても理にかなっており、かつとても美しいので、どうしても賞を出したくなった作品でした。
(池田昌弘氏)
COMMENTS 講評
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contest@ncn-se.co.jp
吉田由美氏
自由度の高いSE構法だからこそいろいろなタイプや方向性、世界観のガレージハウスがあり、選考に悩みましたが、私は建物から考えるのではなく、クルマから見たガレージハウス、クルマをリスペクトしているガレージハウスをイメージして選考しました。クルマへの愛情が感じられ、もし私がクルマだったら、「ここのガレージハウスのクルマになりたい!」「ここのガレージハウスのクルマなら幸せ」と、クルマも人も笑顔になれるガレージハウスを選びました。ガレージハウスが気になっている方や、今後建てようと思っている方の参考になれば嬉しいです。
君塚賢氏
「ガレージハウス」とは何か楽しい空間を想起させるネーミングだなと思っていました。実際に自分自身もガレージハウスを設計し、住んでみたところ、「車をとめる」という機能以上に生活の変化や豊かさを感じています。今回拝見した全てのガレージハウスでは、ガレージという空間を単なる車庫ではなく、様々に活用される個性を持った空間として生かされていました。その中でも選ばせていただいた作品は、住空間とのつながりやバランスなど、第三者としても住んでみたいと思わされる魅力のあるガレージハウスでした。ガレージハウスには想像通りの楽しさ、豊かさがあることを再認識できる審査会でした。
池田昌弘氏
「車」「住宅」「木造」というキーワードとSE構法はとても相性がいいと感じました。それと同時に、施主や施工者からの要望や期待も大きいことがわかります。特に「車」については、とても愛着を感じている人たちが、車を家の中に置ける・見られる・触れられるということをとても楽しんでいることが全作品の写真から十分に伝わってきます。木造の温かみやスケール感が、インナーガレージから居住空間への連続性を生み出しているのでしょう。機会があれば、住み始めてからの感想や工夫をぜひ直接聞いてみたいと思いました。とても勉強になりました。