洗面所の作り方を徹底解説! 洗面化粧台・洗面ボウル・収納・間取り・実例まで

洗面所の作り方を徹底解説! 洗面化粧台・洗面ボウル・収納・間取り・実例までのインデックス
家族全員が頻繁に使用する洗面所や脱衣所は、その他の部屋とは違った「特別な工夫」が必要です。その性質上、スムーズに出入りできること(間取り)・掃除がしやすいこと(水に強い素材)・収納スペースの確保(使うものがあふれないこと)が重要となります。
また、使用頻度が高いからこそ、おしゃれな空間にしたいものですよね。特に洗面所はお客さんも使う場所なのでぜひこだわりたいところでしょう。今回は、一番使用頻度の高い水周りである洗面所や脱衣所を、おしゃれに作るコツについてご説明します。快適なサニタリー空間作りにお役立てください。
洗面所とは
洗面所とは、手洗いや洗顔、歯磨きなどの身支度を整える場所のことをいいます。洗面台や鏡、収納棚が備えられているのが一般的で、広いスペースがある場合には洗濯機などを設置することもあります。近年では、独立した専用スペースとして設けられることが多く、ランドリールームやファミリークローゼットと併設するレイアウトにも人気が集まっています。
洗面所の作り方のポイント
十分な収納力
洗面所にはタオルや歯ブラシ、洗顔用品や化粧品、掃除用品など、多くの日用品が混在します。雑多になりがちな洗面所をスッキリさせるためには、しっかりとした収納計画が必要です。洗面台の下や鏡裏、洗濯機があればその上部や隙間など、限られたスペースを上手に活用して収納力を確保しましょう。
換気と湿気対策
洗面所は水を使用するため、湿気がこもりやすい場所でもあります。カビや臭いの原因にもなるので、十分な換気ができるよう工夫が必要です。窓を設置するのが理想ですが、難しい場合は換気扇やサーキュレーターを活用して換気効率を上げましょう。また、調湿効果のある壁材や防カビ仕様のクロスを採用するのもおすすめです。
使いやすい素材
毎日使用する洗面所はどうしても汚れやすい場所のため、使い勝手のよい素材選びをおすすめします。床材にはクッションフロアやフロアタイル、壁には防水パネルやタイルを採用すると、汚れに強い空間になります。また、継ぎ目のない洗面ボウルや耐水性のある洗面カウンターであれば、お手入れも簡単です。適切な素材選びで、おしゃれで清潔な洗面所を保ちやすくなりますよ。
コンセントの数
洗面所では、ドライヤーや電気シェーバーなど多くの電化製品を使用します。そのため、コンセントの数や配置を十分に計画することが重要です。同時に複数使用する場合もあるので、使用シーンをイメージしながら必要数を確認しましょう。また、水を使う場所のため、水がかかりにくい位置につける、繋ぐ家電によってはアース付きにするなど、安全性にも配慮することが大切です。
洗面所のデザインのコツ
色合いをそろえる
気ままにたくさんの色を取り入れるとごちゃごちゃした印象になってしまいます。洗面所は他の部屋よりもスペースが限られることが多い場所。その反面、物が多い場所でもあります。ただでさえごちゃごちゃしやすいのに、たくさんの色が使われると、おしゃれから遠ざかってしまいます。では、それを避けるにはどうすればいいのでしょうか。
使用する色をそろえることで空間全体に統一感が生まれます。洗面所に置く小物類も含めて使う色を決めるとすっきりと洗練された、おしゃれな印象にすることができますよ。写真のように白を基調にベージュなどの淡い色合いで統一すると清潔感を出すことができますね。また、メインの色と差し色を決める方法で統一感を出すのも素敵です。
素材を工夫する
使用する素材の工夫でさまざまな雰囲気を楽しむことができます。例えば、木製の洗面台を採用すると温かみのあるやわらかい印象になります。また、つるっとしたホーローの洗面台を採用すると清潔感のある印象にすることができます。写真では、木材の洗面台とタイルを組み合わせています。このように、使用する色の統一感に気をつけて異素材を組み合わせることでさらに垢抜けた印象になります。
生活感を隠す
