【実例紹介】実用的なロフトのある家を実現の為、気を付けるポイント徹底解説!
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家内部のデッドスペースを有効活用するひとつの方法に、ロフトがあります。「+0.5部屋」ともいえるロフトは、そのつくり方によっては収納や書斎、寝室として使うこともできますので、とても便利です。
しかしながら、その特殊な性質により、ときに使いづらい・いずれ使わなくなるスペースになってしまう可能性もあります。
ロフトのある家づくりをする場合に、どこにロフトを設けるか、またどう使うかによって、そのデザインは変わってきます。そこで、プランニングの段階で、ロフトを使う目的をしっかり考えておくことは大切になってきます。
今回はロフトについてご説明すると同時に、上手なロフトのつくり方、利用方法などをデザインの実例も交えてお伝えしたいと思います。楽しく便利なロフト作りにお役立てください。
1.ロフトとは?
ロフトとは、ご存じの通り天井を取り払い、屋根裏部分を利用するスペースのことです。建築基準法に則って、次のようなポイントをクリアしたものがロフトです。
・1.4メートル以下の天井高
・面積はロフト部分直下階の8分の1まで
・ロフトへかけるはしごは固定されていてはならない
このような制約があってもなお、追加のスペースができるのはとてもうれしいものです。
2.ロフトのメリット
ロフトがどういう空間かということはお分かりいただいたと思うので、次にロフトを設置することでどんなメリットがあるのかを見てみましょう。これらのメリットに魅力を感じたら、自分たちの家づくりにロフトを設置することを考えてみてくださいね。
2-1.大きな空間を有効に活用できる
ロフトは、ある空間の中にもう一つ天井を作ることで完成する空間と言えます。LDKなどの大空間にロフトを作ることで、大きな空間の一部が分割されて、より有効に活用できるのではないでしょうか。
視覚的にもアクセントになり、空間としての面白みを加えることもできるでしょう。ロフトとその周りの空間を、より広く見せるには小屋裏の部分を取り外し、屋根勾配の形も活かすように作るといいですね。
2-2.部屋がより開放的になる
ロフトは、その付随する空間との間に壁がないので、空間全体として一体感があり、開放感を味わうことができます。また、ロフトの上からの眺めは、住空間全体を俯瞰的に眺めることができるので、空間の広がりを感じられるでしょう。
ロフトと吹抜けがセットになった空間の上部に、高窓を設けたり、屋根に天窓を設ける事で、自然光を高い位置から室内全体に取り込むことが出来ます。こうすることで、上を見上げた時にも明るさを楽しむことができる、開放的な空間を味わえます。
2-3.固定資産税が安くなり節税につながる
例えば天井の高さや、家全体の面積に対する、ロフト部分の床面積の割合などの条件をクリアすることで、法律的に小屋裏空間(ロフト)であると認定されます。
法律的に小屋裏空間(ロフト)であると認められた場合には、住宅の床面積を算出する際に、ロフトの面積を不算入とすることができます。これは、床面積の数値によって金額が決まる固定資産税が安くなる事に繋がり、節税もできるというメリットにつながります。
2-4.アクセントとなり暮らしを楽しめる
ロフトは、通常の床レベルとは違う高さに床を設けることになりますので、空間としてのアクセントになり得ます。床レベルが違うことで、視覚的には明らかに、違う用途の空間でありながらも、壁がないことで領域的には連続しているような感覚を与えることができるのです。
また、ロフトには通常、空間を分断する壁を設けないことが普通ですが、落下防止のためには、柵または手摺が必要です。この手摺の高さやデザインに変化を付ける事で、空間全体にも面白みを加えることができるでしょう。
2-5.様々な用途で使える
ロフトを作ると、多目的スペースとして使うことができます。例えば、子供の遊び場です。子供は、かくれんぼや秘密基地が大好きです。梯子を上って、みんなから見えないところで遊ぶというのは、刺激があって楽しく過ごすことができるでしょう。
他には、家族のためのシアタールームや、書斎としても活用できるでしょう。集中できる環境でありながら、適度な開放感を味わえるのが魅力ですね。フレキシブルに使いたい場合には、ざっくりとした空間だけを作っておくと、後で対応がしやすいでしょう。
3.ロフトのデメリット
