ブルックリンスタイルのコツはインテリアにあり。お部屋づくりの事例&おすすめアイテムを紹介

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インテリア雑誌などを見ているとよく目にする「ブルックリンスタイル」。無骨さがかっこいいと人気のスタイルで、メンズライクな部屋づくりにおすすめです。ブルックリンスタイルの家づくりを実現するために、具体的にどのようにしたらよいか。ポイントを見ていきましょう。
ブルックリンスタイルとは
ブルックリンはニューヨークの行政区の一つで、以前は工場や倉庫などが立ち並ぶ工業地帯だったそうです。1990年代、橋を挟んで反対側にあるマンハッタン区の家賃が高騰し、そこから移ってきた若いアーティストらが古い工場や倉庫をリノベーションして住むようになったのがブルックリンスタイルの始まりです。
ブルックリンの街は、彼らの独特なセンスによってお洒落なエリアとして生まれ変わり、様々なメディアで紹介されるようになりました。ブルックリンスタイルは商業施設に始まり、その後住宅のデザインにも取り入れられるようになりました。そして、今では多くの人に人気のあるスタイルとなっています。
ブルックリンスタイルの特徴とは
ブルックリンスタイルは、古い建物や工業製品をお洒落にアレンジし直したものが多く、デザインの自由度が高いのも魅力です。倉庫や工場をリノベーションしたのが始まりなので、仕切りがなかったり、天井が高かったりと、空間が広いことも特徴の一つ。梁や配管をあえて剥き出しにするという人も多いようです。レンガやエイジング加工された木材など、アンティーク調の素材を組み合わせ、無機質さの中に温かみを持たせる点もブルックリンスタイルならではと言えます。
ブルックリンスタイルとインダストリアルデザインの違い
ブルックリンスタイルとインダストリアルデザインは、どちらも「工場」「倉庫」というキーワードが連想されますが、それぞれ違った特徴があります。ブルックリンスタイルは古いものを生かしてヴィンテージ感を楽しむスタイル。一方インダストリアルデザインは、シンプルで無機質な素材感が特徴で、よりモダンでクールな印象があります。ヴィンテージとモダンのバランスを考えながら2つのスタイルを組み合わせれば、より洗練された家づくりを叶えることができるでしょう。
ブルックリンスタイルの構成要素
空間の広さ
ブルックリンスタイルは、もともと工場や倉庫の空間を生かしてリノベーションすることで生まれたスタイルのため、空間は基本的に広々としています。壁を取り払い、リビング・ダイニング・キッチンを一体的にレイアウトします。天井を高くし、視界を遮るものをなくすというのもポイントです。空間を広くすることにより、大きめの家具を置いても閉塞感なくすっきりと見えるでしょう。
重厚感のある素材
ブルックリンスタイルでは、レンガ、コンクリート、スチール、木など、素朴で無骨な素材が使われます。コンクリートやスチールはインダストリアルで男性的な雰囲気があり、これにヴィンテージ感のあるレンガや木などを合わせることで、温かさや柔らかさを生み出します。これらの素材をバランスよく組み合わせることが重要です。
落ち着いたダークカラー
ブルックリンスタイルの色使いは、落ち着いたダークカラーが基本になります。グレー、ブラウン、ネイビー、グリーンなどの深みのある色味は、空間を引き締め重厚感とグラマラスさをもたらします。先ほど紹介したレンガ、コンクリート、スチールといった素材との相性も抜群です。柄物のクッションや、みずみずしい植物などをアクセントとして加えれば、落ち着いた空間の中でも、温もりと明るさが感じられるでしょう。
無骨さを感じる質感
ブルックリンスタイルは、倉庫や工場を改装して生活空間を生みだしたことがスタートとされているため、あえてその無骨な質感を出すのもポイントのひとつです。普段なら隠しておきたいダクトや配線をむき出しにしたり、コンクリート打ちっぱなしの内装にすると、おしゃれな無骨さを演出できます。
ヴィンテージ感のあるフローリング
床材は、ブルックリンスタイルを左右する重要なポイント。木目の濃淡がはっきり感じられるものや深みのある色調、表面にエイジング加工が施されたものを選ぶと、ヴィンテージ感を演出できておすすめです。また、ヘリンボーン張りやパーケット張りなど、フローリングの貼り方にまでこだわれば、よりブルックリンスタイルに近づけるでしょう。
ブルックリンスタイルを実現するインテリア選び
アンティーク家具
