ウォークインクローゼットはただの収納ではない? 豊富な実例から最適な間取りをご紹介!
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皆さん、ウォークインクローゼットと聞くと、「大きな家」や「広い部屋」にあるものというイメージをお持ちかも知れませんが、そんなことはありません。一般的な大きさの家でも充分導入が可能です。ただ、自宅に取り入れる際には、その広さは何畳必要なのか? 棚は必要か? どの部屋にあるといいのか? 寝室なのかあるいは家族共通のスペースか? などの疑問はたくさんあると思います。そこで今回は、ウォークインクローゼットについてその言葉の定義から、必要な広さや、作る際のポイント、また便利な使い方など、詳しく見ていきましょう。
ウォークインクローゼット(WIC)とは?
まずは、ウォークインクローゼットの言葉の定義から見てみましょう。元は英語ですが、歩いて中に入ることが出来るクローゼット(収納)と言う意味があります。日本では昔から和室には押入れと言う収納があり、洋室が一般的な個室になってからは、内部にハンガーパイプがついた、クローゼットと呼ばれる収納がメインになってきました。その収納部分を大きくして、内部を歩けるくらい広くしたものがウォークインクローゼットと呼ばれるという事ですね。
ウォークインクローゼットの種類
ウォークインクローゼットには大きく分けて次の3つの種類があります。それぞれに特徴がありますので、自分たちの持っている物の種類や量によって、適した収納のタイプがどれなのか、照らし合わせてみる必要がありますね。
収納棚全面タイプ
ウォークインクローゼットの全ての壁面に収納棚が付いたタイプです。最初から置くモノが分かっている場合は、そのモノに合わせて棚を作ることも出来るので便利ですね。全ての壁に収納を作ることが出来ますので、洋服を掛けるハンガーや、引き出し付きの棚、オープンなタイプの棚など自由に構成を考えることが出来ます。ありとあらゆるタイプの物を一括して収納できるので、物を探すときにも便利です。
ただ、気を付けないといけない点としては、収納部分を増やし過ぎると歩けるスペースが減ってしまう為、棚とスペースのバランスを考える必要があります。
ハンガーメインタイプ
次にご紹介するのが、ハンガーメインタイプ。収納部分の多くをハンガーパイプで占めているパターンです。コートやロングワンピースなどの長さが必要なものは、高い位置にかけて折らずに収納出来ますし、ジャケットやシャツなどの短いものは上下に2本ハンガーパイプを設置すれば、収納量は2倍に増えます。洋服をたくさん持っている方にピッタリの収納タイプと言えます。ただ、他の物をしまう場所が少なくなるので、枕棚などの高い位置なども有効活用するといいでしょう。
ユニット棚タイプ
最後にご紹介するのは、棚板やボックス、引き出しやハンガーパイプ等を自由に組み合わせて取り付けることが可能なユニット棚タイプです。最初にご紹介した全面収納タイプはあらかじめ棚が造り付けられているのでピッタリとモノが収まるのがメリットでしたが、ユニット棚タイプは物が減ったり増えたりした場合にも、棚やボックスの位置を変更することが出来るので柔軟に対応できるというメリットがあります。最初から造り付けておく必要がないので、好みの物を後から選べるという点でも便利です。
ウォークインクローゼットのメリット
では次に、ウォークインクローゼットのメリットを見てみましょう。これからご紹介するメリットが、今の自分の暮らしに合っていると思えたら、ウォークインクローゼットの導入を考えてみてもよいでしょう。
収納を一箇所に集約できる
ウォークインクローゼットのメリットの一つ目としては、収納を1箇所に集約できるという事があります。洋服以外にも、帽子やアクセサリーなどの小物類も一か所にまとめて収納が出きるのでコーディネートもしやすいですよね。また、物の収納場所が一箇所になるという事は探し物をする時間が減るという事になります。皆さんは出かける直前に、探し物をして、危うく遅刻しそうになったという経験はありませんか? そういったトラブルも減って暮らしやすくなるでしょう。
衣替えの手間が省ける
