2018
25
Jul

家のデザインについて、 理想の家づくりのためのコラム

ガレージハウスで「平屋」や「狭小住宅」を建てる時の間取りや注意点を解説。得する税金のお話も

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平屋を建てたい、できればガレージがあれば…そんなご希望をお持ちでしょうか。ガレージを内包する平屋をつくるとき、いくつかの面を慎重に考えなければなりません。生活の動き全てが平面で済む平屋はとても便利で、長く住まうにはもってこい、という特徴がありますが、「自動車も一緒に」となれば、その分しっかりと考えなければならないことも増えてしまいます。

今回の記事では平屋や、狭小住宅、スキップフロア等でガレージハウスを実現するため、知っておきたいことをご説明いたします。読後には、あなたの思い描くガレージハウス像が変わり、より積極的に検討できるようになっていることでしょう。

1.ガレージハウスで気を付けること、間取り等について

そもそもではありますが、ガレージハウスとは、家の内部にガレージ(車庫)を持つ家のことです。そのため、音や換気の対策、セキュリティ面での配慮など、自動車とご家族とが“仲良く暮らす”工夫が重要です。

平屋の場合、ガレージ部分に隣接する部屋が、自動車のエンジン音やエンジン排気のニオイの影響を受けて「生活しづらい場」となることが考えられます。寝室やリビングではなく、浴室やトイレ、洗面など滞在する時間が短い箇所をガレージ部分に近づければ、これらの問題もさほど大きなものにならずに済むでしょう。

【実例紹介】ビルトインガレージハウスを建てる時、見るべき重要な6つのポイント

 

2.おしゃれな平屋ガレージハウスを建てるときのメリット/デメリット、注意点

自動車も家族の一員、となれば、やはり自動車の“部屋”に相当するガレージ部分にも気を遣い、暮らしを充実させながらおしゃれな平屋にしたいところです。

では、このような機能面を満たしながらおしゃれな平屋にするポイントについて考えてみましょう。

【実例紹介】平屋がおしゃれになる重要な6つの視点!失敗しない間取りを徹底解説!

2-1.【メリット】自動車/ガレージと家族が近くなる

たとえば、検討されている平屋の基本形が

・L字型

・コの字型

なら、ガレージ部分を容易に確保できますし、見た目にもおしゃれな平屋となります。

外に開いている部分に屋根をかけ、そこをガレージにすれば自動車の出し入れも容易ですし、デザインとしてのインパクトを持たせることも可能です。

また、自動車が出ている間は、雨の日のお子さんの遊び場として利用することもできますので、子育て中の親御さんにとっては安全も確保できる、という具合です。

また、キッチンそばにガレージを配置すれば、週末に1週間分の食糧を買い、たくさんの荷物を難なく運び込むこともでき、とても便利です。

2-2.【デメリット】自動車の台数によっては、「人」に割ける敷地が減ってしまう

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家族構成や利用方法によっては、自動車が1台で済まない事もあります。複数台の自動車を所有/維持するとき、敷地に対してガレージスペースが広くなってしまい、住まいスペースが狭くなってしまう可能性があります。

また、あまりにもギリギリでガレージスペースをつくってしまうと、車庫入れが難しくなったり、自動車のドアの開閉がしづらくなったりと、問題点が多くなってしまいます。

これもまた、2階/3階を考えない平屋ならではのデメリットといえるでしょう。

2-3.【注意点】敷地確保の段階で「車種」「自動車の居場所」を検討する

ひとくちに「自動車」といっても、1台あたりのサイズは車種により大きく異なります。

家族全員で移動するときに多く使われる7人乗りから、二人乗りの軽自動車まであります。今現在所有している自動車、ないしはこれから購入しようとしている自動車のサイズと台数を明確にし、どれくらいのスペースがあればラクに駐車できるかを想定しておくとよいでしょう。

そして、家の前面に接する道路と敷地、隣接する家との関係で、どこにガレージを作るのかを考えなければなりません。複数台の自動車を並列(横並び)にするべきか、縦列(縦並び)にするべきかも、ここで見えてくるはずです。

大事なのは、自動車の出し入れをいかにスムーズに行うかです。無理なレイアウトを採用すると、ガレージから車を出すときに「あわや事故」、という場面に遭遇するかもしれませんし、車庫入れのときに誤って家にぶつけてしまう可能性もあるからです。

 

3.狭小住宅でガレージハウスを建てるときはどうする?

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狭小住宅をガレージハウスにする場合、敷地のほとんどが自動車スペースとなることを“覚悟”しなければなりません。しかしながら、都市部であれば地価が高く駐車場を借りる費用も跳ね上がりますし、近隣に駐車場の空きスペースを探せないことも充分に考えられます。

このような問題を解消するため、狭小住宅をガレージハウスにすることは大きなメリットを生んでくれますが、どのような点に注意しなければならないのかを考えてみましょう。

【実例紹介】狭小住宅で知るべき7つの注意点と、収納等に困らない有効な間取り術

3-1.ガレージが大開口になるため耐震性能の確保が必須

狭小住宅の場合、1階部分はほとんどが駐車スペースとなるでしょう。大きな開口部を設け、そこを自動車の出入口にしなければなりませんので、壁面が少なくなる事から高い耐震性能がなければなりません。