次に、ロフトのデメリットを見てみましょう。デメリットについては、あらかじめ知っておくことで、設計の際に考慮して作ることも可能ですので、まずはどんなことがデメリットになり得るのか、またその対応策としてはどんなものがあるのかを把握しておきましょう。
3-1.天井が低く、歩きにくい
ロフトは法律上に適合させて作る場合は、床面積と天井の高さに制限があります。そのため、背の高い大人などが、立ったまま長時間ロフトで過ごすことは少し難しいと言えます。
でも逆に、低いからこその空間のメリットというものもあります。開放感の代わりに、落ち着きや、おこもり感を味わうための空間づくりを意識すると、ロフトをうまく活用できるのではないでしょうか。そういったことから、座って過ごすことをメインにした空間や、子供のための空間という例が多いとも言えますね。
3-2.将来的に上り下りが大変になることも
ロフトには、ロフトへ上るために梯子または階段が必要です。ただ、階段を設置する場合は階段の面積もロフト面積に含めなければならないため、梯子を設置してロフトの有効面積を優先するという場合が多いのではないでしょうか。
この場合、体が元気なうちはまだいいですが、高齢になって梯子の上り下りが体力的に難しくなる可能性も考えておかなければなりません。もしロフトへの昇降手段を変更したくなった時に、可能なのかどうかということについても、検討が必要でしょう。
3-3.空調が効きにくい
ロフトがある空間というのは、吹抜けを含んだ大きなひとつの空間ということになるので、例えばエアコン一つで効率よく空調を効かせるということは、難しくなってくるでしょう。吹抜け上部にファンを付けたり、窓を適切な箇所に設置して、採光と通風を確保することが必要です。
また、ロフトを作った場合は、小屋裏空間もなくして屋根裏を見せるようなデザインになる事も多いので、外気からの影響を受けやすい作りになるということもあります。その場合は、断熱対策に気を付けるといいでしょう。
4.平屋にロフトを作ることのメリットと注意点
平屋はどうしても人の動きが平面的になってしまいます。もちろんそれ自体「いくつになっても生活がしやすい」という利点をもたらしてはくれます。しかし、収納や寝室など生活感が透けて見える部屋も同じ高さにあり、それらを視界に入れたくない、という願いを持っていらっしゃる方もおられるはずです。
また、土地の価格が安い地方でもない限り、平屋は床面積が狭くなりがちです。このことから収納スペースが広く取りづらい側面は否めません。そのようなとき、ロフトは大きなメリットをもたらしてくれます。
そもそも、平屋は2階建て・3階建てよりも天井の面積は広くなる傾向があります。これを活用しない手はありません。実際、同じ広さの床面積の平屋にロフトを設けるとき、同等の床面積で2階を作るときと比較すると、最大で約3割のコストダウンが狙えます。
しかしながら、先にも触れたとおり、「どう使うのか」「安全に使うための工夫は」という点からしっかり検討しなければなりません。ことによっては最終的に無用の長物となってしまうことも否定できないだけに、平屋では、ロフトを必須のスペースとして考えるのは多少無理がでてくるかもしれません。
5.おしゃれな平屋+ロフトの家を実現するポイント
おしゃれな平屋+ロフトというテーマで、実例をご紹介します。魅力的なデザイン例や空間が沢山ありますので、是非参考にしてみてくださいね。
5-1.しっかりとした階段でシニア世代も安心のロフト
2人姉妹で暮らすための平屋を建てたこちらの住まいは、現在すでにシニア世代のお2人が暮らすという条件のため、基本的には全て1階で生活がまかなえるように計画されています。
毎日の暮らしは、1階で完了しつつも、プラスアルファの空間としてロフトを作っています。このロフト空間を、来客時の客間として使うこともできるでしょうし、1人になりたい時のおこもり空間として活用もできますね。
5-2.ロフトがあれば高い位置の本も手に取りやすい
ロフトを活用した大空間には、壁一面に窓が設置されているのでとても明るい空間です。LDKは一室空間ですが、リビングが一段下がって設置されていて、落ち着いた雰囲気を演出しています。
ロフトもそうですが、壁を作らずに空間の仕切りを視覚的に感じさせるためには、床レベルに変化を持たせるのも一つの方法です。また壁一面に棚が配置され、本や小物を飾っていますが、ロフトに上がることですべての棚にアクセスすることが可能となっています。
