平屋建築の成功のカギは、外観デザインにあり! 家づくりの参考にしたい平屋住宅20選

住宅街で、ひときわ目を引く平屋の家。横にどっしりと構える平屋独特のフォルムは、そのデザインや色、素材選びによって、家の印象が大きく変わります。平屋住宅は間取りがシンプルであるがゆえに、建物自体は単純になりがち。そこで、デザインや素材選びにさまざまなアイデアを取り入れて、ありきたりでない個性的な家づくりをしている方も多いようです。今回は、平屋の家づくりで参考にしたい、20の実例集をご紹介します。
平屋建築の成功のカギは、外観デザインにあり! 家づくりの参考にしたい平屋住宅20選のインデックス
1.箱型の平屋は、シャープなフォルムが印象的
究極にシンプルな平屋にするなら、箱型のデザインはここ最近のトレンドです。こちらのお宅では、マットな質感のグレーの外壁にプラスして、木製ルーバーをアクセントに。ルーバーの裏側が玄関アプローチになっていて、玄関扉付近が目隠しされています。ルーバーにすることで、視線を遮りながらも、風と光が通り抜けるように工夫。玄関まわりの参考にしたいアイデアですね。
L字型の平屋に、ひと部屋だけが二階部分としてちょこんと乗った、まるでシップのようなユニークなデザイン。全体的にエッジの効いたフォルムや、タイル状で表情のある外壁、小さなスクエア窓など、各所に遊び心が垣間見えます。開口部をできるだけコンパクトにすることで、解放的でフルオープンな外構を実現しています。
2.周囲の自然にスッと溶け込む、木の平屋
大自然の中に建つ平屋なら、景色に溶け込む木の外観がお似合い。こちらのお宅は、庇が大きく張り出し、さらに広々としたデッキを設けることで、全体的にゆったりとした雰囲気に仕上がり、周囲の自然とも調和しています。木の外壁は年月とともに変化を楽しむことができ、家族とともに成長していく家となるでしょう。
緩やかな勾配を持たせた屋根のフォルムが特徴的ですが、何と言っても、木の質感に目を奪われる平屋の家。外壁に貼られているのは、杉板の表面を焼いて炭化させた灰黒色の焼杉板。ナチュラルな木の色合いよりも、断然クールな雰囲気があり、独特の個性が光ります。また、見えない部分にはメンテナンスフリーのガルバリウム鋼板を使用するなど、長く愛用するための工夫もしっかり考えられています。
3.大きな屋根が特徴の平屋は、どっしりと重厚感あり
夏と冬の太陽の高さを計算して設計されたという、大きな庇のあるこちらの平屋住宅。ゆとりのある敷地の使い方と落ち着いたデザインで、幅広い年代のご家族に好まれそうです。内側に引き込んだウッドデッキにすることで、通りからの視線にも配慮。白い外壁に一部分だけ木を貼ることで、メリハリのある印象になっています。
広々とした敷地に、羽を広げるようにダイナミックに建てられた平屋の家。大きな屋根と贅沢に張り出した庇が、ひと際目を引きます。建物のちょうど真ん中にストーブを設置し、それを中心に左右対称になっているデザインは秀逸。ワンフロアの平屋の場合、共有ルームなどを間取りの中心に組むことで、パブリックスペースとプライベートスペースを分けることができます。
4.個性を出したいなら、フォルムや外壁選びに遊び心を
一見すると、個人の住宅とは思えない斬新なデザインの平屋。杉板張りの壁が敷地の外周をぐるりと囲み、それが高い塀の役割を。一方で室内の窓からは、中庭の向こう側に高い杉板の壁のみが見え、通りからの視線はしっかり遮られています。ワンフロアのみの平屋だからこそ、このようなユニークな間取りが実現。夜になると、木の外壁が照明で照らされ、昼とは違った表情を見せてくれます。
三角の屋根と四角い箱型がドッキングしたユニークな外観と、白い壁と木材のコントラストが楽しめる平屋住宅。一見すると、二つの空間に分かれているように見えますが、実は家の中は47畳の大空間が広がっています。外観と室内の思いがけないギャップに、訪れる人も驚くはず。
5.洗練されたモダンデザインは、広い世代に愛される
デザインだけでなく、機能性も重視したこちらの平屋住宅は、右側のリビングスペースのみ天井を高くし、上部に明り取りの窓を設置。通風もしっかり考慮したパッシブデザインになっています。ベージュとグレーの組み合わせはシンプルモダンな平屋住宅にもおすすめのカラー。デッキに設けた木製の目隠しがよいアクセントになっていますね。
大きなガレージが印象的な、シンプルモダンな平屋住宅。右側の白い建物部分は、天井高のリビングスペースになっていて、二階に見える部分はロフトスペース。平屋ではありますが、上下にも行き来ができる間取りになっています。白とグレーの組み合わせはシンプルモダンの家では定番ではありますが、ちょっとさみしい印象になってしまうことも。車のオレンジ色や植栽のグリーンなど、差し色で楽しんでいますね。
