愛知県で注文住宅を建てるなら、知っておきたい5つのこと
愛知県で注文住宅を建てるなら、知っておきたい5つのことのインデックス
家づくりをする際に、どんな地域に家を建てるかは重要なポイント。それによって、土地の住環境や利便性はもちろん、住んでいる年齢層なども変わってきます。さらに、その土地の特性をきちんと知り、それに合った家を建てることで、より豊かで質の高い暮らしが実現するはず。今回は、愛知県の住宅事情についてご紹介しましょう。
1.大都市を抱えながら、豊かな海と山が楽しめる愛知の3エリア
愛知県は日本列島のちょうど真ん中あたりに位置し、名古屋という大都市を抱えながらも、少し車を走らせれば山と海の豊かな自然が楽しめるのが特徴。西側には濃尾平野、東側には美濃三河高原、そして南には伊勢湾と、渥美半島と知多半島に囲まれた三河湾があります。
愛知の気候の大きな特徴は、夏は高温多湿であり、冬は晴れた日が多ものの、北西からの冷たい風が吹き、一年を通して四季がはっきりしています。ただし、県内の西側、東側、南側で、少しずつ気候の特徴は違っています。
【濃尾平野の特徴】
名古屋市や一宮市など、愛知県の都市部が集中しています。夏は高温多湿で非常に蒸し暑くなり、全国有数の酷暑地帯としても知られています。また、冬は乾燥した晴れの日が多く、北西の方向から「伊吹おろし」という乾燥して冷たい風が吹きます。
【美濃三河高原の特徴】
西側の濃尾平野と比べて、冬はさらに気温が低く、一年を通じて雨の量が多いのが特徴です。
【渥美半島の特徴】
愛知県の中でも、一番南側に位置する渥美半島。半島の沖合を日本海流が流れている影響で、冬でも比較的暖かく、雪はほとんど降りません。
交通の面では、日本の中央に位置していることもあり、東海道新幹線や東名高速道路など陸路が発達しているため、東京や大阪へのアクセスが非常にしやすいのが特徴です。さらに、中部国際空港セントレアからは、国内はもちろん、世界各国への旅行も楽しめます。また、東京―名古屋間でリニア中央新幹線が開通予定となっています。
2.住みやすいと9割の県民が回答した、愛知の住環境とは?
全国の市町村ごとに、安心度や利便度、快適度などを総合してランキングする「住みよさランキング2020」では、9位に長久手市、14位に名古屋市、18位にみよし市がランクイン。とくに、快適度ランキングでは長久手市が全国で3位、富裕度ランキングではみよし市が3位、名古屋市は9位に入っています。
ランキングの9位となった長久手市は、名古屋市の東側に隣接していて、都心部へのアクセスもよく、ベッドタウンとして栄えています。また、2015年に行われた国勢調査では、住民の平均年齢が38.6歳と、日本で一番住民の年齢が若い街と話題になりました。さらに、2020年の人口増加率ランキングでは全国23位となり、市内の人口が増えていることがわかります。市内には愛知県立大学や愛知県立芸術大学、愛知医科大学など大学が集中していて、教育環境がよいのも魅力。また、豊かな自然もあり、大きな公園も揃っています。
みよし市は、名古屋市と豊田市の間に位置していることから、そのベッドタウンとして人気。市内には4つのトヨタ自動車工場、さらにその関連会社が多く集まっていることも要因のひとつです。みよし市も長久手市同様に、住民の平均年齢が40.3歳と若いのも特徴的。東名自動車道路の東名三好ICがあり、また名古屋までの地下鉄も通っていて、利便性が高いのも魅力のひとつです。
さらに、愛知県で行われた県民調査によると、「住みやすい」と回答したのが45%、「どちらかと言えば住みやすい」と回答したのが44%と、約9割の県民が、愛知県を住みやすいと評価していることがわかります。住みやすい理由としては、「交通の便が良い」が58%、「買い物や食事をする場所などが豊富にあって便利である」が48%などと回答しています。
愛知県の医療機関に関しては、名古屋大学、名古屋市立大学、愛知医科大学、藤田医科大学の4つの大学病院があります。また、県内には23箇所の救命救急センターがあり、これは東京都に次いで全国で2番目に多い数です。
3.一戸建てが人気ってホント!? データから読み取る、愛知の家づくり事情
住みやすさとしては満足度の高い愛知県ですが、ここで家づくり事情についてのデータを見てみましょう。
まずは、愛知県内で令和2年に建てられた新設住宅着工戸数は54,951戸。前年度の新設住宅着工戸数は66,403戸だったのに比べると、17%減となっています。(注1) 下のグラフからもわかるように、2015年から2018年までは着工戸数は微増傾向にありましたが、景気後退期に入った2019年ごろから少しずつ下がりはじめています。これは、コロナ禍による影響も多少考えられるかもしれません。(注2)
次に、愛知県の着工数の内訳を見てみると、注文住宅が32.8%、建売住宅が33.9%と、持ち家は全体の66%という結果が出ています。これは、東京や大阪など大きな都市の中では際立って高い割合です。(注3)
愛知県で一戸建てが多く建てられている理由は、大都市の中でも、1住宅あたりの延べ床面積が広く、ゆとりを持って家を建てることができることが挙げられます。実際に、東京や大阪など大都市の中では、1住宅あたりの延べ床面積がトップクラス。全国平均の119㎡と比べても、愛知県は125㎡と広いことがわかります。(注4)
また、土地の価格も見てみましょう。令和2年の愛知県の基準地価は、20万8,096円/㎡、坪単価は68万7,923円/坪、変動率は-1.17%。これに対して、東京都は113万3034円/㎡、大阪府は31万7,052円/㎡と、ほかの主要都市に比べると価格が低く、より一戸建てを建てやすいということもあるようです。(注5)
全国の住みやすさランキングの上位に入っている長久手市は15万4,006円/㎡、みよし市は10万7,973円/㎡と、全国的に見ても比較的価格は安めになっていて、住みやすさと購入しやすいという条件が揃っています。
(注1)、(注3)【出典:「建築着工統計調査 住宅着工統計 (e-Stat)」、工事別、利用関係別、住宅の種類別、建て方別/戸数・件数、床面積】 /(注2)【出典:静岡県の新設住宅着工の動向】 /(注4) 【出典:住宅・土地統計調査】/(注5) 【出典:土地代データ】
4.夏は蒸し暑く、冬は寒い気候で、快適な家を建てるには?
