アウトドアリビングの作り方とポイントを知って、外空間をもっと楽しもう!

アウトドアリビングとは、文字通り家の外にある「もうひとつのリビング」で、家のアクセントのひとつとしてとても魅力的で最近人気の空間演出です。
太陽や風を感じながら、くつろげる、上質な生活をおくれるアウトドアリビングを実現する為に魅力的な作り方と、注意点について解説いたします。
アウトドアリビングの作り方とポイントを知って、外空間をもっと楽しもう!のインデックス
1.アウトドアリビングとは?
アウトドアリビングとは、リビングの延長上にウッドデッキやテラスなどの家具を置いて、外空間を身近に楽しめる空間。家の中のリビングとは別にもう一つ家族の集まる場所が出来るという事で、より豊かな生活空間が実現します。外にあることで、家の中にあるリビングとは違った使い方ができ、ステイホームを楽しむ家族にとって手軽にレジャー気分を味わえるという事も、人気の秘密でしょう。
また、子どもやペットの遊び場としても使いやすく、その他にもガーデニングやバーベキューなどアイデア次第で様々なアクティビティを楽しむことができます。
2.アウトドアリビングの魅力とその作り方
アウトドアリビングは、家の内部から見ればリビングの延長となり、お天気のよい日は室内のリビングにプラスして広々と憩いの場として使える楽しさがあります。お茶やランチをしたり、バーベキューを楽しんだり、お子さんの遊び場として利用したりと、その用途は広く、生活を豊かにしてくれます。
2-1.屋内から伸びるアウトドアリビング
屋内のリビングや他の部屋から広がるウッドデッキもアウトドアリビングのひとつです。同じ階の各部屋からアクセスできるように作れば、家族が集まれる場所になります。夏には小さなお子さんをビニールプールで遊ばせながら、お母さんもそれを見守りつつ洗濯物を干したり取り込んだりといった家事をすることもできます。
2-2.庭に作る東屋
もしも庭を広く確保できるようなら、芝生や敷石の中に東屋(あずまや)を設置することもできます。室内から少し離れはしますが、太陽の光や風を満喫しながらお茶を楽しんだり、心置きなくバーベキューを楽しんだりできます。庭も印象的なものとなりますし、ほんの数歩であっても家から離れることで、生活から一旦離れられるリッチな場となるでしょう。
2-3.2階にアウトドアリビングをつくる
アウトドアリビングはだいたい、LDKの延長線上に作ることが多いようです。リビングが広がったように感じられますし、使い方の幅も広がりますね。2階にLDKがある場合はバルコニーを広く作ってアウトドアリビングを作ることになるでしょう。2階にアウトドアリビングがあることのメリットとしてはやはり眺めがいいことが挙げられます。屋根を大きく掛ければ、多少の雨でもアウトドアリビングで過ごすことが出来ますし、屋根がない場合は、開放感を存分に楽しむことが出来ます。
どのような作り方であっても、アウトドアリビングは日々の暮らしに楽しみやゆとりをプラスしてくれる憩いの場となってくれます。
2-4.様々な天候に合わせた対策を
アウトドアリビングで過ごす時間は、開放的でとても楽しいものです。ただ日本には四季がありますので、季節に合わせての過ごし方を考えることが大切です。春や秋は特に対策は必要なくアウトドアリビングに出るだけで幸せな時間を過ごすことが出来ますが、直射日光が強い夏は、パラソルやシェードなどを利用して直射日光を防いだり、冬にはブランケットや屋外用ストーブなどがあると冬でも快適に過ごせるでしょう。また突然の雨にそなえて、アウトドアリビング用の家具は防水性の高いものを選ぶのがおすすめです。
3.アウトドアリビングの家具を選ぶポイント
3-1.屋外用家具とは
アウトドアリビングで、屋内のように楽しむためにはテーブルやイスといったガーデンセット(屋外用家具)を置いてみるのはいかがでしょうか。まるで大通りに面したカフェや、プールサイドのような雰囲気を演出できます。
今や屋外家具の素材も多種多様で、木製・ポリエチレン・アルミニウムなどがあり、いずれも風雨に強く作られています。キャンプ用品のようなものからゴージャスなイメージのものまで幅広く販売されています。家の外観に合わせたものを選ぶことができますので、屋内にあるリビングとはまた違った趣の場にすることもできますし、室内の印象にあわせて「空間を広げる」というイメージの作り方をすることもできます。
3-2.カフェやガーデンのようなデザイン
アウトドアリビングでどう過ごすかをイメージしたときに一番最初に思いつくのは、休日の朝に家族でゆっくりと取る朝食ではないでしょうか。お洒落なカフェのインテリアを参考にお気に入りのテーブルとチェア、ソファなどを揃えましょう。
3-3.室内リビングのようなデザイン
室内のリビングからそのまま空間が続いていくようなデザインのアウトドアリビングであれば、そこに置かれる家具も室内のリビングの雰囲気と同様の物がいいでしょう。最近は防水でも、デザイン性の高いもの等多くの種類があるので選ぶのも楽しくなるでしょう。
