【間取り】子育て注文住宅を建てる時に重要な2つの視点解説
【間取り】子育て注文住宅を建てる時に重要な2つの視点解説のインデックス
お子さんが生まれ、これまで住んでいた持ち家や賃貸住宅が手狭になったという理由で「新しい家を!」と希望される方も多くいらっしゃいます。そのようなとき、真っ先に考えたいのが「子育てがしやすい間取り」ではないでしょうか。そのようにお考えの方に、子育てに適した間取りや、注文住宅のアイデアなどを解説いたします。
1.小さな子どもは、お父さん・お母さんと一緒に過ごすのが好き
自立心が芽生えてくる、いわゆる思春期を迎えるまでは、子どもさんがお母さんやお父さんにまとわりつくように過ごしているのではないでしょうか。「お母さん、今晩のご飯は何?」「お父さん、今日、学校でね…」。そのような会話が弾むのは、家族共通のスペースです。
このような時期は、お子さんに自室を与えてもまだ眠るだけの部屋という認識でいるはずです。自室を必要としない乳児ならば、お母さんの目の届く場所で面倒を見たいとも思われるでしょう。ひとり遊びができるようになる頃になっても、おもちゃなどを誤飲しないか、けがをしないかを見守っていたいと思うものです。
1-1.リビング・ダイニングを広く、機能的に作る
家族が集うリビングやダイニングなどを広めに取ることは、子育てがしやすい間取りです。キッチンと自然につながるようにつくれば、赤ちゃんが眠っているのを、お子さんが遊んでいるのを見守りながら家事ができます。
リビングやダイニングの一部、ないしは連続している部屋を和室(畳敷き)にするのも便利です。お子さんがお昼寝をしているときに、お母さんが洗濯物をたたんだり、手芸を楽しんだりと、とても便利なスペースができます。
また、このようなスペースを引き戸で区切ることができれば、親御さんがお孫さんに会いに泊まりにきたときにも使いやすいものです。
1-2.可能なら玄関も広めに確保
小さなお子さんのいる親御さんの持ち物は、とても多くなります。マザーズバッグだけでもかなりの大きさですので、特にベビーカーを使っている期間中は常に玄関周りが「混雑」してしまうものです。
ベビーカーを玄関内で広げられるだけのスペースがあれば、お出かけの際も荷物の準備がしやすくなります。ベビーカーを卒業すれば、今度は子供の靴や雨具などが増えていきます。下駄箱収納を大き目につくっておく、もしくは玄関脇に土足のまま入れるウォークインクローゼットをつくっておくと、お出かけのときの準備もはかどります。また、玄関が靴やモノであふれかえらずに済みますので、不意にお客さんがいらしたときにもすっきりとしたきれいな玄関を保っていられます。
増え続けるモノも見えづらくできる玄関作りも、注文住宅ならではです。
1-3.スキップフロアを設け、リビングのそばに「共用のデスク」を
ご自分が小さな頃のことを思い出してください。絵本を読むにも、テレビを見るにも、お母さんやお父さんのそばだったのではないでしょうか。これを家のデザインで実現するため、リビングのそばにスキップフロアをつくり、親子共有のデスクを設置するのも面白いものです。
お子さんが学校から帰ってきたときに、家事をしながら宿題の進み具合を見守ることができます。また、夜はお父さんの書斎代わりにも使えます。ときには親子一緒に絵を書いたり工作をしたりと、趣味のスペースとなってもくれます。
「宿題を手伝ってもらった」「一緒に図鑑で調べ物をした」…そんな親子の思い出も作り上げて行くことができるでしょう。
1-4.装飾用の造作棚・大きな収納をセットで設ける
お子さんが小さなうちは、女の子なら雛人形を、男の子なら兜飾りを飾る事も多いのではないでしょうか。しかしながら、これらは案外スペースを要するものです。リビングやダイニングに、あらかじめ飾り棚を作っておくのもよいでしょう。
桃の節句・端午の節句を過ぎても、季節の花を生けた花瓶を置いたり、観葉植物を置いたりして季節感を楽しむ場所となってくれますので、とても便利です。
また、近くに大きな収納スペースがあれば、季節の品やお子さんのおもちゃもすっきりと片付きます。雛人形や兜飾りもリビングやダイニングのそばに収納スペースがあれば、出し入れもとても楽になり、一石二鳥です。注文住宅ならば、何をどのくらい飾りたいのか・収納したいのかが、相談できますので、家族共有のスペースであるリビングやダイニングがモノであふれかえる心配もありません。
