ブルックリンスタイルの住宅事例5選!雰囲気を出すためのアイテムや注意点も解説
ブルックリンスタイルの住宅事例5選!雰囲気を出すためのアイテムや注意点も解説のインデックス
インテリア雑誌などを見ているとよく目にする「ブルックリンスタイル」。家の構造体である、梁や天井裏を見せるようなワイルドさとスチール製の家具などの無骨さをお洒落にデザインしているスタイルになります。具体的にはどのようなものなのか、今回はブルックリンスタイルについて掘り下げてみましょう。
ブルックリンスタイルでおしゃれな空間作り
ブルックリンとはニューヨーク市にある5つの区のうちの一つで、以前は工場や倉庫などが立ち並ぶ工業地帯だったそうです。ニューヨークでも家賃が高騰していたエリアであるマンハッタンとは橋を渡ったところに位置することから、若いアーティストや移民などが、元は倉庫であった建物をリノベーションして移り住むようになり、その独特なセンスからお洒落なエリアとして生まれ変わったという事です。つまり、ブルックリンスタイルとは、「ブルックリンにある古い建物をリノベーションしたような雰囲気のスタイル」のことです。デザインの特徴としては、「倉庫」「インダストリアル」「レンガ」というキーワードがあり、古い建物や古い工業製品をお洒落にリデザインしたものが多く、デザインの自由度が高いという事も言えます。ブルックリンの街のお洒落なデザインは様々なメディアで紹介されるようになり、商業施設に始まり、その後住宅のデザインにも取り入れられるようになってきて、今では多くの人に人気のあるスタイルとなっています。
ブルックリンスタイルの特徴とは
ブルックリンスタイルの特徴の一つは、空間の広さです。倉庫や工場をリノベーションしたのが始まりですから仕切りがなかったり、天井が高いという事が大きな特徴です。次に言えるのは、アンティーク調の素材選びでしょう。レンガやエイジング加工された木材など、温かみのある素材が特徴になります。他には、インダストリアルデザインと自然素材の融合。工業製品は元々無機質なものですが、それに木材などの有機的な素材を組み合わせることで、クールになり過ぎないデザインと言うのも特徴です。
ブルックリンスタイルで使われる壁紙
ブルックリンスタイルのポイントは、ヴィンテージ感
ブルックリンスタイルの特徴として、既存の古い建物をリノベーションするというオリジナルの考え方から、ヴィンテージにもつながる落ち着いた雰囲気と質感がポイントになります。こちらの事例の壁紙は、ダークモスグリーンで落ち着いた雰囲気を演出するのにはピッタリですね。渋めの色の木材でテーブルと棚を造り付けて、ブルックリンスタイルの書斎の完成です。棚に置いてある小物やデスクの上にどんな観葉植物を配置するかによっても雰囲気は変わってきそうですね。
素材感を出してブルックリンスタイルに
レンガを魅せるというのも、ブルックリンスタイルの特徴の一つです。古い倉庫や工場はレンガ造りであることも多く、そういった古い建物をリノベーションする際に敢えてレンガをそのままにしてインテリアとして演出するというのがひとつのスタイルになっているわけですね。こちらはそのレンガと言うキーワードにポイントを置いて、階段の壁紙をレンガ風にしたものです。このように、実際にレンガを使わずとも壁紙一つでブルックリンスタイルが出来るのは取り入れやすいですね。
新築なのに落ち着いた雰囲気
ブルックリンスタイルと言えばヴィンテージスタイルです。正面の壁はレンガ模様の壁紙をチョイスし、窓にはウッドブラインドを付ける事で、本物の質感を感じる温かみのある雰囲気に仕上がっています。向かって左側の壁には本棚を模した壁紙をチョイス。たくさんの本に囲まれて、集中して作業が出来そうな書斎の完成という訳ですね。最近は壁紙の種類も豊富なので、こんな遊び心たっぷりの壁紙を選ぶことが出来ます。
ブルックリンスタイルで使われるカーテン
クラフトマンシップとインダストリアルデザインの融合
ヴィンテージ感のある照明と、ミッドセンチュリー風デザインのダイニングチェアは、敢えてデザインをバラバラにするところがブルックリンスタイルらしいと言えそうです。窓辺を飾るのはハンドメイドの素朴なカーテン。このようにクラフトマンシップを感じるデザインもブルックリンスタイルの特徴ですね。
