間取り次第で快適に! 9つの例から見る、建てたい狭小注文住宅
間取り次第で快適に! 9つの例から見る、建てたい狭小注文住宅のインデックス
狭小住宅と聞くと、とても小さな家をイメージするかもしれません。たしかに、外観はコンパクトに見えますが、間取りやデザイン、設備などの選び方を工夫することで、室内を敷地面積以上に広く感じられる空間にすることもできるのです。そこで今回は、狭小住宅で取り入れたい、9つの間取りやデザインのアイデアと、坪数別、目的別に事例を通してご紹介します。
狭小住宅の人気の理由とは?
狭小住宅とは20坪程度以下の土地に建つ住宅の事ですが、都市部を中心にその人気が高まっています。家を建てるとなると、なるべく広い空間を作りたいと思うのでは? と考えがちですが、人気があるという事はその理由があるからと言えますよね。ここでは、その人気の理由を探ってみたいと思います。
利便性が高い場所で暮らせる
狭小住宅しか建てられない小さな土地と言うのは、ほとんどの場合、利便性が高い都心部という事になります。学校や職場が都心にある場合などは、都心に家を建てることで移動の時間が短くなるでしょう。それだけで通勤や通学の時間が短縮されて、ストレス軽減につながります。その他にも、休日も都心で活動する生活スタイルの方にとっても、便利な住まいといえそうですね。このように同じ価格であっても、コンパクトな住まいを受け入れれば都心で便利で快適な生活を送れるという理由から選ばれています。
土地代や固定資産税が安い
土地が小さくなるという事は、もちろんそれだけ土地の価格は安くなりますし、固定資産税に関しても同じことが言えます。イニシャルコストももちろん大事ですが、ランニングコストである固定資産税は土地を持っている限り継続して支払う必要があるので、その価格が安くなるというのは大きなメリットですよね。また、都心部であれば土地の価格は大きく崩れることがないということから、将来性があるという事も人気の理由と言えます。
ランニングコストが安く抑えられる
狭小住宅は、その居住空間自体が小さいことから、空調費などのランニングコストに関しても低く抑えることが可能です。小さな空間で効率的に冷暖房を効かせることが出来ますし、窓を大きく取るような間取りにすれば、昼間の照明も不要になります。さらに狭小住宅は都心部に建つことが多いことから、毎日の通学や通勤に掛かる交通費も安くなります。また便利な都心部では車を持つ必要もないので、車を持つ人に比べてその費用が不要という点もメリットと言えるでしょう。
おしゃれな狭小住宅の9つの間取りアイデア
都心部で戸建て住宅を建てようとすると、土地の広さに限りがあることが多く、必然的に狭小住宅になってしまうご家庭もあるでしょう。また、駅近など利便性を優先して考えると、コンパクトな土地を選ばざるを得ない状況になることもありますよね。
しかし、実は狭小住宅にこそ、空間を有効活用でき、また採光や通風を効果的に取り込むアイデアが満載なのをご存知でしょうか。たとえば、自然な形で部屋を区切りながらも、家全体をひとつの大きな空間に見せるためにスキップフロアや吹き抜けを採用する……。階段下の空間を活かしたり、造作家具で収納スペースを確保することで、限られた空間を最大限に有効活用する……。中庭やサンルームなどで上からの陽光と通風を室内に効果的に取り入れるなど、さまざまなアイデアがあります。
さらに、非常にコンパクトな土地や変形地などは、通常の価格よりも低予算で購入することができるので、その分、家の建築費に予算をかけられるというメリットもあるでしょう。また、広い土地にゆったりと建つ家とは違って、変化に富んだユニークな家づくりができるというのも、魅力のひとつかもしれません。
注文住宅での家づくりであれば、その土地に合ったプランニングをすることができるので、限られた空間や変形地であっても、アイデアを駆使して快適な家づくりが実現できるのです。
狭小住宅のキッチンとダイニングの動線は短めに
ダイニングテーブルでくつろぐ家族や友人と、会話をしながら料理や家事をする……。そんな理想的な毎日を過ごすことができるのが、このようにキッチンとダイニングテーブルをキュッと近づけた間取りです。スペースに限りのある狭小住宅では、いかに家事動線をコンパクトにするかがカギになると言えるでしょう。