おしゃれな場所としてホテルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ホテルがおしゃれに見えるのは、生活感がないからです。自宅の洗面所は、普段の生活で使う物がすぐ目につく場所にあふれがちです。歯磨き粉や洗濯用具など、生活感のあるものは隠す収納を使って目につかないようにすることでおしゃれ空間に近づきます。使用頻度が高く、見えない場所にいちいちしまうのが面倒なものは、色の統一感に気をつけて見える収納に配置するといいでしょう。
洗面所の設備選びのポイント
洗面台・洗面化粧台
洗面台は、スペースに合わせて寸法を設定できるタイプと規定サイズから選ぶタイプのものがあります。洗面台の間口は、洗面所そのものの広さや洗濯機・収納棚との位置関係を踏まえて検討しましょう。ある程度余裕のあるスペースを確保できる場合は、間口の寸法に加えて洗面台の高さ、洗面カウンター、洗面ボウル、収納、水栓、素材などが自由に選べるシステムタイプがおすすめです。規定のサイズや素材に縛られず、ご自身のライフスタイルにあった空間を作れるのが特徴です。
洗面所に広いスペースを確保するのが難しい場合は、洗面ボウルや鏡、収納、照明、水栓がコンパクトにまとまった据え置き型のユニットタイプがおすすめです。こちらは規定サイズのタイプが多いものの複数の機能がまとまっているため、省スペースにうってつけです。
洗面ボウル
洗面ボウルは種類やデザインが豊富で、特に好みや個性があらわれやすいところです。洗面ボウルを選ぶ際に特にポイントになるのは寸法です。洗面ボウルが浅いと水が飛び跳ねやすくなるため適切な深さが必要です。使うたびに水が飛び跳ねて、洗面台がいつもビチャビチャになっては困りますよね。衣類の予洗い(洗濯前の一時的な揉み洗い)にも不向きです。
また、手洗いや洗顔だけでなく洗髪もしたい場合には、洗面ボウルは大きくて深いものを選ぶ必要があります。ライフスタイルを踏まえて実際に使う様子をイメージしながら気に入ったデザインを選ぶといいでしょう。洗面ボウルの種類には以下のようなものがあります。
置き型
洗面カウンターに洗面ボウルを置いて使用するタイプです。写真のようにカウンターと洗面ボウルを別の素材にすると立体的な空間を演出することができます。デザイン性が高く、おしゃれな洗面所をつくるのにおすすめです。
埋め込み型
洗面カウンターと洗面ボウルが一体でさらに埋め込まれているタイプです。洗面カウンターとボウルの境目がないため、すっきりとした印象になるのが特徴です。カウンターに飛び散った水を簡単に洗面ボウルに落とすことができるので掃除がラクというのもおすすめポイントです。
半埋め込み型
洗面カウンターに洗面ボウルが半分埋め込まれたタイプです。埋め込み型と比べて、洗面ボウルの存在感があり、置き型と埋め込み方の中間のような印象になります。置き型ほどは主張したくないけど、洗面ボウルとカウンターを別々の素材にしたい場合などにもおすすめです。
壁付け型
洗面ボウルを直接壁に取り付けるタイプです。洗面所の他の家具家電のスペースを圧迫せずに配置できるのが利点です。洗面所をコンパクトにしたい場合に適しています。
洗面所収納の上手な使い方
見せる収納・隠す収納
おしゃれで使いやすい洗面所を目指すなら、見せる収納と隠す収納を上手に使い分けましょう。タオルなど毎日使うものは、オープン棚の方が取り出しやすく便利です。さらに見せる収納ではインテリア性も高まるので、おしゃれなボトルや観葉植物をディスプレイ感覚で並べるのもおすすめ。一方、生活感の出やすい日用品は、引き出しなどに隠すことで、すっきりした空間を保てます。
場所ごとの使い分け
洗面所の収納は、場所ごとに適切な使い分けをすると便利です。洗面台周りには洗顔用品など、洗面台下にはストック品や掃除用具、また鏡裏には小物系、洗濯機周りに洗濯用品というように、ルール化して収納すると使いやすくなります。また、使用頻度に応じて位置を決めておくと、使って戻す流れがスムーズになり更に快適な仕様になるでしょう。
洗面所の間取り・動線計画
浴室・脱衣所の近く
浴室・脱衣所と洗面所は同じタイミングで使うことも多いですよね。近くに配置しておけば、入浴前後の準備や身支度、さらには洗濯などがすぐにでき、水回り動線がスムーズになります。間に収納を設けておけば、タオルや着替えの整理もしやすくなりますね。また、扉やロールスクリーンで空間を分けると、プライバシーも確保できるほか来客時でも視線が気にならず使いやすくなります。
