【実例紹介】平屋がおしゃれになる重要な6つの視点!失敗しない間取りを徹底解説!

本当に価値のある家は、「長く愛着を持っていられること」という条件をも備えているものです。家族構成の変化や年齢の推移に応じて、長きにわたって住まうことのできる家とはどのようなものでしょうか。
そして、よりおしゃれな平屋に“仕立てる”方法には何があるのでしょうか。今回は、「実用的でおしゃれな平屋の作り方」をいくつかの角度からご説明いたします。
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1.おしゃれ平屋のつくり方―外観編
せっかく暮らしやすい平屋を建てるのであれば、長く愛着を持てるおしゃれな家にしたくありませんか。より深く平屋の特徴を知れば、おしゃれな平屋をつくることができます。平屋はスタイリッシュでスマートな住宅として、住まいの記事でもよく取り上げられます。外観にシンプルさを追求すれば平屋の美しさを引き出せたり、すっきりとした外観は、流行に流されない存在感をキープできます。
しかしながら、単にシンプルさを求めても味気がなくなってしまうかもしれません。外壁素材や色を工夫すれば、素敵な雰囲気をかもし出してくれます。
1-1外壁について
一番人目につきやすい外壁は、その家の「ファーストインプレッション」につながります。白で不変のクリーンさをアピールするのもよし、黒やグレーで少しとがった強い印象を与えるもよし、です。もちろん外壁材によっても印象はかなり変わります。
窯業系(ようぎょう系)サイディングであれば色調やデザインも多く、好みのものを選べます。中にはれんがのような印象のものもありますので、あたたかみを感じさせてくれるでしょう。
一方、金属系サイディングボードと呼ばれるものは、シャープな印象のものが多くあります。見た目にも“金属質”を感じさせる外壁材であれば、それだけでスタイリッシュなイメージをもたらしてくれることでしょう。
2階建て・3階建てでない分、居住スペースを横に取らざるを得ない平屋は、外壁がその家の印象を左右します。外壁の色・質感がおしゃれ平屋の外観の最大ポイントといっても過言ではありません。
もちろん、注文住宅であれば外壁をツートンカラーにすることも可能です。単色では表現しきれないイメージを、複数の色で実現することもできます。
1-2窓、開口部
また、もうひとつ目立ちやすいものの中に、窓があります。平屋は外壁面積が2階建て・3階建てに比べ少なく見える分、窓も目に付きやすい傾向にあります。
おしゃれな平屋を演出するためには、家の外部・内部を自然に区切るカーテンやブラインドにも注意を払っていただきたいものです。外からの視線を遮るためにも、カーテンやブラインドを家のイメージにあわせて丁寧にチョイスしたいものです。
もしもプライバシーをうまく守りながら明るさや開放感を保ちたいのなら、中庭を設けるのもひとつの方法です。家を「ロの字」「コの字」にして中庭を作り、そこに大きな窓を設ければ、外部からの視線を遮りながら明るさや風通しを確保できます。
家の中から中庭に直接アクセスできるようにすれば、安心なお子さまの遊び場、もしくはご家族やご友人とのちょっとしたパーティーにも使えます。家だけでなく、ライフスタイルにおしゃれをプラスすることが可能です。
2.おしゃれ平屋のつくり方―屋根編
屋根もまた、平屋の家の印象を左右するものです。多くの平屋で採用されているのは、「片流れ屋根」ないしは「陸屋根(ろくやね)」です。
片流れ屋根は一枚の屋根が一方向に傾くよう設けられるものです。その角度により、家を大きく見せることもできますし、工夫次第でロフトを設け1.5階にすることもできます。また、太陽光発電のパネルを設置してもメンテナンスしやすい状態をつくることもできます。
あくまでも「シンプル・イズ・ベスト」の路線で家づくりをしたい方には、陸屋根がおすすめです。
屋根もまた、外壁と同様、横に広くなりがちな平屋にとってイメージの要ですので、外壁とセットで慎重に検討してください。色合いと素材感をていねいに合わせていくことが大切です。
3.おしゃれ平屋のつくり方―窓やドア
平屋は、そのシンプルさから窓やドアも目立つ傾向にあります。
特に近年は、家づくりに関するショールームに気軽に足を運べるようになり、それぞれを単体で見られる機会も増えていますので、そこで見た窓やドアが忘れられないといったこともあるでしょう。
