これからは、それぞれに個室のある家づくりを。個室を持つことのメリットと実例集
これからは、それぞれに個室のある家づくりを。個室を持つことのメリットと実例集のインデックス
これから私たちが迎える未来は、「withコロナ」の社会。新しい生活スタイルが求められ、それは家づくりにも影響してくるでしょう。そこで大きく変わるのが、個室に対する考え方。これからは家族それぞれに個室を持つことが大切になってくるかもしれません。そこで、個室を持つことのメリットやデメリット、個室のデザインや配置の仕方についてご紹介します。
【個室のポイント1】個室をもつ意味と、メリット&デメリットとは
個室をもつということは、家の中に自分だけの空間をもつということです。個室があれば、集中して仕事ができたり、静かな環境で読書ができたり、趣味に没頭したりと、自分一人の有意義な時間を過ごすことができます。また、誰にも邪魔されずにゆっくり休息できることも、個室をもつメリットの一つです。
さらに、今のようなコロナ禍の状況では、個室をもつことに大きな役割が加わったといえます。まず一つ目に、家族内での感染予防ができるということ。たとえば、家族の中で感染者が出てしまったり、発熱など具合が悪い家族がいる場合は、個室に隔離することで、家族間感染をできるだけ防ぐことができます。また、二階建て住宅であれば、トイレを各階に設けることも、感染予防の観点から有効といえます。一箇所のトイレを感染した家族専用にすることで、できるだけ感染の可能性を低くすることができます。
二つ目は、これからの「withiコロナ」の時代でも主流になっていくであろう、リモートワークをする上でもメリットが大きいということ。リビングなどの共有スペースでは、なかなか集中して仕事やオンラインミーティングをするのは難しいですが、個室があることでリモートワークを快適に行うことができるでしょう。家の中でのオンとオフをしっかり区切ることは、家族が家の中で快適に過ごすためにも大切なことです。
ただし、個室をもつことにはデメリットも。家族それぞれに個室を用意すれば、それだけ広めの敷地が必要になったり、延べ床面積が大きくなり予算もかさみます。敷地面積や予算には限りがあるでしょうから、書斎やワークスペースなどは家のデッドスペースなどを上手に活用したりと、工夫をすることでクリアできる場合もあります。
【個室のポイント2】個室にはどのぐらいの広さを確保すべき!?
個室にどのぐらいの広さが必要になるのかは、その目的によって異なります。子供部屋として使う場合は、ベッドと机、チェスト、本棚を置いても少し余裕がある6畳ぐらいが一般的。6畳の広さがあれば、小さいお子さんであれば遊ぶスペースが確保でき、成長すればお友達を部屋に呼ぶこともできるでしょう。
大人の場合、寝室とは別に仕事や作業用の個室を設けるのであれば、「書斎」や「ワークスペース」といった形を取ることが多いでしょう。子供部屋のように、ベッドやチェストなどを置く必要がないので、だいたい2.5畳〜4.5畳ぐらいの広さがあれば充分です。書斎や作業に集中するための個室であれば、少し小さめの空間の方がかえって集中できる場合もあります。
【個室のポイント3】個室を設ける場所で、使い勝手は大きく変わる!
