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デザイン・性能・保証に優れた重量木骨の家とは?

コートハウスのメリット・デメリット後悔しない間取りのポイントを解説

更新日:2024.12.23 作成日:2020.01.14
コートハウス
中庭のある「コートハウス」は、明るく開放感のある暮らしにピッタリの住宅です。家族だけのプライベートな中庭があれば、屋外でも人目を気にせずゆったりとした時間を過ごせることでしょう。今回の記事では、コートハウスのメリット・デメリットや、建てる際の注意点などについてご紹介していきます。


コートハウスとは

コートハウスとは、中庭のある住宅のこと。コート(court)は英語で、建物や塀などに囲まれたスペースのことを指します。コートハウスは住宅の中心に中庭が配置され、その周りを建物がぐるりと囲むような造りとなっているため、このように呼ばれています。


コートハウスの間取りの種類



ロの字型

壁に囲まれた芝生のあるコートハウス
中庭の四方が建物に囲まれているタイプ。外から中庭が全く見えないため、3つのタイプの中で最もプライバシー性の高い造りと言えるでしょう。中庭を中心とした回廊型の間取りであるため、回遊動線が生まれ、居室間の移動がスムーズになります。


コの字型

コの字型のコートハウス
中庭の三方が建物に囲まれているタイプ。中庭の一方が外部に開かれているため、光を取り入れやすく、風通しの良い造りとなっています。3つのタイプの中では、開放感とプライバシー性のバランスが最も取れた間取りと言えるでしょう。


L字型

L字型のコートハウス
中庭の二方が建物に囲まれているタイプ。コンパクトな敷地や、複雑な形状の敷地、高低差のある敷地でも中庭のある家を建てやすいというメリットがあります。3つのタイプの中で最も開放感を得られますが、中庭の配置によってはプライバシー性が低くなる可能性があります。


コートハウスのメリット



プライベートな屋外空間を持てる

タイルデッキのあるコートハウス
コートハウスは中庭が建物に囲まれているため、外からの視線が気にならないというメリットがあります。特にロの字型の間取りの場合は、中庭が外部に開かれていないため、完全なプライベート空間を作ることができます。コの字型やL字型の間取りであっても、中庭を道路と反対側に配置することで、プライバシーを守ることができます。


採光・通風がしやすい

明るい光の入るコートハウス
中庭に面して窓を設ければ、家全体が明るくなり、風通しも良くなるというメリットがあります。外部から室内が見えにくい設計となっているため、開口部を大きく取りやすく、その分、光と風をたっぷりと取り込むことができます。採光や通風が難しい住宅密集地であっても、中庭を介して光と風を室内に届けることができます。


防犯面で安心できる

プライバシーの保たれたコートハウス
コートハウスは中庭からの採光・通風がメインとなるため、内側に大きな窓を設けるのが一般的です。このため、外側の窓を小さく作ることができ、部外者の侵入経路を制限することができます。また、室内の様子が外から見えにくいため、留守を狙った犯罪を防ぎやすいというメリットもあります。


視覚的な解放感を得られる

コートハウスの玄関ホール
コートハウスは窓から中庭に向かって視線が抜けていくため、開放感を得やすい点も魅力と言えます。コートハウスはプライバシーが守られた設計であるため、大開口を設けやすく、これによって室内と中庭の境界が曖昧になります。内外が緩やかにつながることで、実際の面積以上に空間を広く見せることができるでしょう。


周辺環境の変化の影響を受けにくい

ウッドデッキの中庭のあるコートハウス
コートハウスは、周辺環境が変化しても住宅の利便性に影響が出にくいという特徴があります。例えば、後から近隣に住宅が建つことで、日当たりや風通しが悪化してしまうという問題はよく起こります。しかし、コートハウスは中庭からの採光・通風がメインであるため、明るさや風通しの良さを変わらず保ち続けることができます。


コートハウスのデメリット



建築コストが高い

コの字型平屋のコートハウス
コートハウスは建物の形状が複雑であるため、一般的な住宅よりも建築コストが高くなります。凹凸が多ければ壁面も多くなり、施工費用はさらに高くなります。このため、コートハウスの中でもL字型は費用を抑えやすく、ロの字型は最も費用が高くなる傾向にあります。コートハウスを建てる際は、デザインと費用とのバランスを考慮してプランニングしていきましょう。


居住スペースが少なくなる

コートハウスのダイニング
中庭を広く取れば、その分、居住スペースが少なくなってしまいます。特に都市部の住宅密集地などで敷地が限られていると、広々とした中庭と十分な部屋数を両立させるのが困難な場合があります。ただ、先ほどメリットの項でお伝えした通り、コートハウスには空間を広く見せる効果が期待できます。実際の床面積と視覚的な開放感のどちらを優先させるかで、中庭の必要性は変わってくるでしょう。


定期的なメンテナンスが必要

緑豊かな中庭のあるコートハウス
コートハウスを美しく保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。壁面が多いため、一般的な住宅よりも外壁や窓の手入れに手間がかかります。また、中庭に関しては水はけに注意が必要で、排水溝が詰まらないように、枯葉やゴミなどをこまめに掃除しなくてはなりません。


コートハウスを作る際に気をつけるポイント



開口部の断熱性能を高める

コートハウスのリビング
開口部が大きいほど住宅の断熱性は下がります。コートハウスは窓を大きめに計画することが多く、そのような場合は特に、窓周辺の断熱性を上げる工夫が必要になります。ペアガラスやトリプルガラス、二重サッシ、樹脂サッシなどが効果的で、熱の出入りを抑えることで冷暖房のエネルギー消費も削減できます。


