柱のない大空間を生かした、住居兼キリスト教会施設建築

SE構法ならではの大空間によって実現した、約100人程が入れる礼拝堂スペース。床にはタモ材の無垢フローリング、壁には漆喰（一部ジョリパット）、天井には杉材をあしらい、自然素材が持つ温かみと心地良さをベースに、音響設備や照明、自然光の取り入れ方にもこだわりました。シンプルながらも機能性とデザイン性を兼ね備えた空間となっています。

最大天井高はおよそ4.5m。やさしい自然光に向かって高くなる勾配天井によって、全体がのびやかで広がりのある空間となっています。また、一部アールになっている壁や板張りの天井、間接照明が、大空間の中でも“落ち着き”と“静けさ”を演出。使う用途によっても表情を変えていきます。

20席ほどのホールは一部吹き抜けとなっており、天窓からの柔らかな光が差し込みます。礼拝堂とはガラス戸で繋がっており、視界の広がりによってゆとりを感じる空間となっています。

礼拝堂の隣には、小上がりの畳スペースを設けています。子どもからお年寄りまで、足を伸ばしてくつろげる空間です。

用途や人数に応じて仕切れる多目的室。大きなFIX窓からは明るい光が入り、外の景色を楽しむことができます。また、全館空調のエアボレーを採用しているため、空間の仕切り方を問わず、どこにいても快適に過ごせる温熱環境となっています。

造作収納と長めのカウンターで、大人数でも使いやすいキッチンスペースに。カウンター部分の引き戸を開けると多目的室と繋がるため、配膳もスムーズに行えます。

男女別トイレの他に、だれでも使いやすい多目的トイレを設置。手すりは使い勝手の良い跳ね上げ式に。床壁は水に強く、お手入れしやすい素材を使っています。

2階の住居部分、リビングダイニングには大きな窓を設置。十分な光が入り、明るい空間となっています。

間接照明を取り入れつつ、開口部の位置や大きさ、形状などをデザイン。窓から漏れる柔らかな光が建物自体の温かみを演出し、街をやさしく照らします。

地域に開かれた誰もが使いやすい施設として、アプローチにはスロープと階段をそれぞれ設置。エントランスからホール・礼拝堂までは段差なく移動できます。また、建物を2棟に分けることで圧迫感を抑え、街並みに馴染むデザインとなっています。