モダンな家の特徴とは? シンプルで洗練されたモダンな家の7つの特徴

モダンスタイルと言えば、家づくりをお考えの皆様には馴染みのある言葉かもしれません。家の大体のデザインの方向性を決める時に、「モダンなスタイルが好みです」と伝える人もいるかもしれません。ですが、「モダンな家」の定義とはなんでしょうか。そこに、伝える側と伝えられる側に認識の違いがあった場合、自分の思ったような家は出来上がらないかもしれません。
そんなことにならないように、いくつかモダンな住宅と呼ばれる家の特徴を表した実例をご紹介しましょう。モダン=現代風、新しいというイメージですが、モダンと言う言葉が使われて久しい住宅業界では、実に様々なモダンな家の解釈がありそうです。
モダンな家の特徴とは? シンプルで洗練されたモダンな家の7つの特徴のインデックス
【モダンな家の特徴1】余計なラインが表れないスッキリとしたデザイン
例えば、窓枠や廻縁や巾木。日本の家づくりでは大事な役割を果たす箇所ではあるのですが、モダンな家のデザイン的な特徴としては、余計なラインを出さないということが、ひとつあるのではないでしょうか。見せるラインは極力減らす。究極に選び抜かれたラインだけで空間をデザインする。そういった気概がモダンな家のデザインの中には見て取れるように感じます。こちらの40畳もあるLDKもその広がりを感じるのは、余分な要素が目に入らず、余計なものに目を奪われないからではないでしょうか。
【モダンな家の特徴2】空間のアクセントになるオブジェのようなモダンな階段
モダンな家の特徴として、見えて来るラインが少ないという事をお伝えしましたが、それは階段のデザインにも言えることです。階段はその構造上色々な部材が組み合わさって出来ているわけですが、モダンな家の階段は必要最低限の物だけを残して余計なラインを見せないようにデザインされています。こちらの写真の階段もその一つ。その構成要素としては段板と、細い手摺のみ。段板がまるで宙に浮いているように見えますし、手摺は手摺であることに気づかないほどオブジェ化しています。
こちらの階段も実にシンプル。余計なラインが全くと言っていいほど見当たらないこのようなリビングにある階段もやはり、箱を積み重ねて出来たようなシンプルなものになります。手摺が一対、空間の中に浮かび上がるように見えています。計算されつくしたデザインによって手摺と言う用途を超えているイメージすらあります。
【モダンな家の特徴3】モダンに和のテイストを加えて落ち着いた空間を作る
和モダンな家というフレーズも、既に聞きなれたものになっていると思います。この「和」と「モダン」の一見すると相反するようなデザインの概念を、丁度いい配分でミックスしないと「和モダンな家」というのは成功しないのではないでしょうか。
こちらの和室も余計なラインは全く見当たりません。ですが、タタミ、床の間、地窓、襖と言った「和」の要素はしっかりと入ってきています。和モダンの場合、ともするとそのそぎ落とされたデザインにより物足りない印象を与える場合もありますが、こちらの場合は襖のデザインによって、そこに水墨画を飾っているような華やかさを感じることができます。
こちらも和モダンの一例。先ほどよりも和の要素が濃いイメージです。床の間に掛け軸、地窓に障子、網代天井、毛氈と置き炉と言った要素を含むこの和室は懐かしいというより気持ちが引き締まるような美しさすら感じるものがあります。ですが、モダンを感じるのはやはり、見えて来るラインを極力抑えているからなのでしょう。畳はフチなし、間仕切りの襖も縁がありませんし、障子もそこに障子だけが存在するようにも見えるデザインとなっています。
【モダンな家の特徴4】土間をカッコよく使えば、シンプルで自由な空間に
土間は、家の中のようにも外のようにも使える大変有用なスペースです。そんな土間仕上げは、モダンな家のデザインにもマッチしています。普通はエントランスにはタイルや石を貼ることが一般的ですが、そうするとどうしてもデコラティブになってしまい、モダンなイメージから離れていってしまいます。その点、モルタルを流しただけの土間であれば、そこに飾るものによって様々な演出をすることが出来る、シンプルで自由な空間が完成するのです。