5-3.子供部屋が狭くてもロフトでゆとりが生まれる
ロフトのメリットの一つとして、空間の有効活用というものがありました。子供部屋は大きく作る必要がないという意見もありますが、もし小さくしか作れなかった場合でも、ロフトを活用することでプラスアルファの空間を作ることが可能です。
こちらの事例も、子供部屋は4.5畳しかありませんが、ロフトを作ったことで荷物を置いたり、ベッドのように使ってみたりと、空間の使い方の幅が広がりますね。子供が複数人いる場合も、ロフトはいい遊び場所になりそうです。
6.ロフトを子供部屋にすることのメリットと注意点
ロフトを子供部屋にしたい、という考えをお持ちの方も少なからずいらっしゃることでしょう。実際、はしごを昇り降りするロフトは、「秘密基地」のような印象からか、とても喜んでくれるお子さんも多いようです。
また、親御さんとしても、完全に仕切られた個室でない分、ロフトを設けたリビングや廊下からお子さんが今何をしているのかを感じながら生活できますので、安心感も持てます。
しかしながら、ロフトは屋根に一番近い場所であることを思い出してください。特に夏場、照りつける太陽の熱をまともに受け止めてしまうロフトは、リビングなどから立ち上る熱い空気とあいまって「とても眠れる場所ではなくなる」可能性が高まってしまいます。
そのため、断熱材を施すこと、空気のとおりを良くする工夫をすること、エアコンをつけることなど総合的に検討をしなければなりません。
そもそも子供部屋として使うことを想定しているのであれば、当然のことながらコンセント設置が必要です。収納・勉強机などもロフトの高さや広さに合ったものを準備しなければなりません。
また、遊びに夢中になったり、就寝中に寝返りを打ったりしたときにロフトから落ちてしまわないよう、ほどよい高さの仕切り壁を設けることは必須です。
7.ロフトはしご・ロフト階段が「ロフト生活」を安全・快適にしてくれる
基本的にモノを収納するためのスペースとして考えられているロフトですが、床面積に算入しないようにするため、「ロフトへかけるはしごは固定されていてはならない」という条件を満たす必要があります。
とはいえ、通常のはしごでは、モノを上げ下ろしする際に不安定でケガをしてしまう可能性は否めません。また、子供部屋としての利用を想定している場合、お子さんがケガや病気をしているとき、安全に利用することは困難でしょう。
はしごは、ロフトの使い勝手に直結することは明らかです。この問題を低減してくれるのが「ロフト階段」です。
ロフト階段にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴を備えています。
7-1.ロフト専用はしご
ベーシックなロフト専用はしごは、ロフトの高さに合わせてセミオーダーできます。集成材の種類/サイズ/加工/塗装を自由に組み合わせ、基本的なスタイルながらも好みを反映させることができます。
中には木材のみならず、アルミやスチールのロフトはしごを製造しているメーカーもあります。軽量で丈夫なこれらの金属製はしごは、かけるないしは移動するのがとてもラクで安心です。ステップ部分の金属の滑りが気になる場合、ステップ部のみ木材で作ってくれる会社もあります。
7-2.収納階段
「ロフトへかけるはしごは固定されていてはならない」のがロフトの条件とはいえ、やはり昇降時の安全性を考えると一般的な階段が望ましいと考える方も多くいらっしゃるはずです。そのようなときに検討したいのが「収納階段」です。
テレビの古民家特集などで階段箪笥を見たことがあるでしょうか。箪笥の機能を持ちながら、同時に2階へのアクセスに使用する階段にもなっているものです。それと同様の収納階段がロフトに利用できるときがあります。
クローゼット・収納ボックスを組み合わせ階段状にしてあるこのロフト用収納階段は、「固定」ではなく「設置」ですので、ロフトの要件を満たすと認められることが少なくありません。
これならば、より安定した昇降ができると同時に、階段下のスペースを有効活用することができます。収納の組み合わせによってロフトまでの高さを調節することも可能です。
7-3.左右のステップを交互に組み合わせた階段
基本的なロフト用はしごの問題点である「角度が急」「ステップ部分の踏面(ふみづら=足を乗せる面の奥行き)が狭く怖い」という問題点をクリアするため、ステップを右脚用・左足用に分け、交互に組み合わせたものがあります。左右に分割することで、ごくふつうの階段を上るような高さ・踏面サイズを確保できます。
