2024.02.13

縦横に広がる多機能な回遊式の空間

アウトドアリビングが広がりを与える、仕事も趣味も謳歌する家

住宅街の一角にある白い箱型の住まい。室内は開口の少ない外観からは想像もつかないほど開放的な空間が広がっていた。LDKに足を踏み入れると、最初にダイナミックな吹き抜けに出迎えられて、視線の先には太陽の日差しが降り注ぐ明るいアウトドアリビングがある。
 
 
リモートワークが定着したコロナ禍に自邸を計画したEさん夫妻。家で過ごす時間が増えたことから、仕事や趣味などさまざまなことが自宅で完結できるようにしたいと考えた。そこで、仕事を通じて知り合ったTIMBER YARDに相談。「10年ほど前から彼らの仕事を拝見していたので、いつか家を建てるときはお願いしたいと思っていました」とご主人。
「リモートワークができる夫婦それぞれの書斎がほしい」「中庭を見ながらランニングマシンで走りたい」などのイメージを伝えた以外は、この工務店の完成度の高さを知っていたからこそ、完全に任せることにしたというEさん夫妻。絶大な信頼を寄せる夫妻にTIMBER YARDが提案したのは、アウトドアリビングを居室内のリビングとダイニングキッチンでL字状に挟んだプランだった。アウトドアリビングは壁で囲むことで、住宅街でも周囲の視線を気にすることなく快適に過ごせるようにした。
 
 
1階にLDKや水回り、奥さまの書斎など、2階にはご主人の書斎とベッドルームのほか、本格的なマシンを備えたジムを配置。驚くことにジムの天井には雲梯(うんてい)まで設置しており、在来の木造住宅であれば難しい仕掛けも。「天井と床には補強の梁がしっかりと入っており、SE構法だからこそ木造の2階にこれだけの重量を配分することが可能となりました」とTIMBER YARDの設計担当の梶ヶ谷智之さんは語る。
ジムの隣にあるのが、以前アパレルで働いていたご主人のためにデザインしたショーケースのようなウォークスルークローゼット。一面をガラス張りにして見せる収納に。1階からも吹き抜け越しに見えて、ご主人が季節ごとにディスプレイする洋服や靴を考えているという。
 
 
そしてE邸を訪れたゲストが必ず驚くのは、その見事なまでの収納計画。オープンな空間だからこそ、バックヤードが重要となる。1階はランドリールームの横にファミリークローゼット、パントリー、奥さまの書斎を連続して配置させ、回遊できる動線を確保。「家事動線がコンパクトで、本当に機能的で使いやすいんです」と奥さま。ファミリークローゼットとパントリーは、バックヤードとは思えないほど整理整頓された美しく快適な空間だ。
玄関にあるシューズクローゼットも、靴店さながらのディスプレイが圧巻。キッチンも奥さまの料理や片付けの動作に沿った無駄のない収納計画で、余すところなくスペースを活用。造作家具を得意とし、建築のプランとインテリアを並行して計画できるTIMBER YARDだからこそ実現できたことである。
 
 
ご主人はインテリアのプランが確定すると、毎日のように収納アイテムを探してリストアップ。寸法をTIMBER YARDに送ってピッタリと収まるかを確認し、竣工時にはすべて整うよう綿密に準備していた。「住み始めてから、もっとこうすればよかったかもしれない…という後悔が1つもないんですよ」と、ご主人も満足そう。建築からインテリア、そして細かな収納、ディテールに至るまで、美しく機能的に統一された、完成度の高い住まいが生まれた。
 
 
取材・文/植本絵美

E邸
設計施工 TIMBER YARD 所在地 茨城県守谷市
家族構成 夫婦+犬2匹 敷地面積 251.90㎡
延床面積 168.64㎡ 構法 木造SE構法

この家を建てた工務店

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