シンプルな空間に遊び場が点在する住まい


テクタ社の名作ダイニングテーブル「M21」は台形のような有機的なデザインで、座る人数を限定しない。シンプルな空間の主役となりうる存在感がある。

5.5mある吹き抜けに面した大開口から空を仰ぐことができて、屋外のテラスとシームレスにつながるリビング。天井に仕込んだライン状の間接照明がスタイリッシュ。

テラスの造園デザインは緑空間制作所に依頼。季節や時間帯によって表情を変えていく。大人のくつろぎの場や子供たちの遊び場にもなる家族の居場所。

1.リビングに設けた上下の開口に加え、ダイニング側やスリット窓からも光を取り込み、LDKを明るくキープ。窓越しにテラスの植栽が視界に入り、広がりが感じられる。/2.夜になると、ダウンライトの光がダイニングテーブルを照らし出し、ドラマチックな雰囲気に。テラスのグリーンもライトアップされ、家全体が非日常的な空間となる。

3.貴重なバスケットシューズのコレクションをディスプレイした2階の趣味室。/4.水回りもシンプルなデザインに。鮮やかなグリーンのタイルがアクセントになっている。

住宅に隣接しているため、外壁はプライバシーを守れる高さを計算して設計。テラス内側は植栽が映えるマスタードイエローにした。

本格的なサウナを設置した2階のプライベートジムはKさんのお気に入りの場所。奥にあるルーフバルコニーに出て、外気浴で整うことも。

南東角地のため日射取得にも恵まれ、パッシブデザインに最適なロケーション。立体感をもたせたファサードにし、壁面にタイルを使用してモダンなガレージハウスに仕上げた。

アイランドキッチンは組み合わせが自在なタカラスタンダードの「オフェリア フルフラット」を選択。

階段から各個室への動線も「居場所」として余白を有効に活用。開口や吹き抜けに面した開放的なセカンドリビングに。eスポーツに熱中できるゲームコーナーを用意した。

ビルトインガレージは愛車のランボルギーニのアーティスティックな曲線が際立つ照明計画に。ガレージからも玄関へとアクセスできる裏動線を設けた。
家族みんなが自分らしく過ごせる居場所で、家時間がさらに豊かに
「プロのセンスを信じていたので、基本的にすべておまかせでした」と建て主のKさんは振り返る。実は、両親もタイコーアーキテクトで2軒の家を建てており、いつか自分たちの住まいも依頼しようと決めていたという。「知識ゼロで家づくりを始めたのですが、ファーストプランを見た時点で90%くらいが決定。あとは細かな調整だけでしたね」
Kさんが要望として挙げたのは、「大きな吹き抜けがあるLDK」「余裕のある収納」「愛車のランボルギーニを保管するビルトインガレージ」の3つ。タイコーアーキテクトの設計担当の前田 良さんは、これらを軸に住宅の機能性とデザイン性の両立を目指した。隣地との境界にあるテラスには高い壁を立ててプライバシーを守りつつ、LDKの吹き抜けの壁面に大開口を設け、室内全体に十分な自然光を取り込む。
「南東角地という条件は自然のエネルギーを生かす設計に最適で、冬は自然光だけでも暖かな環境を維持できます」と、前田さんはパッシブデザインの要素もプランに取り入れた。地元の工務店として東大阪の気候や立地を熟知しており、室温シミュレーションをしてくれたのも心強かった。「2フロアが一体となった大空間でも冬は本当に暖かで、夏もエアコン1台を27℃設定で運転して快適に過ごせました」とKさん。また、断熱・気密が万全のため、家のなかがとにかく静か。「人通りは多いのですが気にならず、雨音もしばらくしないと聞こえないほどです」とKさんは笑う。
快適な住環境に加えて、その空間を彩るのも家づくりの楽しさ。「インテリアコーディネーターの中野紀子さんのおかげでいろんなことを決めることができました」と奥さま。当初、インテリアのイメージは固まっておらず、派手な明るい空間を望んだときもあったそう。その後、さまざまなアドバイスにより今のスタイルに落ち着いた。白いキューブのような空間にデザイン家具が映える。ユニークな形のテクタ社のダイニングテーブルには異なるデザインの椅子も調和することなど、プロならではの知見や視点も参考になった。「ソファに関してもリビングの空間にぴったり合うサイズを提案してくれました」と満足そう。
家にいる時間を大切にしたいという思いから、eスポーツのゲームコーナーやサウナ&ジムエリア、外気浴用の外部空間など、自宅だけでも趣味が完結できるように。「2階にあるサウナ部屋にトレーニングマシンを置くと決めたのは引っ越した後だったんです」とKさん。その相談を受け、すぐさま強度を再確認。「木造でも構造計算をしっかりしているので、安心して重量のあるマシンを置くことができました」と前田さん。子供たちが熱中するゲームエリアも、リビングに面した階上にあるので、程よい距離感で交流できる。
この家に住むようになってからの一番の変化は、自宅の滞在時間が圧倒的に増えたこと。仕事終わりにすぐ帰宅し、リビングで飲むのが日課に。ガレージ前や玄関脇、中庭に施した植栽により、昼は緑豊かでみずみずしく、夜はライトアップされ幻想的な雰囲気に。
モダンなスタイルでありながら、遊び心にあふれ、心地よい時間が流れる家。家族のだんらんや趣味の時間をしっかりと支える我が家となった。
取材・文/間庭典子
K邸
| 設計施工 | タイコーアーキテクト | 所在地 | 大阪府東大阪市 |
|---|---|---|---|
| 家族構成 | 夫婦+子供2人 | 敷地面積 | 239.23㎡ |
| 延床面積 | 197.50㎡ | 構法 | 木造SE構法 |








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