平屋の間取り実例紹介!おしゃれにする6つのポイント・注意点・費用相場を解説

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家族にとって本当に価値のある家とは、「長く愛着をもって住むことができる」という条件を備えているもの。家族構成やライフスタイルの変化、また年齢を重ねていく中で、長きにわたって住むことができる家とはどのようなものでしょうか。
そのひとつとして最近注目されているのが、平屋住宅。平屋住宅は子育てファミリーからシニアまで、幅広い世代に人気のある間取りです。外観がシンプルになりがちな平屋ですが、よりおしゃれな平屋に“仕立てる”方法には何があるのでしょう。今回は、「実用的でおしゃれな平屋の作り方」をいくつかの角度から解説します。
平屋とは?
平屋とは、階数が1階だけの家の造りを「平屋」と呼びます。最近幅広い世代に人気のある平屋。その理由はなんでしょう。まずは上下階の移動がないことが挙げられます。賃貸マンションでの暮らし方になれていると、家の中で毎日階段を上り下りするのは結構なストレスになりそうです。
それから、間取りを考える際に、二階建ての場合はどうしても階段の配置や上下の関係を考慮しなければなりませんが、平屋であれば、コの字型やロの字型、地形に合わせた間取りとするなど自由な作りにすることが可能です。
また、全ての部屋の天井が家の屋根になりますので、トップライトを作れば光を取り入れることができますし、天井の高さも屋根の形に合わせた勾配天井にするなど、開放的な空間を実現することもできます。
人気が上昇している「平屋」という建て方について、今回は少し掘り下げて見ていきましょう。
平屋のメリット
平屋の人気の理由は先ほどもご紹介しましたが、実際に平屋には様々なメリットがあります。皆さんも今までの暮らし方を振り返ってみてはどうでしょうか。意外に、この点は譲れないというメリットが見つかるかもしれません。
メリット1.生活の全てがワンフロアーで収まっている。
2階や3階のない1階だけの生活空間で成り立っているのが平屋。つまり、上下階の移動がなく、バリアフリーに作ることが出来ます。階段の事故は案外多いもの、階段のない平屋は、小さな子供からお年寄りまですべての年代の家族にとって安心安全でストレスフリーな作りと言えます。同じフロアにいることで、上下階に分かれているより存在を感じやすく、様子を見に行くこともすぐに出来ます。また上下階の動線が必要ないことから、生活動線も考えやすく、日々の家事や作業動線も効率よくデザインすることが出来ます。
メリット2.内部空間を豊かに、外部空間を身近に感じることが出来る。
平屋であれば、高さ制限に引っかかることもなく上部を開放的に作ることも可能です。例えば、2階を作る必要がないのですから、天井を思い切り高く作って開放的な大空間を作ったり、屋根をフラットにすれば、ルーフバルコニーとしてもう一つの家族で過ごす居住空間を作ることが出来ます。また、全ての部屋と外部とのアクセスがしやすく、自然を感じやすい作りにすることが出来ます。ウッドデッキなどを作れば外部空間と内部空間がより近づくように感じるでしょう。
メリット3.家族の今と未来に柔軟に対応できる。
平屋は、子どもが小さいうちは上下階で分かれることなく、常に近くに居られるメリットがあります。また、子供が成長して家を出ていくことになっても、同じフロアに部屋があることから、別の用途にしてもアクセスしやすく使いやすい空間にすることが出来ます。それから、自分たちが年を重ねて体力に自信がなくなったとしても家の中での上下の移動がないことは、ストレスのない暮らしにつながっていくでしょう。さらにペットがいる家庭では、庭へのアクセスがしやすく、階段の上り下りもないため、ペットにとっても過ごしやすい空間となります。
1.平屋のおしゃれなつくり方―外観編
平屋を建てるのであれば、長く愛着がもてる、おしゃれな家にしたいもの。そのためにも、平屋の特徴をより深く知ることが大切です。平屋はスタイリッシュでスマートな住宅として、住まいの記事でもよく取り上げられていますよね。外観のシンプルさを追求すれば、平屋特有の美しさを引き出すことができますし、流行に左右されない存在感もキープできるでしょう。
