2026.04.06

家族と愛犬5匹が快適に暮らすマチュアな邸宅

安心感と開放感を両立した、大人と愛犬のための邸宅

落ち着いたグレーのタイルとウッド調の格子扉が印象的な外観のK邸は、東京都心にある住宅街の角地に立つ。人や車の往来のある道路に面する外壁に、大きな開口部は見当たらない。だが、格子扉の先の明るさを抑えたポーチを抜けて玄関を入れば、そこには中庭からの柔らかな光が差し込んでいる。光と風を中庭から取り込む、内に開いた住まいだ。
 
 
ここに暮らすのは、Kさん夫妻と社会人の娘さんの大人3人と愛犬5匹。中庭に面した吹き抜けのある広々としたLDKには、家族と犬が自然と集まってくる。中庭とハイサイドライトのおかげで一日中穏やかな明るさが広がり、「道路側に窓がほとんどないこともあって、静かで落ち着きます。家から出たくないと思うほど快適です」と奥さまは微笑む。
 
 
LDKは柱のない大空間で、吹き抜けの天井高は約5.5m。家づくりを始めて、「地震に強く、柱を少なくしても開放的な空間をつくれる構法」を探すなかで、ご主人がSE構法にたどり着いたことで、ダイナミックな空間を実現できた。「夫は建物内部に愛車を収めるビルトインガレージを希望していました。建物の構造的な強さと自由なプランニングを両立できると知って、SE構法で家づくりをすることに決めました」と奥さま。自由なプランニングをスタイリッシュなデザインに落とし込める設計施工会社を探して出合った「KURASU」に家づくりを一任した。
 
 
耐震性とインナーガレージの確保に加えて、夫妻が望んだのは「家族全員がリラックスでき、愛犬にとっても安心できる家」であること。その思いを受けて、自身も愛犬家であるKURASUの小針美玲さんが設計を手掛けた。まず、人も犬もお互いの気配を感じながら過ごせるよう、LDKは一直線に伸びる細長い空間に。出入り口の扉のサイドにはガラスを採用し、視線が抜けるように工夫している。料理をしながら家族と会話ができ、愛犬からも家族の居場所がわかるように、キッチン、パントリー、奥さま用の小スペースをひとつながりに配置し、できるだけ死角をつくらないよう工夫している。さらに、全館空調によって一年を通して快適な温度を保ち、犬のケージ周辺にも床暖房を設置し、床材は汚れを落としやすいタイルを採用している。まさに、人も犬も同じ目線で心地よく暮らせる家を目指した設計なのだ。
 
 
外観とインテリアは、ご主人の好みを反映した。大人が落ち着いて暮らせる家を目指し、グレーとブラウンを基調にマチュアなデザインを追求。家具はほとんど造作で、キッチンからリビングまで続く大きな収納はキッチンハウスにオーダーした。「ラインをそろえて色を統一することで、暮らしの景色がすっきり整いました」と奥さまが話すように、サッシや床タイルの割り付け、収納の取っ手の位置に至るまで、家全体が美しく整えられているのが印象的だ。ほかにも、シックな浴室、収納たっぷりのパウダールーム、家事を行うランドリールームをまとめることで、「入浴・着替え・洗濯」のすべてが同じ空間で済むように。考え抜かれた家事動線にすることで、快適な暮らしを実現している。
 
 
引き渡しの際には、初めて家のなかに足を踏み入れた娘さんが「ホテルみたい。ここに住めるなんてうれしい」と感激したというエピソードも。愛犬も含めた家族のことを第一に考え、ビルダーと二人三脚で細部までつくり込んだこの家には、「安心と上質な日常」が穏やかに息づいている。
 
 
取材・文/山崎かおり

K邸
設計施工 KURASU 所在地 東京都
家族構成 夫婦+子供1人+犬5匹 敷地面積 222.13㎡
延床面積 253.36㎡ 構法 木造SE構法

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