カウンターキッチンとは? メリット・デメリットとおしゃれなレイアウト事例7選
カウンターキッチンとは? メリット・デメリットとおしゃれなレイアウト事例7選のインデックス
家づくりにおいて、重要なポイントである、キッチン。LDKとして一体空間の中にキッチンが配置されることが多いと思いますが、キッチンには様々な配置スタイルがあります。壁付け、Ⅰ型、Ⅱ型、アイランド、カウンター型etc……。今回はその中でも、カウンターキッチンにフォーカスしてキッチンの作り方、キッチンでの過ごし方、カウンター型のメリットデメリットなどについてみてみましょう。
カウンターキッチンとは?
キッチンにはその形状から、Ⅰ型、Ⅱ型、L字型、U字型、という形のタイプがあり、さらには配置によっても、壁付け型、ペニンシュラ型、アイランド型と分類されます。このように様々なタイプの有るキッチンの中で、カウンターキッチンとはどういうキッチンを指すのでしょうか。その名前からも分かるように、キッチンにカウンターが付いているタイプの物をカウンターキッチンと呼びます。
カウンターキッチンのタイプ
では、実際にカウンターキッチンのタイプ分けについて具体的に見ていきましょう。
キッチンの形と配置で無数の組み合わせがありますが、カウンターキッチンでよくみるタイプをご紹介します。
1.キッチンの手元が隠れるカウンタータイプ
調理中は食材や器具が散らかってしまいがちですが、そのような状況を隠せるタイプのカウンターです。ダイニング側への水はねや油はねを軽減できるだけでなく、LDK全体を清潔な印象に保てることが利点です。
2.キッチンと同じ高さで広々使えるカウンタータイプ
こちらはキッチンとカウンターの高さを変えず、広い一枚のカウンターとして使うタイプです。
主に、アイランド型キッチンでモダンに仕上げる場合などに多いスタイルです。
3.カウンター側と機能を分離したタイプ
カウンターキッチンの便利さは欲しいが、匂いや汚れが気になる場合にはこのようなタイプも。
カウンター側には水栓のみとして、一部機能は壁側へ設置しています。使い勝手に合わせて、さまざまなパターンが可能です。
4.カウンターとダイニングテーブルがセットになっているタイプ
最近増えつつある、カウンターキッチンとダイニングテーブルの一体型のスタイルです。
こちらは、L型キッチンにカウンターや収納、ダイニングテーブルまでがついている複合されたタイプになります。
カウンターキッチンのレイアウトの種類
カウンターキッチンは、レイアウトのタイプが様々です。ここでは代表的な4種類をご紹介します。それぞれの特徴を事前に知っておけば、希望のものがより見つかりやすくなるかと思います。
ペニンシュラ型
ペニンシュラは、英語で半島を意味します。このタイプは、カウンターが半島のように壁から大きく突き出ているのが特徴です。アイランド型とは違い、カウンターの左右どちらかが壁に接しているため行き止まりを作ってしまいますが、開放的な部分と隠す部分を使い分けることができます。
アイランド型
アイランド型のキッチンは、カウンターが島のように完全に独立した形状です。キッチンの周りを自由に回遊できるので、効率的な家事動線が計画できます。開放的な雰囲気と、複数人で調理を楽しめる点も魅力です。水はね・油はねやプライバシーが気になる場合もありますが、収納を工夫したり、広めのスペースを用意したりすれば、より楽しい空間になるでしょう。
II型
Ⅱ型のキッチンは、シンクとコンロが別々の平行するカウンターが配置されています。調理スペースが2か所に分かれていることで、動線が短くなるだけでなく、広々とした作業エリアの確保も可能にしています。また、シンクとコンロの高さを別々に調整できるのもメリットです。コンロは鍋の中身を見やすくするために低く、シンクは腰が曲がらないように高く……と、使い勝手の良い高さを設定できます。
L型
調理台がL字に折れ曲がった形状をしています。シンクとコンロが近接しているため、動線が短くなり、作業効率が高まります。以前はコーナー部分がデッドスペースになりがちでしたが、近年は、ターンテーブルのような回転式の引き出しなど、空間を有効に活用できる収納が備わっているものが増えています。