それでなくても狭小住宅の建つエリアはそのほとんどが市街地で「お隣さん」との間がとても狭いので、より強固な家が必要といわざるを得ません。

3-2.【重要】3階以上の木造住宅の場合、構造計算が必須

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狭小住宅の場合、生活のスペースを「上に上に」と伸ばさなければなりません。このことから、1階をガレージにする場合、生活スペースは2階/3階以上となってしまいます。現行の建築基準法では、3階以上の木造住宅の場合、建築確認申請時に「構造計算書」を添えなければなりません。

構造計算書は、限界耐力計算など建物の安全性をチェックし、耐力壁の耐震強度や風に耐える強度など、総合的に「家の剛性」を判断するものです。これは、これから建てる家の安全を確保すると同時に、揺れを受け建物がしなることによりお隣の家を傷つけないために重要なことです。

特に1階部分をガレージにするとき、自動車の出入口を大きく取るために、2階/3階の重みを均等に受け止めることが難しくなりますので、設計時には特に慎重にならなければならない部分です。

3-3.狭小住宅をガレージハウスにするときの注意点

市街地で土地を取得しようとしたとき、価格の問題で致し方なく「狭小住宅」となってしまうケースが多くあります。それらの土地はいわゆる「うなぎの寝床(道路に面する敷地の幅が狭く、奥行きが長い土地のこと)」であることが多いのが特徴です。

このように奥行きのある敷地の場合、ガレージ部分(1階)に1~2台の自動車を置くことが可能かもしれません。しかしながら、縦列駐車が基本ですので、奥に入れた自動車を出したいとき、前に停めてある自動車と入れ替えなければならないといった手間が生じます。

また、建物の前の道が狭い、ないしは交通量が多いとき、自動車の出し入れに“テクニック”を要することも注意点に挙げられます。また、見通しが悪くなる可能性もありますので、敷地内に自宅用カーブミラーを設置するなどの工夫をしなければならないでしょう。

 

4.スキップフロアでガレージハウスを建てたいときは?

狭小住宅において、床面積を実質的に広げる方法のひとつとして採用されるのがスキップフロアです。

家の中に「1.5階」などをつくり、段差を設けることで見た目にも広く感じられるこのスキップフロアは、ガレージハウスをつくりたいときにも有効です。

通常、スキップフロアで生まれた段差の下部には、収納スペースをつくることが多いものですが、1階部分のスキップフロアの「外部」、つまり敷地内の1階部分外壁より外側に駐車スペースを設けるのも一考に値します。

【実例紹介】スキップフロアの間取りを考える上での注意点、メリット、最も重要なことは?

4-1.スキップフロアを使い、ガレージハウスをつくるときのメリット・デメリット

メリットは、もちろん、高い駐車場を借りずに済むこと、雨を気にせず乗車/降車ができることです。そして、シャッターをつければセキュリティやプライバシーを気にせずに住める家になることでしょう。

一方、デメリットは、車高の高い自動車を入れづらいということです。狭小住宅において高さのある自動車を中心に家づくりをしてしまうと、ご家族が生活に使えるスペース(高さ)が制限されてしまう可能性があります。

4-2.スキップフロア×ガレージハウスの注意点

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ガレージハウス一般にいえることですが、自動車の音や排気ガスのにおいなどが、家族の生活に影響を及ぼすことが注意点として挙げられます。

これを避けるために、1階のガレージ部分とリビングなどの生活エリアの間に、スキップフロアを「横向き」につけ、仕切りにするという方法があります。スキップフロアの階段スペースを駐車スペースに対して横向きに配置し、音が響かないよう工夫するのです。

そもそも敷地が狭いので、玄関を駐車スペース奥にしか設けられないこともあり、ご家族だけでなく、お客様が家に入りにくいといったことも生じるかもしれません。このような場合は、選ぶ自動車のサイズ面での妥協を求められるかもしれません。

 

5.ガレージハウスの税金面での話

固定資産税は、敷地や家の評価額で決まります。正しくは「土地は土地」、「家は家」で計算されますが、特に家屋部分に関しては年々評価額が下がることが基本です。

さて、ここで気になるのがガレージハウスにおける固定資産税です。建物の内部に自動車を駐車するガレージ部分ですが、延べ床面積のうち5分の1である場合、計算から外してよいこととなっています。

居住スペースとのバランスを保てば、固定資産税減税を図ることができますので、特に地価の高いエリアでは大きなメリットとなるでしょう。

※建築確認の審査を行う自治体により取り扱いが異なることがあります。具体的な設計に入る前に設計担当者としっかり話し合っておいてください。

 

大開口が必須のガレージハウスは構造躯体の強度が重要

ガレージハウスは、自動車を「家の中に入れる」ための大きな開口が必要です。このとき、一番重要なのは、その開口部を設けてもなお、強度を保っていられることです。重量木骨の家は、この開口部の強さは“折り紙つき”。ガレージハウスも得意分野です。

重量木骨の家でつくられたガレージハウスの事例をご覧ください。きっとお手本としたい家が見つかることでしょう。

→重量木骨の家の「ガレージハウス」の施工例一覧を見る