また、通常のクローゼットの場合は、季節ごとに衣替えをして、今着る服というものを準備する必要がありますが、ウォークインクローゼットの場合はスペースが広くなる分、衣替えをせずにすべて一か所にまとめて置くことも可能になります。今持っている物や服が一目で分かりますので、新しく洋服や小物類を買い物する際にも、持っている物に合わせて買うことが出来ます。同じものを買ってしまったり、余計なものを買ったりする事も減るでしょう。
大きいサイズのものを保管できる
そしてもう一つのメリットとしては、大きいサイズの物を保管できるという事があります。ゴルフバック、スキーの板などの背の高いモノ、スーツケースや夏のレジャーグッズなどのかさばるものも、ウォークインクローゼットなら気軽に収納出来ます。普通のクローゼットの場合は、これらの物をしまうと洋服を収納する場所が確保できなくなってしまいますが、ウォークインクローゼットならある程度の広さがありますので、こういった大物の収納にも困らないですね。
ウォークインクローゼットのデメリット
次に、ウォークインクローゼットのデメリットについて見てみましょう。先ほどご紹介したメリットと合わせて、これらのデメリットについても解決できそうだと思われた場合には、ウォークインクローゼットを取り入れた方が暮らしが豊かになるでしょう。
人が入れるスペースが必要
ウォークインクローゼットと言うのはその字の通り、人が歩いて入るスペースが必要になります。そのスペースがあることで、物を探したり、鏡を見ながらコーディネートしたりすることも出来るでしょう。それはつまり、歩くスペースには物が置けないという事を表しているのです。ウォークインクローゼットというのは、収納スペースであると同時に、物を整理して目に見えやすく、欲しいものを欲しい時に選びやすくするためのスペースでもあるので、その分の余裕が必要になります。
管理しないと使いこなせない
先ほどご紹介した、歩くスペースが必要であるという事と関係しているのですが、もし、荷物を奥から順番にどんどん収納して、歩くスペースがなくなってしまうと、ただの物置になってしまいます。そうすると奥に収納したものは取り出すことが難しくなってしまいますよね。ウォークインクローゼットは、置くモノをある程度整理して管理しやすい状態にすることが必要になりますので、そこに置く物の選別は重要になってくるでしょう。
ウォークインクローゼットの広さと間取り
次に、ウォークインクローゼットの広さ別に、その使い方や設置しやすい場所などを見てみましょう。家族の暮らし方に照らし合わせてみて、どの部屋にどのタイプのウォークインクローゼットが配置できるか、シミュレーションしてみるのもいいですよね。
2畳のウォークインクローゼット
まずは一番省スペースである、2畳のウォークインクローゼットについて見てみましょう。このタイプは、洋服の多い1人暮らし、または2人暮らしで洋服が少ない程度の収納量に対応していると言えます。2畳なら、コの字型に三方ハンガーパイプを通すと、一番洋服の収納力が有効に取れるでしょう。
持ち物がそんなに多くない一人暮らしの場合はスペースに余裕が出来ますので、L字型にハンガーパイプを通して中に鏡を置いて着替えたり、コーディネートを楽しんだりすることも可能になります。
3畳のウォークインクローゼット
次に3畳のウォークインクローゼットについて見てみましょう。通常の洋服の量であれば、2人暮らしの収納量としては十分な広さのウォークインクローゼットと言えます。2人暮らしであれば、洋服だけではなく、布団などの大きなものを収納する余裕もあるでしょう。
また、子供が小さいうちであれば、夫婦2人と子供2人ぐらいまでなら、3畳のスペースで家族全員分の洋服の収納にも十分対応できる広さと言えます。子供が小さいうちは、どうしても親が管理してその日に着る服や保育園や学校の準備もしてあげる必要がありますので、一括で管理できた方が便利ですよね。
4畳のウォークインクローゼット
最後にご紹介するのは、4畳のウォークインクローゼットです。4畳と言えば小さめの個室ほどの広さがありますので、ウォークインクローゼットとしてはかなりの余裕のあるスペースになるでしょう。3から4人家族の洋服も一括管理できますし、2人暮らしであれば、洋服を全部仕舞えることはもちろん、その他にも納戸として普段使わない物をしまっておくことも出来ます。
納戸としても利用する場合には、ウォークインクローゼット内の動線をしっかりと計画して、普段使うものを取り出しやすくして、使用頻度の低いものは動線の邪魔にならないように片付けましょう。
使いやすいウォークインクローゼットの場所は?
