ウォークインクローゼットの扉はあり?なし? メリットや後悔しないためのポイントを解説

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住まいづくりの中で取り入れる方の多いウォークインクローゼット。衣類や小物を効率よく収納できる設備ですが、意外と悩ましいのが扉の有無や種類ではないでしょうか。今回は、「扉あり」「扉なし」それぞれのメリットや失敗しないための選び方を、建築・収納の視点からわかりやすく解説します。
ウォークインクローゼットの扉の種類
折れ戸
折れ戸は、扉が中央で折れ曲がりながら開閉するタイプで、省スペースで開閉できるのが特徴です。扉を開いた際に折りたたまれた部分が突き出してしまうため邪魔になりやすい面もありますが、広い開口が取れるので衣類の出し入れは比較的しやすいです。奥行きのないスペースでも使いやすいため、コンパクトな部屋や通路沿いの収納におすすめです。
開き戸
開き戸は、一般的なドアのように手前に開くタイプです。全開にすることでクローゼット内部を隅々まで一度に見渡すことができ、出し入れもしやすいのが特徴です。片開きも両開きも可能ですが、開く際には扉の前には十分なスペースが必要になります。部屋の広さや家具の配置を十分に考慮して設置計画をたてる必要があるでしょう。
引き戸
引き戸は、左右にスライドして開け閉めするタイプ。開閉のためのスペースを確保する必要がないため、狭い通路や隣に家具がある場合でも使いやすいというのが特徴です。完全に開け放つことはできず内部を一目で確認するのは難しいですが、軽い力で簡単に開閉できるので誰にでも使いやすくバリアフリーにも向いているでしょう。
扉なし
あえて扉をつけない「扉なし」のウォークインクローゼットは、近年増えている設計です。扉を省くことで空間を広く見せる効果があり、コスト削減にもつながります。扉の開閉スペースを気にする必要もないため、間取りの制限は少ないといえるでしょう。通気性がよくカビ対策にもなりますが、内部が常に見えるため整理整頓の習慣が必要になります。
扉ありウォークインクローゼットのメリット
目隠しになる
扉付きのウォークインクローゼットは、中が見えないためプライバシーを確保しやすいという点が大きなメリットです。扉を閉めておけばクローゼット内が丸見えにならずにすむので、急な来客時も慌てる必要がありません。外からの見た目もスッキリ整った印象をキープできるので、生活感のないおしゃれな空間を実現できるでしょう。
ホコリや太陽光が気にならない
扉があることで、衣類や収納物をホコリや日光から守ることができます。空気中のホコリが衣服に付着しにくくなるので、品質劣化を防ぎやすくなり、お気に入りの洋服も長く楽しめるでしょう。さらには太陽光があたることも避けられるため、日焼けによる色あせの心配も少なくなります。ホコリのほか花粉なども入りづらく、アレルギー対策にも効果的です。
防虫剤・除湿剤・冷暖房の効果が高まる
扉を設置することでクローゼット内の湿度や温度をコントロールしやすくなるという利点もあります。収納物が密集しているクローゼット内は、湿気やカビの心配も少なくありません。しかし扉をつけて閉め切っていれば除湿剤も効きやすくなりますし、防虫剤や除湿剤の効果も長持ちし、衣類の保存状態を良好に保てます。また、冷暖房の効いた空間では、クローゼットの扉が仕切りの役割を果たすことで、省エネ効果も期待できるでしょう。
扉なしウォークインクローゼットのメリット
通気性がよくなる
扉をつけないメリットのひとつに、クローゼット内の通気性が大きく向上することがあげられます。換気扇の設置も有効ですが、扉がなければ常に空気が循環することになるため、湿気がこもるのを防ぎやすくなります。特に湿気がこもりやすい衣類収納において、空気循環はカビやニオイの発生を防ぐためにも重要なポイントといえるでしょう。
空間の広がりを感じられる
扉がないことで、部屋とクローゼットの一体感が生まれるというのもメリットのひとつ。視覚的な圧迫感が減ることで実際よりも広く感じられ、開放感のある空間を実現できます。特に畳数に限りがある寝室やコンパクトな住宅においては、有効な手法といえるでしょう。インテリアの一部として見せる収納を意識すれば、空間のデザイン性もアップします。
出入りがしやすい
扉がない分、出入りや物の出し入れがスムーズになるという側面もあります。扉を開く手間が省けて出入りも簡単になるので、忙しい時間でも着たい洋服を見つけやすく、スピーディーに着替えることができ、ストレスを軽減できそうです。忙しい毎日を快適に過ごすための工夫として、ぜひ検討したいポイントといえるでしょう。また、扉の開閉スペースを必要としないため、周囲に家具や寝具を置きやすく、空間を有効に活用しやすくなります。
ウォークインクローゼットの扉選びで後悔しないために
間取りに合わせて扉を検討する
まずは間取りや動線を考慮して扉の有無を検討しましょう。前述の通り、開き戸・折れ戸・引き戸・扉なしと種類があります。タイプごとに開閉方法や確保すべきスペースなども異なるため、扉の特徴を理解し間取りに合わせた選択をしましょう。窓に近い場合や来客の目に触れる場合などは扉を設け、スペースが確保できない場合は扉なしも選択肢に入れるとよいでしょう。
収納量を考慮して入り口を考える
ウォークインクローゼットは、扉に限らず入り口の位置によっても収納力や使い勝手が変わってきます。真ん中に設ければ空間を広く見せる効果があり、端に寄せた入り口ならば収納力を確保できます。また、部屋の入り口から直接見えにくい向きで入り口を設けることで、クローゼット内部が視界に入りにくく見た目にもスッキリとした印象となるでしょう。
扉以外の選択肢も探してみる
「扉=ドア」という固定観念を捨て、カーテンやロールスクリーンなどを目隠しとして使用する方法もあります。これらは費用を軽減できるほか、省スペースで利便性が高いところも魅力。手軽に開閉でき、クローゼットをオープンにしたり隠したりと自由自在です。取り付け・取り外しも簡単で、扉に比べ圧迫感も軽減できるので、デザイン性を重視する方にも人気があります。
まとめ
ウォークインクローゼットの扉は「あり」か「なし」か、一概に正解があるわけではありません。重要なのは、家族構成・ライフスタイル・間取り・収納スタイルに合わせてベストな選択をすることです。それぞれのメリットと注意点を理解した上で、後悔のない収納空間を設計しましょう。デザイン性・機能性・快適性など、家族の希望を叶えた理想のウォークインクローゼットをぜひ実現してください。