このタイプには、必要なときだけ引き出す折りたたみのものも存在します。ロフトを収納スペースとして活用するとき、常にはしごないしは階段があるのが邪魔、というときに、折りたたみのものが活躍してくれることでしょう。
8.ロフトをより広く使うためのポイント
ロフトは、天井高を1.4メートル以内に収めなければなりません。1階ないしは2階部分の高さを確保しながら、ロフト部分の高さを確保するためには、天井の一番高い位置にロフトを設置する工夫をしなければなりません。
片流れ屋根であれば大方の場合北側となるでしょう。切妻屋根であれば、家の中心部分、つまり概ねの場合リビングダイニングそばとなるはずです。
最大で1.4メートルしか高さを確保できない分、横に広いロフトを検討してみるのも一案です。建築基準法では「面積はロフト部分直下階の8分の1まで」ロフトにすることが可能ですので、他の部屋と干渉しない限り横に広げてみるのはいかがでしょう。
また、ご自身で家具を用意するのではなく、そのロフトスペースの“ジャストサイズ”のつくり付け家具(勉強机や棚)を製作してもらうことで、よりすっきりと快適なロフトが完成します。
9.目的に合ったデザインにするための、6つの実例集
ロフトの活用の仕方は様々。お子さんがロフトを使うのであれば、手すりなどの安全面を考慮する必要がありますし、シニア世代が使うのであれば、階段は上り下りしやすいデザインにするなど、使う人によっても変わってきます。
もし、空間があるからとなんとなくロフトを作ってしまうと、デザインによっては使いにくい空間になってしまい、結局はあまり使わないなんてことも。無駄に費用がかかるのであれば、別のところに予算を使ったほうが有効ですよね。
そこで、目的によってどんなロフトのデザインがあるのか、その実例をご紹介しましょう。
9-1.子どもが遊べるプレイルームとして
お子さんが小さい頃は、いきなり個室を与えるよりも、リビングルームから目や声が届く場所にプレイルームなどを設けるのが理想です。おもちゃをリビングルームに置くご家庭も見られますが、お子さん専用スペースをロフトなどに設けて、片付けを習慣づけさせることは、子育てにおいてもメリットがあります。
おもちゃや絵本などを低めの棚に収納し、ラグなどを敷いて自由に遊べるスペースがちょっとでもあれば、そこが立派な遊び場に。ロフトは1.4mと高さ制限がありますが、小さなお子さんであれば、問題なく自由に動き回ることができますね。
しかし、将来的にはそれぞれの個室を使いはじめる時期がきますので、臨機応変に使えるデザインにしておくことも大切です。たとえば、お絵かきや宿題ができるテーブルを造作家具で作っておけば、いずれはお父さんの書斎や、家族の読書スペースなどとして使い続けることができます。
9-2.一人時間を過ごすための、静かな書斎空間に
リモートワークがニューノーマルになりつつありますが、これからの家づくりでは、静かに仕事ができる場所を確保することも大事なポイント。そこで、ワークスペースとしてロフトを活用してみるのもおすすめです。
こちらのお宅では、ロフト内に掘りごたつタイプのカウンターデスクを設置。高さ制限のあるロフトでも、このようなデザインにすることで、頭上まわりにも空間に余裕が生まれます。
また、床部分をあえて畳敷きにして、仕事に疲れたらゴロンと昼寝ができるのもいいですね。さらにワークスペースとして活用するのであれば、陽光が確保できる窓を設けると、昼間でも明るい空間になります。
9-3.ロフト下は運動や読書スペースとして活用
階段上のロフト部分だけでなく、その下の活用方法にも注目してみましょう。こちらのお宅のロフト下は、リビングルームよりも床が一段低くなっていて、ちょっとしたフリーススペースのようになっています。造作した家具を設置して、本棚として使ったり、ベンチ代わりにしたり、ときにはアートスペースとしても活用してもいいでしょう。
ユニークなのが、ロフトへ上がる階段を活用した雲梯。お子さんの遊び場として、また家族が軽く運動するのにも活用できそうです。
9-4.家族が自由に使える、図書ルーム
読書が好きなご家族なら、本がたっぷり収納できる本棚をロフトに集中させ、家族だけの図書ルームにしてみるのはどうでしょう。天井までの高さに合わせた本棚さえ作れば、本を探して読書をする動作は、高さのないロフトでも十分にすることができます。
