MENU
デザイン・性能・保証に優れた重量木骨の家とは?

小上がりの和室をつくりたい!メリット&デメリットや押さえておくポイントは?

更新日:2025.5.21 作成日:2024.4.24
小上がり 畳
小上がりの和室は、日本の伝統的な風情を取り入れたおしゃれな空間と言えます。一段高くなった畳のスペースは、和の趣きを感じさせるだけでなく、家族や友人とくつろぐのに最適な場所でもあります。そして、小上がりを設置する際には、いくつかのポイントに注意する必要もあります。畳を敷くという以外に、どのようなポイントを押さえるといいか見てみましょう。


畳の小上がりとは


伸びやかなリビングの畳の小上がり
畳の小上がりは、一般的に床面よりも高くなったスペースを指します。畳が敷かれた小上がりの和室は、日本の伝統的な生活文化の一つであり、畳の香りや柔らかな触り心地が和の雰囲気を醸し出します。畳の小上がりは、リビングの一部として設置されることが多く、段差があることで、平坦な間取りに比べて空間の変化を感じられるようになります。また、季節の行事の際や、来客時の客間として利用する際にも活躍するでしょう。


畳の小上がりのメリット



段差を床下収納のように利用できる

キッズスペースにもなる畳の小上がり
小上がりの畳の床下空間は、収納スペースとして有効に活用できます。段差の部分に、引き出しを配置することで、衣類や布団、書類など、様々なものを収納できるでしょう。小上がりを床下収納として利用することで、ものが散らからないスッキリとした空間をキープできます。


段差を腰掛けにしてくつろげる

モダンな印象の畳の小上がり
小上がりの段差は、気軽に腰かける場所としても活用できます。通常の和室の場合は、フラットな畳の面に腰を下ろすので、立ったり座ったりという動作を大変に感じることもあるでしょう。その点、ベンチのように使える小上がりは、腰掛けやすいので、便利に使えます。また、床に座っている場合に比べて視線が高くなりますので、キッチンやリビングで過ごす人との視線が合いやすく、コミュニケーションも取りやすいでしょう。


空間のアクセントになる

自然光の入る明るい畳の小上がり
小上がりは、部屋全体のデザインや雰囲気を引き立てるアクセントとなります。和の風情を演出し、空間に奥行きと立体感を与えます。また、小上がりのインテリアにも気を配ることで、純和風や和モダンなどの好みの空間を表現できるでしょう。その際、LDK全体の雰囲気を壊さないように、トータルで考えることが重要です。


多目的スペースとして活用できる

温かみを感じる小上がり
小上がりの和室は、シーンに応じて多目的に活用できる空間です。洗濯物を畳む・オムツ替えやお昼寝スペースにするなど家事・育児にも便利ですし、ゲストルームやデスクスペースにしてもよいでしょう。段差を利用してベッドのように使用すると起き上がりやすくなるので、将来的な寝室としてもおすすめ。ライフスタイルや家族構成の変化に応じて柔軟に活用できるのは嬉しいポイントですね。


床のほこりが入りにくい

ほっとひと息つける憩いの小上がり
小上がりは、段差があることで床のほこりやゴミが入りこみにくいという特徴もあります。人が行き来するリビングはどうしてもホコリがたちやすい空間ですが、床面から一段高いことで畳にホコリが付着するのを防ぐことができます。清潔な状態を保ちやすくなるため、通常の和室に比べてお手入れも楽になるでしょう。


畳の小上がりのデメリット


美しいシンプルモダンな小上がり


リビングに圧迫感が出てしまうことも

小上がりがあることで、空間が分断されているように見え、リビング全体が狭く感じられる可能性があります。特に、小上がりの高さや天井の高さ、和室の位置によっては、圧迫感が一層強調されることがあるので注意しましょう。対応策としては、事前に天井と小上がりの高さのバランスを考慮したり、家具と小上がりの配置を検討する、段差の高さをシミュレーションしておくことなどがあるでしょう。


落下や転倒などのリスク

小上がりには段差があり、足を滑らせたり踏み外したりして落下する可能性があります。小さいお子さんのいるご家庭で、小上がりを取り入れる際は、ベビーサークルの設置を検討するといいでしょう。また、小上がりでは、畳に座って過ごしますので、立ち上がる時に足がしびれて、大人でもバランスをくずす可能性もあります。その場合は、座る場所を掘りごたつ形式にするというのも、一つのアイデアかもしれません。


畳の小上がりを設置する際のポイント



小上がりの広さ

落ち着く大きさの畳の小上がり
小上がりの和室の広さとしては、「3畳から4.5畳程度」が一般的といわれています。この広さがあれば、リビングや居間の一部として空間に一体化しつつ、過ごしやすいスペースになるといえます。これより広いと、独立した「和室」というイメージを与えてしまいますし、これより狭いと、人が過ごす空間としては、使い勝手が悪くなってしまうでしょう。


段差の高さ

和モダンの雰囲気のある畳の小上がり
小上がりの和室の段差の高さは、快適性と安全性を考えて慎重に決定する必要があります。まず、快適に腰かけることを考えると、一般的に30〜40cmの高さが適切と言われています。上り下りしやすい快適な段の高さとしては、一般的な階段一段分の段差が20cm程度と言われています。最適な高さは、家族のライフスタイルや個々のニーズによって変わっていきます。上り下りのしやすさと腰掛けやすさ、収納量など、重視したいポイントはどこかを考えてみると、高さも決めやすくなるでしょう。