また、家具選びもポイントに。ダイニングテーブルの椅子をソファータイプにすることで、壁にピッタリとくっつけて使うことができ、狭い空間でも大きめのダイニングテーブルを置くことができるのです。
こちらは、キッチンの作業台を造作し、ダイニングテーブルと一体化させたデザインを採用。このようなアイデアによって、限られた空間に大きめの作業台とダイニングテーブルを置くことができ、狭小住宅でも調理や食事を快適に行うことができるでしょう。
作業台とテーブルが一体になっていることで、料理を作って盛り付けたら、そのままお皿をスライドさせてテーブルへ。食事後の片付けももちろんスムーズです。無駄な動きが減るので、小さな空間でも複数人で調理ができたり、片付けをする際にも便利。共働きでウィークデイは忙しいというご夫婦には、とくにおすすめの間取りと言えそうです。
狭小住宅はスキップフロアで空間を広く見せる
こちらのお宅は、細長い敷地と高さを上手く組み合わせて、スキップフロアの間取りを取り入れています。数段ずつの段差でつながっていることで、ひとつの大きな空間として感じられながらも、自然な形で部屋の役割が分けられています。この間取りは、狭小住宅でよく取り入れられる人気のアイデアですね。
狭小住宅では、部屋と部屋をつないでくれる廊下を設けることが難しい場合も多いでしょう。そんな時には、スキップフロアを活用することもできます。こちらのお宅は、玄関土間を入って数段上がると、こちらのダイニングキッチンに。玄関とダイニングキッチンが同じ高さになっていると、玄関扉からダイレクトに室内が見えてしまいますが、高さを変えることで空間をゆるく仕切ることができるのです。
狭小住宅ではサンルームや中庭から光と風を
こちらのお宅は住宅密集地にあり、建物の南側と東側が隣の住宅によってふさがれている立地環境。このような狭小住宅で取り入れたいのが、外に向かって作るベランダを設けずに、家の内側にサンルームや中庭を設けるアイデアです。吹き抜けの上部に天窓を設けて、光と風を上手に取り込むことで、住宅密集地とは思えないほど明るく気持ちのよい空間になっています。このお宅のようにサンルームの天井にバーを設置すれば、室内でも洗濯物を干すことができるでしょう。
建物の内側に、小さいながらも中庭を設けるのもいいですね。狭小住宅では、外側に面した庭を持つことは難しくても、内側に小さな中庭を設けて、外空間を楽しむこともできるのです。建物で囲まれた中庭なら、周囲からの視線を気にすることなく、家族でリラックスして過ごすことができるはず。また、中庭に向かって大開口が実現できたり、上からの陽光や通風を確保して、室内に取り込むことができるのです。
壁や扉部分をガラス素材にして広く見せる
部屋と部屋の仕切りとなる壁や扉などは、狭いスペースでは圧迫感を感じてしまうことがあります。そこで、壁ではなくガラス素材にして向こう側が見えるようにすることで、空間が広く感じられる効果が期待できます。
こちらのお宅では、階段とリビングルームを仕切る壁の、腰から上部分をガラス素材に。このようなデザインにすることで、リビングルームがガラスの向こうまで広がっているように感じられるでしょう。また、家族が帰ってきたり、出かけていく様子をいつでも見守ることができるなどのメリットもあります。
リビングルームに入る扉をガラス素材にした、こちらのお宅。玄関から家の中に入ると、目の前にこちらのリビングルームが見えるうえ、扉によって視線が遮られないため、圧迫感を感じません。また、室内側からも視線が扉の外側まで届くので、実際のリビングルームより広さを感じるでしょう。
キッチンで料理をしていたり、リビングルームでくつろいでいても、家族が帰ってくるのを迎えたり見送ることができ、家族間のコミュニケーションも一層深まるはずです。
スケルトン階段の下空間を活用した狭小住宅
狭小住宅では、できるだけ空間を有効活用するために、スケルトン階段を採用するご家庭が多いようです。スケルトン階段にすることで圧迫感がなく、上階からの光と風を階下まで届けることができます。また、階段下の空間も、さまざまな目的で活用することができるのも魅力です。間接照明を置いたり、グリーンやオブジェを素敵に飾ったりと、余裕のある暮らしを楽しんでみるのもおすすめです。
