シアタールームを自宅に作ろう! 設置のポイント&注意点を徹底解説
シアタールームを自宅に作ろう! 設置のポイント&注意点を徹底解説のインデックス
映画好きであれば誰もが憧れる、シアタールーム。自宅にいながら映画館のような迫力と臨場感を味わうことができ、いつでも好きなだけ映画の世界に浸ることができます。今回の記事では、シアタールームの魅力や、必要な設備、設計のポイントなどについて詳しくご紹介していきます。
シアタールームとは
シアタールームとは、映画やドラマなど映像作品を鑑賞するための部屋で、大型の画面や、音響装置などが備え付けられているのが特徴です。リビングや寝室などにシアター機能を備えてシアタールームと兼用とする場合もあれば、専用部屋を設ける場合もあります。
シアタールームの魅力
自宅で映画を楽しめる
シアタールームでは、迫力ある大画面や臨場感あふれるサウンドを楽しむことができ、自宅にいながら本格的な映画体験を味わうことができます。上映時間や混雑を気にせず、自分の好きな時に映画を鑑賞でき、よりリラックスしながら映画の世界に没入できることでしょう。
映画以外の映像コンテンツも
シアタールームでは映画以外に、ドラマや、スポーツ観戦、音楽ライブ、動画配信サービスなど、あらゆる映像コンテンツを楽しむことができます。また、映像を鑑賞するだけでなく、ゲームやカラオケといったアクティビティにも活用できます。家族で気軽にプレイしたり、友人らと遠隔で交流したり、楽しみ方は多岐に渡ります。
専用ルームは機材の片付けが不要
リビングや寝室などと兼用のシアタールームは、映画鑑賞のたびに機器の準備と片付けが必要になる場合があります。専用部屋があれば機器を置いたままにできるため、常に映画鑑賞できる準備を整えておくことができ、思い立った時にすぐに利用できるというメリットがあります。
シアタールームに必要な設備
スクリーン
シアタールームでは、映像を映すための大きな画面が必要になります。スクリーンを設置する場合、サイズの目安は「視聴距離÷3」とされ、視聴距離が3mの場合は100インチ程度がおすすめです。スクリーンにはさまざまなタイプがあり、「吊り下げ式」「壁掛け式」「自立式」の3種類が代表的です。吊り下げ式は、使用しないときは巻き上げて天井に収納でき、その中でも電動で操作できるのが便利です。壁掛け式や自立式は軽量で持ち運びがしやすいという利点があります。
スクリーンの代わりに、白い壁を利用するという選択肢もあります。場所を取らない点が魅力ですが、壁の凹凸によって画質が落ちる可能性があります。また、大型の液晶テレビを使用すれば、画面が明るいため遮光対策の手間を省くことができます。
プロジェクター
スクリーンに映像を投影するためのプロジェクターも、欠かせない設備です。選ぶ際は、解像度、明るさ、投影距離などを考慮する必要があります。設置方法は、「卓上型」と「天井吊り型」の2種類。テーブルや台に置いて使う卓上型は、場所を選ばずに使用できるのがメリット。卓上型の中には天井に投影するタイプもあり、ベッドの上で仰向けになって映画を楽しむことができます。天井吊り型は設置工事や配線工事が必要ですが、場所を取らないという利点があり、シーリングライトやスピーカーと一体化したものもあります。
スピーカー
映画館のような臨場感を求めるなら、複数のスピーカーを効果的に組み合わせる「サラウンドシステム」の導入がおすすめです。聴き手を包み込むように前後左右にスピーカーを配置することで、臨場感や立体感のある音場を作り出します。また、複数のスピーカーを設置する場合、AVアンプも必要になります。
サラウンドシステムで使用するスピーカーの数は「チャンネル(ch)」で表されます。シアタールームでは5.1ch以上が推奨されていて、前後左右の計5つのスピーカーと、残りの0.1部分にあたる「サブウーファー」で構成されることを意味します。サブウーファーは低音を強調するスピーカーであり、より迫力のある音響効果をもたらします。
映像出力機器