次に、ウォークインクローゼットをどこに配置すると使いやすいか? という事についても考えてみましょう。何をしまうかによって、どこに配置するのが使いやすいかが変わってきますので、普段のライフスタイルをきちんと考えてみましょう。
寝室に直結した場所
まずは、寝室に直結した場所にウォークインクローゼットを置く場合。この場合はメインの収納物としては、夫婦所有の物となるでしょう。または、子供が小さいうちは子供の物も収納出来ますので、朝起きた時に自分の着替えと子供の着替えを一緒に準備するというようなライフスタイルの方には、便利な配置と言えるでしょう。その場合は子供が大きくなった時には物も増えてきますので、子供部屋に収納をあらかじめ計画しておく方がいいですね。
洗面室やランドリールームに隣接
洗面室やランドリールームに隣接して設置した場合について見てみましょう。洗面室の側に置いた場合は、タオル類なども一緒に収納出来ますので、帰宅して入浴、寝間着や部屋着に着替える、という流れがスムーズに出来るでしょう。また朝は、ヘアセットや化粧と着替えと言う一連の動きが連続して出来るので、時間の短縮につながります。また、ランドリールームに直結したウォークインクローゼットの場合は、干した洗濯物をしまうのに短い動線で済むというメリットがありますね。
廊下から出入りできる場所
ウォークインクローゼットを家族で共有する場合には特に、個室から直接アクセスできるかどうかという事より、廊下から家族全員が出入り出来る場所に出入り口を設けるといいでしょう。そうすれば、他の家族が寝ている時間帯でも、時間を気にせず出入りすることが出来ますね。また、家族全員が使いやすい場所に配置することで、家族の中でも動線の優劣がなくなり、公平感が生まれることで皆が使いやすいウォークインクローゼットになるでしょう。
ウォークインクローゼットの間取り実例10選
寝室に直結した間取りのウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットと飾り棚が一体に
こちらの事例は、寝室内にウォークインクローゼットを設けた例です。ベッドから見える位置に飾り棚を設けていますが、その飾り棚がウォークインクローゼットの入り口の役目も担っています。ウォークインクローゼット内部は枕棚を設置していることで、天井までスペースを有効活用しています。
また、市販の引き出し式収納ボックスを併用して、ハンガーパイプに収納する衣類と引き出しに収納する衣類を仕分けしているのも、整理がしやすいコツと言えそうです。ウォークインクローゼットがあることで、寝室内がスッキリ見えるのがいいですね。
扉を付けないことで空間を広く見せる
こちらも、寝室にウォークインクローゼットを設置した例です。ウォークインクローゼットに扉がないことで、空間全体が広々と見えます。寝室は元々人に見せるものでもありませんので、扉をつけて圧迫感を感じるより広々とした空間で自由に行き来できる方が、メリットがありそうですね。
また、普通のクローゼットなら夫婦のどちらかが寝ている時は、洋服を選んだり、収納するために照明を付けるのははばかられますが、ウォークインクローゼットがあることで、ウォークインクローゼット内の照明をつけて洋服をしまったり、着替えが出来たりするというのも便利な点です。
洗面所からの動線が良いウォークインクローゼット
水回り、キッチンの動線がひとまとめに
こちらの事例は、キッチンから水回りの家事動線がコンパクトにまとめられた中にウォークインクローゼットが設置された例になります。キッチンで炊事や調理をしながら洗濯が出来るというのは、家事動線として有り難いですね。さらに、洗濯をした後に物干しスペースも隣接していて、そのまま乾いた衣類を収納できるウォークインクローゼットまであるという事ですから、これ以上完璧な家事動線はないのではないでしょうか。
家族全員の収納と、入浴等に使うタオル類もしまえる大容量のウォークインクローゼットです。洋服がここに集まっていることから、各個室で服を脱ぎ捨てられるという心配もなくなりそうですね。
洗面室とコンパクトにつながったウォークインクローゼット
こちらの事例は、洗面室とウォークインクローゼットを一室空間にしたものです。パブリックな玄関ホールへと繋がる、廊下ともいえる緩衝地帯のような役割も担っています。この写真のように、2人で身支度を同時に整えることも出来るのも嬉しいところ。お互いにコミュニケーションを取りながら、その日に着るものなどを相談しながら支度が出来るというのはいい事ですね。
洗濯機もあるので、外に干せない天気の時はウォークインクローゼットのスペースの一部を使って洗濯物を干したり、洗面カウンターの一部を使ってアイロンを掛けたりすることも出来そうです。
