2018
19
Mar

家のデザインについて、 理想の家づくりのためのコラム

完全分離型二世帯住宅のメリットやデメリットを徹底解説!事前に知るべきポイントはこれ!

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家族は人数が多ければ多いほど大変なこともありますが、一方で楽しいことも増えます。新米パパ・ママはご両親の助けを得て“孤独な子育て”から開放されますし、ご両親も自身の体に不安を覚えたとき手助けを得やすくなります。

もちろんお子さんがいなくとも、お互い大人として親世帯・子世帯で適度に寄り添いあい、支えあうことができれば言うことはないでしょう。

今回はそのような暮らしを実現する二世帯住宅についてご説明します。最近増えつつある二世帯住宅の中でも特に注目を浴びている完全分離型のメリットと注意点についてお伝えしますので、よりよい二世帯住宅づくりにお役立てください。
 

1.完全分離型二世帯住宅とは?

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二世帯住宅の中でも、「互いの暮らしに干渉しない」ことを前提につくるのが完全分離型二世帯住宅です。

核家族に慣れてしまった日本人の多くにとって、いきなり同居は難しいものです。近すぎず、遠すぎずの場所に一緒に住まうために、完全分離型二世帯住宅は有利です。

完全分離型二世帯住宅は、

・2階建て以上の建物を建て、階で世帯を分ける(外階段をつけ別の出入口を設ける)

・同じく2階建て以上の建物を建て、壁を隔てて左右に世帯を分ける

という方法で実現します。

こうすることで、同じ屋根の下に暮らしながらも、互いのプライバシーを保つのが完全分離型二世帯住宅です。

1-1.完全分離型二世帯住宅にまつわる税金のこと

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近年、二世帯住宅がその魅力を増したのは、税金面の優遇措置が広がったところも大きく影響しています。

平成25年、相続税に関しては「小規模宅地等の特例(亡くなった方が自宅として利活用していた土地は、2割の金額で相続人が相続できる)」の範囲が拡大されました。親の住まい部分だけだったものが、完全分離二世帯住宅にも適用されるようになったのです。

相続のはなしとなると、「まだ親も元気でいるのに不謹慎」といったイメージを抱かれるかもしれませんが、二世帯住宅を建て共に住むのであればいずれはそのときを迎える訳です。避けて通れない話題ですので少しでもご記憶いただけるとよいでしょう。

二世帯住宅でも、小規模宅地の特例の適用を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。

・親と子が同じ棟の建物に居住している

・敷地の名義は親である

・子が住む部屋は無償で親から借り受けている

・被相続人(=親)の死亡後、10ヶ月以内までに相続人(=この場合子)が親と共に住んでいる

「小規模宅地等の特例」は、完全分離型二世帯住宅において適用されやすいものとなっています。

※詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。

 

2.共用部分をつくってしまったための「残念ケース」

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二世帯住宅には、大きく

・完全同居型

・一部共有型

・完全分離型

がありますが、共用部分のある「完全同居型」「一部共有型」において後悔される方が少なくありません。

夫婦はそもそも他人です。それでもなお、人生を共にするという決意をし結婚をします。夫婦間でもときに大きなストレスが生まれることがありますが、親と共に住むとなるとさらに大きな問題をはらむことも考えられます。

大人が何人も集い、暮らす家をつくることには、「いずれ問題が生じる」ことも検討範囲に含めておかなければなりません。

2-1.生活の時間のずれがストレスに

たとえ人間関係が円滑であったとしても、親世帯と子世帯の生活時間帯のズレから暮らしのストレスを生んでしまうことがあります。

えてして高齢の親は早寝早起きになりがちです。一般的そして働き盛りの子世帯は夜遅くに就寝ということも珍しくありません。共用スペースを作ってしまったがゆえに、親世帯は「なかなか眠れない」、子世帯は「親が気になって食事やテレビを楽しめない」ということもあるでしょう。

2-2.価値観の違いが軋轢を生む

価値観の出来上がってしまった大人が同じ屋根の下で複数名生活する、ということは、ときに考え方がぶつかり、その後の暮らしに悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

職場なら「仕事の時間だけお互いに我慢すればよい」と切り替えることができますが、家庭での出来事はそう簡単に“スルー”することはできません。特に一旦は同じ家で暮らすと決め、実際に家を建ててしまった後は後戻りすることはできません。

それでなくても、世に言う「嫁姑問題」は同居にあたってありがちなことです。これを事前に避けるためにも、完全分離型二世帯住宅にすることは必須、と言っても過言ではないでしょう。

 

3.売却するときも貸すときも、完全分離型二世帯住宅は有利

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二世帯住宅にしたために家族関係が悪化してしまった、また円満に暮らしていても親が亡くなった場合は、家の売却を検討しなければならないでしょう。そのようなときも、完全分離型二世帯住宅であれば買い手がつきやすい傾向にあります。

完全分離型二世帯住宅なら、買い手は「1階は自分が住み、2階は賃貸にしよう」という考え方をしやすいからです。完全同居の家ないしは一部共有型ならよほどの大家族でなければ購入の検討をしないでしょう。