長年使い込まれたような風合いのアンティーク家具は、「古いものを長く使う」精神を持つブルックリンスタイルには欠かせない要素です。これぞブルックリンスタイルという素材は「木材」「レザー」「アイアン」。テーブルやキャビネット、ソファなどに取り入れるだけでグッとおしゃれになり、経年劣化を楽しみながら使い込むことで、より空間に深みが生まれます。
インダストリアル家具
工業的なデザインを取り入れたインダストリアル家具は、ブルックリンスタイルの代名詞。アイアン素材のフレームや、スチール、ステンレスなどを取り入れると、無骨でクールな雰囲気を演出してくれます。照明器具を裸電球や大きな電球のもの、アイアン素材のものにするだけでも、一気にインダストリアルな空間になるでしょう。
観葉植物
無機質になりがちなブルックリンスタイルの雰囲気に、柔らかさをプラスしてくれるのが観葉植物。特に、大鉢の植物やラフに吊るしたエアプランツなどは、空間のアクセントにもなりおすすめです。インテリアとしてだけではなく、空間に新鮮なみずみずしさを与えてくれるような存在感があり、重々しくなりがちな雰囲気を適度に和ませてくれます。
アメリカンなアートや小物
ブルックリンスタイルを仕上げるには、小物選びも重要。英字のナンバープレートやヴィンテージポスターなど、アメリカンカルチャーを感じるアートを壁に飾ると一気に雰囲気を出すことができます。おしゃれなデザインの空き缶で植物を育てたり、アートフレームを無造作に飾るのもよいでしょう。ブルックリンのアーティスト達のように自由な発想でインテリアを楽しみましょう。
ブルックリンスタイルで使われる壁紙
ブルックリンスタイルのポイントは、ヴィンテージ感
ブルックリンスタイルの基本は古い工場のリノベーションにあるため、ヴィンテージ感のある落ち着いた雰囲気と質感がポイント。こちらの事例の壁紙は、ダークモスグリーンで落ち着いた雰囲気を演出するのにはピッタリです。渋めの色の木材でテーブルと棚を造り付けて、ブルックリンスタイルの書斎の完成です。棚に置いてある小物やデスクの上にどんな観葉植物を配置するかによっても雰囲気は変わってきそうですね。
素材感を出してブルックリンスタイルに
古い工場を感じさせる素材で、壁を魅せるのもブルックリンスタイルの特徴の一つ。よく使われる素材は、レンガ、木、コンクリート、モルタルなどが挙げられます。かつてブルックリン区に移住してきたアーティストたちは、経年で色むらができたり、一部が欠けたりした工場の壁をあえて残し、お洒落なブルックリンスタイルに昇華しました。こちらの事例では、本物のレンガではなく、レンガ風の壁紙が使われています。木目やコンクリートなども壁紙でデザインできるので、気軽にブルックリンスタイルを取り入れることができます。
新築なのに落ち着いた雰囲気
こちらの事例では、レンガ模様の壁紙に加え、古い洋書がデザインされた壁紙を用いることで、新築でありながら古き良きヴィンテージ感を演出しています。最近は壁紙の種類も豊富なので、こんな遊び心たっぷりの壁紙をチョイスすることができます。レザーのチェアと木製のデスクと棚は、この落ち着いた空間にマッチして、集中して作業ができる書斎が完成しました。
ブルックリンスタイルで使われるカーテン
クラフトマンシップとインダストリアルデザインの融合
ブルックリンスタイルは工場のような雰囲気だけでなく、温かみもポイントになります。カーテンは、懐かしさを感じさせる素朴なものがおすすめです。この事例では、クラフトマンシップを感じさせる、ハンドメイドのチェック柄カーテンが窓辺を飾っています。照明はヴィンテージ感のあるものをチョイス。ダイニングチェアはミッドセンチュリー風で、デザインをあえてバラバラにしているところにブルックリンスタイルらしさを感じます。
ローマンシェードはブルックリンスタイルの窓辺にピッタリ
階段のサイドは上げ下げ窓から光と風を取り込めるようになっていますが、その窓辺をデザインしているのがローマンシェードです。上に蛇腹のように折り上げることが出来るので、こちらの事例のポイントとなっている、階段の存在感を損ねることなく調光できます。この階段は、手摺がスチール、ササラが木製で、異素材の組み合わせがまさにブルックリンスタイル。これを引き立てるカーテン選びはとても重要です。
【間取り別】ブルックリンスタイルのアイデア
【キッチン】インダストリアルな無骨さが機能美をもたらす
ブルックリンスタイルの特徴は、無機的な素材と有機的な素材のミックスです。こちらのキッチンもステンレスの機能的なキッチンと、背面には木材を多用した温かみを感じるカウンター付の収納。上の吊戸棚は、オープンスタイルとなって見せる収納としてもインテリアの一部となっています。棚を取り付ける素材はスチールを採用し、異素材ミックスはブルックリンスタイルの王道と言えるデザインです。
