2015
9
Jun

15年目のリフォーム

姉妹で異なる「自分の居場所」 Vol.3

子供部屋は広いワンルームにして、入口を2つ設け、将来仕切れるように

子供部屋は、大きなワンルームにして将来は家具で仕切る。そんな間取りが増えています。小さな部屋をたくさんつくらずにすみますし、子供たちが巣立っていった後には1部屋として使えるので合理的です。
Kさんの家も、子供部屋は広いワンルームにして、入口を2つ設けて、将来、仕切れるようにました。手前には共有スペースをつくって、ピアノを置いています。

子供部屋は広いワンルームにして、入口を2つ設け、将来仕切れるように

3階の共有スペース(手前)と姉妹の部屋(奥)

新築したときには、姉が7歳、妹は2歳。それから15年が経ち、年ごろになった姉妹は、自分たちの部屋をどのように使っているのでしょうか。
Kさん家族の「住まいの棚卸し」(Vol.2参照)から、見えてきたことを紹介しましょう。

 

「ダイニングテーブルが自分の居場所」 とちあきさん。

◎自分の部屋を使っていた記憶はあまりない

今の家を新築したときに、ちあきさん(仮名)は小学校1年生。それまで自分の部屋がなかったので、新しい家になって自分の部屋(2歳の妹と二人部屋)がもてたことが何よりもうれしかったそうです。しかし実際には、宿題はダイニングテーブルでやり、食後はリビングでテレビを見たり、本を読んだり。自分の部屋にいくのは寝るときだけ。
中学・高校になっても、テスト勉強はダイニングテーブル。受験のときには、家族が寝た後に誰もいないダイニングテーブルで勉強したそうです。
「自分の部屋には、マンガやベッドがあって誘惑が多い(笑)」とのこと。

大学生になった今も、メイクセットをもってきてダイニングテーブルでお化粧するほど。ちあきさんにとってダイニングテーブルは、自分の部屋以上に居心地のよい場所なのです。

 

高校生になった今でも、学習机が一番落ち着く自分の居場所

◎思い出が詰まった勉強机が宝物

一方、妹のあゆみさん(仮名)は、物心がついたときから自分の部屋がありました。小学校に入ってからは、自分の机で勉強していることが、なんだか楽しくて、勉強はいつも自分の机。リビングで過ごすことも多かったけれど、ダイニングテーブルで宿題をすることはなかったそう。食後は、自分の部屋に戻って、読書をしたり、音楽を聞いたりして過ごします。テレビはリビングで見るけれど、お姉ちゃんがDVDを見ていれば、自分の部屋に戻ります。

高校生になった今でも、学習机が一番落ち着く自分の居場所 「机には小さいころの思い出が詰まっていて、絶対に捨てられない」とあゆみさん。 机の中や周りは、小学校のときからほとんど変わっていないとのこと。好きなもの、大事なものに囲まれた自分だけの部屋。

 

◎完全に仕切られた個室がほしい

そんなあゆみさんは、リフォームするなら「完全に仕切られた個室がほしい」といいます。 現在、二人の部屋は家具で仕切られていますが、隣でお姉ちゃんが電話をする声や音楽はどうしても聞こえてきます。そんなとき、あゆみさんはリビングに降りていくそうです。 決して二人は仲が悪いわけではありません。むしろ仲の良い姉妹です。ただ、どんなに仲良く育っても、年頃になればそれぞれ異なる交友関係をもち、部活動や遊び方で日常の過ごし方も生活時間帯も変わってきます。特にちあきさんとあゆみさんは、5歳の差があるので聴きたい音楽や興味のある話題にも歳の差がありました。

 

姉妹仲良くいっしょに――

両親の願いではありますが、15年も経つと幼かった子供達も年頃になります。姉妹が互いの時間を尊重し合える、ちょうどよい距離感がもてることは、住まいを考えるうえで大事なポイントになると思います。

 

文・木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)
撮影・渡辺慎一