ニューノーマルの到来によって子供部屋は変わる?変わらない? お手本にしたい、子供部屋アイデア12選

理想的な子供部屋とは、どんな部屋でしょう。「子供部屋は子供の数の個室があればいいわ……」そんな風に考えてはいませんか? 我が子の成長と自立を願って作る子供部屋は、親御さんからお子さんへの大きなプレゼントとも言えるかもしれません。
お子さんの様子をいつでも見守れるようにリビングルームの一角に遊び場スペースを作ったり、想像力が養えるような仕掛けにしたり、体を動かせるように遊具を設置したりと、さまざまな工夫をされているご家庭も増えています。
また、withコロナの家づくりとして新たに考えなければいけないことも増えてきました。両親の仕事がテレワークになったり、子供の授業がオンラインになるなど、家族が家で過ごす時間が増えてきたという家庭も多くあるようです。そういったライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるように考えていきたいものです。
例えば、コロナでオンライン授業になったお子さんが勉強に集中できる空間づくりや、外出が減ってしまった運動不足を補う仕掛けを考えたり、お子さんのワクワクする顔が目に浮かぶ、そんな子供部屋を作ってみてはいかがでしょうか。
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1.子供部屋って必要なの? 知っておきたい、子供部屋が持つ役割とは
「頭の良い子はリビングやダイニングテーブルで勉強している」などとよく言われますが、コロナ以降、オンライン授業を受けているというお子さんも多くいらっしゃいます。学校は通学になったというところも、塾などはオンラインがどんどん台頭してきているようです。
オンライン授業は大きく分けてオンデマンド形式とライブ形式という2パターンあります。ライブ形式の授業中は、集中できるように個室の空間が必要になりますが、オンデマンドの場合はつけっぱなしのテレビのように勉強以外の事に気を取られてしまう可能性があるので、親の目が届きつつ静かな環境を作ってあげる必要があるでしょう。
このように、授業のスタイルによって最適な環境が変わってきますので、空間づくりにも柔軟な考え方が必要になってきます。環境の変化によって「自由に使い方を変えられるような空間づくり」という視点も大切かもしれません。
そもそも、子供部屋の役割は何でしょうか。それは子供のプライバシーの確保と、精神的な自立でしょう。そのためには一人で眠ることが出来るスペースの確保と、一人で過ごせる空間である必要があります。赤ちゃんの間は一緒に過ごすことが多いですが、将来の事を考えた融通の利く空間づくりを考えたいですね。
思春期を迎えれば、自然と自分ひとりの部屋を欲しがるようになるでしょう。実際にそれは、自立心が芽生え始めた証拠でもあります。「プライバシーというものが必要」ということを理解し始める時期でもあるので、これはごく自然なことなのです。
プライベートな個室を持つことで勉強がはかどったり、誰にも邪魔されない自分だけの時間を過ごすことができたり、読書や趣味に没頭できたりと、個室にもさまざまなメリットがあります。いつから個室を持つべきかは、お子さんそれぞれの個人差があります。本人が個室を持ちたいと言い始めたら、個室を作れるように設計当初から考えておきましょう。
2.子供部屋に必要な広さは、一人あたり6畳ほど!