3-4.リゾート風のデザイン
アウトドアリビングは日常的に使うのものではないので、思い切ってリゾート感を全面に押し出すというデザインにすれば、週末や休日には思い切り非日常を感じる空間に仕上げることが出来るでしょう。自宅に居ながらにして旅行気分が味わえるかもしれません。
4.アウトドアリビングに導入してみたい設備
もうひとつのリビングとして活用するために、必要なものがあります。家族がリラックスできるため、以下のようなものの導入も検討されてはいかがでしょうか。
4-1.屋根またはオーニング
夏の日差しや急な雨を避けるため、屋根を設置するのはとても有用です。強い太陽光を遮れば、夏の日中であっても熱中症などの心配をすることなく、室外で過ごす時間を楽しむことができます。
もしも広い屋根を設置することが難しい・必要なときに取り払うことができるようにしておきたいのであれば、オーニングテントを備え付けておいてもよいでしょう。必要なときは広げ、不要なときは巻き取れるオーニングは、屋根に代わるとても便利な設備です。
4-2.ハンモック
アウトドアリビングにハンモックを付けると、広々とした空間でありながらも、自分だけのお籠りスペースが完成します。あの、柔らかいカーブに包まれてゆらゆらと体を揺らしているとその気持ちよさに眠ってしまう事は確実です。家族や友人たちと取り合いにならないように、複数付けることを考えてもいいかもしれませんね。
ただ、通常ハンモックは屋根や柱につける必要がありますので、強度の確保などは設計者によく確認をしてから設置することが必要でしょう。もしくは、自立型のハンモックもありますので、屋根がないアウトドアリビングでは自立型を設置することも出来ます。
4-3.照明を用意して夜も楽しむ
アウトドアリビングの利用イメージとしては休日の家族の第二の憩いの場、もしくは友人たちを呼んで休日にバーベキューを楽しむと言ったものが多いでしょう。どちらかというと昼間に使うイメージをされる方が多いかもしれませんが、電源を用意しておけば夕方から夜にかけても楽しむことが出来ます。計画の段階から夜まで使うイメージがあれば照明器具までデザインに含めて考えることが出来ますし、そこまで決まっていない場合でも電源を用意しておけば後で気に入った照明器具を選んで、雰囲気のある夜のアウトドアリビングを楽しむことが出来るでしょう。
5.アウトドアリビングで気をつけなければならないこと
アウトドアリビングは屋外にあるものですので、それなりの注意点があります。特に以下のことに気を配らなければなりません。
5-1.雨にさらされるのでメンテナンスが欠かせない
風雨にさらされるアウトドアリビングは、どのような素材を用いるにしてもメンテナンスのサイクルが短くなります。ウッドデッキであれば年に一度は防水塗料の塗りなおし・防腐処理が必要です。これを怠ると、腐食やシロアリ被害が広がり、ある日突然床を踏み抜いて怪我をすることもあります。家に繋がるウッドデッキでシロアリ被害が発生すると、家にまでシロアリが入り込むこともあります。
樹脂製のウッドデッキであれば、日光により傷みが発生し、ささくれてしまい素足で歩けなくなることがあります。そのささくれ部分にカビやコケが発生することもあり、ウッドデッキで手入れをしなければ、見た目を損なうこともあります。
5-2.虫などへの対策も怠りなく
もうひとつのリビングとしての機能を持つアウトドアリビングですが、室外であることから虫が寄ってくることにも注意が必要です。夏場であれば蚊やハエが寄り付きやすい場所ですので、吊るすタイプの虫除け剤の使用も検討しなければなりません。意外に効果があるのが扇風機です。人体の体温を感知しづらくし、なおかつ強い風により飛来を防ぐ力を持っていますので、特に窓を開けておくことに抵抗がなければ、室内からアウトドアリビングに向けて風を送るのもひとつの方法です。
5-3.動かしやすい家具を選ぶ
屋外に置く家具(ガーデンセットなど)は、できるだけ動かしやすいものを選ぶほうが良いでしょう。例えば台風のとき、風にあおられて窓ガラスを割ってしまっては危険です。最悪の場合、ご近所へ飛んでいくことになってしまえば、保障の問題や心理的問題を生んでしまい、後にまでトラブルを引きずってしまうことになります。このようなことを避けるために、いざと言うときに屋内に取り込めるサイズ・重量のものを選ぶことをおすすめします。
また、楽しみ方に応じてその時々に家具をレイアウトしやすいようシンプルなものをチョイスすると、さらに楽しみ方も増えます。
風雨にさらされやすい場所であるだけに家具そのものが傷みやすい条件下にありますので、必要なときに買い換えやすい価格帯のものを選ぶのもひとつの考え方です。どうしてもソファーを使いたいときは、そのときだけ室内から運び出して使うという手段も検討してみてください。
5-4.アクセントにグリーンを
