2016
17
Aug

家のデザインについて、 理想の家づくりのためのコラム

【実例紹介】スキップフロアの間取りを考える上での注意点、メリット、最も重要なことは?

収納スペースを多くとりたい、単調なフロアにメリハリをつけたいというお考えの方が希望されるもののなかに「スキップフロアのある家」があります。スキップフロアを設けることで実現できることとそのメリット、作るときの注意点を挙げながら、スキップフロアの“全体像”を解説いたします。

1.スキップフロアがもたらすメリット

スキップフロアは、1.5階や2.5階、いわゆる「中二階」「中三階」を設ける作り方です。床の一部に高低差を設け、数段の階段でつなげます。

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1-1.二階建てでも、三層以上を確保できる

法律により建物の高さを制限されている土地がありますが、そのような土地であっても有効面積を増す方法のひとつがスキップフロアです。最大限の高さを確保してもなお、必要な床面積を確保できないときにスキップフロアが採用されるケースがあります。

1-2.視覚的に広く見える

同じフロアで視界が平坦に通るよりも数段の差がつくスキップフロアは、視覚的に広く見える効果があります。例えばリビングとパソコンスペース(書斎)を数段の階段で上下にスライドさせると、視界がずれるために、実質同じ階でありながらもまるで別の部屋にいるような気分になれます。実際の面積よりも広がりを感じるだけでなく、光を通すための工夫もしやすいものです。日のあたらない方角のスペースを下げ、太陽光の差す方角を高くすることで、まんべんなく光の入る明るい室内を作ることができます。

1-3.階段下部を収納スペースに

スキップフロア下部を収納スペースに活用することができます。1階床からダイレクトに出入りできますので、衣服だけでなく、食品やストック用の水など重たい品物の収納も楽に行えます。

1-4.土地に高低差があるときに有効

高低差のある土地(傾斜地)に家を建てるとき、どうしても1階部分より下がってしまうスペースが発生してしまいます。「スペースを無駄なく使いたいけれど、高さの差が1階層ほどもない」というときに階段数段分ずらして空間を作ることで、デッドスペースを削減することができます。高低差を利用してビルトインガレージを作るときにもスペースを有効活用できます。

1-5.狭小地でも無駄がない

スキップフロアは壁で部屋を区切りません。家全体の空間を共有しながらスペースをゆるやかにつなぎ、圧迫感を排除します。基本的に廊下も設けませんのでほぼ全てを居住のために用いることができ、使用頻度の少ない空間を最小限に圧縮することが可能です。

 

 

2.スキップフロアを作るとき注意すべきこと

スキップフロアは、部屋と部屋を壁で区切らない、家の中に多くの階段があるという特性上、以下のようなことに気をつけなければなりません。

2-1.断熱・空調に配慮が必要

スキップフロアのある家は、部屋を壁で仕切りません。大きなワンルームであるともいえます。そのため、しっかりとした断熱を施し、熱の出入りを低減した家であることが重要です。また、暖かい空気が上層に、冷たい空気が下層にたまったままにならないような工夫も必要ですので、エアコンなどの空調設備を適切に準備しておかなければなりません。

2-2.建築費用が高くなりがち

階段や床板ひとつひとつに工夫が必要なスキップフロアは、同じサイズの家を建てるのに比較して材料と手間がかかります。壁の少ない大きなワンルームということを思い出していただければ、耐震性の確保のため、強固な家でなければならないこともすぐにわかります。建築コストが上がることがデメリットのひとつです。

2-3.スキップフロアの設計・施工には経験が必要

複数の性質を持つスペースがひとつの空間を共有するスキップフロアは、光や空気の入り方、音の響き方のコントロール、プライバシーの確保など、一般的な戸建ての家以上に気を遣わなければなりません。図面でイメージをつかむことがとても難しいので、3D画像や模型で示してもらえなければ思ったとおりの家に近づけることもできないでしょう。設計はもちろんのこと、施工に慣れている建築会社を選んでください。

2-4.自治体により判断が分かれる

家を建てる計画を立ち上げたら、設計書などをそろえ「許可してください」と申請をします。自治体が建築基準法に照らし合わせ建築物を審査しますが、スキップフロアについてはその判断が分かれるのが実態です。高さが1.4メートル以下で、なおかつ設置されている床の面積2分の1未満のスキップフロア(収納スペース分)であれば床面積としてカウントされないことが多いのですが、床面積として算入するルールを採用している自治体、スキップフロア自体認めない自治体があります。この点でも、スキップフロアの設計・施工になれた建築業者に任せることが大切です。

2-5.固定資産税が上がる

段差をつけてスペースを広げることを目的としたスキップフロアは、通常の1階建て・2階建ての家と比較して床面積が多くなります。このため、床面積=家の資産価値として計算する固定資産税が上がってしまう結果となります。スキップフロアのないごく一般的な家を持つ人が支払う固定資産税の金額は参考程度にし、それを上回る金額となることを知っておいてください。もちろん、この点でもスキップフロアを取り扱いなれている建築士や建築業者のノウハウが必要です。

 

 

3.【実例紹介】スキップフロアの家を手に入れるために最も重要なこと

スキップフロアのある家は、メリハリのあるデザインやスペースを有効に使う面で優れているといえます。しかしながら、特徴あるデザインが「暮らしぶり」に直結すること、建築が許可されるかどうか、そしてその範囲の判断が自治体により異なること、“大きなワンルーム”であり高い耐震強度が求められること、などの注意点があります。これらの点をスムーズにクリアするためには、スキップフロアに慣れていて、なおかつ耐震性に確実な家づくりをしている会社に依頼すると事をオススメします。スキップフロアは非常に高度な構造解析(構造計算)をしないとその安全性を検証することができません。SE構法ではスキップフロアでもしっかりとその安全性を確認することが可能です。

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