新潟県で注文住宅を建てるなら、知っておきたい5つの家づくり事情

新潟県で注文住宅を建てるなら、知っておきたい5つの家づくり事情のインデックス
家づくりでは、どんな場所に家を建てるのかも重要なポイント。家が完成し、家族で入居した瞬間から、その土地での暮らしがスタートします。これから数十年と長く暮らしていく場所だからこそ、住環境は気になるところ。また、その土地の特性に合う家を建てることで、暮らしの質はずいぶんと変わるはずです。そこで今回は、新潟県の住宅事情と家づくりのコツをご紹介しましょう。
1.連なる山々と豊かな河川に囲まれた、のどかな風景が魅力
本州の日本海側、そのほぼ中央に位置する新潟県。東西に細長くのびた形をしていて、331kmと長く変化に富んだ海岸線があるのも特徴です。県の東側には朝日山地や飯豊山地、越後山脈、そして西側には妙高山がそびえ、その内側に越後平野や高田平野など肥沃な平坦地が広がります。
日本一長い信濃川をはじめ、たくさんの川が日本海に注がれ、肥えた土と豊富な水を運んでくれます。この自然環境が米作りに適しているため、新潟県は日本でも有数の米どころとして知られています。
また、新潟県の気候は冬場の気温が低く、豪雪地帯という印象が強いでしょう。東京に比べて北に位置しているため、全般的には東京よりも気温が低くなります。しかし、夏はその差がほとんどなく、7月中旬から8月中旬にかけては東京と同じぐらい気温が高くなります。春から夏にかけては、比較的天気のよい日が続き、雨も適度に降ります。
魚沼地方や上越地方は日本でも有数の豪雪地域で、山間部を中心に多くの雪が降ります。この雪解け水が平野に流れ、夏は稲作に適した高温の日が続くこと、また冷害や台風が少ないことが、稲作に最適な気候となっています。
2.アクセスもよく、自然も満喫できる! 人気の5つの住宅エリアとは
ここで、新潟県の中でも人気の住宅エリアをご紹介しましょう。
<新潟市西区>
上越新幹線や越後線といった鉄道沿線、幹線道路沿いに良好な住宅地が形成されています。交通網が整備されている上に治安も良いので、住宅地として人気のエリア。さらに、医療機関や商業施設も充実していたり、独自のコミュニティバスが走っているなど、日常生活にも不自由しません。区内には複数の大学が立地していることもあり、若い家族や学生さんが住みやすい環境になっているのも特徴。その一方で、日本海に面しているので海を感じながら暮らすことができ、さらにラムサール条約湿地である「佐潟」が近くにあるなど、豊かな自然環境も魅力です。
<新潟市中央区>
新潟市の中で最も人口が多く、市役所や県庁など行政機関や商業施設が集まり、経済・行政の中心地となっています。歴史的な建造物も多く、市の中心地でありながらも、伝統や文化が感じられる魅力的なエリアです。住宅地の近くには、商業施設や医療機関、公的機関が揃っていて、非常に暮らしやすい環境。公園の数も充実しているので、子育て世代にも人気です。
<新潟市江南区>
新潟市のほぼ中央に位置する江南区。新潟市内でも少しローカルな場所にあり、静かでのどかな雰囲気。買い物や病院など、車で15分圏内にさまざまな施設が密集しています。大きなショッピングセンターもあり、車があればどこへ行くにも不自由しません。信越本線が区内を南北に縦断し、バイパスや高速道路、幹線道路などが通っているので交通の便が抜群によく、近年はベッドタウンとして発達しています。
<長岡市>
新潟市に次いで、県内で2番目に人口が多く、新潟県第二の都市といわれています。日本三大花火大会のひとつが開催されることでも有名ですね。上越新幹線が市内を通っていたり、高速道路のインターが複数あることで、さまざまな場所へのアクセスがしやすいのも特徴。市が運営する「子育てナビ」などを活用することで、保育所情報が検索しやすいなど、子育て支援も充実しています。また、UターンやIターンを歓迎しています。
<新発田市>
新潟県の北部に位置し、江戸時代には城下町として栄えたエリア。歴史的建造物が多く残り、風情ある街並みが魅力です。全国的に有名な月岡温泉や、国の天然記念物に指定された「橡平桜樹林」など、自然豊かな場所でのびのびと子育てができるのもいいですね。また、市外からの移住者に対して「U・Iターン」の支援策が充実していたり、移住者への支援があったりと、新たにマイホームを建てる人にはおすすめのエリアです。
3.のびのび子育てに最適! 自然豊かで食の宝庫である新潟の魅力
新潟県は、言わずと知れた国内有数の米どころ。産出額は全国1位を誇り、県全体の農業産出額の約6割が米を占めています。また、広大な土地と豊かな自然に恵まれていることもあり、農林水産業も盛ん。新潟枝豆や佐渡寒ブリ、南蛮エビなど、たくさんの美味しい食材があります。
このように食の宝庫である新潟県では、お子さんが幼い頃から食に多く触れることができます。お子さんの食育を大事にしたいという考えのご家庭には、理想的な環境でしょう。また県内では、教育・生涯学習の一貫で、お米づくりや水の大切さを学ぶ授業を行なっています。
豊かな自然の中でのびのびと子育てがしたい、食育に興味がある、田舎暮らしがしたいなどの希望があるご家族にはおすすめの住環境です。ここで、新潟県の子育て支援に関する情報もチェックしてみましょう。
【ハピニィ(新潟県結婚・子育て情報 発信ポータルサイト)】はこちらよりチェック。