ローマンシェードはブルックリンスタイルの窓辺にピッタリ
スチールの手摺とササラに木材の段板が、ブルックリンスタイルを演出している階段が空間のポイントとなります。階段のサイドには上げ下げ窓から光と風を取り込めるようになっていますが、その窓辺をデザインするのがローマンシェードです。上に蛇腹のように織り上げることが出来るので部屋の雰囲気を損ねることなく調光をすることが出来ますね。
ブルックリンスタイルのインテリア
ピンポイントにもブルックリンスタイル
ブルックリンスタイルは、家の中全体でトータルコーディネートしてもいいですが、こだわりだすと予算の事も気になりますよね。そういったときには、ちいさなところでブルックリンスタイルにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。こちらの玄関近くにある洗面台は、ヴィンテージ感あふれる真鍮タイプの水栓金具を選び、洗面ボールの上にはモザイクタイルを敷き詰めて、鏡の下の小さな棚を木材で作ることで温かみを演出しています。
気軽にブルックリンスタイルを取り入れる
LDKが一体となった広い空間。仕切りのない空間も、ブルックリンスタイルの特徴のひとつです。LDKの入口扉とキッチン背面の棚の枠にはダークな色を選び、インダストリアルな雰囲気を醸し出しつつ、木材を多用することで温かみを加えています。この無機的な素材と有機的な素材のバランスがブルックリンスタイルである所以ですね。また、レンジフードにはレンガを模した壁紙を使っています。このように、気軽にアクセントとして使えるのが壁紙の便利なところですね。
インダストリアルデザインを取り込む
大きな格子ガラス扉の向こうは、明るいインナーテラスです。「ブルックリン地区にある工場をリノベーションしたトップライトのあるロフト」、といったイメージにも見えますね。床は大きなタイル貼り、入口の扉はアンティーク風のデザインで、クラッシックなドアノブがマッチしています。腰壁はレンガで仕上げており、ブルックリンスタイルのアイテムもきちんと使われています。リビングから続く家の中のスペースでありながら、庭のように使える快適な空間になっています。
ブルックリンスタイルのキッチン
インダストリアルな無骨さが機能美をもたらす
ブルックリンスタイルの特徴は、無機的な素材と有機的な素材のミックスです。こちらのキッチンもステンレスの機能的なキッチンと、背面には木材を多用した温かみを感じるカウンター付の収納。上の吊戸棚は、オープンスタイルとなって見せる収納としてもインテリアの一部となっています。棚を取り付ける素材はスチールを採用し、異素材ミックスはブルックリンスタイルの王道と言えるデザインです。
ナチュラルよりのブルックリンスタイルも
こちらは、温かみを全面に押し出したブルックリンスタイル。広々とした一室空間はそのデザインの特徴の一つですし、レンガの壁と黒く着色されたスチールの窓枠。フローリングの床と、キッチン前カウンターやダイニングテーブルセットの木の質感。ミックステクスチャーをうまくまとめているのが、ブルックリンスタイルの特徴でしたね。ただ、全体的にはホッとするような雰囲気になっているのは、木材を使用する範囲が大きいことがその要因の一つでしょうか。このように使う素材のバランスによっても、与えるイメージをコントロールすることが出来ますね。
ブルックリンスタイルはインテリアもポイント
暖炉と天井までの大開口の窓枠が黒く無骨なイメージで、まさにブルックリンスタイルのLDK。革のソファーとクッションが、ヴィンテージ感を演出しています。またダイニングテーブルの上の照明はキャンドルを模した照明で、クラシックなイメージも。ダイニングテーブルは国産のナラの木の丸太から切り出したという事でかなりの重量感を感じますが、それを支えるスチールの枠とのバランスが、ブルックリンスタイルの特徴にマッチしているという事ですね。
ブルックリンスタイルにリフォームしたい!費用の目安は?