子供部屋や寝室などは、家族の共有スペースであるリビングやダイニングから離れた間取りにした方が、静かな環境で過ごすことができます。書斎も仕事をするスペースですから、できるだけ家族の声が響かない位置がいいでしょう。
一方で、ママが使うワークスペースなどの個室であれば、キッチン脇やリビング脇など、生活動線から近い場所が便利でしょう。料理や家事をしながら、ちょっとした隙間時間を見つけて作業をすることができるなど、時間を有効に使うことができます。また、リモートワークをするママにとっても、子どもたちが遊んでいる横で仕事をすることができるので安心です。
【個室のポイント4】ロフトや書斎、本棚など、個室にプラスαの機能を
敷地に余裕があれば、個室にある程度の広さを確保することができますが、そうでない場合は、デザインなどに工夫をしてみましょう。たとえば、ロフトを設けることができる位置であれば、ロフト付きの個室にしてみるのも手。ロフトは収納代わりにもなりますし、広さによっては寝室にすることもできます。
また、個室に本棚やデスクなどの既製品を置くとなると、ある程度の広さが必要になります。小さな書斎であれば、必要な位置に必要な大きさのものを造作で作るのもいいでしょう。造作で設置することで、持っている書籍の量に合わせて本棚を作ることができます。
【個室のポイント5】子供部屋はあらかじめ仕切りができるデザインに
子供部屋を作るときに、まだお子さんが小さい間は一部屋として使い、将来的に壁を作って二部屋として使うご家庭も多いですね。このとき、いつでも部屋を仕切れるように、あらかじめ引き戸などを設けておくことで、いざという時に個室として使うことができます。
家族全員の個室を用意することができなくても、子供部屋はいつでも仕切りができるようにしておけば、隔離された個室を確保することができます。
【個室のポイント6】個室内で適度な距離を取りたいときは、スキップフロア
家族分の個室が確保できなければ、寝室のデザインに工夫をしてみるのも一つの手。都心部の住宅街のように限られた敷地に建つ家の場合は、家族ごとに個室を作る余裕がないかもしれません。その場合は、寝室をスキップフロアにすることで、ゆるく空間を仕切ることもできます。
できるだけベッドを離したい場合は、スキップフロアで分けてみましょう。つっぱり棒とカーテンなどを設置すれば、空間を一時的に仕切ることができます。
【個室のポイント7】小さな書斎部屋で、自分だけの時間を確保
書斎は家の中で仕事をしたり、本を読んだり、書き物をする場所。デスクの前に窓を設ければ、景色を眺めながら仕事ができ、小さいながらもとっておきの空間になるでしょう。家族で一緒に過ごす時間はもちろん大切ですが、ときには一人になって、ゆっくり作業ができるスペースを確保することも必要です。
これからリモートワークが当たり前の時代が来れば、家の中に書斎があることは、家族がお互いに気持ちよく過ごすためにも、メリットが大きいでしょう。プライベートと仕事を家の中でしっかり分ける意味でも、書斎はなくてはならない場所になりそうです。
【個室のポイント8】ママ専用の個室には、キッチン脇のワークスペースと兼用で
ミシンがけをしたり、洗濯物をたたんだり、パソコンを打ったりと、家事と並行しながら作業ができるワークスペースは、キッチンやリビング脇に設けると、使い勝手がよくなります。また、ワークスペースがあることで、作業中でもそのままの状態で置いておくことができ、作業をすぐに再開できるので、時間を有効に使うことができます。
さらに、家族とずっと一緒にいる状況では、たまにはママも一人になりたいときも。狭くても一人になれる個室をもっておくことは、家族が笑顔でいられる秘訣かもしれません。
【個室のポイント9】趣味の個室を設けて、家での時間が楽しくなる工夫を
コロナ禍の状況において、家で過ごす時間が長くなってくると、どうしても時間を持て余してしまうことも。せっかく家での時間がたっぷりあるのだから、家で趣味を楽しむ時間を大切にしたいものです。そんなときに、個室でもできることがたくさんあるはず。
たとえば、ホームシアターを設置して映画を楽しんだり、天体望遠鏡を置いて夜空を観察したり……。また、本棚をたっぷり設置して読書ルームにしたり、こだわりのレコードプレイヤーを置いて音楽を楽しむ部屋もいいですね。個室で快適に過ごすためにも、さまざまなアイテムを上手く取り入れてみるのもおすすめです。
まとめ
これから私たちが迎える「withコロナ」の未来では、家族が一緒に、時にはそれぞれに、家で楽しむ時間が増えていくかもしれません。そのためには、フレキシブルに使える子供部屋や、小さくても快適に過ごせる書斎やワークスペースなど、個室の存在が重要になっていきます。これから家づくりを考えるのであれば、家族がそれぞれに笑顔で過ごし、さらに安全に暮らせる、個室のある家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。