2023.08.07

庭や菜園から光を取り込む子育て世代の平屋

自然に恵まれた環境を生かした開放的な住まい

安心安全で、さらに心が躍る
庭と一体化した平屋

愛犬が思いっきり駆け回れる広々とした庭とLDK――犬が幸せに暮らせるドッグフレンドリーな住まいがH邸のコンセプト。庭と一体化するウッドデッキなど、家族とペットが可能な限り一緒に過ごせる空間づくりを心掛けた。そのため、愛犬にとってストレスにならない段差のない平屋になっている。約500㎡という広大な敷地面積に合わせ、できるだけ外部空間を取り込めるよう大開口は必須条件。そこで木造でも柱や壁のない空間づくりが可能で、耐震にも優れているSE構法が選ばれた。南側一面を庭が見渡せる大開口とし、最大天井高約3mという迫力のある大空間だ。さらに中庭からの採光で常に明るい室内環境とし、日差しが入りにくい平屋の弱点をクリアした。ウッドデッキや中庭の縁側、玄関のベンチなど、H邸には屋外で風を感じながらくつろげる場所も各所にある。
2021年に竣工したこの住まい。完成して間もなく初めてのお子さんが誕生し、家族が増えた。ワンフロアで生活できて常に明るく暖かい平屋は、ベビーベッドを自在に移動できるなど、多忙な子育て期にも適したプラン。また、ハイハイをし、歩けるように成長しても、ぬくもりのあるナラ無垢材の床は優しく、肌に心地よい感触が残るのが大きな魅力と言える。

1人の時間も大切に
ガレージや書斎の快適性も重視

趣味の時間を過ごせる書斎とビルトインガレージはご主人の要望から実現した場所。開放的なLDKだからこそ、個人の時間も大切にしたいと考えた。「ガレージは車のメンテナンスなどもできるスペースにしたくて、空間に余裕をもたせました。ロフトを設けたので、将来の趣味室としても活用したいと思っています」とHさん。裏庭で本格的な家庭菜園を始めて増えた農具を収納するのにも重宝している。
書斎は一段上げて畳敷きにすることで、日常を過ごすエリアと一線を画し、1人でこもって集中できる場所。カウンターデスクと書棚は南の窓側に造作し、作業をしながら庭を見渡せるよう配置。この机であればお子さんの就学後は勉強に集中できるスタディコーナーになる。
さらにキッチンや洗面など水回りのカウンターは、ライフスタイルに合わせてデザイン。キッチンカウンター横の飾り棚など、細かい収納もカスタマイズされている。開放的なH邸は、見通しのよさも魅力。キッチンで調理しながら、リビングでくつろぎながら、書斎で作業しながら…いつでも庭で遊ぶ愛犬や子供を見守ることができるのもうれしく、心安らかに暮らすことができる。

三河エリアの環境を生かし
人が集まる家づくりを

「『kotori』は『子』に『里』を組み合わせた言葉で、子供や人が集まる家づくり、人と人のつながりを大切にしたいという思いを込めた社名です」と今泉順次代表取締役社長は語る。三河エリアには自然に恵まれた立地が多く、その環境を生かすような現代の平屋をkotoriは得意としている。「視界が開けた平屋なら、家族が緩やかにつながります」と今泉社長。ここを拠点に木造住宅をデザイン設計・施工している。
このようにドッグフレンドリーを目指しつつ、家族全員にも優しい住まいは、少数精鋭で一棟一棟に手間をかけ、きめ細かな対応だからこそ実現すると言える。

取材・文/間庭典子

H邸
設計施工 kotori 所在地 愛知県安城市
家族構成 夫婦+子供1人+犬 敷地面積 499.64㎡
延床面積 110.56㎡ 構法 木造SE構法

この家を建てた工務店

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