ちょっとしたデッドスペースでも、アイデア次第で上手に活用することができます。こちらのお宅では、階段下に小さなライブラリーを造作。床を少し下げて、ラグを敷いたりクッションを置くことで、隠れ家のような雰囲気にすることができます。お子さんの好きな本を置けば、ここで夢中になって読書をしてくれるでしょう。お子さんが大きくなったら、また違った活用方法を考えてみるのもいいですね。
ロフトや吹き抜け空間で明るさと開放感を
細長い狭小住宅の場合、どの部屋にもしっかりと採光を確保することが課題になることが多いでしょう。とは言っても、周囲が住宅密集地であれば、大きな開口部を設けることが難しいことも。そこで、家の中に吹き抜けを設ければ、建物全体に明るい光を取り入れることができます。
こちらのお宅では、縦長の吹き抜けを間取りに取り入れて、細長いロフトスペースを配置。部屋にするには使いにくい形ですが、お子さんたちの勉強スペースやリモートワークの場所にすることで、空間の有効活用ができています。
こちらは、二階部分にオープンスペースを設けた間取り。お子さんたちの勉強スペースとして使っています。吹き抜けと上部の大開口を組み合わせたことによって、狭小住宅でも明るく開放的な空間に仕上がっています。吹き抜け上部にお子さんのスペースを配置したことで、家族間でいつでも会話ができ、お互いに気配を感じ合うことができるでしょう。
キッチンの上がロフトスペースになっている、こちらの狭小住宅。キッチンは換気フードを設置したり、手元を照らせる照明が必要になるため、天井が高すぎるのはかえって使いにくくなります。そこで、キッチンの天井上をロフトにすることで、空間を無駄にしません。
造作家具で小さな空間を有効活用する
室内に購入した家具を置いてみたら、思いがけずにスペースを取ってしまった、想像していたより大きくて圧迫感がある、無駄なスペースが生まれてしまった…などの失敗をすることがあります。そこで、狭小住宅で空間に限りがあるのであれば、できるだけ造作家具を活用するのがおすすめです。
例えばこちらのお宅では、キッチンカウンターの下の空間に一枚板を使って、スタディスペースを造作。このような空間はデッドスペースになりがちですが、ここに机があることで、お子さんが勉強したり、アイロンがけやミシンなどの家事スペースにもなります。
狭小住宅は、いかに収納場所を確保するかも、快適に過ごすためのカギになります。こちらのお宅では、ロフトの下に造作棚を設けて、リビングルームの収納力をアップ。造作であれば、しまいたい物のサイズに合わせて作ることができるメリットもあります。
小さなお子さんがいると、リビングで遊ぶおもちゃ入れが必要になるでしょう。そこで、リビングにベンチを作り、その下に収納を設けるアイデアも。このようなベンチは、ただ座るだけではなく、時にはお子さんの遊びや勉強スペースになったり、家事をする場所になったり、グリーンやオブジェを置いたりと、さまざまな使い方ができます。
狭小住宅の水回りは一つに集約してコンパクトに
狭小住宅でありながら、リビングルームの奥にまとめられた水まわりは、ゆったりとした空間に仕上がっています。家族用のトイレを洗面内に配置したことで、広く使い勝手の良い洗面スペースが実現。また、バスルームの扉をガラス張りにすることで閉塞感がなく、より広く感じられるのでしょう。バスタブやトイレ、洗面などの設備のデザインをシンプルにすることで、スッキリと清潔感のある空間になっています。
こちらのバスルームは、壁を打ちっぱなしの素材にすることで、クールな印象に。また、洗面所とバスルームの壁をすべてガラス張りにしているので、まるでひとつの空間のように感じられます。限られたスペースではあるものの、白×打ちっぱなしの素材によってシンプルに見せています。また、洗面所にも収納スペースをできるだけ確保できるとベストでしょう。
狭小住宅の玄関は、収納力がカギに
限られた敷地内で、できるだけ居住スペースを確保しようとすると、廊下や玄関がだいぶコンパクトになってしまうことも多いもの。しかし、玄関には靴を収納するシューズクロークをしっかり確保しないと、いつでもスッキリと片付いた玄関にすることはできません。そこで、可能な限りの収納力を確保できるデザインを採用しましょう。
こちらのお宅は、床から天井までの壁一面のシューズクロークを設置し、収納力をアップ。フラットなデザインにすることで、玄関がスッキリと広く感じられます。
