大きな吹き抜けのダイナミックな空間をアートが彩る


天井高約6mの圧倒的な開放感のあるLDK。全面開口から明るい光が差し込む。トリプルガラスサッシ「TW」や外付けのブラインドを採用するなど、省エネ対策も。

RILNOで造作したキッチンは収納も充実。第2のリビングとして、2階にライブラリーを設けた。家族の蔵書や雑貨、アートを飾る。革製チェアが無垢材の床になじんでいる。

南に開かれたリビングには、ライトグレーのソファと北欧ヴィンテージのチェアを配置。ペンダントライトにはスペイン・バルセロナの「VIBIA」のアイテムをコーディネート。

LDKとギャラリー空間をL字型に配置し、テラスを囲むプラン。2階に設けた寝室も中間領域からの採光によって、昼は照明が不要なほど明るく、心地いい。

玄関からLDKへと続く廊下は、作品を飾るギャラリーとしても活用している。レールを設置し、好きな作品をキュレーション。幅の広いゆったりとした動線となった。

LDKに接する、宙に浮いたような感覚を味わえるライブラリー。昼間は光が注ぐ快適な読書スペースであり、子供が好きな恐竜や写真の機材などを並べる趣味の空問としても、収納スペースとしても活用する、フレキシブルな場所。

1.小学2年生のお子さんがペイントした作品とTシャツ。好きな写真家による作品やさまざまな絵画と共に、玄関や棚などに自由に飾り、アートに親しむ生活を送る。/2.澄み切った白い壁がアートの背景となる。リビングの一角など、住まいの各所にアートを飾り、鑑賞する「余白」がある。

夫婦の共通の趣味である写真。作風が異なるので、将来、廊下のギャラリーでそれぞれの「個展」を開催するという計画も。

駅から近く、近隣住宅と接する立地のため、ガレージやテラスによって居住空間をセットバック。外部からの視線や音を遮断しつつ、光を取り込み、快遥な住環境を確保することに成功した。

3.キッチンをはじめ、天井、廊下、洗面など各所にリブ材を取り入れ、統一感を演出。階段の最下段は飾り棚としても活用できるように、壁側まで伸ばしている。/4.SE構法により、ギャラリーとLDKの間に支柱はなく、広々とした動線を実現。
「余白」によりアートが生活に溶け込み、趣味性と機能性が融合
玄関の扉を開くと正面に飾られた絵画作品がゲストを出迎える。写真家の作品を連ねた廊下へと続き、テラスに面したL字型の通路を進むと、天井高約6mというダイナミックなLDKが目の前に広がる。2階には宙空に浮かぶようなライブラリーも。アートや名作家具、器などを飾るための「余白」が住まい全体に設けられた、まさにギャラリーのような家だ。写真が共通の趣味というAさん夫妻は、アートコレクションや自身の作品を、自由にキュレーションし、アートと共に暮らしている。
建築が好きで、専門的に学んだこともあるというAさん。建物の構造に関する知識も深く、さまざまな事例をリサーチ。1棟ごとに構造を計算して、データに基づき強度を導き出すSE構法なら、安全で自由度の悪い設計が叶うと確信したそう。夫妻は家づくりを進める際に、イメージやキーワードなどを密に共有。「自分たちが何を求めているかを可視化でき、優先順位がより明確になりました」とAさんは話す。
LDKや廊下は、テラスとフラットにつながり、同じ色調のタイルによって内外が一体化した空間に。また階段周辺の壁や天井、キッチンのフロント部分に効果的に用いた木製ウォールパネル材が家全体の視覚的なまとまりを演出している。
設計を担当した大分で展開する工務店のFDMが提案するのは、次の世代へとつないでいく「永く続く器」。竣工時点で完成するのではなく、住み手のライフスタイルに合わせてアップデートし、愛着を深めるような家づくりを提案している。
A邸は大空間ゆえに、室内を快適な環境に保つことも必要だった。パッシブデザインを基本とし、自然採光と通風を最大限生かす工夫を随所に採用。「南・西面の大開口により日射を確保しつつ、南面の上部開口に外付けブラインドを設置し日射を遮蔽。冷房効率を高める省エネ効果を狙っています」と設計を担当したFDM社長の高倉潤さん。屋根・壁にセルロースファイバーを用いた充填断熱と外張り断熱材によるダブル断熱やトリプルガラスサッシ、高性能の換気システムを導入し、熱損失の低減と室内空気環境の均質化を図っている。
お気に入りのアートを傍らに、家族全員が心身共に心地よく過ごせるという贅沢。趣味性と機能性が見事に融合する、大開口、大スパンの空間が実現した。
取材・文/間庭典子
A邸
| 設計施工 | FDM | 所在地 | 大分県大分市 |
|---|---|---|---|
| 家族構成 | 夫婦+子供2人 | 敷地面積 | 314.77㎡ |
| 延床面積 | 242.33㎡ | 構法 | 木造SE構法 |







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