ホームシアターで鑑賞したい映像の種類に合わせて、映像出力機器も選んでいきましょう。例えば、お手持ちのディスクを再生するならBlu-rayやDVDのプレーヤー、録画映像を見たい場合はレコーダー機能を備えたものを用意しましょう。
パソコンやスマートフォン、タブレットがあれば、デバイス内に保存された動画や、インターネット上に投稿されている動画を視聴でき、映像配信サービスに加入していれば、定額で無数の映像コンテンツを楽しむことができます。また、ゲーム機器を映像出力機器として使用し、これらのコンテンツを視聴することも可能です。
シアタールームを設置する際の注意点
部屋の広さ
シアタールームを設置する際には、部屋の広さも考慮しましょう。例えば、プロジェクターとスクリーンの距離が近すぎると、映像が鮮明に投影されない可能性があるので注意が必要。音響にサラウンドシステムを採用する場合は、スピーカーの置き場所を十分に確保しましょう。
また、音が自然に広がるよう、ゆとりを持ってスペースを計画することも大切です。プロジェクターを天井吊り型にする場合は、天井の高さが足りないと設置が難しくなることもあります。このため、シアタールームを設計する際には、使いたい機材をあらかじめ決めておく必要があります。
防音対策
シアタールームでは防音対策も欠かせません。シアタールームでの映画鑑賞は迫力のある音響が魅力ですが、家族の個室や近隣の住宅に音が漏れやすく、トラブルに発展してしまうこともあります。また、映画に集中できる環境を作るためには、外部からの音を遮る工夫も必要です。具体的な方法としては、防音素材の高い建材や内装材を使用したり、防音性能のあるカーテンやカーペットなどを後から購入したりする方法などがあります。また、吸音性の高い部材は音の反響を抑えるため、シアタールームの音響効果を高めるのに便利です。
遮光・迷光対策
部屋が暗いほど映像がより鮮明に映し出されるため、遮光対策も欠かせません。外部から光が入らないよう、ドアの隙間をなくしたり、窓には遮光カーテンやロールスクリーンを設置したりするなどの対策が必要になります。地上からの光が入りにくい地下室にシアタールームを設置することも有効です。
また、シアタールームを作る際には、迷光対策も重要です。迷光とは、スクリーンの周囲の壁に光が当たることで、スクリーンのコントラストを下げてしまう現象のことを言います。迷光を避けるには、スクリーンの周りを黒色で囲い、光を吸収させるのが効果的です。壁全体を黒色に塗ったり、暗幕を使用したりすると良いでしょう。
シアタールームを快適にするためのポイント
リラックスできるソファを置く
プライベートな空間で映画を楽しめるのが、ホームシアターの魅力。よりリラックスできる環境を作るためには、椅子選びも重要なポイントとなります。映画は1本あたりの上映時間が長いため、長時間座っていても体に負担がかかりにくい椅子を選ぶようにしましょう。
リクライニングチェアは、見やすい角度に背もたれを調節できるのでおすすめ。背もたれが長いハイバックチェアや、足を乗せられるオットマンも人気があります。幅や奥行きのある大きなソファは、家族で並んで腰をかけたり、寝転がったり、さまざまな姿勢で鑑賞できるため便利です。
スマートリモコンで操作を一括
シアタールームには、さまざまな種類の機器が置かれていて、これら一つ一つを個別にリモコンで操作するとなると手間がかかってしまいます。スマートリモコンには、複数の家電のリモコン操作を一つのデバイスで一元管理できるというメリットがあり、これを導入することで操作の手間を大幅に減らすことができます。スマートリモコンとして利用できるデバイスには、スマホやタブレットなどがあり、また、スマートスピーカーを使えば音声だけで操作できます。
スマートリモコンは、赤外線通信に対応している家電であれば、基本的には問題なく利用できます。また、インターネット通信を経由して操作指示が送られるため、安定したWi-Fi環境が必要になります。
