2016.07.21

家族とペットが家の中で楽しく遊ぶ住宅

家族とペットが
家の中で楽しく遊ぶ住宅

家族が集まるLDKは
リゾート感覚で楽しめる一家の基地

「この家のコンセプトは家族みんなが楽しく遊ぶための基地のような空間です」と奥さま。広々としたLDKにはブランコやロフトへのはしご、のぼり棒まである。まるで公園の遊び場のようなスペースだ。「のぼり棒のアイデアはプランニングするうちに思いついて、設置してもらったんです」。これによって2階のダイニングから1階玄関まで通じる「ショートカット(近道)」が完成。お子さんたちは朝ごはんを食べた後、そのまま棒をすべり降りて登校していくこともあるそう。毎日の生活がわくわくするような仕掛けとなった。
また、飲食店を経営されているご主人はダイビングやなまずの飼育など、自然と向き合う趣味を多く持つ。それゆえ自宅にも、自然に囲まれたリゾート地で過ごしているようなインテリアを望んだ。梁をあえて見せ、ロフト部分にも木材をあしらい、プチホテルのような趣にした。
壁一面のグリーンも印象的。「オリーブグリーンのような深みのある緑なので暗い印象にならないかな、とはじめは心配したのですが、陽の光を受けるとちょうどいいやわらかな緑に見えることがわかりました」と奥さま。壁にはクロスを使用したので、違う色に張り替えて気軽にイメージチェンジすることもできる。大胆な色使いやキッチン周りのモロッカン風タイルのあしらいなどで、遊び心あふれるLDKが実現した。

テラスや庭など屋外も
第二のリビングとして活用

「軽やかで楽しい仕掛けのあるLDKだからこそ、フローリングは落ち着きのあるウォールナット材のヘリンボーンを提案しました」と設計担当の小針美玲さんは語る。ブラックのレトリーバーに体長40㎝以上のリクガメなど、家族の一員である動物たちも心地よさそうに床の上を歩く。日常の中でつく傷でさえ味になりそうなレトロ調のフローリングが、子供たちも動物たちとのびのびと遊べるにぎやかな空間を実現した。
アウトドア気分で過ごせるように、テラスや庭など、外と中をつなぐスペースにも気を配った。「2階の広いテラスでは主人が週末に釣り道具の手入れをしたりしています。犬や亀も気づくとそこでくつろいでいたり。また目の前の高台になった公園と高さが近いので、そこで遊んでいる子供たちの気配を感じながら過ごすことができます」と奥さま。「公園とテラスとで、子供たちと同じ目線の高さで会話ができるんですよ」とうれしそうに話す。家族それぞれが思い思いに過ごす「青空リビング」としてテラスを活用している。
また玄関先の庭にはカフェスペースを設置。暖かい気候のときには犬と共に日向ぼっこするそう。新築のお宅が並ぶ住宅街で、「高台」かつ「目の前が公園」という立地を生かした開放的なプランだ。

長いお付き合いを考えて
パートナーを決定

「KURASUさんには土地を決めてからすぐお世話になりました」と奥さま。お隣はお姉さま一家のお宅。家を建てるにあたり、2軒分並ぶ土地を探していたのだそう。KURASUに興味を持ったのは、女性設計士ならではの家事動線を考慮したプランや、家という器ではなく生活そのものを設計するというホームページのメッセージに惹かれたから。「家づくりの流れやアフターメンテナンスなど気になる情報がサイトに明記されていたので安心できました」と奥さまは振り返る。また、リノベーションの実績も多いことから、長く住み続ける家のパートナーにぴったりだと感じたそう。
「SE構法についての知識はなかったのですが、小針さんに相談するうちに自分たちのプランには最適だと思いました」と奥さま。のびのびとした大空間、子供たちの成長に合わせて改築できる自由度はSE構法ならではのメリット。「子供たちが大きくなったらロフトにも壁をつくり、それぞれの個室につなげて活用しようと思っています」。広がる未来に合わせて、柔軟にデザインや間取りを変えられるSE構法。家族もペットも幸福な家づくりには、最良の選択となった。

取材・文 間庭 典子

 

 

S邸

設計 小針美玲(KURASU) 施工 KURASU
所在地 神奈川県伊勢原市 家族構成 夫婦+子供2人+愛犬+亀2匹
延床面積 158.98㎡ 構造・構法 SE構法 2階建て

この家を建てた工務店

MLWELCOMEの新着記事

MLWELCOME

MLWELCOMEは『モダンリビング』誌と「重量木骨の家」とのコラボレーションで特別編集されたムック本として2015年10月に発行されました。厳選された木造住宅の実例をウェブサイトでもご覧ください。