空間としての仕切りも兼ねた真鍮製の手摺ポールのある玄関。靴を履いて立ち上がる際にとても重宝します。オリジナルの造り付け家具とした下足入れに取り付けた同じく真鍮製のつまみのおしゃれです。玄関ホールからリビングへの視線を抜くことで広々とした空間に仕上げています。
敷地は県道(姫街道)沿いで西と南で接道する角地、北と東は住宅で交通量の多い住宅地です。
西側の道を挟んで向かいにある「うどん屋さん」のご自宅としての依頼で、「基本的にはお店にいるから小さい家がいい」という要望から始まりました。
そこで、いかに広く見せ、かつ家族の気配が感じられる心地よい空間にするか、ということをコンセプトに計画しました。少しでも圧迫感がないよう目線の先に行き止まりをなくし、大きな窓をつけることで広さを演出しました。リビングダイニングをスキップフロアとし、75cm上げることで外部空間と目線が合わないように配慮し、空間に動きを持たせました。段差を利用しカップボード収納兼、ダイニングテーブルという象徴的な家具を作り、ソファも製作にすることで、家具を後から買うのではなく建物の一部として造り込み、一体感を持たせました。
2階の寝室からは吹抜に面して小窓を設け、1階と繋がるようにし、外面の窓には製作の木製の格子戸をつけることにより、常に柔らかな光が寝室に入ってくるようにしました。
優しい木の雰囲気がお施主様の人柄をそのままあらわしているような居心地のいいお家になりました。