ランドリーの近く
洗面所をランドリールームの近くに配置した間取りもおすすめです。洗う・干す・片づけるといった洗濯動線がスムーズになり、家事効率が格段にアップします。長い洗面カウンターを備えれば、洗濯物を畳んだりアイロンがけするスペースにもなります。ただし、気を付けたいのは湿気問題です。室内干しをする場合には更に湿気が溜まりやすいので、除湿器なども併用するとよいでしょう。
クローゼットの近く
次におすすめなのがクローゼットに隣接させる間取りです。着替えと身支度を同時にできるため、入浴後や朝の準備など、着替え動線がスムーズになります。帰宅後には手洗いした流れで部屋着に着替えることができ、脱いだ洗濯物をすぐに洗面所の洗濯機や洗濯かごに入れることもできます。洗面所・ランドリー・クローゼットを隣接させると、生活・家事動線がより効率的になりますよ。
キッチンの近く
家事効率をスムーズにするという点では、キッチン近くに配置するのもひとつ。洗面所とキッチンが近ければ、食事の準備と並行してお風呂掃除や洗濯をすることができます。朝夕の忙しい時間帯に家事を同時進行できるので、時短にもなりますね。小さな子どもがいる家庭では、キッチンにいながら子どもの手洗いや支度の様子もチェックできるので、安心できる間取りともいえます。
玄関の近く
生活動線という面では、玄関の近くに配置してみてはいかがでしょうか。洗面所が玄関と隣接していれば、帰宅後すぐに手洗いやうがいができるので、他の部屋に汚れや菌などを持ち込む心配もなくなるでしょう。小さな子どもやペットがいる場合には、室内に入る前に汚れを落とせるので安心です。また、外出前の最終チェックとして、身だしなみを整えるスペースとしても活用できます。
洗面所の畳数別レイアウト実例
【1畳】すっきりとコンパクトに
1畳というとタタミ一枚分なので、洗面化粧台を置いてその前に人が立つスペースがあるというようなイメージです。このような条件の中でも、縦に空間を活用するというアイデアがあります。写真の事例では、洗面台の下の空間に収納がありながらも、オープンになっています。自由にものを仕舞う事もできますし、下部のスペースがあることで、実際よりも空間が広く感じられます。また、上部も鏡付きのキャビネットを設置することで、実用性とデザイン性のどちらも満足できる仕掛けになっていると言えるでしょう。
【2畳】快適に身支度できる広さ
平均的な住宅やマンションにおいて、一般的なサイズである2畳程度の洗面所。これくらいの広さであれば、洗面台と洗濯機を置いても、身支度をする空間も確保できるでしょう。こちらの事例では、洗濯機は別の場所に置いてあり、洗面台のみで構成されているため、よりゆったりしています。洗面ボールを置いた横にチェアーを置いて、快適に化粧や身支度が出来るスペースもあります。窓も上部にありますので、朝は自然光を感じながら照明もサブで使うことで、十分な明るさを感じることができます。
【3畳】ダブルボウルで混雑回避
3畳以上の広さがあれば、洗面ボウルを2つ置くこともできます。通勤、通学前の忙しい時間帯に、急かされることなく身支度が出来るので、気持ちにも余裕が生まれそうですね。こちらの事例では、洗面ボウルを2つ置いてもなお、余裕のある長いカウンターがあり、ゆったりと身支度が出来そうですし、その下には引き出しも2段ついているという安心の収納力を兼ね備えています。また、ミラーも洗面ボール2つ分以上の幅があり、鏡付きのキャビネットで、こまごまとしたものの収納にも便利ですね。
洗面所のおしゃれなデザイン実例
洗面所、脱衣所は日々の暮らしの中において家族全員で使用する大事なスペースです。これらを上手につくるには、間取り・収納・コンセント・床材・浴室の種類をトータルで検討する必要があります。さらにおしゃれな空間にするには全体の統一感や生活感を隠す工夫も重要です。
また、水回りスペースは、清掃しやすく安全である必要があります。さらには、生涯にわたって使いやすい場であり続けるため、事前に検討すべきポイントも多くあります。そんな数々のポイントを抑えた実例をご紹介します。ぜひご覧ください!
