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借景で暮らしに潤いを。四季折々の景色を切り取る窓のアイデア

更新日:2024.7.16 作成日:2020.11.15
借景
大昔から豊かな自然とともに生きてきた私たち日本人にとって、自然を身近に感じられる暮らしは理想の暮らしと言っても過言ではないでしょう。美しい自然を住宅に取り入れる方法の一つに「借景」という技法があります。今回は、その借景について解説していきますので、暮らしに癒しと潤いをもたらすアイデアを、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。


借景とは


2階ホールの竹藪の借景
借景とは、もともとは造園における技法で、遠くに見える自然の風景を庭園の景観の一部として取り入れることを指します。現在は住宅デザインの技法として、敷地の外に見える自然の風景を庭に取り込んだり、窓から切り取ったりすることにも使われます。家の敷地が狭くても、自然から景色を“借りる”ことで、奥行きのある景観を形成できるのがメリットと言えるでしょう。


借景を家づくりに取り入れる際のポイント


嵐山の借景を楽しむための家
借景を家づくりに取り入れる際に、気をつけたいポイントについて解説していきます。美しい景色の映える住まいを目指しましょう。


ロケーション

美しい景色を自宅に取り込むためには、土地を探すところから始めましょう。海、山、森林、空、公園、夜景など、自分が気に入った景色が見える場所を選ぶと良いでしょう。地形としては、周囲を一望できる高台や、視界が開けている坂の上などがおすすめです。


間取り

どの部屋に景色を取り込みたいのか、どのような視線の高さで眺めたいのか、イメージを固めてから部屋の間取りを決めます。自然に視線が景色に誘導されるような動線も作りましょう。また、景色を取り込むだけでなく、外からの視線を遮るプライバシー対策も必要です。


インテリア

借景を映えさせるためには、外の景色と部屋の内部の調和が欠かせません。このため、家具選びは重要です。シンプルなデザインのものを選び、数を少なく配置するのがベスト。視界をすっきりさせて、景色を際立たせると良いでしょう。


借景は窓選びが重要

美しい景色を楽しむためには窓選びも重要です。景色をどのように切り取りたいかによって、選ぶべき窓のタイプは変わってきます。

FIX窓(はめ殺し窓)

中庭の借景を楽しめるキッチン
FIX窓(はめ殺し窓)とは、開け閉めできないように固定されている窓を指します。鍵や開閉レバーなどが取り付けられていないため、見た目がすっきりしていて、景色をより際立たせます。外の景色を切り取って絵画のように見せる窓を「ピクチャーウインドウ」と呼びます。FIX窓は、そのようなピクチャーウインドウに適していると言えるでしょう。


大開口

借景の広がる大開口
美しい景色を視界いっぱいに眺めたいのであれば、大きな窓がおすすめです。壁一面に大きく開口部を設ければ、迫力ある風景を室内に取り込むことができます。開口部が大きくなることで、家と外との隔たりが感じられにくくなり、室内にいながら大自然との一体感を味わえるでしょう。


高窓・地窓

地窓の借景がおしゃれなリビングダイニング
部屋の高い位置または低い位置に窓を設けて、ピンポイントに景色を切り取るのも良いでしょう。空を眺めたければ高窓や天窓を、足元の草花を楽しみたければ地窓を設置しましょう。景色を小さく切り取るからこそ、壁に余白が生まれ、景色をより一層際立たせることができます。また、外部からの視線が気になりにくい点もメリットです。


借景にこだわった住宅事例

借景にこだわった住宅の事例をご紹介します。美しい自然を自宅に取り込み、より豊かな生活を送りたい。そのような理想を叶えるアイデアを見比べてみてくださいね。

公園の景色を取り込んだダイニング

借景を利用したダイニング
このダイニングは公園に面していて、ピクチャーウインドウが木々の緑を切り取っています。食事をしながら景色を楽しめる窓の配置に工夫が感じられますね。この部屋はリビングとひと続きで、勾配天井になっています。借景として取り込まれた公園の緑が、明るく開放的な空間に涼やかさと癒しをもたらしています。


絵画のような桜並木

365日、借景を取り込む窓
樹齢60年の桜並木に一目惚れして選んだという土地に立てられたこちらの住まい。玄関扉を開けた先に窓が配置されており、家に入ると目の前に満開の桜が飛び込んできます。FIX窓を使っているため、絵画のような美しさがさらに引き立っています。桜は春だけでなく、夏の新緑、秋の紅葉、冬の枯れ姿……と四季の移ろいを楽しむことができ、暮らしに彩りを与えてくれます。


枯山水と竹藪が見える茶室

竹林を借景として楽しめる和室
こちらの事例は、伝統的な造りの茶室です。日本庭園のような枯山水の庭の向こうには竹林が自生しており、これを借景として取り込んでいます。開口部は上半分が障子で隠されていて、畳に座った状態で下から外の景色を眺めます。和の真髄である慎ましさ、奥ゆかしさが感じられる美しい設計の空間です。


まとめ

今回は、借景という技法についてご紹介しました。借景を住宅に取り入れる際は、土地探しや部屋づくり、窓選びなどが重要であると言えそうですね。これらのポイントを参考に、自然と共生する暮らしを叶えていきましょう。

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