しかし、単にシンプルさを求めても味気なくなってしまうかもしれません。そこで、外壁素材や色を工夫することで、より印象深く、素敵な雰囲気に仕上げることができます。
1-1外壁について
もっとも人目につきやすい外壁は、その家の「ファーストインプレッション」につながります。白い外壁を選べば、キリッとした印象で洗練された雰囲気になります。黒やグレーの外壁を選べば、クールな印象になるでしょう。もちろん、外壁材の質感によっても、家の印象は大きく変わります。
窯業系(ようぎょうけい)サイディングであれば、色調やデザインのバリエーションも多く、好みのものを選ぶことができます。レンガのような材質のものを選べば、温かみが感じられるでしょう。
一方、金属系サイディングボードと呼ばれるものは、シャープな印象のものが多くあります。見た目にも“金属質”を感じさせる外壁材は、それだけでスタイリッシュなイメージに仕上がります。
2階建てや3階建てでない分、居住スペースを横に取らざるを得ない平屋は、外壁がその家の印象を大きく左右します。そのため、外壁の色や質感の選び方が、おしゃれな平屋づくりの最大のポイントと言えるかもしれません。
もちろん、注文住宅であれば外壁をツートンカラーにすることも。単色では表現しきれないイメージを、複数の色で実現することができるでしょう。
1-2窓、開口部
もうひとつ、目立ちやすいものの中に“窓”があります。平屋は、外壁の面積が2階建てや3階建てに比べて少ない分、窓が目に付きやすいものです。
おしゃれな平屋を演出するためには、室内のカーテンやブラインドにもしっかりこだわりたいもの。カーテンやブラインドを、家のイメージにあわせて丁寧にチョイスすることが大切です。また、平屋建ては通りからの目線がどうしても気になりがちなので、陽光を取り入れつつもプライバシーをしっかり確保するために、カーテンやブラインドのデザインにも注意してみてください。レースを上手に使ったり、ブラインドで遮光を調整することができます。
プライバシーを上手に確保しながら、明るさや開放感を保ちたいのであれば、中庭を設けるのもひとつの方法です。家を「ロの字」や「コの字」にして中庭をつくり、そこに大きな窓を設ければ、外部からの視線を遮りながら明るさや風通しを確保できます。
家の中から中庭に直接アクセスできるようにすれば、お子さんの安全な遊び場として、趣味や運動をする場として、もしくは家族や友人とのちょっとしたパーティーができる場として使えます。家だけでなく、ライフスタイルにおしゃれをプラスすることもできますね。
2.平屋のおしゃれなつくり方―屋根編
屋根もまた、平屋の印象を左右するものです。多くの平屋で採用されているのは、「片流れ屋根」もしくは「陸屋根(ろくやね)」です。
片流れ屋根とは、屋根全体が一方向に傾くようにデザインされた屋根のこと。その角度により、家を大きく見せることもできますし、工夫次第ではロフトを設けて、1.5階を設けることもできます。
こちらは、切妻屋根と片流れ屋根を組み合わせた実例です。LDKなど家族の共有部分は片流れ屋根に、寝室などのプライベートな部分は切妻屋根として、内部の用途によって外観や屋根を変化させています。
片流れ屋根はダイナミックな印象を与えます。逆に切妻屋根は高さを抑えてコンパクトに仕上がり、そのコントラストが外観デザインの肝になっているといえるでしょう。
実は、片流れ屋根はソーラーパネルを設置するのにも適しています。地域によりますが、ソーラーを設置する上で重要になる、太陽光を効果的に集めるのに最適な勾配というのがあるのです。
フラットな屋根の場合は、ソーラーパネルに勾配を付けるために、足を設置しなければならない場合もあります。また、勾配が大きい屋根の場合は、太陽光を集める効率が下がってしまうことも。計算された勾配に設計された片流れ屋根であれば、効率よく太陽光発電システムが稼働できると言えるでしょう。
あくまでも「シンプル・イズ・ベスト」のスタイルで家づくりをしたい方には、フラットな陸屋根がおすすめです。
こちらは、フラット屋根の実例です。屋根をフラットにすることで、フォルムは極限までシンプルにでき、まるで箱のような形状に。このようにシンプルなフォルムの家の場合、印象を決めるのは外壁に使う素材や色選びが大きく関わってきます。
シンプルな四角であっても、どのぐらいの建物の高さにするかで、横長の四角になるのか、正方形に近い四角になるのかが変わってきます。それによっても、与える印象が異なります。フラット屋根はシンプルでありながら、おしゃれな外観にできる屋根と言えるでしょう。