1-5.リビング階段で「必ず顔を合わせる家づくり」
リビングを通らなければ2階ないしは3階の自室へ上がれないリビング階段も、子育て世帯に人気です。学校から帰ってきた子どもさんの様子を自然にチェックできるので、ふさぎこんではいないか、怪我はしていないかなどの見守りが容易です。
とはいえ、リビング階段は、お子さんが友達を連れてくるようになった頃に相互のプライバシー面での心配もあります。この点、注文住宅なら、間取りの工夫や細心の注意を払って設計施工してもらえますので安心です。
2.思春期を迎えるまで・迎えてからの子ども部屋づくり
いずれは必要となる子ども部屋ですが、時期に合わせたつくり方(ないしは変更)ができるのも注文住宅の醍醐味です。お子さんの人数や成長に合わせ、柔軟に対応できる子ども部屋つくりには、以下の方法があります。
2-1.広い子ども用スペースを部屋に仕立て上げる
2~3人の兄弟が幼いうちは広い子ども用スペースを共用し、成長して自室を欲しがるようになればそのスペースをぴったりとした本棚で区切り部屋に「仕立てる」―。このような自由自在な部屋づくりもできます。
たとえば、お子さんがひとり一人巣立って行く頃には、その間仕切りを移動させ、ひとり当たりの部屋の面積を広げてあげることもできます。最終的にお子さん全員が自立したのならば、また元通りの広い部屋に戻し、お子さんご家族が遊びに来たときの宿泊スペースにすることもできます。
これは、スケルトン・インフィルという家づくりの考え方に沿った子ども部屋づくりです。がっちりと壁を設けないからこそ、自由が利くのです。注文住宅ならではの遊び心ある部屋作りの方法です。
2-2.お子さんの憧れ「ロフト」も安全に配慮して
お子さんがわくわくする間取りのひとつにロフトがあります。お子さんにとってはまるで秘密基地のようですし、親御さんも吹き抜けや廊下などの共用スペースを介しお子さんの過ごす様子を感じていられることから人気です。
しかしながら、ロフトは階段を固定できないことがあるという点も特徴のひとつです。建築確認申請をチェックする自治体によって「固定式を認める」「認めない」と判断が分かれるのです。
もしもお子さんがロフトを希望しても、安全に階段を昇降できるのか心配ですね。この点については、担当してくれる建築士が理解していますので細かく相談してみてください。規格に縛られるハウスメーカーの家とは異なり、自治体の判断を知り、どうすればより安全な階段ができるかを打ち合わせできるのも、注文住宅ならではのロフト作りです。
3.間取り以外にも、乳幼児にはいくつかの配慮を
お子さんが伝い歩きを始めると、お母さんはひと時も目を離していられなくなります。それでも炊事や洗濯などの家事をしなければなりません。キッチンで危ない目に合わないか、ストーブなどの熱源に手を触れないかという心配が生じます。
キッチンの入り口にはベビーゲートを、ストーブの周囲にはストーブガードを設置しましょう。もしもキッチンの作り方によってベビーゲートをつけられないときには、ポットや炊飯器などの調理家電を棚の高いところに上げるよう心がけてください。それに伴い、コンセントも高い位置に準備しておくと万全です。
ドアの取っ手に手がかかるようになると、ドアの開閉に伴って転んだり、指を挟んだりすることも考えられます。引き戸にはサッシロックをつけます。また、コンセントに触れて感電ややけどをしないよう、コンセントカバーの購入も検討してください。
家具の角も危険です。ローテーブルやテレビ台など、小さなお子さんの背丈に近い部分にある家具の角をカバーするコーナークッション(コーナーカバー)も売っていますので、必要に応じて準備しましょう。
【実例紹介】子育てに最適な間取りを重量木骨の家プレミアムパートナーが提案
子育てしやすい間取りは、今現在の暮らし方だけでなく「将来どんな過ごし方をしたいか」までを見据えて検討しなければなりません。お子さんが乳幼児、小学生、中学生、高校生と成長するにつれ、親子の関係も少しずつ変化するからです。
特に子ども部屋については、柔軟な考え方が必要です。親御さんがお子さんの安全を見守らなくてはならない時期を経て、自室が必要となる時期へと変化するとき、自由に「組み換え」ができるのは大きなメリットです。
家族全員のライフステージの変化にそっと寄り添い、一緒に成長していく家―。それは、注文住宅だからこそ実現できるものでしょう。