【リビング】ナチュラルよりのブルックリンスタイルも
こちらは、温かみを全面に押し出したブルックリンスタイルです。広々とした一室空間、レンガの壁と黒く着色されたスチールの窓枠、フローリングの床、キッチン前カウンターやダイニングテーブルセットの木の質感、そしてミックステクスチャーをうまくまとめているなど、ブルックリンスタイルの特徴が盛りだくさんです。全体的にホッとするような雰囲気になっているのは、木材を使用する範囲が大きいことがその要因の一つでしょうか。このように使う素材のバランスによっても、与えるイメージをコントロールすることが出来ますね。
【LDK】インテリアの工夫でヴィンテージ感を演出
暖炉と天井までの大開口の窓枠が黒く無骨なイメージで、まさにブルックリンスタイルのLDK。革のソファーとクッションが、ヴィンテージ感を演出しています。またダイニングテーブルの上の照明はキャンドルを模した照明で、クラシックなイメージも。ダイニングテーブルは、国産のナラの木の丸太から切り出したもので、かなりの重量感があります。その重厚な天板を支えるスチール製の枠とのバランスが絶妙で、ブルックリンスタイルならではの雰囲気にぴったりとマッチしています。
【寝室】素材へのこだわりが雰囲気をつくる
ブルックリンスタイルを実現するには素材にこだわることも重要です。こちらの事例では寝室の一面に、ランダムなサイズの木タイルをアクセントとして配置しました。異なる木目や色合いが織りなす壁面は、まるでアートのよう。照明を落とすと、木の凹凸がやわらかな陰影を生み出し、ブルックリンスタイルならではの温かみと深みが感じられます。ベッド周りには木材のフレームと、濃紺やブルーのリネンで統一感を演出。素材ひとつひとつにこだわった、上質で心地よい空間に仕上がっています。
【玄関】ラフな仕上げで異素材ミックスを楽しむ
玄関を入ると広がるのは、ブルックリンスタイルらしい無骨さと自由な発想を楽しむ黒板が印象的な土間空間。「黒板+チョーク」からなるチョークアートはブルックリンスタイルの特徴的要素ですが、お子さんのお絵描きスペースとして暮らしの中に上手に溶け込んでいます。リビングとの間仕切りをあえてなくし、コンクリートのフラットな床で開放感を演出。木の梁が印象的な天井と、白壁・黒チョークボード等、異素材が心地よく調和した、ニューヨークのロフトを思わせるような玄関です。
【洗面】ワンアイテムこるだけでブルックリンスタイルに
玄関土間の一角に設けられたコンパクトな洗面スペースは、ブルックリンスタイルの魅力がぎゅっと詰まった空間。小ぶりのタイルを丁寧に貼り合わせた洗面台に、アンティーク調の真鍮蛇口を組み合わせることで、限られたスペースにも存在感が生まれています。シンプルな白壁を背景に、タイルの質感とメタルの光沢が際立ち、異素材ミックスの面白さが引き立つ仕上がりに。ほんのワンアイテムにこだわるだけで、洗面まわりにもブルックリンの空気感を取り入れることができます。
【アイテム別】ブルックリンスタイルのポイント
【ドア】アンティークなドアノブがポイント
大きな格子ガラス扉の向こうには、光がたっぷり差し込む明るいインナーテラスが広がっています。梁が印象的な天井は、まるで古い工場の屋根裏のような雰囲気。床は大判タイル張りで、入口の扉にはアンティーク風のデザインを採用し、クラシックなドアノブがよく調和しています。腰壁はレンガで仕上げられ、ブルックリンスタイルの要素もしっかりと取り入れられています。リビングとつながるこの空間は、家の中にありながら庭のように使える快適な場所になっています。
【ソファ】レザー×デニムの男前家具
ブルックリンスタイルらしい大きな吹き抜けを持つLDK。懐の深いレザーソファにデニムのクッションを合わせることにより、重厚な中にもカジュアルでこなれた味わいが生まれています。スチールと木で構成されたストリップ階段があり、壁にも一部木が使われています。ブルックリンスタイルの構成要素がバランスよく配置されている事例です。
【ペンダントランプ】天井にもこだわりを
吹抜け上部の天井にはペンダントランプがバランスよく配置されています。無骨な素材を用いた工業的なデザインで、色合いもダークカラー。ブルックリンスタイルによく馴染んでいます。また、ランプの間に設置されたスチール製のファンも空間にマッチしています。他にも、レンガ調のタイル張りの壁、天井の木製化粧梁、スチールと木製で作られたストリップ階段など、ブルックリンスタイルを構成するのに必要なアイテムがたっぷり使われています。