配線をまとめて見た目スッキリ
シアタールームは必要な機器が多い分、配線も複雑になりがちです。映画に集中できる環境を作るには、コードやケーブル類をスッキリと片付けて視界に入らないよう工夫しましょう。また、接触不良や断線を防ぐためには、ケーブルが絡まらないよう、綺麗にまとめておく必要があります。
配線を目立たせないようにするには、工事の際に壁や天井裏に通線するという方法があります。ケーブルを収納できる家具を造作する場合、開閉できるようにしておけば、不具合の際に自分で配線を確認でき、最新機器へ置き換えの際にも便利になります。また、後から市販のケーブルモールを購入するという方法もあります。
シアタールームのおすすめの間取り&事例紹介
リビング
リビングは家族が集まる、家の中心的なスペース。この場所にシアタールームを設けることで、日常生活に気軽にエンターテインメントを取り入れることができます。こちらの事例はリビングとシアタールームが兼用となっていて、白い壁をスクリーンの代わりに使用しています。スクリーンをあえて設けないことで、リビングとシアタールームと、その時々で使い分けやすい空間となっています。
吹き抜け
吹き抜けの広々とした空間を利用したシアタースペースも、おすすめの間取りの一つ。電動スクリーンを採用すれば、普段は天井に収納されるため、採光の邪魔になりません。こちらの事例では、天井からスクリーンが降り、吹き抜けに面したスペースから映画を鑑賞できるようになっています。視界を妨げないよう、手すりが細くシンプルなデザインになっているのも特徴です。
ロフト
ロフトにシアタールームを設けるというアイデアもあります。ロフトは天井高が法律で制限されていますが、座椅子に座ったり、寝転んだり、低い姿勢で鑑賞するのであれば、十分なスペースと言えるでしょう。こちらの事例は、秘密基地のようなコンパクトなシアタールーム。袖壁の影になっている壁をスクリーンとして使用しているため、密閉空間を作らずとも鮮明な映像を映し出すことに成功しています。
寝室
寝室にシアタールームを作るメリットは、ベッドの上に寝転がって映画を楽しめること。映画鑑賞のためにわざわざソファやベッドを買い揃える必要がなく、リーズナブルにリラックスできる空間を作ることができます。こちらの事例も、天井からスクリーンが降りてくるタイプ。スクリーン幅と同じくらいの幅広サイズのベッドを置いているため、家族が横並びで仲良く映画を楽しむことができます。
地下室
地下室はシアタールームの設置場所として、最適と言っても過言ではないでしょう。防音性、遮光性に優れ、より没入感のある鑑賞体験が得られます。こちらの事例はガレージ横という間取りになっているため、居住スペースに隣接したシアタールームよりは、音漏れに配慮する必要がありません。また、鑑賞中に車の出入りさえなければ、外部の生活音を気にすることなく、映画の世界に浸ることができます。
専用部屋
シアタールームを作るなら、鑑賞のためだけを目的とした専用部屋が王道と言えるでしょう。広さの目安としては80インチのスクリーンで6畳ほど、100インチのスクリーンなら8畳から10畳ほどのスペースが必要とされています。こちらの事例には大型のスクリーンが置かれていて、快適に視聴できるよう、部屋の奥行きも十分に確保されています。密室空間となっているため防音性が高く、映画鑑賞以外にギター演奏を楽しむこともでき、趣味をとことん楽しみ尽くせる空間となっています。
まとめ
今回はシアタールームについて詳しくご紹介しました。映画館のような迫力のある映像・音響を自宅で再現するためには、必要な機器をしっかりと揃えるだけでなく、それを効果的に使用するための部屋づくりも重要となります。スペースの関係上、専用部屋が設けられないという方も多いかと思いますが、リビング、吹き抜け、寝室など、それぞれの間取りの特徴を生かすことで、極上のリラックス空間を作ることができるでしょう。今回ご紹介した内容をぜひ、シアタールーム作りの参考にしてみてくださいね。