玄関でありながら、シンプルなステンレスの流しが設置されているこちらの土間空間。開口部も大きく、ガラス扉になっているので外部との境界が曖昧に感じられる、開放感あふれるものとなっています。このように、土間空間を半屋外空間として使う事で、いつもの食事もグッとイメージが変わってきます。空間はシンプルかつモダンに作っても、生活はシンプルではなく楽しいものにしたいですね。
【モダンな家の特徴5】プライバシーも保てるモダンな印象の外観
モダンな家の外観的特徴とはなんでしょうか。やはり余計な装飾を極力省いたシンプルなデザインでしょう。こちらの例も、大きな開口部と縦のラインが強調されたシンプルなで洗練されたデザインとなっています。またモダンな家の特徴としてはもう一点、シンプルな中にも装飾の少ないデザインが施されているという事が上げられると思います。こちらの例でいうと、開口部の目隠しにもなっている横ルーバーがそうです。程よく内部が伺えつつもプライバシーを保つことが出来る優秀なモダンな家のデザインツールです。
こちらの例では、逆に横のラインが特徴的な、やはりシンプルな直線で構成された外観デザインです。窓は小さく外からは内部の様子が伺いしれませんが、なんとなく冷たい感じがしないのは開口部であるガレージの扉とエントランスの大きな縦ルーバーの色味とデザインの効果なのでしょう。内部から白い塊が少し顔を出しているのもアクセントとして効いていますね。
【モダンな家の特徴6】すっきりとシンプルなモダンリビング
モダンな家のデザインの見せ場として、やはりメインとなってくるのはリビングのデザインではないでしょうか。練り上げられたシンプルなデザインは家具を置く楽しみもあります。そしてモダンな家のリビングの特徴として挙げられるのは壁掛けテレビもその一つではないでしょうか。テレビ台を置くとどうしても空間がごちゃごちゃとしてしまいますが、壁掛けテレビであればスッキリと使うことが出来ますね。
縦に長い、モダンな家のLDK。LDKはどうしてもキッチンやダイニングテーブル、ソファなどの、モノが増える場所でもあります。モノが増えた時にもモダンなイメージを損なわないために、空間をよりシンプルに作ることに加えて、キッチンやその他の家具選びにも気を遣わなければいけないでしょうね。こちらの例では、ステンレスと白を基調とした、キッチン、ダイニングスペースとなっています。キッチンとダイニングテーブルの高さを揃えることで、空間の中に余計なラインが出てこないデザインに仕上がっています。
【モダンな家の特徴7】モダンな家にぴったりなモノトーンなどの落ち着いたカラー
モダンな家の仕上げとして特徴的なものはその色選びもあるでしょう。なるべくモノトーン、もしくはプラスワントーンに抑えて空間をシンプルに見せること。こちらは真っ白な仕上げをメインにしながらも、窓枠や階段手すりを黒に仕上げることでスッキリと締まった印象を感じます。そしてソファの淡いブルーが入ることにより、シンプルでありながらその中に柔らかさを感じるデザインになっています。
こちらも白を基調にしたシンプルな空間ですが、より柔らかさを感じるのは白の色味にも関係があるかもしれません。白と一口に言ってもそれは青みがかった白から、暖かなクリーム色まで、その幅は実に広いものです。こちらのように、フローリングの木の色の暖かさに合うようなオフホワイトの空間を、家具も含めて作り上げることで暖かみを感じる空間に仕上げることも出来ます。
まとめ
今回は「モダンな家」の実例をご紹介しました。皆さんの認識されているモダンな家の特徴とピッタリ合致していたでしょうか。いくつかは、皆さんの「モダンな家」の認識が新しくなった事例もあったのではないでしょうか。モダンな家という言葉自体は使われはじめてからずいぶんと経っていますが、そのデザインは時代によって変化している印象を受けます。モダンな家という言葉からイメージするデザインが好きな方も、言葉で伝えきれないことは写真などの実例を見せることによって、作りたいイメージを共有するのがいいのかもしれませんね。