【テーブル&チェア】バラバラ素材でこなれ感を出す
既製品ではぴたりと合うテーブルがなかったため、フルオーダーで制作されたダイニングテーブル。天板にはウォルナットを、脚にはアイアンを用いており、異素材の組み合わせがブルックリンスタイルらしい特徴的なデザインです。ダイニングチェアはデザインや色がそれぞれ異なり、ダイニングスペースに吊るされた丸みを帯びたペンダント照明や、キッチンの面材の独特な模様も、すべてが個性的でありながら絶妙なバランスで調和したインテリアとなっています。
ブルックリンスタイルでの注意点
雑多な感じにならないように
ブルックリンスタイルの特徴の一つは、大きな空間です。大空間はもちろん建築でしか作ることは出来ませんが、その中でインテリアが重要なポイントを占めているという事も忘れてはいけません。観葉植物や棚に配置する小物なども、吟味して選ぶ必要があるでしょう。また、せっかく大空間を作ったのに置くモノが多すぎると、雑多なイメージに見られることにも注意が必要です。モノが多くなるとお掃除も大変ですし、素敵なインテリアも埃が目立つようでは勿体ないですね。
素材のバランスに気を付ける
ブルックリンスタイルの素材には、コンクリートの打ちっぱなしやレンガ、スチール製の窓枠、タイル、ヴィンテージウッドなどが挙げられます。最近では、これらの雰囲気を再現した壁紙やクッションフロアも多く登場しており、手軽にブルックリンスタイルを取り入れやすくなっています。ただし、仕上がりの見た目には注意が必要です。模造品を使う場合は、小さな面積にとどめたり、どこかに本物の素材を取り入れたりするなど、バランスを考えながら採用するのがおすすめです。
清潔感を意識する
ブルックリンスタイルの特徴は、そのヴィンテージ感にあります。最近では、新品のアイテムでもエイジング加工を施した木材や、錆加工されたスチールなどの商品が多く出回っており、新築でもブルックリンスタイルの小洒落た雰囲気を演出することが、それほど難しくなくなってきました。そのような状況の中で注意したいのは、「古さを感じさせつつも清潔感を失わない」という点です。古い=汚れている、というわけではありません。丁寧に使い込まれた、清潔なヴィンテージ感を目指すことが大切です。
ブルックリンスタイルにリフォームしたい!費用の目安は?
壁をブルックリンスタイルにリフォームするには
壁をブルックリンスタイルにリフォームするには、いくつか方法があります。例えば、ブルックリンスタイルの特徴の一つであるレンガを積みあげたような雰囲気にしたい時。一つは、既存の壁にレンガ風タイルを貼るという方法。タイルだけで考えるとモノによって幅がありますが、10,000円から25,000円/㎡と言ったところが目安になります。
もう少し安価に抑えたい場合はレンガをプリントした壁紙を貼ることも可能で、その場合は1,000円から1,500円/㎡となりますので、気に入ったデザインがあれば、かなり安くリフォームすることが出来ますね。
床をブルックリンスタイルにリフォームするには
床をブルックリンスタイルにリフォームするには、ひとつはヴィンテージ風のフローリング張りにするというやり方があるでしょう。フローリング材もかなり価格には幅がありますが、一般的には9,000円から15,000円/㎡と言われています。さらに張り方にこだわってヘリンボーン張り等にすると、施工費もそれだけ掛かると考えた方がいいでしょう。
ブルックリンスタイルにリノベーションする時のポイント
天井をブルックリンスタイルにリノベーションするには
リノベーションというのは、リフォームより大掛かりになり家の機能を作り替えるというところにまで手を加えることも多いでしょう。そういった面では、こだわりを十分に表現できることになるので、本格的にブルックリンスタイルにしたい方には合う方法と言えますね。
少し大掛かりになる方法として、一つは、張り天井の天井を外すという方法があります。天井を外すと天井高がそれだけ上がりますのでブルックリンスタイルの一つの特徴である、大空間が実現できますし、構造体を見せることがブルックリンスタイルのデザイン手法という事になります。
間仕切りをブルックリンスタイルにリノベーションするには
間仕切り壁を取り払って大空間を作るという事も、ブルックリンスタイルのリノベーションのやり方の一つと言えるでしょう。また、間仕切り壁の上半分をガラスの建具にするというのも、ブルックリンスタイルへリノベーションするやり方のひとつです。スチール枠にガラス付のパーティションというと、ブルックリンスタイルのデザインの特徴でもありますよね。