こちらは、玄関と階段を同じ空間にして、階段下をシューズクロークとして活用したデザイン。階段の半分をスケルトンにすることで、上階からの光と風が玄関まで届きます。玄関は暗くなりがちですが、階段と組み合わせることで、上階からの陽光で明るい空間にすることができるでしょう。
【坪数別】狭小住宅の間取り実例
一口に狭小住宅と言っても、実際には土地の大きさによってその空間は変化していきます。以下に敷地面積別の事例をご紹介します。小さい土地に建つコンパクトな住宅ながらもそれぞれ、広々とした空間を確保できるような工夫がありますので、是非参考にしてみてください。
【10坪】吹き抜けからの光が明るいLDK
敷地面積10坪という超狭小地に建つこちらの事例では、家の中に光を取り込むために吹抜けを活用しています。ダイニング上部に吹抜けを設置し、その吹き抜けに面して開口部を設けているので、その開口部から直接光がダイニングに届くというデザインになっています。
これによってLDKのある2階が明るくなることはもちろん、LDKで育てている観葉植物にも太陽の光を届けることが出来て、室内に居ながらにして豊かな緑を愛でながら生活が出来るという訳ですね。また、リビングに面して階段が設置されていますが、この階段も、鉄骨と木材で構成されたストリップ階段で、視線が抜けるようにデザインされているので空間の広がりを感じることが出来ます。
【17坪】上品な内装の空間を最大限に活用した住まい
敷地面積17坪の土地に建つ狭小住宅です。こちらは隣地に空地が有ったことから、そちら側にバルコニーと大きな開口を持って来るというところから計画がスタートしました。LDKとバルコニーを、2階のメインの空間に絞ることで、広々とした一室空間が実現しました。また床材や壁材も白や明るい色を採用することで。空間を広く感じさせることが出来ていますね。
狭小住宅で重要な、明るさとプライバシーの確保と言う正反対の要素を両立させています。こちらの事例では、空地側に大きな窓を設置することで明るさを確保し、建物が建つ隣地側にはハイサイドの窓を設置して、明るさを取り入れながらもプライバシーもきちんと確保されています。
【18坪】3匹の愛猫と暮らす、バルコニーのある狭小住宅
敷地面積18坪の土地に建つ、木造三階建ての狭小住宅です。リビングとバルコニーが3階にあるので、ルーフバルコニーをアウトドアリビングのように使う事が出来ます。通常は2階にリビングがあることが多いと思いますが、思い切って3階に持ってくることで、明るさを確保できます。
また、ルーフバルコニーには目隠しがあるので、外部からの視線も気になりません。ルーフバルコニーはなかなか普段使いが難しい場所でもありますが、このようにリビングに接して作ることで日常的に使う事が可能ですね。キッチンからのアクセスがいいというのも使い勝手が良さそうです。
【19坪】狭小地であることを感じさせない16畳リビングの家
敷地面積19坪の土地に建つ、16畳のリビングを持つ狭小住宅です。周辺には建物が近接して光が入りにくい条件の土地でしたが、3階の南側に設けたバルコニーと吹抜けを通して、2階リビングへと南面からの明るい光を届けることに成功しました。また2階にもバルコニーが設置されていますので、そこから光が入り、空間全体が明るくなっています。
さらにLDKはL字型に配置されていて、バルコニーの開口部はリビング部分にもダイニング部分にも面しており、どちらで過ごしても明るさを感じることが出来るようになっています。奥様こだわりのステンレスのキッチンも、明るさを感じる素材の一つといえるでしょう。
【21坪】開放的な吹き抜けのあるホテルライクな狭小住宅
敷地面積21坪の土地に建つ狭小住宅。既存の建物を壊して建て替えをする計画だったため、法律の規制により、建て替え前よりも建てられる面積が小さくなってしまうという悪条件からスタートした家づくりだったそう。そこで少しでも広がりを感じるようにするために採用した一つの手法は、吹抜けを活用する事。
リビング階段に面する位置に大きな吹き抜けを作り、吹抜け上部には開口部を配置。リビング自体には開口部がないプランながらも、十分な明るさと広がりを感じる空間に仕上がっています。また、もう一つは家具を造り付けにしてスッキリとした空間を作ることで、実際よりも大きな空間に感じられるLDKが実現しました。