6.落ち着いた雰囲気を持つ、和風モダンの平屋
青々とした芝生に、大きな石を配した野趣あふれるアプローチのある平屋住宅。古民家好きというオーナーの好みに合わせ、外観は和風な雰囲気に、室内は和風モダンにデザインされています。約1mの高低差がある敷地を生かした間取りには、縁側や小上がりの畳スペースなど、和の要素がところどころに使われています。
高台の広い敷地にどっしりと構えられたこちらの平屋住宅は、高基礎を採用することで、ぐっと視線をあげ、室内からの眺望が存分に楽しめます。二階建て住宅ではなかなか見られない朱色の外壁も、平屋だからこそ取り入れられる色。グレーとバランスよく組み合わせることで、和モダンな雰囲気に仕上げています。
7.青空に映える平屋にするなら、真っ白な外壁をチョイス
白い壁は周囲の景観とも調和しやすく、洗練された印象を与えます。こちらの平屋住宅は、傾斜のある敷地に建てられていて、なんと7ステップで構成されているとか。一般的に、平屋の居住スペースはワンフロアが定番ですが、そこにスキップフロアを取り入れることで、変化のある空間に仕上がります。横長の間取りに、中央にデッキのテラスを設けることで、プライベートな空間とパブリックな空間を自然な形で区切っています。
白一色の外壁は、シンプルさはありますが、どうしても味気ない印象に。そこで、部分的に差し色を入れてみるのがおすすめです。こちらのお宅では、ちらりと見える庇部分に黄色を使い、遊び心のあるモダンな印象に。玄関ドアも明るめの色にしたことで、差し色ともよくマッチしています。また、白い壁の家は、周囲のグリーンが映える効果もあります。
8.クールにまとめるなら、黒一色に差し色をプラス
黒い箱型のデザインに、ところどころに白をプラスし、直線的でメリハリのある平屋住宅。リビングダイニングの開口部はダイナミックに取っていますが、前の庭に背の高い植栽を配置することで、通りからの視線を上手に遮っています。平屋の家は、高さがない分、植栽とのバランスも考えてデザインするのがおすすめです。
広い敷地にゆったりと建てられたこちらの平屋住宅は、外庭と中庭に囲まれた空間で、土に近い場所で暮らす喜びが感じられるでしょう。また、ダークグレー一色の建物に、ところどころ木を貼ることで、かっこよさの中にも温かみのある雰囲気に。外庭はオープンな空間として、内庭は外から直接見えないようなプライベートな場所になっていて、それぞれ使いわけて楽しむことができます。
9.ダイナミックな勾配屋根は、シャープな印象の外観に
二階建てと平屋建ての、2つの建物を組み合わせたユニークな外観デザイン。通り側には窓ひとつなく、「この建物は何?」と目を引く存在になるでしょう。この向こう側には、2つの建物をつなぐ中庭が広がり、家族のコミュニケーションの場所になっています。色使いにもちょっとした遊び心があり、二階建ては黒、平屋建てはグレーとグラデーションになっているのも特徴的です。
敷地を目一杯活用し、横に広がった大きな片流れ屋根が印象的。リビングルームからの大きな開口部やその前に設けられたデッキからは、豊かな田園風景が楽しめそうです。テイストの異なる外壁を組み合わせて、一方はパブリックスペースに、もう一方はプライベートスペースを集約。平屋だからこそ実現できた間取りや外観デザインになっています。
10.切妻屋根の平屋住宅は、かわいらしい印象
切妻屋根は、勾配天井や箱型のフォルムに比べて、かわいらしい印象になります。こちらのお宅は、シンメトリーなデザインにすることで、バランス感のあるナチュラルな雰囲気に仕上がっています。建物の前はスペースをたっぷり取り、スライド開閉できる木製の扉を設けて、オープンにしておくこともできます。
濃いグレーの外観は、あえて塗り壁にすることで質感を重視し、木の素材との相性も抜群。木で作られた外部収納がよいアクセントになっているなど、機能性とデザイン性を兼ね備えています。平屋住宅では珍しい切妻屋根ですが、勾配を小さくすることで実現。勾配天井とは違った、やわらかな印象になります。
まとめ
広い敷地での家づくりであったり、夫婦二人でコンパクトに暮らす家であれば、平屋住宅を検討してみるのもいいでしょう。平屋住宅らしいフォルムや色選び、遊び心のあるデザインなどを取り入れると、街中でも目を引く存在感のある家になるはずです。まだまだ物件数の少ない平屋住宅ですから、実際に建てられたお宅を参考に、世界に一つだけの平屋住宅にしてみてはいかがでしょうか。