しかしながらおしゃれにしたいがために、外壁と窓・ドア、それぞれを特徴あるものを選んだため、トータルで見たときに印象がちぐはぐになることも少なくありません。
家を建てようとしている方の思い描く「おしゃれ」はどのようなものでしょうか。たとえばご夫婦であれば、おふたりの間でその「おしゃれ」の指すもの(定義)を住宅やインテリア写真を見る等してデザインやスタイルの擦り合わせてください。
壁はご主人の意見を、ドアには奥さんの意見を取り入れた結果、それらが馴染まないことも少なくありません。このような失敗を防ぐためには、ご夫婦間の求めるイメージを合わせることと同時に、相談相手となる建築士の第三者的意見を取り入れる柔軟性も大切です。
4.おしゃれ平屋のつくり方―テラス・ウッドデッキ編
もうひとつのリビングとして多くの方が取り入れているテラスやウッドデッキもまた、平屋のおしゃれポイントとして有効なものです。実用面でも家族の集いの場、または洗濯物や布団干しの際に使う場として大活躍してくれるでしょう。
できれば、事前に周囲の自然環境を観察しておきましょう。自然が豊かなエリアであれば、虫も多く、それを捕獲するためにクモや鳥が近寄りやすくなります。クモの巣が張ったり、鳥の糞が落ちてきたりと、「見た目にはおしゃれだけど、手入れが面倒くさい」「せっかく作ったのに上手く活用できなかった」ということもなくはありません。
また、庭(植栽)も同時にデザインするときは、シンボルツリーなどの樹木が成長したときのこともイメージしなければなりません。テラスやウッドデッキとマッチするか、成長につれウッドデッキに干渉しないか、ひいては家全体と美しく調和するかまでを考えます。
5.おしゃれ平屋のつくり方―間取り編
家族が長い時間過ごす室内は開放的につくりたいですね。
平屋で許される範囲内で1階の高さを確保するのも、広さを感じさせるひとつの方法です。また、リビングの一部の床を低くするダウンフロアリビングも有効です。この方法は、オールフラットな平屋をメリハリのある空間へと変えてくれます。
ダウンフロアリビングは、特にご家族の多いご家庭・ご友人を招く機会の多いご家庭に便利なスペースとなってくれます。段差を利用し、ベンチのように利用できますので、大勢で食事をしたりホームシアターを楽しんだりと、リビングの利用の幅が広がります。また、この段差部分に収納を設ければ、デッドスペースを少なくすることも可能です。
6.おしゃれ平屋のつくり方―内観編
もしも、吹き抜けに近いイメージを求めていらっしゃるのであれば、あえて柱や梁をむき出しにする「あらわし」はいかがでしょうか。その際、それらの木材を濃い茶色にすることで、あたかも古民家のような落ち着いた雰囲気にできます。
または、これら柱や梁を隠すつくりにする場合でも、天井をほのかに照らす間接照明を取り入れるなどの方法で明るく広いイメージを作り出すことができます。
プライバシーを保ちたい寝室には、屋根に近い部分に横スリット窓を設ければ、家の内部から見たとき室内に縦の広がりを感じられます。
このように、平屋であってもおしゃれに作る方法はいくつもあります。
7.後悔しないために!失敗しやすい平屋の間取り
平屋は1階建てという特徴からさまざまな利点があります。一方で、通常の住宅ではあまり重要にならない点で、意外な落とし穴があることも。住まいの失敗ランキングでも上位で目立ちやすい「間取り」の問題について、項目ごとにチェックしていきましょう。
7-1.【失敗する間取り】周囲の高い建物を考慮していない
平屋は、人の背丈プラスアルファのとてもミニマムな高さが特徴です。そのため、周囲に高い建物が建ってしまうと日照時間が制限される失敗、風の通りが悪くなってしまう失敗につながります。もしも住宅が密集しているエリアで平屋を建てることを検討している場合は、近隣にマンションなど高い建物が建つ予定がないかを調べてみましょう。また、そのような建物が建った場合、自分の家がどのような影響を受けるのかを検討しつくしたうえで家づくりに臨まなくてはなりません。高い建物が建ってしまったあとに家をリフォームするのは難しいことですから、家づくり検討の段階から明るさや風通しのための天窓などを含め、間取りを十分に考えておきたいものです。
7-2.【失敗する間取り】寝室やリビング、トイレなどプライベート空間を配慮していない