少し前までは、子供部屋の広さの目安は6畳というものがありました。ですが、最近は全体のバランスを考えて、出来るだけ小さくして欲しいという方も増えているようです。子供部屋を広く作った時と狭く作った時でどのような違いがあるのか見てみましょう。
まずは、昔から言われている6畳の大きさで作った場合。
お子さんが高校生や大学生まで実家で暮らしていく場合に、成長過程で増えていく本や服、またそれを収納する家具が問題なく入る広さの確保がポイントです。6畳あれば、シングルベッドや勉強机、本棚、チェストなど基本的な家具を無理なく配置することができます。子供が小・中学生以上になると持ち物もぐんと増え、持っている服の量も増えていくものです。広さに余裕があるので、しっかり物が収納できるように少し大き目のクローゼットを置いても安心です。
では逆に小さく作る場合は、どれぐらい小さく出来るのでしょうか。最低限、眠ることが出来るだけの部屋であればベッドと通路だけで十分ですので、2.5畳で作ったという事例もあります。子供は小さい秘密基地のようなスペースも好きですし、小さいうちはこれだけで十分ではないでしょうか。また、勉強が必要になる年代には、ベッドをロフトベッドにすれば、ロフトの上で眠り、ロフトの下で勉強するというミニマルな空間が完成です。ただ、個室を小さくした場合には収納は家族で共有するなどの工夫も必要ですね。
3.デザイン次第で個性が育つ! 子供部屋アイデア12選
どんな子供部屋にしようかと考えるときに大事なのが、お子さんの成長に合わせて間取りの変更がしやすい空間づくりがポイントです。さらに、子供部屋のデザインや取り入れるアイテム次第では、お子さんの個性を伸ばしてくれる空間にもできるのです。そこで、家づくりの際に取り入れてみたい、子供部屋アイデアをご紹介します。
3-1.年齢が小さい頃は、リビングの一角を子供部屋スペースに
3-1-1.スキップフロアを使い緩く区切る
お子さんが小さいうちは、遊んでいる様子を親御さんが見守ってあげられる場所に子供専用の空間を設けるのがおすすめです。例えば、リビングの一角に遊び場を設けたり、スタディスペースを作ってあげると、いつでもお互いを感じ合うことができ、親御さんもお子さんも安心して過ごすことができますね。緩い区切りをつけたいという場合は、腰高ぐらいの壁を作ったり、スキップフロアで段差にするなどの工夫することもできます。
こちらはリビングの一角に子供のスペースを作った実例。スキップフロアになっていることで、間仕切りを必要としない、領域の分けられたスペースが作られました。このような作りだと、親側からはすぐに様子を見ることができ、子供も勉強や遊びに集中していても寂しくなればすぐに親の元へ駆けつけられる場所であると言えるでしょう。
3-1-2.和室スペースを子供スペースに有効活用
リビングの隣に和室などを設けている場合、お子さんが小さい頃は和室をお子さんの遊び場にするケースも。親御さんも家事をしながら遊んでいる様子を見守ることができますし、来客時には荷物を片付ければ客間として使えるのも、和室のメリットですね。
小上がりのある和室スペースは、高さがある分、親との目線が合いやすいという利点があります。小さいうちは、転落防止策を講じると安心ですね。そのうちに段差を使って高低差を楽しむことも遊びの一つになりますので、年齢に応じた楽しみ方のできる場所と言えそうです。
リビングと隣り合わせの子供スペースを作る場合、いつでもササッと片付けがしやすいように収納を設けることも大切。おもちゃ別に、お子さんでも簡単に片付けができる棚を設けるなどの工夫をしましょう。
3-2.子供部屋に遊び心を加えて、想像力を掻き立てる仕掛けを!
3-2-1.子供部屋の壁一面を黒板に
幼児期のお子さんは、とにかく好奇心が旺盛。おままごとをしていたと思ったら、次はお絵かきをしたり、絵本を読み始めたりと遊びもコロコロ変わります。そんなお子さんたちのためのスペースには、遊び心のある仕掛けを用意してみるのもいいかもしれません。
たとえば、壁一面を黒板にしてみるアイデアはどうでしょう。机の上で描くお絵かきとは違い、体を思い切り動かしながら描くことができます。自分よりも大きなものを描く体験は、実はなかなかできないこと。一人で描くのはもちろん、お友達や家族と一緒に描けるというのも楽しみ方の一つになりますね。
こちらは、玄関土間スペースの壁面収納の扉を黒板にした例です。リビングと繋がった空間ですので、子供が自由にお絵かきを楽しみながら、お父さんお母さんが作品をいつも観賞出来るつくりになっていて、子供たちの満足度も上がるのではないでしょうか。
3-2-2.子供部屋だからできるファンタジックなデザイン
こんなファンタジックなデザインのお部屋なら、お子さんの想像力がぐんぐん膨らみそう。ロフトを作れば上下左右に動き回ることができ、小さな窓から顔を出したり、可愛らしいお家でおままごとをしたりと、お子さんもいろいろな遊び方ができそうです。ときには、大人が想像できないような遊びを思いつくことだってあるでしょう。お子さんの想像力を掻き立ててあげるような空間は、まさに理想の子供部屋ですね。
これは親御さんの趣味によるところが多いと思いますが、子供のころからデザイン性の高いものに囲まれた生活を送らせてあげたいという方も多くいらっしゃいます。センスはある日突然生まれるものではなく、やはりいいものに囲まれて自然に育って行くものではないでしょうか。子供部屋にも可愛らしく、かつデザイン性の高いものを置いてセンスを磨いていきましょう。
3-3.のびのび遊べる子供部屋を作って、身体能力もアップ!
