2020.08.17

角地を生かした、日の降り注ぐ住まい

日だまりの中にある無垢材に包まれた優しい家

光と影を巧みにデザインし
立地を生かした設計に

 
つい最近、第一子が誕生し、家族の歴史に新しいページを綴ることになったHさんご一家。陽だまりの中で子供を育めるような、健やかな住まいが理想だった。そんな家づくりを土地探しからサポートしたのがコージーライフ。インテリアショップやカフェも経営し、母体は木材問屋という木の家のエキスパートだ。「ターミナル駅からも徒歩圏内で、東南角地かつ南東が駐車場という角地。この地を見た瞬間にひらめいたのが、2階にある大開口のリビングでした」とコージーライフの内田恵介さんは振り返る。恵まれた立地を生かし、自然光だけで生活ができるよう、LDK吹き抜けの南面に大開口を配した。窓側にはリビング階段を設置し、光の中を進むような動線に。敷地いっぱいに設計したため、庭のスペースは取れなかったが、その代わりとしてゆったりと過ごせる広めのルーフバルコニーを3階に設けた。「室内のどこにいても太陽の光を感じられるプランです」と語る内田さん。北欧風のシンプルモダンなスタイルのLDKは床材から建具、造作材までオークで揃えて柔らかな印象に。天然素材が持つぬくもりを生かした。オーダーの鉄骨階段はボルト等も最小限に抑え、極力シンプルに。ステップも無垢材にし、端正だが暖かみのあるデザインを意識した。
外観のデザインも特徴的だ。上階に行くごとに張り出すように設計され、1階の駐車場スペースがすぼまったような形状なので、各フロアのはね出しが影となり、陰影が生まれる。石張りのアクセントは玄関にも取り入れ、外装と内装が調和するように。外壁は汚れが目立たない少しグレーがかった白を選択。モダンでありつつ環境になじむ外観が生まれた。
 

子育て期をサポートし
家族が交流できる動線に

 
忙しくなるこれからの子育て期を考慮して、水回りをまとめて家事動線もコンパクトに。LDK奥にあるランドリーも兼ねた洗面脱衣所はバルコニーに面し、洗濯物がそのまま干せる。ゆったりとしたスペースを確保しているので、雨の日や花粉が気になる季節には、室内干しに切り替えることも可能。ダイニング奥のデスクは、キッチンで調理する奥さまと会話しながら机に向かえるようにというHさんからの要望だったが、ちょっとした事務仕事もキッチンを離れずに作業でき、奥さまにとっても便利な機能となった。
「私からの要望は、子供達が帰宅して必ずLDKを通ってから寝室に行く動線でした」と奥さま。将来、お子様が成長し、反抗期がきたり、自立しても、そのまま個室に向かわずに、LDKでコミュニケーションを取れる間取り。そんな先のことまでイメージして設計を依頼した。
 

家族の成長を見守る
地に足が着いた家づくり

 
「時に建物は人にライフスタイルを提供することができる──そう信じて家づくりを進めています。外構もシンプルにこだわるあまりに単調になるのではなく、照明の演出や植栽で変化をつけ、毎回の帰宅時も気分が上がるようにしました」と内田さんは語る。「毎回の打ち合わせやメールのやりとりがいつも楽しみでした」と奥さま。家の詳細が決まるたびに家族の未来も見えてきた。家づくりはライフスタイルを住み手と共に築くこと。それがコージーライフのかかげるモットーだという。それを具現化したトータルプランニングの家が完成した。
 

取材・文/間庭典子

H邸

設計施工 コージーライフ 所在地 千葉県千葉市
家族構成 夫婦+子供 敷地面積 101.19㎡
延床面積 137.15㎡(ガレージ含む) 構法 木造SE構法

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