本が読めるちょっとしたスペースさえあれば、そこで読書に集中することもできますね。図書ルームとして使う場合は、窓を設けて空間を明るくするのがおすすめです。
9-5.ラグやクッションを敷いて、癒しの空間に
階段を上がって、すぐにゴロンと横になれる、くつろぎのスペースにするのもいいでしょう。家事の合間にちょっと休憩したり、お子さんと一緒に軽く昼寝をすることもできます。急な来客があっても、ロフトスペースは下からは見えないので、そのままの状態にしておけるのもポイントです。
こちらのお宅のようにラグを敷き、クッションやローテーブルを置いて、家族がゴロゴロできるプライベートな場所に。天井が低いことで、“おこもり感”があり、かえってリラックスできる効果もあります。
9-6.子ども部屋を有効活用するためのロフト
子ども部屋にロフトを設けるご家庭も多いですね。ロフト部分を寝室代わりにすれば、ベッドの分をより広く使うこともできます。狭小住宅でも、ロフトは空間の有効活用に使われるアイデアです。
こちらのお宅のように、将来的には部屋を二つに分ける場合は、梯子も2つ設置しておくといいでしょう。また、ロフトにエアコンやコンセントを備えたり、窓を設けて明るい空間にすれば、それだけ使い勝手もよくなります。
10.ロフトを設置する際の費用の相場
ロフトを作るには、床、落下防止の柵、ロフトに登る為の昇降設備、空間の仕上げ材、窓、造作家具、等が必要になります。一般的な相場としては、ロフトを設置するための費用として、一畳当たり5万円から10万円と言われています。ということは、4畳程度のロフトで20万円から40万円ほどの費用が必要ということになりますね。平屋から2階建てにすることを考えれば、場合によっては、ロフトでリーズナブルに対応することも考えられそうですね。
11.ロフトの設置費用をなるべく抑える、3つのコツ
予算はあまりかけられないけど、ロフトスペースを設けたいという場合は、いくつか工夫できるポイントがあります。
一つ目は、使用する木材や壁紙などの素材を手ごろなものにすること。オープンな空間ではなく、リビング側からロフト内があまり見えないような作りだったり、収納場所として設置するロフトであれば、他の部屋より少しランクを落とした素材を選ぶというのも手です。すべてにこだわってしまうと、それだけ費用もかかりますが、かけるところと抑えるところにメリハリをつけることも大切です。
二つ目に、設置する家具やはしごの選び方によっても、予算を抑えることができます。ロフトへ上がるはしごをオーダーのものにせず、セミオーダーできるロフト専用はしごにすると、あらかじめ費用がわかりやすいでしょう。また、ロフトに設置する本棚などを造作せず、既製品でサイズが合うものを探すことでも、だいぶ費用は抑えられます。
三つ目には、単純にロフトの面積を小さくすれば、それだけ費用をかけずにロフトを実現できます。小さいながらも、ちょっとしたロフトスペースが家の中にあるだけで、家族にとってはいろいろな楽しみ方が見つけられるはずです。
12.実用的なロフトのある家を実現するためには
ロフトは、建築基準法に則ってつくれば、1つの階としてカウントされないというメリットがあります。そのうえ、生活感を見せない部屋作り・収納作りができますし、リビングダイニングなどにメリハリが生まれ、楽しげな空間作りをすることもできます。
しかしながら、単なる「物置き」になり、最後には全く使えなくなってしまうケースも散見されますので、事前に使いやすさを充分に検討しておかなければなりません。
ロフトのデザインを考えるうえでの注意点は、ロフトは年月とともに、その目的が変わっていくこと。その場合は、「今はこう使いたいけど、将来的にはこう使いたい」という未来予想図を立てて、それを設計士さんに伝えられるとベストです。
また、ロフトのように壁のない空間を作ることで耐震性を気にする方もいらっしゃるかもしれませんが、耐震構法であるSE構法を選択することでご安心いただけると思います。
まとめ
今回は、ロフトについて見てきました。ロフトでの過ごし方のバリエーションや、ロフトがある事によって暮らしがどう豊かになるのか、また、ロフトを作る際に気を付けておいた方がいいことなど、盛りだくさんの内容をお伝えしました。
通常の平屋や2階建ての住宅では味わえない、プラスアルファの暮らしをおしゃれに楽しみたい方は、ロフトを作ることを是非検討してみてください。ご紹介した事例以外にも、重量木骨の家のサイトにはたくさんのロフトの事例があります。是非、見てみてくださいね。