最近は特に「大家族で暮らす」という家族形態はあまり多くありません。そのような近年の住環境を考慮しないと、いざというとき売却しようとしても売れない・安く売るしかない、という問題が発生します。

もし、親が亡くなったとき、空いたスペースを賃貸物件として貸し出すことができるのも完全分離型のメリットです。他人と共にスペース共有することに抵抗感を覚える人はまだまだ多数派で、シェアハウスにするとしても、その家の大家である相続人側に人を受け入れる心の余裕と管理能力が必要となりますので、そのハードルは高いでしょう。

3-1.相続人が複数名いるときも完全分離型二世帯住宅がよい

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相続人が複数名いる場合も、完全分離型二世帯住宅が有利です。空いたスペースを使い複数名で暮らすこともできます。また、上で触れたとおり「売りやすい」ことから、売却で得たお金を分割しやすいというメリットもあります。

 

4.完全分離型二世帯住宅は横割りがいい?縦割りがいい?

完全分離型の二世帯住宅のつくり方には、横割りと、縦割りがあります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、適した間取りを検討してください。

4-1.横割り(1階親/2階子)

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足腰が弱ってもその家で過ごしやすいよう親世帯を1階に、元気な子世帯を2階にする方法があります。

この場合、外階段をつくり玄関を別にすることになります。出入りもほとんどわからないこととなりますので、二世帯住宅の安心感を得るためには「積極的に会う機会を作る」必要があるでしょう。

また、キッチンやバスルームなどのいわゆる水周りの位置を充分に考えます。深夜、子世帯で料理をする・入浴するとなると、排水音が1階に響くこともあります。また、何かしかのトラブルで2階部分からの漏水が起きてしまったとき、親世帯の生活に影響することも考えられるので、音と水の問題を起こさないよう、適切な対策をとる必要があります。

4-2.縦割り(いわゆる二戸一住宅)

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長屋のように2棟の住宅でありながら外見からは1棟に見える「二戸一住宅(にこいちじゅうたく)」が、縦割りの二世帯住宅です。ほぼ同等の家を内壁で完全に分離することで、世帯を分けます。

上で触れた「横割り」で気になる排水音などの問題を避けることができます。しかしながら二世帯とも2階建てとしたときは、親世帯側でいずれ2階が使いづらくなることも考えておかなければならないでしょう。

縦割りのよいところは、二世帯いずれもが庭を持てるということです。お子さんが親世帯に遊びに行くことも自由ですし、自然に相互の見守りをすることができます。また、あまり考えたくはないことですが、火事に見舞われてしまったとき、どちらの世帯も地面に近いことから避難しやすいというメリットもあります。

 

5.完全分離型二世帯住宅のデメリットは?

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様々なメリットが考えられる完全分離型二世帯住宅ですが、デメリットがないわけではありません。それは、「積極的にコミュニケーションを取る事を心がけがなければ、隣の他人になってしまう可能性」です。

お互いの暮らしを干渉しない完全分離型二世帯住宅は、心地よくもありますが、一方で同じ屋根の下に住んでいる安心感が過度に現れてしまうと、寂しい家になってしまうことも考えられるのです。

マンションや賃貸物件の“お隣さん”が何をしている人なのか、どのような暮らしぶりなのかがわからないのと変わりがない事と同じ様な状態です。これを避けるために、庭を使ってやんわりと繋がる、もしくは週に数回は食事を共にするなどの配慮をしなければなりません。

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また、相続する人が2名以上だった場合、誰がその家に住むのか、家という形でない財産を手にすることができるのか、といった問題を生むこともあるでしょう。

これらを総合的に考えると、

・新しく建てる二世帯住宅でどのような暮らしをしたいのか

・親が要介護となったときだれが・どのようにケアをするのか

・相続人は何人いるのか

・家以外の財産はあるか

・いざというとき、家を売るという覚悟をもてるか

など、後の揉め事となり得る“問題の芽”を先に把握しておく必要がある、といえるでしょう。

また、昔ながらの同居(個々の寝室以外は全て共に使用する)の場合、キッチンやバスルーム、トイレなどの水回り設備はひとつで済みますが、完全分離の二世帯住宅の場合、これら設備を2セット作らなければなりません。単純計算で「水回り設備費用は2倍」となってしまうことも理解した上で家づくりに臨んでください。

 

6.二世帯住宅を建てるなら完全分離型はオススメ

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「超高齢化」が進む日本において、国も二世帯の家づくりに補助金を出したり、税金の面での優遇策を設けたりと、様々な対策を始めています。家づくりに必要な資金を圧縮できる可能性もある二世帯住宅は、これらのサポートもあり人気が出てきていますが、注意点も少なからずあります。

今、あなたが思い描いている二世帯住宅はどのようなものでしょうか。注文住宅ならではの二世帯住宅の工夫を見てみたいと思われませんか。使い勝手がよい上、個性的な二世帯住宅の事例をご覧になってください。

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