屋根も外壁と同様に、横に広くなりがちな平屋にとって、イメージの要と言えます。外壁とセットで考えて、慎重に検討してみてください。その際に、色合いと素材感を丁寧に合わせていくことが大切です。
3.平屋のおしゃれなつくり方―窓やドア
平屋はそのシンプルさゆえに、窓やドアもよく目にとまります。とくに近年は、家づくりをする際にショールームに気軽に足を運べるようになり、それぞれを単体で選ぶことができる機会も増えていますので、そこで目にした窓やドアをぜひ取り入れたいということもあるでしょう。
しかし、外壁や窓、ドアなどの設備に、デザインの高い個性的なものを選んでしまうと、トータルで見たときに印象がちぐはぐになってしまうことも。
家を建てようとしている方の思い描く「おしゃれ」とは、どのようなものでしょうか。たとえばご夫婦であれば、二人の間で「おしゃれ」を指すもの(定義)を、住宅雑誌やインテリア雑誌などを見ながら、デザインやスタイルの擦り合わせてしてみるといいでしょう。
たとえば、壁はご主人の意見を、ドアには奥さんの意見を取り入れた結果、それらが馴染まないといったことも少なくありません。このような失敗を防ぐためには、ご夫婦間の求めるイメージを合わせることと同時に、相談相手となる建築士など第三者の意見を取り入れる柔軟性も大切です。
玄関扉の場合、建具自体を選ぶことにより、デザインが決まってしまう場合もありますが、家全体としての開口部をどうデザインするかによっても、その家の印象はガラッと変わってしまいます。
こちらの実例では、外壁に木を多く使っており、とてもシンプルな印象ですよね。しかし開口部を大きくとることで、家のほとんどが内部まで見通せるような開放感が得られます。
さらにこの家をよく見ると、パブリックなスペースに面している開口部だけがオープンになっていて、プライベートなスペースは閉じた形になっています。実際の生活においては、プライバシーの確保よりも、開放感が味わえるメリットの方が多く感じられそうです。
4.平屋のおしゃれなつくり方―テラス・ウッドデッキ編
アウトドアリビングとして人気が高く、最近では多くの方が取り入れているテラスやウッドデッキもまた、平屋をおしゃれにするポイントのひとつ。実用面でも使い勝手がよく、家族の集いの場として、また洗濯物や布団干しができるスペースとして活躍してくれるでしょう。
テラスやウッドデッキを作るのであれば、事前に周囲の自然環境を観察しておきましょう。自然が豊かなエリアであれば、虫も多く、それを捕獲するためにクモや鳥が近寄りやすくなります。クモの巣が張ったり、鳥の糞が落ちてきたりと、「見た目にはおしゃれだけど、手入れが面倒」「せっかく作ったのに、上手く活用できなかった」ということも考えられます。
また、庭(植栽)も同時にデザインするときは、シンボルツリーなどの樹木が成長したときのこともイメージしなければなりません。テラスやウッドデッキとマッチするか、成長につれてウッドデッキに干渉しないか、さらに家全体と美しく調和するかまでも考えます。
また、ウッドデッキを家の内部とどうつなげてつくるかも、実際に生活する上で重要です。家の前面につくるのか、裏面につくるのかによっても、その使い勝手は大きく変わってきます。
家の前面であれば、よりパブリックな意味合いが強くなるでしょうし、裏面であれば、家族のためのスペースとなります。こちらの実例のように、L字型にデザインされた間取りに合わせて、ウッドデッキもL字型につくることもできます。
このようなデザインでは、家のどこからもウッドデッキにアクセスできるメリットがあります。つまり、家族同士のコミュニケーションが取りやすいデザインと言えますね。
5.平屋のおしゃれなつくり方―間取り編
家族が長い時間過ごす室内は、できるだけ開放的につくりたいものです。
平屋において、建築可能な範囲内でできるだけ1階の高さを確保するのも、広さを感じさせるひとつの方法です。その際に、リビングの一部の床を低くするダウンフロアリビングも有効と言えます。この方法は、オールフラットな平屋をメリハリのある空間へと変えてくれるでしょう。