3-3-1.雨の日や、外出自粛の日々にも大活躍、子供が遊べる遊具を設置
運動好きなお子さんやアクティブなお子さんであれば、子供部屋や共有スペースなどにブランコやボルダリング、うんていなど体を動かせる遊具を設置してみるのもおすすめです。毎日でも公園で思い切り遊びたい年頃のお子さんは、雨の日や、感染症予防のための外出自粛などが原因で外に出られない日でも、適度に体を動かせてリフレッシュでできます。兄弟で交代しながら遊具を使うことで、一つのものを共有し合う大切さを学んだり、ときには競争心が芽生えるかもしれませんね。
二段ベッドにバスケットゴールを設置したら、家の中に居ながらにゴールの練習が出来ます。外に遊びに行けない時は体力を持て余すことが多いでしょうが、家の中にこういった仕掛けがあることで、外に出られないストレスも発散できますね。
3-3-2.大人も子供も楽しんで体力不足を解消できるボルダリングを取り入れても
家の中にブランコやハンモックがあれば、子供だけでなく大人も楽しめます。そこまでアクティブではないお子さんにも、ゆらゆら揺れているだけで楽しめるのでお勧めですね。ハンモックもさまざまな種類が出回っているので、家の雰囲気にあった商品を選んでみると、インテリアのアクセントにもなります。
3-4.勉強スペースをオープンにして、質問しやすい環境に
3-4-1.段差をつけて、リビングと勉強スペースを分ける
陽の光がたっぷり注ぎ照明がなくても明るいスタディールーム 小さいうちはリビングで勉強するのが親も子供も安心ですね。一人ではなかなか集中できませんので、時々見てあげながら勉強するというスタイルにピッタリです。兄弟が一緒に勉強するとやる気も倍増するかもしれないですね。
オープンなスペースを子供室にして、テーブルをはさんで子供たちが一緒に勉強できるようになっています。これなら兄弟に勉強を教えてもらいやすいですし、オープンなつくりなので、親御さんも声を掛けやすいでしょう。
3-4-2.カウンターにすることで将来的には大人が使えるスペースに
リビングの一角に勉強スペースになるカウンターがあれば、便利です。食事の準備の邪魔になりませんし、家族みんなで使えるスペースとすることで長く使い続けられます。
吹抜けに面した2階廊下は、カウンターの付いたフリースペースになっています。子供たちが勉強や読書、遊びに使ってもいいですし、テレワークになった親御さんたちが仕事場として使う事も出来ます。使用者を限定しないことで色々な使い方が出来る自由なスペースです。
3-5.兄弟姉妹が一緒に過ごせる、共有スペースを活用
3-5-1.便利につかえる黒板をポイントに
子供部屋とは別に、兄弟や家族が使える共有スペースを設けていると、移動することによって気分が変わるので、家の中に居ても退屈しません。例えば、それぞれの部屋の前に共有の黒板と本棚を。黒板はお絵かきにも使えますが、お子さんが大きくなってからは連絡事項に使ったり、兄弟で勉強を教え合う時にも便利です。また、本棚にはお互いに自由に貸し借りができるように本を並べておいてもいいでしょう。
年の近い兄弟がいると、例え外出自粛になったとしても遊び相手がいますので、賑やかに過ごすことが出来そうです。収納扉を黒板塗装にしていることで、兄弟で好きに落書きやお絵描きも出来ます。コロナ禍の中でも、ケンカをしたり、一緒に遊んだりしながら、すこやかに成長していってほしいですね。
3-5-2.大きな本棚は子供が巣立ってからも使えます
こちらは二階の廊下を活用して、一面を本棚にしたご家庭。家族や兄弟みんなが自由に本を手に取って読書ができる空間になっています。共有スペースに本棚を設置すれば、子供は子供部屋に閉じこもることなく、お互いに共有し合えるというメリットがあります。
お子さんが成長しても、このような共有スペースがあれば、家族のコミュニケーションにもひと役買ってくれます。
子供の為のサブテーブルをキッチン前に作られたこちらのお宅。子供10人は座れるという大きなテーブルセットなので、教科書や絵本を好きに広げても十分にスペースがあります。これだけ広ければ、お友達を呼んでも余裕を持って遊ぶことが出来ますね。またテーブル近くに本棚も造り付けてあるので、いつでも読みたい本を取り出すことが出来ますし、片付けもしやすいでしょう。
3-6.お子さんの意見を尊重して、個性を大切にする子供部屋
3-6-1.男女の兄弟の場合はきっちり個室として分けるのも大切