ブルックリンスタイルを見越した住居設計
ブルックリン地区からスタートしたブルックリンスタイルは、古い倉庫や工場などの大きな建物をセンスはあるけどお金はそんなに掛けられない若いアーティストたちが、自分たちのセンスを活かしてリノベーションし始めたのがそもそもの起源です。
日本の住宅においても人気が高まりつつあるそのブルックリンスタイルを住宅設計として取り入れるなら、やはり新築がお勧めです。もちろんリノベーションでも可能ですが、中古物件を買ってリノベーションするとなると、その物件自体の条件に縛られることになりますから、大きな空間を思いのままに作れるというのは新築でしかできないことと言えるでしょう。
ブルックリンスタイルの住宅事例6選
土間空間の自由度がブルックリンスタイルにマッチ
玄関の土間空間はモルタル仕上げとなっており、室内への間仕切り扉には、大きなガラスをはめ込んだダークグリーンの木枠が使われています。これも、ブルックリンスタイルの特徴である無機的な素材と有機的な素材のミックスを表現しています。また、キッチンカウンターの内側は黒い煉瓦風のタイル貼りになっており、仕上がりのバランスが絶妙に調整されたデザインとなっています。
高い天井とレンガの組み合わせがブルックリンスタイル
高い天井に大空間のLDKは、まさにブルックリンスタイルの王道の空間と言えます。インダストリアルデザイン感満載のステンレスのキッチンに、長いテーブルとベンチは木材が組み合わされていて、機能的かつ暖かな雰囲気をこの空間にプラスしています。上階へと上がる階段はLDKの一部にオープンな形で配置され、吹き抜け部分と一体となり、高さのある開放感を演出する仕掛けになっています。階段の向こうの壁はレンガ仕立てとなっており、この大空間における重要なアクセントとしての役目を果たしています。
無機質な色使いがブルックリンスタイルの特徴
シンプルな空間ですが、扉の大きなガラスと枠の色味や、その横の窓枠の格子のデザイン等、ブルックリンスタイルを感じるデザインがそこかしこに散りばめられています。キッチンは、アイランドタイプのステンレスキッチン。クールなイメージですが、床材や他の面に使われている木材の色味が、赤に近い茶色で温かみがあることから程よいヴィンテージ感を演出しています。
計算されたスチールの配分
階段部分と吹抜け上部の手摺がスチール製で、荒々しい男っぽさを感じるデザインです。それでありながら、床は温かみのある色味のフローリングを敷き詰めていて、ブルックリンスタイルの特徴である「インダストリアルなデザインと自然素材のミックスバランス」が丁度いい空間になっています。フローリングの模様が独特に見えますが、敢えて色合いと長さをランダムにすることでヴィンテージ感も重ねられています。
黒を基調としたヴィンテージ感のあるブルックリンスタイル
この事例でまず目を引くのが、木材とスチール、黒を基調とした落ち着いた色調の組み合わせです。無骨な素材感がありながら、洗練されたダークトーンがクールな雰囲気を醸し出しています。オープンな印象のLDKは、リビング上部の吹き抜けが開放感を演出。大きな窓から光が差し込み、明るさにあふれています。また木製の梁とペンダントライトが工業的なアクセントとなり、絶妙なバランスを生み出しています。
重厚感ただようアンティーク家具が基調のブルックリンスタイル
天井の素材感たっぷりのコンクリート模様が、工業的でラフな佇まいを感じさせます。一方、床と家具には木材が多用され、温かみのある自然な雰囲気が漂っています。この結果、ブルックリンスタイルらしい無骨な素材と優しい素材のコントラストのバランスが取れた、開放感あふれる空間が生まれました。またスチールの階段や家具の脚、ペンダントライトなどの金属素材が存在感を主張しています。一方で、グリーンを散りばめることで柔らかな印象も加わり、全体が上品でこなれた雰囲気に仕上がっています。
まとめ
今回は、最近人気を集めている「ブルックリンスタイル」についてご紹介しました。もともとはリノベーションのインテリアデザイン手法のひとつでしたが、最近ではそのデザイン性の高さから、新築住宅にも取り入れられることが増えているようです。ブルックリンスタイルには、いくつかシンボリックな特徴があり、それらをうまく取り入れることで、気軽に楽しめるスタイルでもあります。特に、ブルックリンスタイルは大きな空間づくりがポイントとなるため、重量木骨の家とも相性が良いといえるでしょう。