ビルトインガレージとは?メリット・デメリットと後悔しないためのポイント14選
ビルトインガレージとは?メリット・デメリットと後悔しないためのポイント14選のインデックス
- 1.ビルトインガレージは「家族と車を近づける工夫」
- 2.ビルトインガレージとインナーガレージ、ガレージハウスの違い
- 3.車好きな人には、ビルトインガレージ一択
- 4.ビルトインガレージは駐車スペース以外にも使えます
- 5.車好きならいわずもがなの、ビルトインガレージ
- 6.狭小地でもビルトインガレージを諦めない
- 7.訪れてくれる人にも使ってもらえるビルトインガレージ
- 8.ビルトインガレージの車と人との距離感を考える
- 9.自然光が入れば、明るく見やすいビルトインガレージに
- 10.ビルトインガレージの防犯を考えてみる
- 11.ビルトインガレージでは、換気の良さも重要なポイントに
- 12.ビルトインガレージの注意すべきデメリット6つとその解消法は?
- 13.ビルトインガレージの計画時に検討したい4つのポイント
- 14.ビルトインガレージのシャッターの種類
- まとめ
家を建てる時の大事なポイントのひとつとして、ガレージを作るかどうかがあると思います。建築時に車を持っていない場合でも将来持つ可能性があるでしょうし、ガレージを作っておけば将来的に引っ越しをするようなことがあっても売買しやすかったり、賃貸としてもメリットになるかもしれません。
さてガレージを作ると決めたらその次にスペースの確保となるわけですが、土地の広さにもよりますが、もし土地ギリギリに建物を建てなければならない場合にはやはりビルトインガレージで作ることになるでしょう。では、ビルトインガレージを作りながら、家族の豊かな暮らしの為の空間を確保し、かつ車のある便利な生活を享受するにはどのようなことに注意するべきなのでしょうか? そのポイントを見ていきましょう。
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1.ビルトインガレージは「家族と車を近づける工夫」
家の1階部分にガレージを取り込んだものをビルトインガレージ(もしくはインナーガレージ)といいます。1階部分の居住スペースが狭くはなる面は否めませんが、車の欠かせない生活を送るには、とても便利なものです。
1-1.【実用的】何かのときにすぐに車を出せる
電車やバスの便がよい土地であっても車を取得・維持したいご家庭は、子育て中ないしは介護中ということも多いはずです。そのようなご家族にとって、車は欠かすことのできない生活の足です。市街地で駐車場を探しても家のそばには見つからないことも珍しくありません。このようなときにビルトインガレージが活躍します。家と車の距離が近く、雨にも濡れずに乗り込むことができますのでとっさのときに心強いものです。
雨の中出掛けるのは億劫なものですが、そんな時車があると大変便利です。そしてさらに、ビルトインガレージがあれば、外出先にもよりますが、例えば屋根付き駐車場の有るスーパーなどに行って帰ってくるというパターンだと、家を出てから帰ってくるまでの間、雨に一度も当たらずに、晴れている日と同じように外出が可能になります。これは大きなメリットなのではないでしょうか。
1-2.【趣味の面でも】愛車の手入れも楽しく、眺めていられるスペース
少しでも空き時間ができたら手をかけたい、できれば家の中からでも眺めていたいという熱烈な車マニアの方にとっても、ビルトインガレージは憧れではないでしょうか。車のメンテナンスには、それ相応の道具も必要ですし、それらを置いておくスペースが必要です。また、実際に車を走らせるとき以外は屋内に入れておくことができるので、車が傷つきにくい・いたずらされないといったメリットもあります。いつも車を眺めたいという願いがあれば、リビングやダイニングとビルトインガレージを大きなガラスで仕切る空間デザインもよいものです。
1-3.【税金免除】延べ床面積から除外できる
車庫やカーポートといった形状で、住居スペースと別の棟になるときでも「屋根」があれば延べ床面積に含めて計算します。一方、ビルトインガレージの占める面積が延べ床面積の5分の1未満であれば、床面積へ加えられることがありません。これを「容積率の緩和措置」といいます。これは、固定資産税を安くし、家を維持するためのランニングコストを低減させる効果があります。自治体により評価方法が異なりますので、ビルトインガレージに通じた建築士や工務店に相談してください。
2.ビルトインガレージとインナーガレージ、ガレージハウスの違い