男女の兄弟であれば、早い段階で個室は必要になるので、準備はしておきたいですね。また、家づくりの段階で年齢がすでに大きい場合は、お子さんの希望をぜひ聞いてあげてください。小学校にあがるぐらいの年齢になると、個々の個性や好みもはっきりしてきます。
3-6-2.子供の個性を尊重したデザイン重視の部屋
お子さんのセンスを磨くという点でも、子供部屋の存在は大きいですね。こんなカーテンがいいな、こんな照明にしてみたい! など、お子さんの好みを聞きながら、親子で一緒に子供部屋作りをするのも楽しいものです。
子供は可愛らしいものが大好きです。シンプルな部屋は大人にとっては落ち着くものですが、子供にとってみれば、寂しくてつまらないと感じることもあるかもしれません。子供部屋のインテリアは、子供と一緒に考えてみるのはどうでしょうか。家全体のコンセプトもあると思うので、選択肢を与えてその中から選ばせると、そう奇抜なものにならずに可愛い子供部屋が完成するでしょう。壁紙などは張り替えが簡単に出来ますので年代に合わせて模様替えをして楽しむことも可能です。
4.成長に合わせて、個別の子供部屋にリフォームも
2人、3人兄弟の場合、お子さんが小さい頃は個室にはせず、やや広めのスペースを確保しておくご家庭も多いですね。そして、お子さんの年齢に合わせて部屋を仕切り、最終的に個室にすることができます。
子供は小さいころは男女の差別なく一緒に遊ぶことが多いでしょうが、年齢を重ねていくとそれぞれ別の部屋が必要になってくるでしょう。勉強するにしても、集中して勉強したいという子供もいると思います。特にオンラインライブ授業の場合ですと、時間も決まっているのでその時間は集中して受講する必要があります。集中して勉強するような年齢になった時に、個室としての子供部屋に変更できるように作っておくといいですね。
このような方法は「スケルトン&インフィル」と呼ばれていて、「家と共に育つ」「家族と共に成長する」といったコンセプトで選ばれています。スケルトンは“骨組み”を意味し、インフィルは“内装”を意味します。
子供部屋にスケルトン&インフィルを採用するのであれば、家を設計する段階で、柱と柱の間を長めに確保しておく必要があります。また、お子さんの人数に合わせて出入り口や窓、コンセントなどを用意しておくといいでしょう。設計の段階で、将来の可変性に対応できる間取りを考えることが大切です。
4-1.収納やクローゼットを可動型間仕切りの代わりにする
子供部屋に移動可能な収納や本棚などをあらかじめ設けておき、可動型間仕切りの代わりに活用するという方法があります。この方法で仕切ればレイアウトが自由なので、お子さんたちの年齢に合わせて動かして使うことができます。また、お子さんが実家を巣立ったとき、子供部屋を簡単に元の広い状態へ戻すことが可能です。後々のリフォームの必要がなく、自由度の高い間仕切り方法ですね。
4-2.カーテンやパーテーションで仕切れば、コストカットにも
性別の同じお子さん同士なら、広めの子供部屋をカーテンやパーテーションで仕切るという方法もあります。こちらは比較的ゆるやかな仕切りであるため、空調効率が良いというメリットがあります。また、かかる費用や手間も格段に少ないので、リフォーム代の節約や工期の日数短縮にもなります。
まとめ:子供部屋は子供の年齢に合わせて一緒に成長していくもの!
子供部屋はただ単に、お子さんが寝たり勉強するだけの空間ではありません。遊びの中で想像力を養ったり、好奇心が芽生えたりと、お子さんの成長の過程で大切な時間を過ごす場所なのです。また、兄弟で空間を共有し合うことで、相手を思いやる気持ちや共感し合うことを自然と学んでいくこともできます。
結婚してお子さんが誕生し成長する。そして、また夫婦ふたりの生活へ……。こんな風に、家族の形は変わり続けていきます。また、コロナ禍を過ごしてきた中で、生活スタイルにも様々な変化を感じてきました。働き方や学び方も、余暇の過ごし方にも変化がありました。 長い目で見て「子育てしやすい家」とは、お子さんの成長や社会の情勢の変化に合わせて自在に変化ができるスケルトン&インフィルが最適なのです。私たちが手がけるSE構法は木造でありながらも、まさしくスケルトン&インフィルの実現が可能です。
そして一番大事なのは、お子さんが快適で安全に、そして楽しく過ごせる空間であること。今回ご紹介したアイデアを参考に、みなさんも子供部屋について考えてみてはいかがでしょうか。