2015
7
Nov

15年目のリフォーム

■工事スタート! 工期3週間を住みながらリフォーム Vol.6

<リフォーム前 2・3階>

 

リフォーム内容が決まって(vol.5参照)、いよいよリフォーム工事のスタートです。妻のあきこさんにとって、「引っ越さないでリフォームする」ことが条件でした。受験を控えた次女のあゆみさんの勉強にも、影響が出ないようにしなくてはなりません。
<リフォーム前 2・3階>
◎工事を1期と2期に分ける

そこでKさんは、住みながらリフォームするために、工事を1期と2期に分けることにしました。1期工事は2階のLDKを2週間かけて全面改修し、2期工事は3階の部分改修とバルコニーの交換です。1期工事の間は、3階が生活の場となります。

 

<1期工事>

LDK 床・壁・天井の貼り替え

その他 一部壁クロス貼り替え

対面式キッチンに変更

LDK収納棚・TVボードの新設

※住宅設備(キッチン・ユニットバス・洗面台・便器)は既存利用
<リフォーム後 2・3階>
<2期工事>

3階ウォークインクロゼット新設

ロフトへの箱階段の新設

子ども部屋間仕切り家具の新設

バルコニーの木製デッキ&支柱を撤去し、アルミデッキ&支柱を新設
洗濯機の横に冷蔵庫を移動。住みながらリフォームでは、冷蔵庫が使えることは大きなポイント

◎お風呂と冷蔵庫が使えれば何とかなる!

Kさん家族は、2階にあった荷物を1階と3階に移動しました。3階の洋室にダイニングテーブルを置いて食事ができるスペースをつくり、入りきらなかった食器棚は、ブルーシートをかけてバルコニーに移動しました。

冷蔵庫が2階の洗面脱衣室にぴったり納まったのは幸いでした。電源もとれるので、工事中も冷蔵庫を使用することができます。「お風呂と冷蔵庫が使えれば何とかなる!」というのは妻・あきこさん。

1期工事が終わるまでの2週間。キッチンが使えないので、食事は外食か買ってきたお惣菜になりますが、冷蔵庫があるのとないのでは食生活がだいぶ違います。

 

Kさんの家は、リビングダイニングとキッチン・廊下の間に間仕切り壁があった(撮影:渡辺慎一)

 

◎耐力壁をどのように新しい間取りに取り込むか

荷物を移動したら、解体工事が始まります。床・壁・天井は、仕上げ材(クロスやフローリング)が剥がされ、下地材の状態になります。下地材は傷んでいなければ、そのまま新しい仕上げ材の下地として使います。

次に間取りを変更するために、部屋を仕切っていた間仕切壁を取り除きます。このとき構造上必要な「耐力壁」は残さなくてはいけません。耐力壁は、地震のときに柱や梁の変形を抑える重要な役割を果たすので、邪魔だからといって取り除くことはできないのです。リフォームでは、この耐力壁を残しながら、いかにほしい間取りに近づけるかがポイントといえます。反対に耐力壁が足りないことが分かれば、新たに追加します。

間仕切り壁を剥がしたら、きれいな梁が出てきたので、リフォーム後は、この梁をインテリアとしてこのまま現しにしておくことに

階段横の耐力壁はそのまま残す もう1つの耐力壁とキッチンの壁の間にできた隙間は、収納として利用する予定

Kさんの家は、柱と梁を強固に接合した木造フレーム(SE構法)で家の骨格をつくっているため、耐力壁は一般的な在来構法よりも少なく、壁を取り除くと広々としたガランドー空間になりました。上の間取りを参考にしてください。

 

◎「柱勝ち」ではなく「天井勝ち」

さらにKさんの家は新築時に「柱勝ち」ではなく「天井勝ち」にしていたため、柱や間仕切り壁を簡単に取り除くことができたことも工事を簡単にしていました。柱勝ちというのは、柱が優先され(構造上必要なため)、それに合わせて天井が張られていくこと。天井勝ちとは、先に天井が張られて、その後に柱(構造上必要な柱ではない)や間仕切り壁がつくられていることを言います。

Kさんの家は、SE構法で耐力壁をつくる柱以外は室内に柱は不要のため、天井勝ちにすることができたのです。新しい建具も、柱に邪魔されることなく簡単に取り付けることができます。柱勝ちの場合、多くは構造上必要な柱となるため、柱を取り除く場合には、そのぶん別のかたちで補強が必要になります。

 

既存の水廻り(トイレと洗面室)とキッチンの間に新しく引戸を取り付けた

既存の水廻り(トイレと洗面室)とキッチンの間に新しく引戸を取り付けた

新築時のつくり方が、その後のリフォームを簡単にするのですね。次回は、1期工事終了、LDKの完成の様子をレポートします。

 

文 建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子