玄関からアクセスできるウォークインクローゼット
2方向のアクセスによって使い勝手が2倍
こちらの事例は、廊下からと玄関から、という2方向からアクセスできるウォークインクローゼットです。玄関からもアプローチできるので、シューズクローゼットも兼ねています。扉が付いていないことから、ウォークインクローゼットの中が見えてもいいように、内装にもこだわっているそうです。壁はモルタル調で仕上げ、天井はシックな黒いクロス貼り、ハンガーパイプは造作にして、細部が光るデザインといえます。
外から見えるかもしれないと思う事で、普段から整理整頓にも気を付けて、スッキリした、物が探しやすい空間になるのではないでしょうか。
来客時には隠せる、オープンなウォークインクローゼット
こちらの事例は、玄関からアクセスできる土間空間に設置されたウォークインクローゼットになります。ゆったり広々としたお洒落な土間空間で、家族全員分のスペースを個別に用意してあるので、空間は共有ですが、収納するもの自体は自分で管理をすることが出来ます。それぞれに必要なものが違いますので、自分で管理しておけば、出かける時にもすぐに準備が出来そうです。
また、この土間空間から直接室内にアクセスできるというのも便利ですね。さらに、普段は玄関と一室空間として広々と使えますが、来客時には間仕切りの引き戸も付いているので、それを閉じておけばスッキリと隠しておけます。
使いやすさを追求したウォークインクローゼット
キッチンと洗面の2方向に直結したウォークインクローゼット
こちらの事例は、家事動線が短くなるようにキッチンと洗面の両方からアクセスできる便利な位置にウォークインクローゼットを配置したものになります。大開口を持つ明るい2階リビングに繋がっているので、ウォークインクローゼット自体にもその光が届いて明るい空間に。
洗面室には、洗濯物が干せるハンガーパイプも付いていて、そのデザインにもこだわりを感じます。その洗面室で干したものも、ウォークインクローゼットへすぐ仕舞えるというのも便利です。またパントリーとしての役目もあるので、キッチンからのアクセスも重要ですね。
家族全員の服をしまえるウォークインクローゼット
こちらの事例では、家族全員分の洋服をしまえるウォークインクローゼットが設置されています。その他にも洗面室では物干しスペースと豊富な収納スペース、玄関にも靴だけの収納ではなく他にもいろいろと収納できるスペースが計画されています。
メインのウォークインクローゼットは、枕棚、コの字型のハンガーパイプが造り付けられていて、余ったスペースには市販の可動式収納ボックスを置いて細々としたものの収納に利用しています。かなりのスペースがあり、洋服だけではなく、スーツケースも収納出来るほどの余裕があります。
デザイン性が高く、おしゃれなウォークインクローゼット
2つに分けたウォークインクローゼット
こちらは、夫婦の寝室に設けられたウォークインクローゼット。夫婦別々のスペースにすることで、それぞれが管理しやすい空間になっています。片付けや整理整頓の仕方には各個人で考え方が違いますので、夫婦の場合はこのように収納を分けることでお互いが干渉しあわない事も大切なことかもしれませんね。
2人の物が同じ空間に仕舞われていると、どこからどこまでが自分の空間か分からなくなってしまう可能性もありますので、最初からはっきりと別々の空間にしておくのも、部屋が片付くいい仕掛けと言えそうです。ただ、同じ寝室内にありますので、2人で共通のものなどは互いにコミュニケーションを取りながら収納すると、より使い勝手がよくなるでしょう。
アーチとクロスがおしゃれなウォークインクローゼット
主寝室に設けられたウォークインクローゼット。主寝室自体も、ブラケットを低めの位置に設けたり、壁紙の色や柄にこだわったりと随所でホテルライクな雰囲気を感じる寝室になっています。その雰囲気と合わせて、お洒落なクロスを貼ったウォークインクローゼットは、入口もアーチ状のデザインで、こまやかな演出を施しています。
広さも十分ありますので、ウォークインクローゼットが、まるでもうひとつの部屋のように感じられます。内部の小花柄の壁紙が女性らしい優しい雰囲気で、寝室の落ち着いたイメージにピッタリですね。
まとめ
さて今回は、ウォークインクローゼットについてご紹介しました。一口に、ウォークインクローゼットと言ってもその広さも設置場所も様々なタイプがありました。広さによって使い方も違いますし、設置場所によっても収納するものがそれぞれ違いました。誰の為の収納なのか、どういう暮らし方をしているのか、また今後家族が成長していく上でどう使いたいと思っているのか等をじっくりと話し合って、ウォークインクローゼットの設置について考えてみましょう。