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デザイン・性能・保証に優れた重量木骨の家とは?

パッシブデザインの住宅で年中快適に。自然を生かした家づくりについて解説

更新日:2024.6.21 作成日:2018.12.3
パッシブデザイン
新しく家を建てるなら、夏は涼しく冬は暖かく、一年中快適な家が理想的ですよね。近頃は、照明や空調設備に頼らず、自然の力を利用するパッシブデザインの家づくりに注目が集まっています。今回は、このパッシブデザインについてご紹介します。


パッシブデザインとは


住み心地にこだわったパッシブデザイン
パッシブデザインとは、太陽光、風、地中熱などの自然エネルギーを活用し、冷暖房や照明などの負荷を最小限に抑える住宅設計手法です。設計の工夫によって建物自体の性能を高めることで、エアコンやヒーターなどの家電に頼らず快適な室内環境を実現します。地球と人に優しい家づくりといえますね。


パッシブデザインのメリット


床下エアコンのあるパッシブデザイン
パッシブデザイン住宅は、ランニングコストの大幅な削減が最大のメリットです。自然エネルギーを最大限活用することで、冷暖房機器や照明に頼る割合が低くなり、光熱費の負担が軽減されます。さらに、心地のよい日差しと風といった、自然の恵みを享受できる点も魅力です。家の中の温熱環境の変化が緩やかになり、体調を崩すリスクも下げられます。


パッシブデザインのデメリット


屋根の形が特徴的なパッシブデザイン
パッシブデザインのデメリットは、設計と施工のコストが一般住宅より高くなることです。高性能な断熱材や特殊ガラスの使用、工夫を要する構造など、初期費用がかかります。ただ、先ほどメリットでご紹介した通り、パッシブハウスは光熱費を節約できるため、長期的に考えれば投資する価値があると言えるでしょう。また立地条件によって自然エネルギーを十分に取り入れるためのプランが変わるので、設計期間が長期化することも考えられます。


パッシブデザインの5つの要素

パッシブデザインには主に5つの設計要素があります。それぞれの要素について知り、新居の計画に役立てましょう。

1.断熱・気密

陽当たり抜群のパッシブデザイン
住宅の高気密・高断熱性は、パッシブデザインの根幹をなす重要な要素です。外壁、天井、床、開口部などに高性能な断熱材を使用し、隙間なく施工することで、室内外の熱の出入りを最小限に抑えます。また、気密テープなどを用いて建物全体の気密性を高めれば、隙間風などによる熱損失を防ぐことができます。


2.日射遮蔽

ルーバーが特徴的なパッシブデザイン
夏場の強い日差しを防ぐには、日除けの工夫が不可欠です。パッシブデザインの家では、軒の出を長くしたり庇を大きくしたりするなどの工夫が見られます。また、日除けになるような樹木を庭に植える、窓の外でグリーンカーテンを育てる、ルーバーを設置する、といった対策も有効です。南向きや西向きの窓の日射は特に強いため、確実な日除け対策を講じる必要があります。


3.自然風利用

明るく風通しの良いパッシブデザイン
パッシブデザインでは、自然風を利用した換気も可能です。窓の開閉位置や建物の向きを適切に設計し、涼しい外気の通り道を確保します。夏場のエアコンが苦手という方にとっては、外気から取り入れる涼しい風で冷房効果を得られるのは嬉しいですね。


4.昼光利用

光と風に満ちたパッシブデザイン
採光しやすい設計であれば、日中は照明に頼る必要もなくなるでしょう。日当たりのいい南面に大きな開口部を設けたり、室内の間仕切りを一部ガラスにするなどの工夫で、家の奥まで光を届けることができます。トップライトや光ダクトを設置すれば、上階から下階まで垂直方向にも光が届くでしょう。


5.日射熱利用暖房

大きな吹き抜け窓のパッシブデザイン
冬の寒さは日射熱を利用して和らげることが可能です。日当たりのよい場所に土間空間やサンルームを作れば、日中に熱を蓄え、時間をかけてゆっくりと放熱し、夜まで家の暖かさを保つことができます。日中も夜間も暖かい家であれば、暖房器具を使う頻度を下げることができるでしょう。


パッシブデザインの家づくりのポイントと施工事例

パッシブデザインの5つの要素を組み合わせた快適な住宅づくりのポイントを、事例とともにご紹介します。

家の形はシンプルに

窓の配置にこだわったパッシブデザイン
家の形をシンプルにすれば、外から取り入れた光や風を家全体に行き渡らせやすくなります。こちらの住宅は、スッキリとした四角形のシルエット。敷地は東西に長い不整形地で、面積の狭い東側のスペースはデッキと駐車場に当てています。日差しをたっぷり取り入れられるよう、東側のデッキ横と南側の吹き抜け上部に大開口を設けています。


風通しの良い窓の配置

採光や風通しが計算されたパッシブデザイン
風通しを考える際、窓を直線上に2ヶ所開けて、風の入口と出口を作るのが一般的です。こちらの住宅の場合は、中庭に面した全ての壁に開口部を設けているため、四方から風を取り込めるようになっています。吹き抜け上部にも開閉窓を設置しているため、風通しはもちろん、光を取り入れたり、熱を逃したりしやすい造りとなっています。


吹き抜け・天窓から採光

天窓から光差し込むパッシブデザインの家
吹き抜けや天窓を設ければ、日光を建物の奥まで行き渡らせることができます。こちらの事例では、LDKの吹き抜け上部に天窓を設け、室内全体に柔らかな光を取り込んでいます。プライバシーの確保のため大開口を設けられないという場合は、窓をすりガラスにしたり、外から見えにくい高さに配置したりするなどの工夫ができます。住宅密集地の狭小住宅であっても、吹抜けと天窓によって明るく快適な空間を作ることができるでしょう。


まとめ

パッシブデザインの家では、自然を賢く利用することで省エネルギーと快適性を両立することができます。ここでご紹介した5つの要素を適切に組み合わせることで、照明や空調設備に頼りすぎない生活を実現できるでしょう。パッシブデザインは、長期的なメリットも大きいので、ぜひ検討してみてください。

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