建物全体を包み込むように被さる大きな屋根が特徴的な外観。軒は、リビング部分で最大9尺(2730㎜)出ているので、南面開口でありながら、真夏の直射日光を防ぐことができます。リビング前のウッドデッキに腰かけながら、濡れることなく雨降りの庭を眺めながらくつろぐこともできます。
敷地は区画整理によって整備された住宅地にあり、南側で接道し、西側と北側が住宅、東側が空き地です。
外観に強いイメージを持たせるために、屋根面と東西の壁面とを同材とし、1枚の大きな板を折って包んだような格好としました。屋根はウッドデッキ全体にかかる大きな庇となり、強い日差しや雨を防いで心地よい外部空間を作っています。玄関へは芝生のなかに一直線に伸びるコンクリートの道でアプローチします。
吹抜けのあるリビングを東西に長く配置し、南面の大開口と北面の地窓の組合せで風が通り抜けるようにしています。キッチンのすぐ横には畳スペースがあり、子育てや家事などで何にでも使える場所になっています。キッチンの奥は水回りと収納です。
吹抜けの階段を上がったホールには大きな本棚を造りつけ、振り返った反対側は玄関部分の上にあたり、ロフト収納となっています。本棚の中央の開いている部分をくぐって奥へ行くと各居室へ至ります。
夜にはライトアップされた庭の樹木が大屋根と壁に影となって現れます。