壁をブルックリンスタイルにリフォームするには
壁をブルックリンスタイルにリフォームするには、いくつか方法があります。例えば、ブルックリンスタイルの特徴の一つであるレンガを積みあげたような雰囲気にしたい時。一つは、既存の壁にレンガ風タイルを貼るという方法。タイルだけで考えるとモノによって幅がありますが、10,000円から25,000円/㎡と言ったところが目安になります。もう少し安価に抑えたい場合はレンガをプリントした壁紙を貼ることも可能で、その場合は1,000円から1,500円/㎡となりますので、気に入ったデザインがあれば、かなり安くリフォームすることが出来ますね。
床をブルックリンスタイルにリフォームするには
床をブルックリンスタイルにリフォームするには、ひとつはヴィンテージ風のフローリング張りにするというやり方があるでしょう。フローリング材もかなり価格には幅がありますが、一般的には9,000円から15,000円/㎡と言われています。さらに張り方にこだわってヘリンボーン張り等にすると、施工費もそれだけ掛かると考えた方がいいでしょう。
ブルックリンスタイルにリノベーションする時のポイント
天井をブルックリンスタイルにリノベーションするには
リノベーションというのは、リフォームより大掛かりになり家の機能を作り替えるというところにまで手を加えることも多いでしょう。そういった面では、こだわりを十分に表現できることになるので、本格的にブルックリンスタイルにしたい方には合う方法と言えますね。少し大掛かりになる方法として、一つは、張り天井の天井を外すという方法があります。天井を外すと天井高がそれだけ上がりますのでブルックリンスタイルの一つの特徴である、大空間が実現できますし、構造体を見せることがブルックリンスタイルのデザイン手法という事になります。
間仕切りをブルックリンスタイルにリノベーションするには
間仕切り壁を取り払って大空間を作るという事も、ブルックリンスタイルのリノベーションのやり方の一つと言えるでしょう。また、間仕切り壁の上半分をガラスの建具にするというのも、ブルックリンスタイルへリノベーションするやり方のひとつです。スチール枠にガラス付のパーティションというと、ブルックリンスタイルのデザインの特徴でもありますよね。
ブルックリンスタイルでの注意点
ブルックリンスタイルはヴィンテージ感のある雰囲気がとても素敵なスタイルですが、実際ブルックリンスタイルをデザインするにあたってのいくつかの注意点を見てみましょう。
注意点1.雑多な感じにならないように注意する
ブルックリンスタイルの特徴の一つは、大きな空間です。大空間はもちろん建築でしか作ることは出来ませんが、その中でインテリアが重要なポイントを占めているという事も忘れてはいけません。観葉植物や棚に配置する小物なども、吟味して選ぶ必要があるでしょう。また、せっかく大空間を作ったのに置くモノが多すぎると、雑多なイメージに見られることにも注意が必要です。モノが多くなるとお掃除も大変ですし、素敵なインテリアも埃が目立つようでは勿体ないですね。
注意点2.素材選びに注意
ブルックリンスタイルの素材としては、コンクリート打ちっ放し、レンガ、スチールの窓枠、タイル、ヴィンテージウッドなどが挙げれらます。最近はそれらを模した壁紙やクッションフロアーなども多数出てきていますので、気軽にブルックリンスタイルに挑戦することも可能になってきています。ただ、最終的な見た目には注意が必要です。模造品を使う場合は小さな面積で使うようにする、どこかに本物の素材を取り入れるというようにバランスを見ながら採用するのがいいでしょう。
注意点3.清潔感に注意
ブルックリンスタイルの特徴は、そのヴィンテージ感です。そのヴィンテージ感を新品の物で演出しようと、エイジング加工された木材や、錆加工されたスチールなどの商品も多く出回っていますので、新築を建てる場合でもブルックリンスタイルで小馴れ感を演出するのはそんなに難しい事ではなくなってきています。ただ、注意しないといけないのは、古さを感じるけど清潔感をなくさないようにするという事でしょう。古い=汚れという訳ではないですから、丁寧に使い込まれた清潔なヴィンテージ感を目指しましょう。