ビルトインガレージとインナーガレージは、住宅の一部として組み込まれたガレージのことを指します。どちらも、室内から駐車場にアクセスできますし、駐車場部分が外部から遮断できるかどうかも、自由に選択することができます。ビルトインガレージとインナーガレージの違いは、実は明確ではなく、ハウスメーカーや建築会社によって認識が違うようです。また、ビルトインガレージやインナーガレージを持つ家のことを、ガレージハウスと呼ぶことがあります。
3.車好きな人には、ビルトインガレージ一択
毎日愛車を眺めながら、リビングでゆったりと過ごす。これは、車好きの人にとっては至福のプランニングではないでしょうか。家の中で一番長い時間を過ごすリビングに居ながらにして、ふと横を眺めると自分の大好きな車を見ることが出来る。車好きだからと言ってガレージにばかり籠って居たら家族とのコミュニケーションが不足してしまうかもしれませんが、このプランニングであれば、その両方を叶えることが出来ると言えるでしょう。
4.ビルトインガレージは駐車スペース以外にも使えます
ガレージと言えば、車を持っていない人にとっては不要なスペースと思われてしまうかもしれません。けれども、こちらの例のように自転車好きな人にとっても、駐輪スペース兼メンテナンススペースとして使えますし、屋外のような屋内のようなスペースは、友人たちを招いてラフなホームパーティーのスペースとしても使えます。仕上げや内装次第ではアウトドアリビングとして使うという選択肢もありますね。
5.車好きならいわずもがなの、ビルトインガレージ
自分でメンテナンスだってやってしまうような、車好きのレベルの人であれば、もう、ビルトインガレージ以外の選択肢はないでしょう。工具や予備の部品、タイヤなどを置くスペースがあれば、休みの日には車と会話しながら一日があっという間に過ぎていくかもしれません。きちんと整備された車で、家族とドライブに行けたらみんなで安心して旅行が出来ますね。
6.狭小地でもビルトインガレージを諦めない
なんと間口たった4.5mでも、ビルトインガレージ付きの戸建てが実現出来ます。土地の条件がコンパクトであれば、近所で駐車場を探すしかないと思ってしまいがちです。けれども、車が収まるビルトインガレージが特徴のこちらの事例は、都市部でありながら戸建てに住み、車を持ちたいという夢を叶えた住宅と言えそうです。狭小住宅のような限られた敷地は、ビルトインガレージによって有効に活用することができます。例え狭小地でも駐車場を諦めない熱意の勝利と言えるでしょう。
7.訪れてくれる人にも使ってもらえるビルトインガレージ
こちらの事例は複数の車を駐められるビルトインガレージスペースを持つ住宅。なんとも贅沢なプランになっています。これなら、雨の日に自宅を訪れてくれた人にも濡れずに我が家まで案内することが出来るでしょう。家の中に入る前からおもてなしは完璧にという意味で、このようなスペースは贅沢ですが土地に余裕があるのであれば、是非取り入れたいプランニングと言えます。
次に、ビルトインガレージを作るにあたって考えておいておいた方がいいポイントをご紹介しましょう。
8.ビルトインガレージの車と人との距離感を考える
家族全員が車好きではない場合には、車と住む人との距離感が大事になるかもしれません。車は確かに家族にとって便利な道具ではありますが、家族全員にとって、眺めていたいというほど愛着があるかと言われると、そこはあまり興味がないという家族がいる場合も当然ながらあるでしょう。そんなときは、車を大好きな人がいつでも眺められるスペースをビルトインガレージの脇に作ってしまいましょう。
9.自然光が入れば、明るく見やすいビルトインガレージに
ビルトインガレージというと、建物の一階部分で暗いイメージがありますが、こちらの事例のようにピロティ形式でプランニングすれば、風通しのよい明るいガレージが作れます。このように風通しの良い明るいガレージであれば、車が止まっていない時に、人が過ごすのにも快適な空間になるというメリットもありますね。
10.ビルトインガレージの防犯を考えてみる
ガレージの防犯と言うと、すぐに思いつくのがシャッターなどでしっかりと締めてしまうことがひとつあるでしょう。もちろん、しっかりと閉じることは防犯上大事な事でもあります。でも一方で、実際閉じられた空間の中は外からはまったく見えないというデメリットもあります。こちらの事例のように扉としては閉じつつも、開放感を持たせることができるような防犯対策という事もひとつの方法かもしれませんね。
11.ビルトインガレージでは、換気の良さも重要なポイントに
ガレージと言うからには、その内部空間では車の出入りの時にはもちろんエンジンが掛かっている状態で、排気ガスも出ているわけです。もちろんそんなに長時間という訳ではないですが、やはり居住空間に近い場所ではありますし、換気にも気を付けたいですよね。こちらの事例のように壁の一部に開口部があれば空気の循環も出来て安心できるビルトインガレージとなるでしょう。
12.ビルトインガレージの注意すべきデメリット6つとその解消法は?
