2022年度グッドデザイン賞 受賞。
【審査員による評価コメント】
北側斜面の崖地という厳しい敷地条件に対して、南からのハイサイドライトとトップライト、吹き抜けの空間構成の採用によって、地形に呼応した良質な住宅デザインとなっている。変わらない本質的なもの(Fundamentals)をテーマに、内装・外装材への自然素材・地域素材の採用、日照シミュレーション・周辺環境との調和・温熱環境・構造計画など多様なアプローチでデザインをまとめている。地階はRC造による落ち着いたインテリア、上階は木構造による明るいインテリアというように、構造と光環境に応答してインテリアデザインを展開するなどデザインの軸がしっかりある。近年、地方を拠点とするハウスメーカー・工務店のインハウスのデザイン力の向上が目立つが、その流れをこのプロジェクトからも感じる。今後は一つの敷地にとどまらず、地域の面的な開発や拠点形成に対してもデザイン力の展開を期待したい。