梅雨時期や冬など、使いたくても使えない時期が生じてしまうのがアウトドアリビングのデメリットです。このことから、「アウトドアリビングありき」で家を考えることはせず、良い季節を楽しむためのユーティリティーという位置づけで家づくりをしなければなりません。
それでもアウトドアリビングをとお考えの場合は、シンボルツリーを植えたり、ガーデニングエリアを設けたりすることで、季節それぞれの「眺め」を楽しむ工夫を凝らすとよいでしょう。このような視覚的効果を狙えば、眺望で室内に季節を呼び込むことができます。
5-5.照明や家電使用のためにコンセントを用意
夜のアウトドアリビングを楽しむためには、照明が必要です。また、電気式バーベキューグリルやホットプレートを使用し、焼肉などを楽しむためにはコンセントが必要です。メンテナンスのための高圧洗浄機を使用することもあるでしょう。
コンセントは雨に濡れないようカバーつきのものを設置しましょう。虫が入り込んでショートすることも考えられますので、カバーつきコンセントが必須です。
もしも盗電が心配ならば、屋外用コンセントにつながる配線のみを独立させブレーカー(配線用遮断器)につなぎ込めないか、といった技術的なことを電気屋さんに相談してください。
5-6.自由を満喫するためにプライバシーを守る工夫も
家の外部にあるとはいえ、アウトドアリビングは家の中と似た性質を持つ場所です。外部からの視線を気にせず済むよう、上手にプライバシーを守ってください。
1階ならば庭木や生垣を隣家や通り沿いに設ける、2階ならば丈の高いベランダルーバーなどを用いると、視線を気にせずアウトドアリビングを楽しむことができます。
6.アウトドアリビングで豊かな空間を実現した5つ実例紹介
6-1.ホテルのテラスのようなアウトドアリビング
外部空間であることを忘れてしまいそうなほど、ゴージャスな空間であるこちらのアウトドアリビング。大きな鉢植えのグリーンや庭の緑、しっかりとしたアウトドアファニチャーが配されたこの空間はまるでホテルのようです。こちらのアウトドアリビングではピザ釜もあるという事で、外で焼き立てアツアツのピザも食べることが出来るようです。
6-2.小さい子どもが居ても安心安全なキャンプが出来る
アウトドアリビングがあれば、気軽にレジャー感覚が味わえます。こちらの事例ではアウトドアリビングにテントを張って気分はキャンプです。実際に小さな子どもを連れてキャンプに行くのは大変なものです。トイレや虫やお風呂も心配ですよね。でもアウトドアリビングのキャンプ場であれば、食事や遊びをアウトドアリビングで楽しんだ後、シャワーも家の中で浴びれますし、トイレだって清潔です。虫や気温が気になる方は、寝る時は家で寝てもいいですね。
6-3.プライバシーを確保したアウトドアリビングで開放的な気分を味わう
リビングと隣接したアウトドアリビングは空間の広がりを感じるものですが、中と外の床に段差を付けずにフラットに仕上げることで、より空間としての一体感が増し、広さを感じることが出来ます。アウトドアリビングの壁を立ち上げることで隣家からの視線を遮り、プライバシーの守られた空間が出来ます。また膜素材の屋根を付ければ、光を取り込みながらも直射日光や雨をしのぐことが可能ですね。
6-4.ガラス効果でアウトドアリビングとの一体感が増す
開口部を多く設けることで、アウトドアリビングとの一体感が増します。こちらの事例のようにリビングの丁度コーナー部分に開口部を設けるとまるで外部空間のように開放感が増します。さらにこちらは吹き抜けになっている上部の壁も開口部になっているので縦にも空間が広がります。アウトドアリビングに植えられた植栽がライトアップされ、室内に居ながらにして外部であるアウトドアリビングの部分も楽しめるような仕掛けになっていますね。
6-5.複数の部屋からアクセスできるアウトドアリビング
白一色のシンプルシックなイメージのリビングからフラットに続く白い床のアウトドアリビングは仕上げの色が同じという事でより一体感を感じます。アクセスはリビングからだけですが、小上がりになった畳スペースにも大きな開口部があることでアウトドアリビングとの視覚的なアクセスがあり、空間的なつながりを感じることが出来ます。このように複数のアクセスがあるアウトドアリビングであれば、部屋の中にいても、外に居てもそれぞれの空間で過ごす人がお互いの存在を感じやすく、一体となって楽しめるでしょう。
まとめ
アウトドアリビングは、家族との時間をより一層豊かなものにしてくれる楽しい場所です。庭の一部でありながら、リビングとしての機能を持ち合わせていますので、屋内・屋外の「いいとこ取り」ができます。せっかく家を建てるのでしたら、何らかの形で実現できないか検討したいもののひとつが、このアウトドアリビングです。
アウトドアリビングは、1階でも2階でも作ることができますが、そのために重要な家の強度は「重量木骨の家」が実現します。まるでホテルの高級客室のようなイメージのものから、中庭を利用したものまで、様々なタイプのアウトドアリビングをご紹介します。あなたの思い描く「家族の集まる場所」のイメージに近いものはどれでしょうか。