ブルックリンスタイルを見越した住居設計
ブルックリン地区からスタートしたブルックリンスタイルは、古い倉庫や工場などの大きな建物をセンスはあるけどお金はそんなに掛けられない若いアーティストたちが、自分たちのセンスを活かしてリノベーションし始めたのがそもそもの起源です。日本の住宅においても人気が高まりつつあるそのブルックリンスタイルを住宅設計として取り入れるなら、やはり新築がお勧めです。もちろんリノベーションでも可能ですが、中古物件を買ってリノベーションするとなると、その物件自体の条件に縛られることになりますから、大きな空間を思いのままに作れるというのは新築でしか出来ないことですよね。
ブルックリンスタイルの住宅事例5選
土間空間の自由度がブルックリンスタイルにマッチ
玄関の土間空間はモルタル仕上げ、室内への間仕切り扉が大きなガラスをはめ込んだダークグリーンの木枠の仕上げとなっているのも、ブルックリンスタイルの特徴である、無機的な素材と有機的な素材のミックスです。キッチンカウンターの内側には黒い煉瓦のようなタイル貼りとなっていて、仕上がりのバランスを絶妙に調整したデザインとなっています。
ブルックリンスタイルにはこだわりのインテリアを
この家に似合うテーブルがないという事で、フルオーダーして作られたというダイニングテーブルは、天板がウォルナットで脚はアイアンです。この異素材の組み合わせこそが、ブルックリンスタイルの特徴的なデザインですね。ダイニングチェアのデザインや色がバラバラなのも、ダイニングスペースのコロンとしたフォルムのペンダント照明も、キッチンの面材の独特な模様も、全てが異種異様なようでいてとてもバランスの取れたインテリアですね。
高い天井とレンガの組み合わせがブルックリンスタイル
高い天井に大空間のLDKは、まさにブルックリンスタイルの王道の空間と言えます。インダストリアルデザイン感満載のステンレスのキッチンに、長いテーブルとベンチは木材が組み合わされていて、機能的かつ暖かな雰囲気をこの空間にプラスしています。上階へと上がる階段はLDKの一部にオープンな形で配置され、吹き抜け部分と一体となり、高さのある開放感を演出する仕掛けになっています。階段の向こうの壁はレンガ仕立てとなっており、この大空間における重要なアクセントとしての役目を果たしています。
無機質な色使いがブルックリンスタイルの特徴
シンプルな空間ですが、扉の大きなガラスと枠の色味や、その横の窓枠の格子のデザイン等、ブルックリンスタイルを感じるデザインがそこかしこに散りばめられています。キッチンは、アイランドタイプのステンレスキッチン。クールなイメージですが、床材や他の面に使われている木材の色味が、赤に近い茶色で温かみがあることから程よいヴィンテージ感を演出しています。
計算されたスチールの配分
階段部分と吹抜け上部の手摺がスチールで出来ていることから、荒々しい男っぽさを感じるデザインでありながら、全体のイメージを左右する大きな面である床は温かみのある色味のフローリングを敷き詰めたことで、ブルックリンスタイルの特徴である、インダストリアルなデザインと自然素材のミックスバランスが丁度いい空間になっています。フローリングの模様が独特に見えますが、敢えて色合いと長さをランダムにすることでヴィンテージ感も重ねられています。
まとめ
さて今回は、最近人気のスタイルである「ブルックリンスタイル」について掘り下げてみました。元々はリノベーションのインテリアデザイン手法の一つだったようですが、最近は新築の住宅にも、そのデザイン性の高さから取り入れられることが増えているようです。また、ブルックリンスタイルにはいくつかシンボリックな特徴があり、それらをうまく取り入れることで、気軽に楽しめるスタイルだという事もお分かりいただけたのではないでしょうか。そして、ブルックリンスタイルは大きな空間がポイントですから、重量木骨の家の特徴とも重なりますので、とても相性がいいと言えるでしょう。