間仕切りの有無

仕切りのついた畳の小上がり
間仕切りのないオープンタイプの小上がりは、リビングの一部として、開放感があり快適に利用できますが、プライバシーの確保が難しいと言えます。間仕切り扉を設置すると、プライバシーは確保できますが、扉を閉めるとリビングに圧迫感を与えてしまう可能性もあります。小上がりをどのような場面で使いたいのか、事前によく考えてから計画するようにしましょう。


天井高とのバランス

畳の下が引き出し収納になる小上がり
小上がりをつくる際に注意したいのが、天井の高さと家主の身長とのバランスです。床が上がる分、身長によっては圧迫感を感じることもあるため、全体の空間設計がポイントになります。狭い空間の方が落ち着ける場合も考えられるので、家族みんなの使用シーンを想像し、各々の価値観を尊重しながら高さを検討してみてください。


収納の高さと広さ

開放感いっぱいの小上がり
小上がりの下を収納にする場合、高さや広さはしっかり確認しておきたいポイントとなります。収納サイズが合わなければ使いにくくなり、収納したいものを入れられずに活用しなくなることも。収納にも引き出しタイプや跳ね上げタイプなど種類があるため、使用目的や頻度などを考慮してサイズやタイプを決めるようにしましょう。


家具の配置

リビングとつながる畳の小上がり
小上がりは限られた空間なので、家具の配置には少し工夫が必要です。ソファなどは大きい物だと圧迫感を感じやすいため、小さめサイズを複数置くなどした方がよいかもしれません。また、天井高の関係からチェストなど背の高い家具は配置が難しいこともあるでしょう。ピアノなどの重い家具も畳に跡が残る可能性があるため注意が必要です。


庭やウッドデッキとの繋がり

温もりと明るさ広がる小上がり
小上がりを庭とつなげると、広がりを感じられる伸びやかな空間になります。しかし外との高低差が生まれてしまうため、ウッドデッキを設置するなど、小上がりと庭をスムーズに繋ぐ工夫が必要です。小上がり和室とウッドデッキを繋げれば、出入りもしやすくなり、気軽に外部空間を楽しめるようになるでしょう。


小上がり和室のある間取り実例5選



階段踊り場を小上がりにすれば活動スペースに

スタディスペースにもなる小上がり
こちらは、リビング階段の踊り場部分を有効活用した小上がりスペース。座ってお絵描きや読書、勉強がしやすいように、掘りごたつ式のカウンターデスクを設けています。踊り場を活用したことで小上がりの段差もリビングに上手に馴染み、圧迫感を感じにくい見事なバランス。元々ある段差を利用するというのも、小上がりの一つのアイデアですね。


緩やかに繋がる小上がりのあるリビング

スッキリシンプルな小上がり
こちらは、広々としたLDKと緩やかに繋がり、暮らしの中に心地よい変化を生み出している小上がりです。段差を低めに設計したことで、圧迫感を軽減し出入りもしやすい造りに。ゴロンと昼寝したり、子どもが遊んだりと、使い方も自由自在です。畳の色やデザインにもこだわり、LDKの雰囲気にマッチした空間になっています。


キッチン前の小上がりはキッズスペースに最適

子供も大人も快適に安心して過ごせる小上がり
キッチンの目の前に設けた小上がり。家事をしながら子どもの様子を見守ることができるため、キッズスペースとして大活躍しています。畳はフローリングに比べて柔らかいため、小さなお子様でも安心して自由に遊ばせることができるでしょう。おもちゃを小上がりに集めておくことで、LDKに散乱する心配も少なくなりますね。


2階の小上がりは開放感とプライベート感を両立

心のゆとりを生む落ち着く小上がり
こちらの事例では、2階吹き抜け廊下の一角に小上がりを配置しています。目の前には大開口の窓が広がり、とても明るく開放感あふれる空間です。普段はセカンドリビングと一体化していますが、間のガラス戸を閉めることで緩やかに仕切ることができ、プライベート感も生まれます。小上がりのロールスクリーンを閉めれば個室にもなり、来客用の宿泊室としても活用できます。


小上がりを階段下に設けて空間を有効活用

おしゃれな空間の小上がり
階段下というデッドスペースを活かして設けられた小上がりは、省スペースながらも機能性の高いスペースに仕上がりました。紺色のアクセントクロスで周囲と上手にコントラストをつけて奥行きを感じさせる印象的な空間に。掘りごたつ風に座れるように小上がりのサイズを調整したことで、集中できるデスクスペースとくつろぎ空間とを兼ね備えています。


まとめ

小上がりは、部屋全体の広々とした印象を損なうことなく、気軽に和の空間を取り入れることができます。独立した本格的な和室を作るのは、ハードルが高いと感じている方にもおすすめできるのが、小上がりの畳スペースです。まずは、豊富な実例から、好みのデザインを見つけてみてはいかがでしょうか。

畳の小上がり 施工例

茶室とは?間取りに取り入れる基本ルールとポイントをご紹介

最新の特集はこちら

特集一覧はこちら