愛知県は、濃尾平野・美濃三河高原・渥美半島と、地形や気候が異なる3つのエリアに分かれます。とくに、住宅エリアとして人気の市町村があるのは濃尾平野が中心で、夏は高温多湿、冬は乾燥して冷たい風が吹くのが特徴です。
このような四季がはっきりした気候の愛知県では、夏は心地よい風が通り抜けるような間取りにしたり、冬は太陽の暖かさを取り込めやすい窓の位置や大きさにするなど、間取りやデザインに工夫をすると、より快適な暮らしができるでしょう。
実際に、愛知の地元密着型の工務店では、ハイサイドライトを活用したデザインにしていたり、パッシブデザインを提案していたり、室内から人が発散する水蒸気を自然に屋外に出してくれる「通気断熱WB工法」を採用しているなど、工務店ごとにさまざまなアイデアを提案しています。
また、その土地それぞれの気候をしっかり知り尽くしている、地元の工務店へ家づくりを依頼することで、これまでの経験や失敗談から、その場所に理想的な建築工法や間取り、デザインなどを提案してくれるはずです。
5.愛知で一戸建てを建てるなら、知っておきたい地元工務店
家づくりを依頼する工務店は、家を建てるだけではなく、その後のメンテナンスやリフォームなどで、長い付き合いになることが多いでしょう。そのためには、安心しておまかせできる工務店選びも重要です。そこで、愛知県での実績をもつ地元の工務店をご紹介します。(50音順)
<エナミホームズ>
地震に強く、長く安心して住むことができる家づくりを目指すエナミホームズ。「SOWE Design」という考え方を採用し、太陽の暖かさや風の心地よさを生かして、できるだけエアコンに頼らずに暮らす、自立循環型住宅やパッシブデザインを提案しています。
<株式会社kotori>
個性的なフォルムの外観をもつ家を多く手がけるkotori。年間の施工棟数を限定し、1棟1棟の打ち合わせを丁寧に行い、施工主さんと一緒に納得の家を作り上げることを目指しています。
<株式会社 住和>
「人と人とのお付き合い」をモットーに、名古屋市を中心に創業33年続く、地域密着型の工務店。新築時はもちろん、その先の何十年にわたる施工主さんとの付き合いを大切にし、リフォームや建て替えなどにも対応しています。
<立松建設>
創業は明治28年という、老舗の地元工務店。人に優しく、地球に優しく、そして長持ちする家づくりを理想としている。また、室内から人が発散する水蒸気を自然に屋外に出してくれる「通気断熱WB工法」を採用しているのも特徴的。
<ニケンハウジング株式会社>
ニケンハウジングの家づくりは、プランナーがお客様から夢や要望を聞いて、「暮らし方のコンセプト作り」からスタート。これをもとに、担当の設計士とコーディネーターが、家の外観から設備選び、ディテールのデザインまでプランニングして提案しています。
<株式会社PASSIVE DESIGN COME HOME>
機能的なデザインを持ちながら、地震に強く、さらに自然エネルギーを活用して心地よく過ごせる住環境を提案。パッシブデザインという設計手法を用いた家づくりを得意としています。
【愛知県内でSE構法の家づくりができる工務店】はこちらよりチェック。
まとめ
2020年の愛知県の人口動向調査を見ると、自然増減(注6)での減少はあるものの、社会増減(注7)による転入と転出の人数に大きな差はありませんでした。このことからも、県外からの移住よりも、愛知県内で新築戸建てを建てている人がほとんどだということがわかります。
愛知県内の中でも、住む場所によって気候の特徴は違いますし、教育の充実度や交通アクセスの良さなどは変わってきます。自分たち家族のライフスタイルに合った場所を選ぶのがベストでしょう。また、お子さんが小さくて、これから子育てが本格的になるという若い世代のファミリーであれば、住民の平均年齢が若く、教育機関や公園などが充実している長久手市やみよし市などをチェックしてみるのもいいですね。
(注6)※自然増減……出生と死亡による人口増減 /(注7)※社会増減……転入と転出の差による人口増減