LDKとつながるテラスでペットと過ごす癒やしの時間


サイズ違いで吊り下げたmoooiの照明「レイモンド」が印象的なキッチンはキッチンハウスにオーダーした。アイランドキッチン、バックセットと共にモダンに仕上げた。

犬も猫も家族の一員であることから、人とペットが同等に暮らしやすいことを重視。床や壁の材質、安全面やメンテナンス性も考慮して、使用する素材を厳選した。

2階のリビングとバルコニー。サイドが収納棚になった奥行きのある造作壁の中にTVと共にガス暖炉を収めた。両サイドにスリット窓を設けて抜け感を出している。

ペットたちが自由に屋外の風に触れられるよう、リビングと一体化するようにバルコニーを配置。座り心地のよいソファを置き、もう1つのリビングとして活用している。

大判のガラス窓により開放感いっぱいの玄関ホール。道路側の植栽とブラインドでプライバシーは守られている。

1.2階リビングの窓を開け放すとリビングと一体化するバルコニー。壁とルーバーに囲われているため、開放感がありながらもプライバシーはきちんと守られている。/2.トイレは濃淡のあるヘキサゴンタイルでモノトーン空間に変化をつけた。ブラケット照明もおしゃれ。

1階の寝室に隣接するバスルームとパウダールーム。ホテルのようなゾーニングによりコンパクトな生活動線が実現。洗濯機・乾燥機・リネン庫の位置も作業動線に合わせ効率的に配置した。

1階はベッドルームと水回り。プライベートとパブリックを上下階で分離した。フローリングと絨毯を床材に使い、タイル貼りの2階リビングと異なる雰囲気に。開口部も高窓のみでプライバシーとセキュリティを重視。開放的な2階LDKとは対照的に、守られているような落ち着いた空間に仕上がった。

3.階段にガラスのスライド扉を付けて、ペットたちの転落を防止。階段の踏板もリビングと同様、ペットが滑りにくいタイル仕上げを選んだ。/4.新たに家族に加わった愛猫のさくら君。日当たりのよい3階リビングとテラスはペットにとっても最高にくつろげる場所。

意匠的にも機能的にもポイントになった外壁のルーバー。家の顔の役割を果たす。
人もペットも安心して好きな場所で自由に過ごせるように
1LDKの一戸建てという思い切った間取りに、上下階で異なる開放感と居心地。潔さの理由は“主とペットが快適に暮らす”という明確なコンセプトがあったから。「住むのは私1人なので個室は1部屋で十分。その分それぞれの部屋は広く、LDKの天井は高く、と希望しました。計画時は犬が3匹いたのでリビングからフラットにつながる広いバルコニーは必須で、滑りにくい床やメンテナンスしやすい内装材、転落や脱走防止策など人間と同じくらい犬の安全と心地よさを重視しました」とKさん。
Kさんとペットがほとんどの時間を過ごすのは2階LDKとバルコニー。キッチンとリビングで囲むようにバルコニーが配置され、屋外用ソファを置いた空間は文字通りアウトドアリビング。2面の窓と天窓から光が降り注ぐリビングは、約3.3mの天井高とも相まってリゾートのような開放感を味わえる。「2階の大空間、そしてリビングとバルコニーのつながりが設計の特徴です。外観は目隠しにもなるバルコニーの木格子と門扉を一体化したデザインがポイントに。ペットと暮らす家というとナチュラルなインテリアを想像しがちですが、モダンかつホテルライクなスタイルという、非日常感と住み心地を両立させたことも見どころです」と、テラジマアーキテクツの鴨下菜穂さんは語る。
コロナ禍以降、在宅勤務が増えたKさんは家で過ごす時間が多く、心地よさを再認識する日々だという。「在宅のときはダイニングテーブルで仕事しますが、開放感もあるしペットと同じ空間に居られるので安心です。休憩したいときはバルコニーのソファに寝っ転がって空を見るのが最高。ルーバーで囲われているから外からの視線も全然気になりません。ペットたちも太陽に合わせて好きな場所で日向ぼっこ。どこに居ても最高の居心地です」
理想的な住まいを叶えたKさん、当初は大手ハウスメーカー数社に相談したという。デザイン、設計自由度、価格、接客など、満足のいく会社を見つけられずにいたなかで出合ったのがテラジマアーキテクツだった。「最初の提案で木格子ルーバーの外壁を見せてもらって“ここはほかと違う”と心をつかまれました。細かく指示しなくても想像以上の提案をしてもらえたのも初めてでした。できないこと、できるけどやめたほうがいいことなどをプロとしてアドバイスしてくれる一方で、私のリクエストには精一杯応えてくれる。融通も利くし、決め事も工事順に沿ってじっくり考えられるのもよかったです。家づくりの依頼先はデザインや営業との相性で選びがちですが、振り返って思うのは構法や性能、施工体制の大切さ。テラジマアーキテクツは設計と施工の両方ができるし、現場監督がメンテナンスまで見てくれる。SE構法は全棟、構造計算をするから耐震性も等級3が保証される。この安心感は今となっては一番の魅力だったと感じます」とKさんは振り返る。
心から安心して過ごせる理想の住まいを手に入れ、仕事もプライベートも張り合いが生まれたというKさん。今年に入ってからは初めて猫も迎え入れ、人・犬・猫のさらなるにぎやかな暮らしがスタートした。
取材・文/荒井直子
K邸
設計施工 | テラジマアーキテクツ | 所在地 | 東京都世田谷区 |
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家族構成 | 大人1人+犬2匹+猫1匹 | 敷地面積 | 104.64㎡ |
延床面積 | 95.67㎡ | 構法 | 木造SE構法 |