【22坪】勾配天井とバルコニーで広がりを感じる間取り
敷地面積22坪の土地に建つ狭小住宅です。2階建て木造住宅の2階部分にLDKを配置。勾配天井にすることで、小屋裏部分も空間として有効活用し、広がりを感じられる空間になっています。また、小屋裏の仕上げに木材を使用することでオシャレな雰囲気になり、空間の小ささにはフォーカスされないつくりになっています。LDKはL字型に配置されて2面からアクセス出来る、6.5畳のデッキバルコニーが備えられています。
このバルコニーからは、川の音が聞こえ前方には山も臨めるという好条件が揃った環境です。外部の環境も含めて広々とした開放感を感じる狭小住宅ですね。
【25坪】狭小地とは思えない伸びやかさのあるLDK
敷地面積25坪の敷地に建つ狭小住宅。周囲を3階建て住宅に囲まれた住宅密集地ですが、幸運にも東側が用水路に接していたことから、2階のLDKは用水路側に大開口を設けて明るい空間を実現しています。庭の緑が大きく育てば、明るさと緑の両方を楽しめる空間となります。
南側には3階建の住宅が建っているため、南側にオープンな作りの螺旋階段を配した階段室がありその南面の壁に、開口部を作ることで太陽の光と暖かさを室内に取り入れています。また、屋上にはデッキと土を入れた庭を作っていますので、狭小住宅でも家庭菜園を楽しめる豊かな暮らしが実現しています。
【目的別】狭小住宅で叶う理想の住まい
狭小住宅を建てるとなったら、まずはその家でどういう風に暮らしていきたいかを詳細にイメージすることが大切です。限られた空間を最大限に活用するためには、条件や目的が明確である必要がありますね。以下に目的・条件別の狭小住宅の事例をご紹介しますので参考にしてみて下さい。
【ガレージハウス】
狭小住宅の場合は車を必要としない建主が多いのも事実ですが、駐車場を作れないというわけではありませんので、車好きの方もご安心下さい。こちらは、ビルトインガレージを1階に設けた狭小住宅です。ビルトインガレージは相当のスペースが必要なので、1階は玄関とプライベートスペース、そして2階にLDKというパブリックスペースを配する計画となりました。L字型に配置されたLDKには中庭形式のテラスがあり、とても明るい空間になっています。
【3階建て】
敷地の条件にもよりますが、狭小な土地の場合は横に住空間を広げることができませんので、縦に増やせる事が出来れば、それを活用しない手はないでしょう。この事例は3階建ての場合の狭小住宅になります。1階はビルトインガレージ、2階にLDKを配し、3階はプライベートスペースとなります。2階のリビングに面して大きなバルコニーがあり、明るい日差しが差し込みます。バルコニーの先には目隠し壁もあるので周囲の視線も気になりませんね。
【変形地】
狭小住宅は、変形地でも建てられるということがメリットでもあります。こちらの事例では変形な敷地に合わせて間取りがプランニングされています。一番広い空間が取れて、かつ、陽光を取り入れやすい2階にリビングを計画。仕上げ材や家具の色を全体的に明るめにすることで、視覚的にも広さを感じやすくなっています。LDKの一部に畳コーナーがありますが、その畳の色もフローリングの色に合わせることで、統一感がありながらも空間をゆるやかに仕切っています。
【ルーフバルコニー】
縦に空間を広げていくという意味では、屋上にルーフバルコニーを作り、地下には地下室を作ることでも空間を広げられる可能性があります。こちらの事例では土地が15坪という狭小な土地に地上2階建てプラスルーフバルコニー、さらに地下一階という3.5層の空間を作りました。全てがコンパクトでありながら収納を天井まで使ってたっぷり作っていることで使いやすい空間となっています。ドライエリアが設置されている地下室では、光を取り込んだ明るい和室が好印象ですね。
狭小住宅だからこその良さを生かした家づくりを
土地がコンパクトであったり、変形地だからと言って、理想の家が実現できないというわけではありません。小さいというデメリットを逆手にとって、上からの陽光や採光ができるプライベート感のある家づくりができたり、変化に富んだユニークな間取りができるなど、広い家にはない魅力がたくさん詰まっているのです。
狭小住宅ならではのさまざまなアイデアを参考にして、納得のいく、自分たちらしい家づくりを楽しんでみてください。