排水計画に注意する

平屋のコートハウスの中心にある中庭
コートハウスの中庭は、通常の庭と比べて雨水が溜まりやすい構造となっています。排水経路が確保されていないと湿気がこもりやすくなり、カビや虫の発生原因にもなります。また、大雨が降った時に冠水するリスクも高まります。雨水が家の外部にきちんと排出されるように排水設備を整え、排水溝に異物が詰まらないように定期的にメンテナンスを行いましょう。


住宅の耐震性を高める

コートハウスのアウトドアリビング
コートハウスは窓を大きめに計画されることが多いため、一般的な住宅よりも強度が弱い傾向にあります。耐震性を高めるには壁や柱を増やす方法もありますが、間仕切りを極力減らしたい場合には「SE構法」がおすすめです。SE構法では、高強度の集成材を特別な金物で接合することで、構造強度を保ちながら広々とした大空間を作ることができます。間仕切りの少ない設計を実現することで、中庭からの採光・通風がより効率的になります。


家族間のプライバシーを確保する

景色の見えるコートハウスの寝室
コートハウスは各部屋が中庭を挟んで向き合うように配置されているため、反対側の部屋から中の様子が見えてしまうことがあります。家族間のプライバシーを確保するためには、個室の窓を小さめにしたり、視線が合わないように窓の高さを変えたりするなどの工夫が必要になります。また、中庭に草木を植えて視線を遮る方法もあります。


コートハウスの快適なアイデア&実例



水盤のあるリゾート風テラス

広々としたテラスを持つコートハウス
こちらのテラスは、海外のリゾートを思わせる圧倒的な高級感。白一色の空間の中で、青く輝く水盤が大きな存在感を放っています。温水機能があり、冬には足湯としても楽しむことができるそうです。このテラスは南側の明るい場所に配置されていて、コの字型に建物に囲まれています。室内のリビング・ダイニングと一続きで設計され、一歩窓の外に出るだけで非日常的な気分を味わえます。


中庭の中心にシンボルツリー

シンボルツリーのあるコートハウス
こちらの中庭は、四方が建物に囲まれた造り。一面に芝生が張られ、お子さまが自由に走り回れるオープン空間となっています。平屋であるため、家のどこにいても中庭との距離が近く、いつも緑を身近に感じることができます。中庭の中央にはシンボルツリーが植えられていて、夜には照明で幻想的にライトアップされます。


子育ても安心のプライベート空間

ウッドデッキのあるコートハウス
こちらは、大きなウッドデッキと芝生を敷き詰めた中庭。三方を囲むコの字型のコートハウスではありますが、外壁の工夫によってロの字型のような高いプライバシー性を実現しています。このため、都市部でも安心して屋外空間を満喫でき、お子さまも安全に遊ぶことができます。中庭の一角にはシンボルツリーのオリーブの木が植えられていて、家族を優しく見守っています。


居室間をつなぐ縁側風デッキ

各居室からアクセス可能なコートハウスの中庭
こちらの平屋は、中庭を囲むように縁側風のウッドデッキが設置されています。中庭に向かって段差を下げることで居室と中庭が緩やかにつながり、また、このデッキがあることで居室間の移動距離がコンパクトになっています。各面とも開口部を大きく取り、それぞれに框戸(かまちど)が採用されていることも、この家の特徴。大きなガラス板がはめ込まれているため、戸を閉めた状態でも開放感があります。


中庭のある明るい狭小住宅 

中庭のあるコートハウスの明るいリビング
わずか19坪の土地に建てられた狭小住宅。1〜3階の各フロアに中庭があり、家のどこにいても明るさを感じながら生活できます。1階は玄関ホールで、中庭のシンボルツリーがお客様をお出迎え。2階は中庭を挟むようにリビングとダイニングキッチンが配置され、両側にまんべんなく光が届けられます。3階は中庭に面してバルコニーが設けられ、日当たりの良いランドリールームとして使用されています。


4つの中庭を擁する回廊の家

コートハウスの吹き抜けの玄関ホール
こちらの邸宅には4つの中庭と前庭があり、それぞれの庭に全く異なるデザインが施されています。メインの大きな中庭は、リビングダイニングに隣接。内外ともに白で統一され、広々とした空間の余白も相まってシンプルモダンな印象を与えています。このほか、和室横には小さな日本庭園、バスルーム横には熱帯のリゾートと、テーマ性のある中庭が展開され、自然のさまざまな表情を楽しみながら非日常感を味わえます。


優雅な中庭のある和モダン住宅

和の趣きのある中庭を持つコートハウス
こちらの住宅は、和モダンな回廊型住宅。中庭には華やかな和の空間が広がっていて、竹や玉砂利、行燈の柔らかな光は、特に夕暮れ時に美しく映えます。上階に行くほど中庭が広がるすり鉢型のデザインが特徴で、下から見上げると空が広がっていくような開放感があります。下階に自然光が届きやすく、邸宅全体を明るくする効果もあります。バルコニーから中庭を見下ろすことができ、さまざまな角度で中庭の景色を楽しむことができます。


まとめ

コートハウスでは、人目を気にすることなく開放的な暮らしを実現することができます。また、自然を身近に取り入れやすく、日々の生活にさらに彩りを添えられることでしょう。コートハウスは一般的な住宅よりも構造が複雑であるため、設計や間取りに工夫が必要になります。メリットとデメリットの両面に目を向けつつ、快適に暮らせるコートハウスを計画してみてくださいね。

→中庭のある家づくりと施工事例

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