空間全体に大きな勾配天井が被さるLDK。南側は大型のサッシを連続して配置し、外部のウッドデッキによって床を延長させることで、とても開放的な空間に仕上がりました。脇の書斎スペースとの境には3枚の引き込み戸を建て、仕切って個室として利用することも、開放してLDKとの一体空間とすることもできるようにしました。
敷地は幹線道路から少し外れ、急勾配の道路を上がった先にある見晴らしが良い広大な市街化調整区域です。建築条件は景色を堪能できる大開口、そして重厚感ある平屋がほしいということでした。
まず、「割烹料理屋のような一見中がどうなっているか分からないような門構えにしたい」というご要望に応えるべく、焼杉の大きな壁により重厚感を持たせ、あえて正面は閉鎖的に見せました。そして檜葉の格子戸にすることで焼杉との色のコントラストを強調させつつ光がもれるようにしました。
格子戸を開けると中庭が現れ、閉鎖感から開放感(室内)の間の空間を演出しています。玄関引戸を開けると正面にはガラス戸越しにペレットストーブと大きなスクエア型の窓から紅葉が見えます。LDKへ入ると景観を一望できる大開口の窓があり、勾配天井にすることでより一層開放感を強調させました。外観の閉鎖感からの室内の窓から見える眺望は圧巻です。
共働きのご夫婦ですので家事動線は極力短く、キッチンのすぐ横の洗面所から中庭(物干し場)に干す→家族全員一体の大きなウォークインクローゼットにしまう→各自そこから着替えを持っていく、というシンプルな動線にしました。
もう一つの大きな要望として本好きなご家族のための図書館のような図書スペースが欲しい、というものがありました。そこで学校から帰ってきたらランドセルを置き、服をかけ、そのまま宿題をしたり本を読んだり・・・そしてお子様が寝静まったアフター10はご夫婦でアプローチの中庭を見ながらゆっくり本を読んだり、PCをしたり、そんな家族が集まる図書スペースにしました。
お子様がお庭で走り回り、ご主人様がウッドデッキでビールを飲みながら日向ぼっこ、それを奥様がキッチンから眺めている・・・そんな幸せあふれる光景が今にも目に浮かぶような家になりました。