【子育て家庭への優待サービス制度 のご案内】はこちらよりチェック。
また、移住情報やU・Iターン情報もこちらのサイトでチェックできます。
【新潟市 移住・定住 情報サイト】はこちらよりチェック。
【にいがた暮らし – 新潟へのU・Iターン総合サイト】はこちらよりチェック。
4.データから読み取る、新潟の家づくり事情
自然豊かな環境と魅力的な住宅環境が揃った新潟県ですが、ここで家づくり事情をデータで見てみましょう。
新潟県で2020年に建てられた新設住宅着工戸数は10,851戸。2013年の13,522戸をピークに、着工戸数は徐々に減ってきています。さらに2019年から2020年にかけては、11,488戸から10,851戸へと減り幅も大きくなっています。これは、コロナ禍による影響も関係していると考えられます。(注1)
次に、新潟県の着工数の内訳を見てみると、注文住宅が全体の6割となっていて、注文住宅が多く建てられていることがわかります。一方で、建売住宅は1割にも満たないのも特徴的です。(注2)大きな都市をもつ県では、注文住宅と建売住宅の割合が同じぐらいの傾向がありますが、地方都市では注文住宅の割合がぐっと大きくなります。新潟県で家を建てる場合は、都市部よりも土地の大きさに余裕があり、さらに土地の価格が低め。建築費用にお金をかけられるということが考えられます。
持ち家の1住宅あたりの延べ床面積は、新潟県は154.76㎡。東京は93.28㎡、大阪は101.84㎡、愛知は125.33㎡と、都市部に比べて延べ床面積が非常に広いことがわかります。(注3)
また、土地の価格も見てみましょう。令和3年の新潟県の基準地価は、4万4,321円/㎡、坪単価は14万6,518円/坪、変動率は-1.02%。全国順位は34位/47都道府県です。都市部と比べてみると、東京都は113万3,034円/㎡、大阪府は31万7,052円/㎡、愛知県は20万8,096円/㎡ですので、価格は大きく差があることがわかります。つまり、都市部に比べて広めの土地を購入することができ、住宅の建築費用に予算をかけることができるのです。
新潟県の中でも、比較的土地が高価格なのは新潟市(6万8,732円/㎡)、長岡市(4万6,617円/㎡)、燕市(3万9,400円/㎡)、柏崎市(3万7,200円/m2)、小千谷市(3万6,800円/㎡)。やはり、住宅地として人気のエリアは、土地の価格も高めになっています。(注4)
(注1)、(注2)【出典:「建築着工統計調査 住宅着工統計 (e-Stat)」、工事別、利用関係別、住宅の種類別、建て方別/戸数・件数、床面積】 /(注3) 【出典:住宅・土地統計調査】/(注4) 【出典:土地代データ】
5.豪雪地帯での注文住宅なら、5つの間取りアイデア
冬場は多くの雪が降り、夏は暑い日が続く新潟県では、その地域の気候に合わせた家づくりが求められます。注文住宅の戸数が他県に比べて多い新潟県では、豪雪地帯でも暮らしやすいように、さまざまなアイデアでの家づくりがされています。
積雪があっても、スムーズに車の乗り降りができるように、2台分のインナーガレージを採用したお宅。さらにガレージの奥には、自転車のメンテナンススペースを作りました。ガレージ内からは、シューズクロークと玄関を通って、室内に入ることができます。雪や雨が降っていても、車から買い物の荷物などを下ろしやすいですね。
リビングルームの一角に設けられたライブラリースペース。スキップフロアにしたことで、空間を自然な形で区切りつつも、お互いの存在をいつでも感じていられる空間になっています。気温が低くなる新潟の冬は、子供たちも外遊びがなかなかできないので、おうち時間が楽しくなる工夫が必要。こちらのお宅は、ライブラリー以外にも、うんていを設置したアスレチックコーナーを作ったりと、ユニークな家づくりをしています。
雪が降る冬場は、外で洗濯物を乾かすのも難しいものです。そこで、室内に物干しスペースを設置するご家庭も多いよう。たとえばこちらのお宅のように、洗濯脱衣室内に物干しスペースを確保し、衣服が乾いたら、隣のファミリークロークにすぐに収納できる間取りを採用。生活動線をギュッとまとめるアイデアは、共働きのご家族にもおすすめです。
自然豊かな場所での暮らしであれば、周囲の田園風景を借景として楽しむこともできます。こちらのお宅のように、リビングルームの開口部を大胆に設けることで、庭や周囲の風景をリビングルームにいながらにしていつでも感じることができます。落葉樹などを植えれば、季節の移ろいを感じながら心豊かに暮らすことができます。
敷地に余裕があり、間取りを自由に選ぶことができれば、都市部ではなかなか建てられない大胆な間取りも実現できます。こちらのお宅は、家の中心に緑豊かな中庭を設けて、中庭を囲むような間取りに。周囲の住宅や通りからの視線をシャットアウトしながらも、中庭から気持ちの良い陽光が差し込みます。また、開口部が多くなってしまう間取りであれば、寒い冬を暖かく過ごすために、ダブル断熱を採用するなどのアイデアも参考にしてみましょう。
まとめ
新潟県の住宅事情は、豪雪地帯ならではの困りごとを解決できるように、インナーガレージや室内の洗濯物スペースを確保するなど、さまざまなアイデアが採用されています。このような自由度の高い間取りであれば、注文住宅での家づくりが最適です。