ダウンフロアリビングは、人数の多いご家庭や、友人を招く機会の多い場合に、とても便利なスペースとなります。段差を活用すればベンチのように使えるので、大勢で食事をしたり、ホームシアターを楽しんだりと、リビングの使い方の幅がぐんと広がります。また、この段差部分に収納を設ければ、デッドスペースを少なくすることも可能です。
また、平屋ならでは高い天井を最大限に活かして、大きなワンルームのようなLDKをつくるという方法もあります。平屋であれば、天井高は法律的にも制限がかかることはありませんので、開放感のある天井高の空間が実現できるのです。
こちらの実例も平屋でありながら、天井高は最大4.5mと、上に向かっての開放感を感じることができるでしょう。また、屋根の形を活かすことで、ユニークな形の天井にすることも。天井を張るか張らないかということも大きな選択のひとつになります。
6.平屋のおしゃれなつくり方―内観編
もし、吹き抜けに近いイメージが理想であれば、あえて柱や梁をむき出しにする「あらわし」はいかがでしょう。その場合、柱や梁の木材を濃い目のものにすることで、まるで古民家のように落ち着いた雰囲気にできます。
または、これらの柱や梁を隠すつくりにする場合でも、天井をほのかに照らす間接照明を取り入れるなどすれば、明るく広々としたイメージに仕上げることができます。
ほかにも、プライバシーを保ちたい寝室には、屋根に近い部分に横スリット窓を設ければ、家の内部から見たときに、室内に縦の広がりが感じられます。
このように、平屋であってもおしゃれに作る方法はいくつもあります。
また、真っ白な空間を作るというのも、ひとつのアイデア。真っ白な空間は、いわば真っ白なキャンバスのようなもの。完成した後からいくらでもデザインが可能ですし、気分によって模様替えをすることも。選ぶインテリアによって、その印象をガラッと変えることもできます。
こちらの実例では、白い空間にトップライトから光が差し込み、とても明るい印象になっていますね。観葉植物を置くことで空間に瑞々しさが加わり、落ち着いた色味のセンターラグとテーブルセットは、空間を引き締める役割を果たしています。
このように空間をシンプルにして、あえて自由度を残すというのも、内観デザインの手法のひとつなのです。
7.【平屋の注意点①】後悔しないための間取りを紹介
平屋は1階建てという特徴から、さまざまなメリットがあります。一方で、通常の住宅ではあまり重要にならないところに、意外な落とし穴があることも。住まいの失敗ランキングでも上位で目立ちやすい「間取り」の問題について、項目ごとにチェックしていきましょう。
7-1.【失敗する平屋の間取り】周囲の高い建物を考慮していない
平屋は、“人の背丈+α”の、ミニマムな高さが特徴です。そのため、周囲に高い建物が建ってしまうと、日照時間が制限されたり、風通しが悪くなってしまうなどの失敗につながります。もしも住宅が密集しているエリアで平屋を建てることを検討している場合は、近隣にマンションなど高い建物が建つ予定がないかを調べてみましょう。
また、そのような建物が建った場合、自分の家がどのような影響を受けるのかを検討したうえで、家づくりに臨まなくてはなりません。一度高い建物が建ってしまった後では、家をリフォームするのは簡単なことではありません。家づくりの検討の段階から、明るさや風通しのための天窓などを含め、間取りを十分に考えておきましょう。
7-2.【失敗する平屋の間取り】寝室やリビング、トイレなどプライベート空間を配慮していない
すべての部屋が地面に近いということは、どの部屋も外部からの影響を受けやすいことを意味します。そうなると、プライバシー確保のために間取りの工夫をしなければなりません。間取りによっては、生活スペースが周囲に見えてしまうこともあったり、近隣の生活音をストレートに受けてしまうこともあるかもしれません。
たとえば、「隣の家のトイレに近い位置にリビングを設けてしまって、お互いに気まずい」「交代勤務で睡眠時間が一定していないのに、お隣のリビングと近いところに寝室を設けてしまい寝づらい」、「通りに面したリビングが丸見えなのではという不安がある」といった失敗が起こりがちです。こうしたケースでは、間取りの工夫はもちろん、植栽を活用することもできます。
7-3.【失敗する平屋の間取り】厳重な防犯対策を施していない
出入りがしやすく、いざというときに避難しやすい家は、裏を返せば「防犯対策が必要な家」とも言えます。また、一階の寝室は就寝時には窓を開けづらいですし、長期間家を空ける時には空き巣のターゲットになることも考えられます。