生活の足をより便利にし、そして趣味の車を楽しむ方法としてとてもうれしいビルトインガレージですが、そのデメリットは何でしょうか。デメリットとそれらへの対応策を解説します。
12-1.【音】騒音への対策が必要―家の内部に車を入れることで生じる音
家の一部にガレージを取り込むビルトインガレージは、車の騒音も抱え込んでしまいます。早朝や深夜に車を出し入れする場合、家族の睡眠を邪魔してしまうことが考えられます。暖機運転が必要な冬場は音の問題がさらに大きくなるでしょう。特にガレージと隣接する部屋が、寝室やリビングなど「静けさ」が必要な場所であるのなら、慎重に検討をしなければなりません。
12-2.【排ガス】エンジンを回す場所だから―換気扇などの設備を
家の内部に車を招きいれるビルトインガレージは、音の問題だけでなく排ガスの問題も生みます。また、ご自分でオイル交換や塗装をなさるような場合は、健康のためにも積極的に換気をしなければなりません。ビルトインガレージの使い方次第ではありますが、常に自然換気ができるような計画や大型の換気扇、ガレージ内部についてしまう汚れを除去するため洗いやすい塗装にするなどの工夫が必要です。
12-3.【暗さ】ケガや事故を防ぐために―明かり取り用窓や照明が必要
暗い場所で人やモノを乗せたり降ろしたりするとき、転倒やつまずきによるケガが発生しがちです。また何かを落としたときに見つけにくいこともあります。このようなことを防止するために、明かり取り用の窓や照明が必要です。ビルトインガレージで車の手入れをしたい方は、天井からの照明だけでなく、手元の作業灯も必要です。家の内部にあるガレージという安心感はありますが、暗さを解消する必要のある場所でもあるのです。
12-4.【セキュリティ】死角のできる場所―シャッターの設置を
車が出入りできる通り沿いにありながら、暗くなりがちなビルトインガレージは「死角」を生んでしまいます。車やタイヤ、道具類をしまっておくスペースであるだけに、セキュリティ面の配慮をしたいものです。特にリビングへ直接出入りできるつくりにしたときは、外部からの人の侵入を防ぎ家族の安全を確保しなければなりません。シャッター等をつけることをオススメします。
12-5.【間取り】車が1階に“住む”から―家族の暮らし方もしっかり考える
車を自宅内に乗り入れるビルトインガレージは、その分1階の居住スペースを削らざるを得ない側面も持ち合わせています。例えばガレージに隣接する居室はリビング・ダイニング、そしてバスルームやトイレなどの水周りのみに限定し、2階に寝室を、といった工夫が必要です。もちろん土地をある程度確保できるならばこの限りではありませんが、音の問題があると判断したのであれば、寝室の位置に配慮した方が良いでしょう。
間取りと同時に考えたいのが、車の出入りのしやすさです。車のサイズぴったりに作ってしまえば車庫入れがむずかしくなってしまいますし、道路との関係によっては小回りの効く車種しか受け入れられないガレージになってしまいます。入庫後の乗り降りや軽作業をも考えれば、余裕をもった広さを確保しなければなりません。
12-6.【コスト】ビルトインガレージのある家はコストがかかる―駐車場費用で相殺
壁のない一室を作るとなれば、その部分は耐力が弱くなってしまいます。大きな開口部は丈夫な構造で作らなければ耐震性の劣る家となり、とても危険です。そのためコストが上がってしまうことは致し方ありません。しかしながら、駐車場を借り続けることで必要となる固定費を削減することで相殺できることも明確です。これから家を建てようとする場所の駐車場料金が例えば月3万円ならば、単純計算で年間36万円、10年で360万円、30年ならば1,080万円削減することができます。しかも、常に車がすぐに出せる状態なのです。これはコストを上回るメリットではないでしょうか。
13.ビルトインガレージの計画時に検討したい4つのポイント
ビルトインガレージを計画する際には、いくつかチェックしておくべきポイントがあります。ビルトインガレージは、ただ車を駐車しておくだけの場所ではないという事も考えて、今回は下記の4つのポイントについて見てみましょう。
13-1.エアコンを導入して快適な空間に
ビルトインガレージは、駐車場であると同時に、長時間滞在する居住空間として設計されることがほとんどです。車のメンテナンスやちょっとした軽作業、または車を眺めながらリラックスして過ごす空間としても利用することが想定されます。その際、他の居住空間と同様に、季節によってエアコン等を使用し室温を快適な温度に保つ必要がありますね。また、車のメンテナンスなどの作業の際には、オイルを使ったり、排気ガスが出ることもありますので、換気扇も必要になるでしょう。