カウンターキッチンのメリット
開放感がある
カウンターキッチンのメリットはまず何といってもその開放感でしょう。一般的な壁付けキッチンは目の前が壁で、作業も壁に向かって黙々とこなさなければなりません。その点カウンターキッチンは部屋の内側に向かって設置されますので視界が開けて、開放感たっぷりなキッチンが出来ます。また、ダイニングやリビングの向こうには大きな窓があることが多いので、そういった点からも見通しのいい広がりを感じる空間になります。
家族を身近に感じる
部屋の内部に向かって作業をすることが出来るので、ダイニングやリビングで家族が過ごしている姿をいつでも身近に感じることができるという事もメリットと言えます。すぐ近くに家族がいることから声もかけやすいですし、家族の家事への参加率も上がりそうです。子供が小さいうちは特に親も心配ですので、見通しが良いカウンターキッチンには大きな安心感があります。
家事動線が短い
カウンターキッチンは、壁付け型のキッチンに比べてダイニングテーブルとの距離が近いですよね。壁付け型のキッチンなら調理したものを振り返ってダイニングテーブルまで歩いていく必要がありますが、カウンターキッチンは片手でカウンターに置くことができますし、それをカウンターを介して家族にバトンタッチすることもできます。このように家事動線が短くなるのがメリットと言えます。これは後片付けの時も同じで、家族にカウンターまで運んでもらえば後は次々と作業がはかどるでしょう。
カウンターキッチンのデメリット
匂いや煙り、汚れが広がる
カウンターキッチンは部屋の内部に向いていますので、調理をした際に出る匂いはLDK全体に回ると思っておいた方がいいでしょう。コンロ上に取り付けるファンについては排気能力の高いものを選ぶといいですね。ファンには大きく分けてシロッコファン、ターボファン、プロペラファンと呼ばれるものがあり、中でもターボファンの排気能力が高いそうです。ファンをカバーする、レンジフードのデザインばかりに気を取られないように注意が必要ですね。
生活感が出やすい
カウンターキッチンは、部屋の内部に向いているオープンスタイルのキッチンになりますので、裏を返せば部屋の内部からもキッチンが丸見えという事になります。毎日使う場所ですので生活感が出やすいのはしょうがない事ですが、隠す収納を積極的に採用することも一つの解決法です。また、どうしても表に出しておきたいものは、デザインにこだわって、たとえ目についても生活感のあるものとして認識されないように工夫してみるといいでしょう。
スペースが必要
壁付け型キッチンの場合は、キッチンを壁に配置してしまえばその他のスペースは自由に使うことができます。日本の住宅が食寝分離のスタイルに変更されたときに提唱されたダイニングキッチンはまさにこの形で、壁型キッチンのすぐ後ろにはダイニングテーブルセットが配置されるという省スペースなつくりでした。カウンターキッチンはキッチン背後に通路分のスペースが必要で、背面には収納スペースが配置されることも多いのでその分スペースに余裕があることが必要になってきます。
カウンターキッチンを快適でおしゃれに! レイアウトのポイント
1.掃除のしやすさ
カウンターキッチンを快適にするポイントの1つ目は掃除のしやすさです。やはり人の目に触れるオープンなスタイルのキッチンですから、いつもキレイにしておきたい。そう考えると、さっと掃除が出来るといつでも快適でいられます。掃除のしやすさと言う面から言うと、表面の素材がなるべくフラットで細かい溝などがないことが理想的です。カウンターが立ち上がっているタイプより、キッチンからそのままカウンターが同素材で出来ている方が掃除はしやすいでしょう。キッチンはステンレス素材が多いので、カウンターもそのままステンレスで作るのもいいでしょう。ステンレスの傷が気になる方には、傷が付きにくいようにする加工もあるようなので、そういうものを選択するといいですね。
2.ストレスのない動線計画