全ての部屋が地面に近いということは、どの部屋も外部との関係が濃くなってしまうことを意味します。プライバシー確保のために間取りの工夫をしなければなりません。間取りによっては生活感が筒抜けになってしまう失敗だけでなく、近隣の生活音をストレートに受けてしまう失敗もあります。例えば、「お隣のトイレに近い位置にリビングを設けてしまったために、お互いに気まずい」「交代勤務で睡眠時間が一定していないのに、お隣のリビングに近いところに寝室を設けてしまい寝づらい」、「通りに面したリビングが丸見えなのではという不安がある」といった失敗が起こりがちです。こうしたケースには、間取りの工夫はもちろん、植栽も役立ちますのでご検討ください。
7-3.【失敗する間取り】厳重な防犯対策を施していない
出入りしやすくいざというときに避難しやすい家は、裏を返せば「防犯対策の必要な家」ともいえます。就寝時には窓を開けづらく、長期間家を空ける時には空き巣のターゲットになることも考えられます。女性が一人になる時間帯が多ければ、のぞきなどの犯罪を防止する工夫をしなければなりません。間取りの工夫だけでなく、サッシや生垣、センサーライト、踏むと足音が明確に聞こえる防犯用の砂利など、様々な点での防犯対策をしなければなりません(※3)。
7-4.【失敗する間取り】風通しの綿密な計算をしていない
平屋は、生活に必要な全ての部屋が連続して存在します。細かい間取りにしてしまうと、部屋と部屋を区切る壁に邪魔されて風が通りにくい家になってしまうことがあります。
2階建て・3階建てのような高さのある家では、その高さを利用して家全体の風の通り道を確保します。一方平屋では、立体的な空気の流れを作りづらい面があります。周囲の建物の状況を充分に知り、季節ごとに異なる風をしっかり取り入れられる窓の配置・間取りを考えなければなりません。
風通しに関しては、防犯の観点から窓の明け放しは推薦できないため、間取りと同時に窓の設置場所にも神経を使わなければなりません。暖かい空気が部屋の上部に集まる性質を利用することで、壁の高いところに設ける高窓から空気を逃がし、壁の低いところに設ける地窓から低温の空気を取り入れる方法がおすすめです。自然と空気が入れ替わる構造にすることで、平屋でも風通しを良くできます。家全体での風の通り道を考えると同時に、一つひとつの部屋ごとに風の通り道を確保する工夫が必要です。風通しの失敗は匂いや湿気がこもる、カビやダニを繁殖させるなどの副次的なストレスを生みやすいので、綿密に計画しましょう。
8.【平屋の注意点】土地確保の費用が高くなりがち
家に必要な全ての機能を1階で完結させるためには、同じ延べ床面積を持つ2階建ての家よりも広い土地が必要です。前述した「部屋から庭へアプローチできる楽しさ」をさらに楽しもうと思えば、広めの庭も必要でしょう。
平屋の家は高くつくといわれるのは、土地の広さの確保、つまり土地の価格が大きく影響するからです。土地の価格を度外視した予算を考えていると、見積もりの時点で失敗してしまうケースも少なくありません。
本当に必要な部屋数はいくつなのか、それに必要な面積はどの程度なのか?今一度平屋に求める条件を洗い出してみましょう。また、収納の工夫でモノを減らして暮らする方法の検討など、生活そのものを見直してみることも大切です。
9.家事がしやすく、今も将来も安心な平屋は「長く愛せる家」となる!
結婚をし、子どもを生み育て、社会に送り出した後はまた夫婦二人になる―。このようなライフステージに合わせて住みやすい家を得ようと考えると、平屋も選択肢の一つとしてクローズアップされてきます。生活導線が一つのレベルなので、家事がしやすい、妊娠やケガなどからだの様子が平常でないときでも動きやすい、年齢を重ねても暮らしやすい、そのような機能面での魅力がある平屋の家。さらにはウッドデッキなどで庭とのつながりを意識すれば、自然と触れ合える時間も増え心豊かな毎日を送ることができます。
【施工例紹介】「どのような間取りの工夫ができるのか」実例をごらんください
平屋は、とても実用的な家です。しかしながら、外観・窓など、外部からの見た目に充分配慮をしなければならない家でもあります。おしゃれな平屋を実現するヒントをお伝えしましたが、重量木骨の家でそれらを実践した「おしゃれな平屋」の事例をご覧になってください。