13-2.電気自動車の充電設備
最近は、街中でも電気自動車の充電設備をよく見かけるようになりました。また、国は2035年までに、乗用車の新車販売で電動車100%を実現するという方針を打ち出しています。それに関連して電気自動車を購入する際の補助金もあり、実際に普及率は2022年で50%に迫る勢いとなっています。今後、街中にも電気自動車の充電設備は増加していくでしょう。そして、もし自分が電気自動車を買った場合は、自宅にも充電設備が必要となります。将来のことを考えて、充電設備を設置できる準備をしておくといいですね。
13-3.床材は汚れに強く掃除しやすいものに
ガレージの床はまず、車の重量に耐えられるよう、耐久性の高いものにしましょう。また、普段の車の出し入れの時には、土埃などが発生し、雨や雪の際には泥などで汚れます。さらには、ガレージ内でメンテナンスや作業などをする場合には、油汚れなども生じてしまいますね。このような汚れ対策としては、汚れ自体が付きにくいようにコーティングをするという方法の他に、汚れてもブラジなどでラフに掃除が出来る、強い素材を選ぶという選択肢もあるでしょう。
13-4.ビルトインガレージに適した土地について相談する
ビルトインガレージなどの駐車設備が欲しい場合は、まず家の敷地に自動車でアクセスできるかどうかということの確認が必要です。相場より安い土地の場合は、自動車がアクセスできない、または車が通りにくい細い道路しかないという場合もあります。土地探しの段階から建築会社に相談して、確実にビルトインガレージが作れる土地を購入しましょう。その際には、車の大きさやビルトインガレージ内でどのように過ごしたいかなども、具体的に打ち合わせしておくといいですね。
14.ビルトインガレージのシャッターの種類
ビルトインガレージには、防犯や大事な空間を快適にするためにシャッターが必要です。シャッターにも様々な種類がありますので、それぞれの特徴を把握して、自分たちの暮らしに合ったものを選択するようにしましょう。
14-1.巻き取り式
巻き取り式は、チェーンを使って巻き上げるタイプのシャッターです。このタイプには、手動と電動があります。手動の場合は、価格を抑えられるというメリットがありますが、開閉時に音が大きいというデメリットもあります。電動の場合は、価格は上がりますが、騒音を大幅に減らすことができるので、周りの住環境に合わせて選ぶようにするとよいでしょう。巻き取り式なので、巻き取ったシャッターは、シャッターボックスに収納するというコンパクトさもメリットと言えます。
14-2.オーバースライダー式
オーバースライダー式のシャッターは、シャッターの形状としては巻取り式と似ていますが、シャッターを巻き取らずにそのままの形状で天井に引き上げて収納するというタイプです。こちらは電動が主流で、開閉スピードも速く騒音も少ないところが魅力です。
気を付ける点としては、天井に収納するため、天井に照明器具を付けられないということです。もし照明を付けたい場合は、壁面に付けるようにしましょう。また天井高がある程度必要になりますので、建築会社にはオーバースライダー式を採用したい旨を早めに相談しましょう。
14-3.スイングアップ式
スイングアップ式のシャッターは、巻取り式やオーバースライダー式とは違い、シャッターの形状が1枚の板状の扉になっていて、その扉の形状のまま、上に跳ね上げて天井に引き込むような収納方法になります。その為、シャッター扉の形状がそのままガレージの前面に一度出てしまうので、敷地に余裕がない場合には、設置できないケースも発生します。敷地条件などを、事前にしっかり確認しましょう。こちらも電動が主流で、音が静かという点と、扉の形状が変化しないので壊れにくいという点がメリットです。
まとめ
今回は、ビルトインガレージを作る時のポイントや車のある生活においてのビルトインガレージのメリット、プランニングにおいて考えておくべきポイントについて実例を交えてご紹介してきました。今、車を持っている方はもちろん駐車スペースとして使えますし、車を持っていなくても他の趣味のスペースとして活用することもできます。そのように、アウトドアリビングとしても使える多目的スペースと考えれば、家づくりにおけるビルトインガレージは、欲しい空間の上位に挙がってくるのではないでしょうか。
一番大切な強度を得たうえで、自由にのびのびとつくられた「ビルトインガレージのある家」の実績を覗いてみてください。SE構法で建てられているため、耐震性の高いビルトインガレージハウスを実現しています。