カウンターキッチンを快適にするポイントの2つ目は、ストレスのない動線計画です。調理をしたものをダイニングテーブルまで運ぶのにオープンスタイルのカウンターキッチンであれば、カウンターにポンと置いて、ダイニングテーブルにすぐに運べるのでストレスがありません。また、調理をする時の事を考えてキッチンの背面の収納についても動線を良く考えましょう。冷蔵庫とキッチンと収納が三角形になるのが一番無駄のない動線という事なので、収納の配置にも気を付けたいですね。また、後片付けのことも考えて、よく使う食器などは近くへ配置するなどの工夫をすることで動線も短くストレスも減りそうです。
3.コミュニケーションの取りやすさ
カウンターキッチンを快適にするポイントの3つ目は、コミュニケーションを取りやすくすることです。リビングダイニングに対してオープンな作りのキッチンですから、そのままでも、壁付け型のキッチンに比べるとコミュニケーションは取りやすいと言えますが、声の掛けやすいように、相互の距離を取り過ぎないようにするなどの工夫があってもいいでしょう。カウンターキッチンから連続してダイニングテーブルが並ぶような作りですと、声も掛けやすくコミュニケーションが取りやすいですね。ダイニングテーブルのサイズを大きくしておけば、子供たちはそこで宿題やゲームやお絵描きや好きな事をして過ごしたり、大人もノートパソコンで作業したり読書をしたりして過ごすことで、キッチンで作業する人も寂しくなりません。
カウンターキッチン周りの収納のポイント
1.隠す収納
キッチン収納を快適にするポイントの1つ目は、隠す収納です。オープンなスタイルのカウンターキッチンですから、余計なものはなるべく収納して生活感を出さないようにすると快適に過ごせます。普段よく使うものは近くに、重いものは下の方に、上の方には軽いものを収納するというような基本的なセオリーを守ってオーガナイズされた収納空間を作ることが重要です。実際暮らしてみると、収納とモノのサイズが合わないこともあるでしょうが、今では市販の仕切り板などもたくさん出ていますので、そういったものをうまく使ってサイズの調整をするといいでしょう。隠す収納でスッキリしたカウンターキッチン空間を実現しましょう。
2.見せる収納
キッチン収納を快適にするポイントの2つ目は、見せる収納です。隠す収納は生活感を消すことが出来ますが、そうはいっても毎日使うものを毎回出したり仕舞ったりするのは非常に面倒な作業にはなります。そういう時にはカウンターキッチンの上に出していても生活感の出ない、オブジェのようなかっこいいモノを選ぶようにしてみましょう。しまうのが面倒だなと思うものの例としては、調味料の瓶や包丁やお玉、フライ返しなどの調理器具などが挙げられるでしょうか。そこに置いてあるだけでセンスを感じられるものにすると、逆にそれらのものが置いてあることでカウンターキッチンがワンランク上のお洒落空間になる可能性は十分にあります。海外の雑誌などを参考にして、是非あなた好みのものを見つけてください。
3.隙間収納
キッチン収納を快適にするポイントの3つ目は、隙間収納です。最近は片付け術の本もたくさん出版されていますし、動画などでもよく紹介されていますが、皆さんよくこんな小さなスペースを利用しているなと言う事例が沢山あります。余っている空間は少しであっても活用する、という信念にも感じられる合理的な収納方法があります。家づくりを計画する中で、もちろん自分の持ち物を確認しながら収納の大きさなども決めていくわけですが、実際に生活していく中で物が減ったり増えたりは十分起こり得ることです。時には、元々あった収納空間に予期せぬ隙間が出来ることもあるでしょう。そういう時にも、この隙間収納というアイデアを忘れずに収納をレベルアップするともっと使いやすい快適なカウンターキッチンが出来るでしょう。
カウンターキッチン 活用・レイアウトのおしゃれ実例7選
ハイチェアのあるカウンターキッチン
キッチンの前には奥行きのあるカウンターが続き、スツールも配置されています。このカウンターに座って朝ごはんやカフェなどを摂る時には、キッチン側と対面で快適に過ごせます。また、キッチンと同じ高さでダイニングテーブルが設置されているのでキッチンとダイニングテーブルは異素材ながらも、空間としての一体感もあります。キッチンとレンジフードはブラック系でクールにまとめられており、床とダイニングテーブルは同系色の木が使われていて、黒と木の茶色のコントラストが全体としてスタイリッシュな空間に仕上げています。キッチン背後には収納がありますが、敢えて格子にすりガラスにすることで明るい印象をキープしたまま生活感を隠すことに成功しています。