さらに、女性が一人になる時間帯が多ければ、覗きなどの犯罪を防止する工夫をしなければなりません。間取りの工夫だけでなく、サッシや生垣、センサーライト、踏むと足音が明確に聞こえる防犯用の砂利など、さまざまな防犯対策が必要になります。
7-4.【失敗する平屋の間取り】風通しの綿密な計算をしていない
平屋は、生活に必要なすべての部屋が連続して存在します。細かく分かれた間取りにしてしまうと、部屋と部屋を区切る壁に邪魔されて、風が通りにくい家になってしまう可能性があるでしょう。
2階建てや3階建てのように高さのある家では、その高さを利用して、家全体の風の通り道を確保しています。一方平屋では、立体的な空気の流れをつくりづらいというデメリットがあります。そこで、周囲の建物の状況をしっかり把握し、季節ごとに異なる風を取り入れられる窓の配置や間取りを考えなければなりません。
風通しに関しては、防犯上の観点から、窓の開けっ放しはおすすめできません。また、間取りと同時に、窓を設置する場所にも神経を使う必要がありそうです。
そこで、暖かい空気が部屋の上部に集まる性質を利用して、壁の高いところに設けた高窓から空気を逃がし、壁の低いところに設けた地窓から低温の空気を取り入れる方法がおすすめです。このように、自然に空気が入れ替わる構造にすることで、平屋でも風通しを良くできるのです。
また、家全体での風の通り道を考えると同時に、ひとつひとつの部屋でも風の通り道を確保することが必要に。風通しの悪い家になってしまうと、匂いや湿気がこもったり、カビやダニが繁殖しやすいなど、副次的なストレスを生みやすくなってしまいます。そうならないためにも、風の通り道の仕組み作りは綿密に行いましょう。
8.【平屋の注意点②】土地確保の価格
家に必要なすべての機能をワンフロアで完結させるためには、同じ延べ床面積をもつ2階建ての家よりも、必然的に広い土地が必要になります。前述した「部屋から庭へアプローチできる楽しさ」を実現させようとすれば、広めの庭も必要になるでしょう。
平屋の家は建築費用が高くなると言われるのは、土地の広さの確保、つまり土地の価格が大きく影響するからです。土地の価格を度外視した予算を考えていると、見積もりの時点で失敗してしまうケースも少なくはありません。
そこで、「本当に必要な部屋数はいくつなのか」「それに必要な面積はどの程度なのか」など、平屋に求める条件を洗い出してみましょう。また、モノをできるだけ減らしてミニマムに暮らすなど、生活そのものを見直してみることも大切になってきます。
9.家事がしやすく、今も将来も安心な平屋は「長く愛せる家」となる!
結婚をして、子どもを生み育て、社会に送り出した後は、また夫婦二人の生活になる――。このようなライフステージに合わせて、住みやすい家を手に入れようと考えると、平屋も選択肢のひとつとして候補に上がるでしょう。
階段を使った上下の動線がないので、家事がしやすかったり、小さなお子さんがいても安心だったり、年齢を重ねても暮らしやすいなど、機能面で多くの魅力がある平屋の家。さらには、ウッドデッキなどで庭とのつながりを意識すれば、自然と触れ合える時間も増え、心豊かな毎日を送ることができるでしょう。
使い方に幅をもたせたフリースペースを作っておくというのも、長く住み続けるためにおすすめしたいプランニング術です。「平屋であっても、家族それぞれのプライバシーは確保したい。でも、スペースには限りがある……」そんな時に活用できるのが“ロフト”です。
平屋は建物の高さに自由度があり、その高さを利用してロフトを設けることができます。ある程度、天井に高さを出せば、立派な居住スペースにもなるでしょう。さらに、お子さんが独立した後には収納スペースとしても重宝するはず。平屋におけるロフトは、フリースペース的な存在として、とても便利なものなのです。
【実例集】平屋の間取りの工夫点を施工例で紹介
平屋は、デザイン面のかっこよさやおしゃれさに目が行きがちですが、実は非常に実用的な家です。しかし、外観や窓など、外部からの視線にしっかり配慮をしなければならない家でもあります。
これまで、おしゃれな平屋を実現するヒントをお伝えしましたが、重量木骨の家でそれらを実践した「おしゃれな平屋」の事例をぜひご覧ください。