水回りをまとめて家事ラク動線
家事がスムーズにできるように、洗面所・ランドリールーム・脱衣室・浴室を直線的に配置したこちらのお宅。掃除がしやすく清潔に保ちやすい、埋め込み型の洗面ボウルを採用しているのもポイントです。さらに、床や洗面台部分、鏡の下部分のそれぞれ異素材を組み合わせつつ、全体の色味をそろえて統一感もあり、見た目と実用の両立を実現しています。
機能美あふれるコンパクトさ
コンパクトながら個性が光るこちらの洗面所。洗面ボウルのグレーがアクセントになっています。デザインに目がいきますが、着替えやタオルもすっきりと収納できるようにレイアウトされており機能性も兼ね備えています。
ヘリンボーンタイルがアクセント
こちらも、洗面ボール正面にタイルを貼った事例です。洗面台の周りにタイルを貼るメリットとしては、耐久性や耐水性、耐汚性という機能性はもちろんのこと、やはりデザイン性やおしゃれさが一番に挙げられるでしょう。カラーや柄、形や大きさ、素材に質感、また価格も含めて、幅広い選択肢の中から自由に選べます。こちらの事例では、カラーはシンプルな白ですが、張り方をヘリンボーン貼りにしているというのがユニークでおしゃれなポイントですね。
照明とタイルでラグジュアリーに
まるで高級ホテルのレストルームのような、ラグジュアリーな洗面空間。間接照明がガラスモザイクタイルを引き立たせ、白を基調としたタイルとのコントラストが洗練された雰囲気を生み出します。テイストの異なるタイルを使用しながらも統一感のあるデザインで上品な仕上がりです。
個性が光るヘキサゴンタイル
リビングのすぐそばに設けられた、来客用の洗面スペースです。ヘキサゴンタイルでアクセントにしつつ、洗面台や床材とモノトーンで合わせ、モダンで落ち着いた雰囲気をつくり出します。収納をあえて設けず、手洗いに特化したシンプルなデザインが、空間をすっきりと魅せるポイントになっています。
朝の身支度は光を感じながら
たっぷりの自然光が差し込む、開放感あふれる洗面空間です。大きなガラス扉からは中庭が繋がり、まるで屋外にいるかのような心地よさを演出します。広くとったカウンターには2つの洗面ボウルとメイクコーナーをつくり、忙しい朝でも落ち着いて準備できる工夫がされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 洗面所や脱衣所とひとことで言っても、そのつくり方には多彩なバリエーションがあります。ポイントをしっかり押さえながら、おしゃれで使い勝手のいい、あなたらしい理想の洗面所を実現してみてはいかがでしょうか。重量木骨の家が手がけた洗面所・脱衣所の施工例もぜひ参考にしてみてください。
→重量木骨の家で「洗面所・脱衣所」の実例を見る