天井高4mのオープンなスタイルのアイランド型キッチン
キッチンは手元を隠すことのないオープンなスタイルです。キッチンはダイニングと床仕上げを変えており、キッチン側は土間タイル、ダイニング側はフローリングとなっています。土間タイルにすることで、掃除もしやすく汚れが目立ちにくい仕上げになっています。キッチンの奥にはパントリーが計画されており、このオープンなカウンターキッチンのスッキリとした生活感のない空間をキープするのに大活躍してくれることでしょう。こちらのお宅は平屋なのに、LDKの空間はなんと天井高4mという事で、その開放感は、気持ちいいの一言に尽きますね。
鉄板焼きコーナーを備え付けたカウンターキッチン
こちらは、カウンターキッチンになんと鉄板焼きコーナーを備え付けたという夢のようなキッチンです。LDKは一体空間ではありながらもL字型になっていることで、キッチンとリビングの視覚的なつながりは薄く感じます。鉄板焼きエリアもダイニングとリビングの反対側に配置することで、空間の使い分けが出来るようになっているようです。キッチンの前面には中庭が広がっていますので、こちらの鉄板焼きコーナーでお肉やシーフードを焼いて、そのまま中庭に運べば自宅でバーベキューも簡単に出来ますね。実際に庭でバーベキューをするには、立地によっては近隣の方に気を遣う必要がある場合も、キッチンにこのような設備が付いていればより簡単にチャレンジ出来ますね。
ホテルライクなモノトーンのカウンターキッチン
モノトーンでまとめられたホテルライクなキッチンです。キッチンカウンターはアイランド型で、シャープなデザインの白いカウンターと、黒のカウンターチェアが対照的に配置されています。コンロ上部のスリムなレンジフードと、キッチン横に置かれた冷蔵庫はシルバーで統一されています。このような、開放的でありながら落ち着いた色味のインテリアが、キッチンに洗練された雰囲気を与えています。
奥行きのあるカウンターのついた造作のペニンシュラ型キッチン
木の素朴な温もりが感じられる、ペニンシュラ型のレイアウトです。キッチンカウンターをダイニングスペースにも利用したいという希望を叶え、奥行きを広く取っています。扉の木目と白いタイルがナチュラルな雰囲気を醸し出し、グリーンの観葉植物が爽やかなアクセントを加えています。キッチン家具と収納棚のデザインが統一されていることに加え、オープンな造りとなっていることが、キッチンに一体感と開放感をもたらしています。
背面収納もおしゃれなこだわりのカウンターキッチン
完全オーダーメイドのこのキッチンは、カウンターの天板を御影石に、コンロはバーベキューグリル付きにするというリクエストをすべて叶えています。木を基調とすることで自然の温もりを感じられつつも、背面には黒のボーダータイルが配置されていて、空間をクールに引き締めています。落ち着きと高級感が感じられる演出です。また、奥にはパントリーも設置されていて、収納力も抜群です。
モダンなデザインが空間に馴染むペニンシュラ型キッチン
モダンでスタイリッシュなペニンシュラ型のデザインが目を引きます。オールステンレスのこのキッチンは、もちろんフルオーダーメイド。最大の特徴は、レンジフードがないことでしょう。カウンター型のキッチンのデメリットに、大きなレンジフードが空間を圧迫することが挙げられますが、ペニンシュラなどの壁付けタイプで、コンロがIHの場合は、壁側に換気扇をつけることが可能です。このようにすれば、空間をより広く感じられますね。
まとめ
今回は、カウンターキッチンについて色々と考えてみました。キッチンには様々な種類がありますが、最近はその融合型もあり、一口では決められないタイプの物も増えてきました。その中でも、今回ご紹介したカウンターキッチンは主にオープンなスタイルのキッチンでした。オープンで開放的であるというメリットはもちろんありますが、気を付けなければいけない点もありました。様々な実例から自分に合ったカウンターキッチンの作り方を探ってみてはいかがでしょう。