水景が彩りを添えるラグジュアリーなコートハウス


中庭にある7mのプール。ライトアップされると、幻想的なアートのように存在感を増す。正面玄関から両翼にパブリックスペースとプライベートスペースが伸びる。

夜仕様の間接照明にしてバーのような空間に。カウンターにはロンドンを中心に活躍する日本人のデザインユニットAZUMIのスツール「LEM」を並べた。

白とグレーを基調としたシックなダイニングキッチン。モダンな空間を黒色が引き締めている。手前は、ソープストーンの質感がエレガントなHETA社の薪ストーブ。

堂々とした北側外観。大きなガラスの開口部には電動ルーバーを備え、四季の光を自在にコントロール。冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごせる機能を備えている。

玄関を右手に進むとプールに面した場所にゲストルームを兼ねた和室がある。茶道をたしなむ親子のために炉畳を取り入れた。ゲストをお茶でもてなすことも。

キッチンはオーダー家具を得意とするT’s コレクションが製作。メンテナンスしやすい磁器質タイルを敷いて、落ち着いたトーンでまとめた。

玄関の扉を開くと視界にプールが。夏は涼やかに、それ以外の季節にも水盤として存在感を放つ。

2階の両ウィングの棟をつなぐ動線上に、プールを眺めて過ごせるセカンドリビングのような空間を設けた。壁の裏には書庫がある。

ダイニングはシンプルなDAIKO製のペンダントライトを6本並べ、アーティスティックに演出。

LDKの吹き抜けに面した大開口からテラスを見渡せる開放的で広い寝室。間仕切り壁の裏にはデスクを造作し、2人が並んで作業ができる書斎とした。

ゲストが多いO邸。玄関周辺はゆったりと設計した。開口部を多く設け、視線が抜けるように意識した。

ダイニング脇の階段下には折り畳み式のデスクを設置し、空間を有効利用している。先が見通せるスケルトン階段が軽やか。
2つの棟がシームレスにつながるコの字型の間取り
関西の高級住宅街に立つO邸を特徴づける存在といえば、やはりコの字型の建物中央にある7mのプールだろう。プールを境にしてパブリックゾーンとプライベートゾーンを分けたプランになっており、水の景色が日々の暮らしに静と動のバランスをもたらしている。昼は子供たちが泳ぐスイミングプールとして、夜はライトアップして社交の中心に。プールサイドで風を感じながら過ごす時間も心地いい。「プライベートな水景にはもう1つの効果があります。水面を反射した揺らめきが天井に映り、柔らかな光をLDKに届けるのです」と設計担当のIDA 一級建築士事務所の髙木 法さん。水がもたらす風景が日常を上質にしてくれる。
実は、アメリカで暮らしていたOさんが我が家に欲しいものとして最初にオーダーしたのはファイヤーサークル(焚火台)だった。「ただ、実際に火をつけて楽しむ機会は意外と少ないので、お子さまが水遊びができて、水盤としても視覚効果が高いプールを敷地中央に設けるプランを提案しました」と髙木さんは振り返る。
南北2つの棟があるO邸では、北側の棟の1階に和室、2階に子供室を配置。南側の棟にあるLDKや主寝室との距離を程よくとり、お互いの気配は感じるが、プライバシーは守られる絶妙な距離感を保てるよう配慮されている。また、和のしつらえの客室にはクローゼットやシャワールームも設けており、このエリアだけでもストレスなく生活ができる。海外から訪れたゲストが家族で滞在したり、ときには交換留学生を受け入れたり。「夏になると、留学生と子供たちが一緒に中庭のプールで泳ぐこともあります」と奥さま。たくさんの思い出を育む場所としても機能している。
パブリックゾーンである南棟のリビングは2階まで吹き抜けがあるダイナミックな空間。ソファセットやスタイリッシュなアイランドキッチンがラグジュアリーな雰囲気をつくり上げる。床やプールのあるテラスには同色のタイルを張り、屋内外がシームレスにつながるよう意識した。音響設備にもこだわり、前後左右のスピーカーに加え、その間や上部にも設置し、映画館と同じような臨場感のあるシステムに。「部屋のなかだけではなく、屋外のテラスにいても音楽や映像を楽しめて、とてもよいですね」とOさん。
LDKやパブリックゾーン棟側の全面を開口とする寝室もオープンな空間だ。寝室から階下のリビングや向かいの棟を見渡すことができる仕立てになっている。「O邸では、テラスへの視線を遮る壁を計画する必要がないSE構法が非常に効果的でした。開放感と広がりのある空間を実現できました」と髙木さん。2つの棟をつなぐ2階の廊下の大開口からもプールの眺めを楽しめて、視界が180度広がっていく。ここには書庫を設け、テラスを見下ろしながら、読書を楽しめるセカンドリビングも用意した。
「IDA HOMESのSNSを見た友人が、きっと感覚が合うはず、とおすすめしてくれたことがきっかけなんです」と奥さま。事務所を訪問した際のスタッフの対応や最初のプランにほれ込み、家づくりのパートナーに選んだという。ショールームや美術館へ一緒に行き、美意識を共有し、コミュニケーションを深めたOさん一家とIDA HOMES。
「夜更けまで語り明かしたり、皇居で朝からランニングしたこともありましたね。家づくりというのは楽しいもの。同じ目線に立ち、住み手にとってベストな空間づくりに並走します」という髙木さんの言葉どおり、ワンチームとして家づくりに臨んだことが、満足度の高い美しい住まいの完成につながった。
取材・文/間庭典子
O邸
| 設計施工 | IDA 一級建築士事務所/IDA HOMES | 所在地 | 兵庫県芦屋市 |
|---|---|---|---|
| 家族構成 | 夫婦+子供3人 | 敷地面積 | 427.19㎡ |
| 延床面積 | 373.64㎡ | 構法 | 木造SE構法、一部RC造 |








はこちら