審査会レポート|重量木骨の家 ガレージハウスコンテスト|重量木骨の家 選ばれた工務店と建てる木造注文住宅
GARAGE HOUSE CONTEST 重量木骨の家 ガレージハウスコンテスト
GARAGE HOUSE CONTEST 重量木骨の家 ガレージハウスコンテスト
審査会レポート

今回初開催となる「重量木骨の家 ガレージハウスコンテスト」。2022年9月末の応募締切までに、全国の重量木骨の家プレミアムパートナーより42作品のエントリーがありました。10月から11月にかけてインスタグラムで実施された一般投票を経て、12月2日に行われた審査会でグランプリと各賞が決定しました。

オーナーの個性が輝く42作品

今回の審査員は、カーライフエッセイストの吉田由美氏、インテリアデザイナーの君塚賢氏、構造家でSE構法の監修も手がける池田昌弘氏の3名。第1次審査では審査員が42作品の資料にじっくりと目を通し、1人5作品を選定しました。
審査資料は、外観やガレージおよび住宅内部などの写真、平面図と立面図、構造図。ガレージの写真にはオーナーの愛車も写っていて、審査員はそこにも注目しました。ガレージの主ともいえる自動車やバイク、自転車の車種、デザインなどからはオーナーの個性が垣間見え、住まい全体のデザインにも関わってきます。

一次審査を通過したのは計13作品。そのうち2名以上の審査員が選んだ3作品に絞って、どの作品にどの賞がふさわしいか意見交換が行われました。その結果、「家でいつも車を見ていたい」というオーナーの願望を、2階のリビングからガレージの車を見下ろすというかたちで実現したエントリーNo.33 株式会社星野建築事務所の『ガレージハウス』がグランプリに決定。デザインの美しさ、構造のバランスの良さ、楽しいライフスタイルを感じさせるかというポイントのどれをとっても高いレベルにあり、今回のテーマにふさわしいことが審査員全員に評価されました。
準グランプリに選ばれたのは、吉田氏から「魅せるガレージ」と評された、SE構法ならではの大開口が特徴的なエントリーNo.27 『A様邸』。手がけたのはグランプリと同じ星野建築事務所で、ダブル受賞となりました。特別賞は、池田氏が「住宅としてはゴージャスすぎるが、この美しさは外せない」とデザインを称賛したエントリーNo.35 株式会社伊田工務店の『東豊中の家』が選ばれました。

審査員をうならせたデザインと技術

審査員の個人賞として、それぞれ1作品を選出。
国内外のカーマニアと身近に接している吉田氏は、「愛車で人のライフスタイルは変わる」という観点から、クラシックカーを中心に趣味を思い切り楽しむ秘密基地のようなガレージの、エントリーNo.5 株式会社東産業の『ビンテージカーが主役の家』を吉田由美賞としました。

アウトドア好きで、自邸のガレージハウスを設計した君塚氏は、「都内の住宅密集地で、バランスのよい使い勝手のよさそうな空間をつくり上げ、子どもとの生活の楽しさが感じられる作品」として、エントリーNo.39 株式会社 コージーライフ『S:house 都内駅近の立地に周囲の喧騒から解放された静謐な住まい。』を君塚賢賞に選出。

構造家である池田氏は、「ちょうどよいところに壁や柱を入れ、さりげなく構造が解けている玄人の技」と、エントリーNo.31 株式会社 ホープスの『平日はリビング、休日はアウトドア。くつろぎ遊ぶガレージハウス』を池田昌弘賞に選びました。

ガレージハウスが提示する楽しさをヒントに

審査会全体を振り返り、吉田氏は「オーナーの愛が感じられる作品ばかりで迷いましたが、楽しい審査でした」とコメント。君塚氏は、ガレージを「リビング、アウトドアリビングに加えさまざまな使い方ができるサードプレイス」と位置づけ、今回のコンテストでその可能性を再認識したと語りました。そして池田氏は、「構造とデザインのバランスは予想以上にどの作品もよく考えられていた」と、全国のプレミアムパートナーの研鑽を評価しました。

注文住宅を依頼する方々の多くは、自宅を自己表現の場、自分の時間を楽しむ場ととらえています。審査会に立ち会った株式会社エヌ・シー・エヌの代表取締役社長 田鎖郁男(写真右)は「今回のコンテストに集まった42の実例をヒントに、さらに新しい発想や個性あふれるSE構法の家が全国に増えていくことを期待しています」と締めくくりました。