こだわりの間取りとレンガの家

ニューヨークのブルックリン近郊にある建物にはアンティーク色の強い素材がよく使われています。そのような素材を使用して仕上げるブルックリンスタイルの外観を取り入れたお家です。南面には日差しを遮るための軒を設けつつ、ガルバリウムが似合うシャープな外観に仕上げました。 外構に設置した木塀が今後、家の持つスタイルに近づいていく経年変化も楽しみです。

吹き抜け階段の壁一面には外観と同じレンガタイルを施しました。 工場や倉庫をイメージした無機質な雰囲気のインダストリアルデザインのペンダントライトはあえて圧倒されるくらい大きく、印象的な品を選んでいます。 リビングのドアは鉄製で、家のスタイルに合わせてデザインした鉄工所の特注品です。

吹き抜けのあるリビングは大きな窓で明るさが気持ちのいい空間です。 階段の壁面から窓際へと繋ぐように取り付けたシェルフはキャットウォークです。 あえて裾を長めにあつらえたカーテンは奥様のこだわりあるセンスの一つです。 とても雰囲気のある内装に仕上がっています。

内装のベースは木質に赤みのある色合いを施した茶色と、珪藻土の白い色合いです。 後に置かれた雑貨も含め、照明や金物類は黒で統一された内装に仕上がりました。 キッチン横にはサニタリーへと通り抜けるパントリーがあります。

ＬＤＫには小上がりの畳の間を設けました。 小上がりとなる畳下にはワゴン収納を忍ばせています。 ２畳の小さなスペースですが、腰を下ろして休憩するにも、お子様のお昼寝場所としても重宝されています。この大きさだからこそ、壁や扉を設けずに、出入り口はアーチ型にして篭れるような「かまくら」のイメージをもたせました。

２階は南面には吹き抜け、北面には将来の子供部屋、西面には寝室を配置しています。 将来の子供部屋は建築当初は広々としたままで、クローゼットとワークデスクを先に造り付け、後に間仕切りを起こして完成できるようにしています。

植物がお好きなご主人のために、日当たりのいい場所に書斎を配置しました。 ４帖のスペースにはお気に入りの物が詰め込まれています。 選ばれた壁面水栓や陶器のシンクと架台に雰囲気がよく出ています。 掃き出し窓の外には植物のための小さなベランダもあります。

キッチン横にレイアウトされたパントリーです。 脱衣室への通路を兼ねていて家事動線にも配慮しています。 奥様の専用のカウンターや本棚も造り付けた自分のための大切な空間です。

２階の限られたトイレ空間ですが、ドアを開けた瞬間にハッとする、何ともセンスのいい仕上がりです。 全体がフクロウ柄の独特なデザインのクロスですが、モノトーンでまとめられているので圧迫感がなく、アイアンのペンダント照明も素敵です。